概要情報
		
			
				| 事件名  | 
				西日本旅客鉄道(福知山脱退勧奨)  | 
			
			
				| 事件番号  | 
				
		
				中労委 平成 8年(不再)第22号  
		
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				| 再審査申立人  | 
				ジェーアール西日本労働組合  | 
			
		
			
				| 再審査申立人  | 
				ジェーアール西日本労働組合福知山地方本部  | 
			
		
			
				| 再審査被申立人  | 
				西日本旅客鉄道株式会社  | 
			
			
				| 命令年月日  | 
				平成16年10月 6日  | 
			
			
				| 命令区分  | 
				一部変更(初審命令を一部取消し)  | 
			
			
				| 重要度  | 
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				| 事件概要  | 
				本件は、会社が、管理職や助役をして、組合の支部執行委員長ら支部組合員に対し、組合からの脱退を慫慂したこと、支部執行委員長に対し、組合役員を辞任するよう慫慂したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、大阪地労委は、本件救済申立てを棄却した。組合は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、助役が組合員に対し、組合からの脱退を慫慂したこと、及び支部執行委員長に対し、役員辞任を慫慂したことは、組合に対する会社の支配介入であり、会社に、上記行為の禁止とこのことに係る文書手交を命じ、その余の本件再審査申立ては棄却した。  | 
			
			
				| 命令主文  | 
				Ⅰ 本件初審命令主文を次のとおり変更する。  1 再審査被申立人は、再審査申立人ジェーアール西日本労働組合福知山地方本部の福知山支部の組合員に対し、再審査申立人からの脱退を慫慂することにより、再審査申立人らの組合の運営に支配介入してはならない。  2 再審査被申立人は、再審査申立人ジェーアール西日本労働組合福知山地方本部の福知山支部役員に対し、役員辞任を慫慂することにより、再審査申立人らの組合の運営に支配介入してはならない。  3 再審査被申立人は、再審査申立人らに対し、本命令受領後、速やかに下記文書を手交しなければならない。                記                     平成 年 月 日   ジェーアール西日本労働組合   中央執行委員長 X1 殿   ジェーアール西日本労働組合福知山地方本部   執行委員長   X2 殿                      西日本旅客鉄道株式会社                      代表取締役社長 Y1    当社福知山支社福知山運転所検修助役が、(1)ジェーアール西日本労働組合福知山地方本部の福知山支部の組合員に対し、貴組合からの脱退を慫慂したこと、(2)同福知山地方本部の福知山支部執行委員に対し、役員の辞任を慫慂したことは、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると中央労働委員会によって認定されました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。  4 その余の本件救済申立てを棄却する。 Ⅱ その余の本件再審査申立てを棄却する。  | 
			
			
				| 判定の要旨  | 
				
			
			
				
					
					2610 職制上の地位にある者の言動
					 
				
					
					2620 反組合的言動
					 
				
					
					2623 脱退届け作成・提出強要
					 
				
					
					2625 非組合員化の言動
					 
				
				Y2助役が支部委員長X3に対し、「新しい組合へ行って、委員長をやれ。現組合にいたのでは仕事がとれない。現組合の組織率が高すぎる。」旨述べたのは、助役としての職制の立場で行ったものと認めるのが相当であること、12.24署名に係る助役の行為は、署名の提案を受けた十数名の主任全員が組合に所属していたことからすると、検修助役という職制上の地位を利用して主任に署名活動を行なわせたとみるのが相当であること、料理屋での会談は、会社と緊張関係にあった組合の組合員が検修職場では高い比率を占めることについての会社の考え方を、支社長から直接支部委員長に伝える場として、運転所長了解の下、Y2助役が利用したとみるのが相当であること、企業増収グループの会議において、Y2は組合員に対して、組合脱退届、自らが加入する別組合の加入届及び組合費引き去り依頼書に署名、捺印させたこと等は、組合を脱退しない場合、人事異動における不利益扱いを示唆したことからすれば、職制上の地位を利用してなされたものとみることが相当であるから、これらY2の行なった脱退慫慂は、職制上の地位を利用し、会社の意を体して行ったものとみることができる、組合の運営に支配介入する不当労働行為であると認めるのが相当であるとされた例。
  
			
				
					
					2610 職制上の地位にある者の言動
					 
				
					
					2621 個別的示唆・説得・非難等
					 
				
					
					2624 組合人事への干渉
					 
				
					
					2625 非組合員化の言動
					 
				
				Y2助役は、快速電車運転中に事故を起したことから、検修預かりとなっていた支部執行委員X4に対し、検修に配属する辞令を出す条件として、同人が執行委員を辞任すること、1年間どこの組合にも属さないこと、検修一筋で努力することを提示し、これに同人が同意したため、同人を検修で預かる旨を運転所長に述べたことからすると、同所長が、この間における、Y2の行為を暗黙のうちに了解していたとみるべきであり、Y2がX4の組合役員の辞任と組合からの脱退を迫ったことは、職制上の地位を利用し、会社の意を体して行った、組合の運営に支配介入する不当労働行為であると認めるのが相当であるとされた例。
  
			
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				| 業種・規模  | 
				鉄道業  | 
			
			
				| 掲載文献  | 
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				| 評釈等情報  | 
				
			
				中央労働時報 2005年 1月10日 1036号 26頁  
			
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