概要情報
事件名 |
京都市 |
事件番号 |
京都府労委平成16年(不)第2号
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申立人 |
X1 |
被申立人 |
京都市 |
命令年月日 |
平成17年 7月29日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、申立人個人が、京都市交通局の施設部車両工場において主事として勤務していたところ、自動車部洛西営業所の庶務課長への昇任(本件異動)を命じられ、その結果、組合の組合員資格を失い、組合の支部長も辞任せざるを得なくなったため、本件異動は不当労働行為であるとして、争われた事件である。
京都府労委は、旧事件(京都地労委平成11年(不)第6号事件)で労組法第7条第3号に係る救済申立てを却下した部分が、その後上告による最高裁判決により、取り消されたため、同判決に従い、申立人の労組法第7条第3号の支配介入に係る救済申立てについて、審査を再開し、同部分に係る救済申立てを棄却した。
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命令主文 |
申立人の労働組合法第7条第3号の支配介入に係る救済申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
3106 その他の行為
① 労組法第7条第3号の支配介入を構成する使用者の行為は、ある具体的な態様で労働組合の運営や活動を妨害しようとしたり、労働組合の自主的決定に干渉しようとする行為と評価される行為であると解されるから、これらの具体的な行為をする使用者の意思が問題とならざるをえず、少なくとも、本件のように係長への昇任すなわち本来使用者がその権限により裁量をもって行いうる行為については支配介入の意思は労組法第7条第3号の要件となると解するのが相当とされた例。
② 組合の支部長であった申立人X1を鉄道車両の整備業務からバス営業所の庶務係長へ昇任させたことは、組織の活性化を図る目的を有する業務上の必要性がないとはいえず、X1はその能力から係長として適任と評価して人選されており、昇任のルールや慣行から逸脱したものとはいえず、組合内におけるX1の活動に影響を与えることを企図したものとも認められないことからすると、労組法第7条第3号の不当労働行為に当たらないとされた例。
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業種・規模 |
地方公務(市町村機関) |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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