概要情報
事件名 |
トヨタ自動車外1社 |
事件番号 |
中労委平成18年(不再)第53号 |
再審査申立人 |
全日本造船機械労働組合関東地方協議会神奈川地域労働組合 |
再審査被申立人 |
トヨタ自動車株式会社、三井物産株式会社 |
命令年月日 |
平成18年12月6日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
1 本件は、(1)トヨタ自動車が、フィリピン共和国内においてフィリピントヨタ自動車(「TMPC」)がフィリピントヨタ労働組合(「TMPCWA」)を労働組合として承認しない事態を放置していること、及びTMPCWAの組合員の解雇問題についてTMPCWAが加盟した全造船神奈川労組と協議しないこと、(2)トヨタ自動車及び三井物産が、上記解雇問題等についての全造船神奈川労組の団体交渉申入れを拒否したことが不当労働行為であるとして、全造船神奈川労組が神奈川県労委に救済申立てを行った事件である。 2 神奈川県労委は、本件救済申立てを却下したところ、全造船神奈川労組は、これを不服として、初審決定の取消し及び請求どおりの救済を求めて、再審査を申し立てた。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
本件初審申立て及び再審査申立てによれば、再審査申立人が不当労働行為であるとするのは、フィリピン共和国内に所在する企業であるTMPCと、同企業に雇用される労働者が同国内において組織した労働団体であるTMPCWAとの間の、同国内での労使関係において生じているTMPCWAの労働組合としての承認及び同団体の組合員の解雇等を巡る紛争に係るものである。すなわち、本件は、フィリピン共和国内で営まれるTMPCとその労働者間の労働関係を基礎に同国内において存在しているTMPCとTMPCWA間の労使関係から生じた紛争について、TMPCWAが日本国内に所在する労働組合(全造船神奈川労組)に加盟し、同組合が、当該労使関係における使用者であるTMPCの労働者の「労働条件について実質的に重大な影響力を及ぼしている」と主張する日本国内の企業(トヨタ自動車及び三井物産)に対し当該紛争に関する対応を求め、団体交渉を申し入れたものである。我が国の労働組合法は、我が国に存在する労使関係に適用されると解されるところ、上記のように本件救済申立ては、我が国の国内の労働組合が国内の企業を相手に申し立ててはいるが、本件救済申立ての内容は、国外の労使関係において生じている労使紛争について、国内の労働組合が当該紛争への関わりをもって、当該紛争に関係すると主張する国内の企業に対し交渉と対応を求めるものであるから、我が国の労働組合法を適用すべき労使関係に関する申立てとは認め難い。したがって、労働委員会としては、本件の不当労働行為救済申立てを審査する権限を有せず、本件救済申立ては不適法なものであり、これを労働委員会規則第33条に基づき却下した初審決定は相当である。 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集136集《18年9月~12月》1258頁 |