概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(鶴見駅) |
事件番号 |
中労委 平成 6年(不再)第42号
中労委 平成 6年(不再)第43号
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再審査申立人 |
国鉄労働組合東京地本本部横浜支部 |
再審査申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
再審査申立人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
再審査申立人 |
国鉄労働組合東日本本部 |
再審査被申立人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
再審査被申立人 |
国鉄労働組合 |
命令年月日 |
平成15年 6月 4日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は会社が平成2年7月1日付で組合東京地方本部横浜支部鶴見駅分会所属の副分会長X1を鶴見駅から第二ペンディング事業所に、同分会書記長X2を鶴見駅から大森駅にそれぞれ配置転換したこと、平成3年2月9日付で同分会書記長のX3を鶴見駅から第一ペンディング事業所に配置転換したこと、及び平成2年11月17日付で同分会教宣部長X4を、Y1首席助役に対する暴行行為を理由に懲戒解雇処分に付したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、(1)配置転換された3名のうちX1及びX3の原職又は原職相当職への復帰、(2)X4に対する懲戒解雇処分をしなかったものとして取り扱い解雇前の業務に就労させること及びバック・ペイ、(3)鶴見駅分会所属の組合員の配置に関するの禁止及び(1)(2)についての文書手交を命じ、その余の申立ては棄却したところ、これを不服として、会社及び組合外3名は、それぞれ再審査を申し立てた。 |
命令主文 |
Ⅰ 初審命令主文第2項を次のとおり変更する。 1 東日本旅客鉄道株式会社は、国鉄労働組合所属の組合員X4に対して行った平成2年11月 17日付懲戒解雇処分がなかったものとして取り扱い同人を」原職に復帰させなければならな い。 2 東日本旅客鉄道株式会社は、X4に対し、平成2年11月18日から本件初審命令交付の日ま での間については、同人が受けるはずであった賃金相当額の半額を、また、その翌日から前 項の原職に復帰させた日までの間については、同人が受けるはずであった賃金相当額をそれ ぞれ支払わなければならない。 Ⅱ 初審命令主文第3項を第4項とし、第4項を第5項とし、第5項を第6項とする。 Ⅲ その余の本件各再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
1602 精神・生活上の不利益
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
X1及びX3の本件配転については、会社は、従前から組合を敵視しており、組合の重要拠点であった鶴見駅において、組合と別組合の組合員数が拮抗している状況のもとで、組合及び鶴見駅分会を弱体化させる意図のもとに、同分会の役員として組合活動において中心的な役割を果たしていたX1及びX3に対し、同人らの接客態度や上司とのトラブル及びバッジ着用等を口実として、職業生活及び心身面での不利益を伴う職務に配転することにより、同人らに対して不利益な取扱いを行うとともに、鶴見駅分会の運営に支配介入したものと判断でき、これを労働組合法第7条1号及び第3号の不当労働行為に当たるとした初審判断は相当であるとされた例。
4612 P.Nに替えて他の措置を命じた例
X1及びX3の本件配置転換について、組合は、X1及びX3に関する謝罪文の手交と掲示を求めるが、初審のとおり文書手交を命じることで足りるとされた例。
0600 暴力行為
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
3604 労働者に落度がある場合
3700 使用者の認識・嫌悪
X4の本件懲戒解雇については、X4は暴行事件についての相応の責任を問われてもやむを得ないものであるが、本件暴行事件当時、会社は組合及び鶴見駅分会の弱体化を企図していたことが推認され、同人に対する懲戒解雇処分は、同分会の教宣部長として分会機関誌の編集を行うなど組合活動を活発に行ってきた同人をかねてより嫌悪していた会社が、本件暴行事件の発生という機会を捉えて、組合及び鶴見駅分会への弱体化意図に基づき、X4を企業外に排除するため、十分な調査等も尽くさずに最も重い懲戒解雇処分を行ったものと認めるのが相当であり、労働組合法第7条第1号及び第3号の不当労働行為に当たるとされた例。
3604 労働者に落度がある場合
4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
X4に対する本件懲戒解雇処分は、労働組合法第7条1号及び第3号の不当労働行為であるから、これをなかったものとして取り扱うとともに原職への復帰を命じるのが相当であるが、懲戒解雇後における賃金相当額の支払については、X4は本件暴行事件について責任があることは否定できず、相応の措置等を受けてもやむを得なかったことを考えると、本件解雇の翌日から初審命令交付の日までの間のバック・ペイは受けるべきはずであった賃金相当額の半額に変更するのが相当であるとされた例。
4612 P.Nに替えて他の措置を命じた例
X4の本件懲戒解雇について、組合は、X4に関する陳謝文の手交と掲示を求めているが、初審のとおり文書手交を命じることで足りるとされた例。
1300 転勤・配転
X5の配置転換については、組合活動を理由とする不利益取扱いや組合運営に対する支配介入と認めることはできないとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集126集855頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2003年9月10日 1017号 12頁 
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