概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(鶴見駅) |
事件番号 |
神奈川地労委 平成 3年(不)第10号
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申立人 |
国鉄労働組合東日本本部 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部ほか2ヶ所 |
申立人 |
国鉄労働組合 |
被申立人 |
東日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 6年11月30日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、(1)国労鶴見駅分会に所属する組合員X1ら3名を鶴見駅改札業務から東京第一・第二ベンディング事業所等へ配転したこと、(2)組合員X2を首席助役への暴行事件を理由に懲戒解雇処分に付したことが不当労働行為として争われた事件である。 神奈川地労委は、(1)組合員3名のうちX1ら2名の原職又は原職相当職への復帰、(2)組合員X2の解雇処分がなかったものとして取扱い、解雇前の業務に就労させること及びバック・ペイ、(3)組合員の配置に関する支配介入の禁止及び(1)(2)についての文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人ら組合所属の組合員X1及びX3に対し、次の措置を講じなければな らない。 (1)X1に対する平成2年7月1日付け東京第二ベンディング事業所は原職相当職に復帰さ せること。 (2)X3に対する平成3年2月9日付け東京第一ベンディング事業所事業係への配置転換命 令がなかったものとして取り扱い、同人を原職又は原職相当職に復帰させること。 2 被申立人は、申立人ら組合所属の組合員X2に対し、同人に対する平成2年11月17日付懲 戒解雇処分がなかったものとして取り扱い、次の措置を講じなければならない。 (1)X2を解雇前の業務に就労させること。 (2)平成2年11月18日から解雇前の業務に就労するまでの間にX2が受けるはずであった賃 金相当額を支払うこと。 3 被申立人は、申立人国鉄労働組合東京地方本部横浜支部鶴見駅分会所属の組合員の配置に 関し、他の従業員と差別することによって、申立人ら組合の運営に支配介入してはならな い。 4 被申立人は、本命令後、速やかに下記の文書を申立人らに手交しなければならない。 記 当社が行った貴組合所属の組合員X1に対する平成2年7月1日付け東京第二ベンディン グ事業所事業係への配置転換命令、同X3に対する平成3年2月9日付け東京第一ベンディ ング事業所事業係への配置転換命令及び同X2に対する平成2年11月17日付け懲戒解雇処分 は、神奈川県地方労働委員会において不当労働行為であると認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。 平成 年 月 日 国鉄労働組合 執行委員長 X4 殿 国鉄労働組合東日本本部 執行委員長 X5 殿 国鉄労働組合東京地方本部 執行委員長 X6 殿 国鉄労働組合東京地方本部横浜支部 執行委員長 X7 殿 国鉄労働組合東京地方本部横浜支部鶴見駅分会 執行委員長 X8 殿 東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 5 申立人らのその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
分会長及び書記長に対するベンディング事業所への、組合バッジ着用等を理由とする配転は、不利益性があり、配転理由に相当性がないことなどから、分会を嫌悪した不当労働行為であるとされた例。
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
X9書記長の大森組への配転理由は、同一職場における長期在勤者であり、職場の活性化を図るためであるなど一応の相当性があり、また業務上の不利益はなく、不当労働行為ではないとされた例。
0600 暴力行為
助役に対する暴行を理由とするX10の懲戒解雇は、事件の経緯及びその処分の重さからみて、X10が分会の組合活動の中心的人物として嫌悪していた会社が、本件暴行事件をきっかけに企業外に排除するために行った7条1号の行為であるとされた例。
4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
懲戒解雇の救済方法として解雇前の業務に就労させることを命ずるが、勤務時間中の暴力行為につき何らかの責任を負うべきことは当然であり、命令交付後、公正な方法で再調査の上合理的な処理を行うことに委ねるのが相当とされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集100集439頁 |
評釈等情報 |
 
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