概要情報
		
			
				| 事件名  | 
				電装舎  | 
			
			
				| 事件番号  | 
				
		
				兵庫地労委 平成10年(不)第4号  
		
				兵庫地労委 平成10年(不)第8号  
		
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				| 申立人  | 
				関西合同労働組合  | 
			
		
			
				| 被申立人  | 
				Y2  | 
			
		
			
				| 被申立人  | 
				株式会社 ナベシマ物流  | 
			
			
				| 命令年月日  | 
				平成12年 5月 9日  | 
			
			
				| 命令区分  | 
				一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  | 
			
			
				| 重要度  | 
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				| 事件概要  | 
				本件は、会社及びY1が、従業員X2が組合に加入したことを契機に、(1)配車差別、業務差別を行い歩合給を減額させたこと、(2)(1)に関する団交に誠実に応じなかったこと、(3)脱退勧奨を行ったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、(1)他の従業員に支払われた歩合給の平均額とX2に支払われた歩合給との差額支払い、(2)X2の労働条件に関する団交応諾、(3)脱退勧奨などによる支配介入の禁止、(4)文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。  | 
			
			
				| 命令主文  | 
				1 被申立人株式会社ナベシマ物流及び同Y2は、平成10年5月15日から平  成11年8月31日までの間において、申立人関西合同労働組合組合員X2に  対して行った不利益取扱い(恣意的な配車及びA株式会社の専属業務からの排  除)による歩合給の減額分として当該期間中にX2を除く他の従業員に支払わ  れた歩合給の1人当たり平均額とX2に支払われた歩合給との差額を改めて算  定し、得られた額を連帯してX2に支払わなければならない。 2 被申立人株式会社ナベシマ物流及び同Y2は、申立人関西合同労働組合から  、同組合員X2の労働条件につき団体交渉の申入れがあった場合には、これに  誠実に応じなければならない。 3 被申立人株式会社ナベシマ物流及び同Y2は、申立人関西合同労働組合の組  合員X2に対し、同組合からの脱退を勧奨するなどして同組合の自主的な運営  に支配介入してはならない。 4 被申立人株式会社ナベシマ物流及び同Y2は、本命令書写し交付の日から7  日以内に、申立人関西合同労働組合に対して下記文書を手交しなければならな  い。                  記                            年  月  日                 株式会社ナベシマ物流                  代表者 代表取締役  Y1                             Y2   株式会社ナベシマ物流(旧商号株式会社電装舎)及びY2が、X2氏の貴組  合への加入をもって、恣意的な配車及びA株式会社の専属業務からの排除によ  って同氏の歩合給を減額したこと、同氏を使用開始後2年程度経過した車両か  ら使用開始後9年以上経過した車両に乗り換えさせたこと、貴組合の団体交渉  申入れに対して誠実に応じなかったこと、並びに同氏を貴組合から脱退させよ  うとしたことは、労働組合法第七条第一号、第二号及び第三号に該当する不当  労働行為であると兵庫県地方労働委員会によって認定されました。   よって、かかる行為を行ったことについて謝罪するとともに、今後このよう  な不当労働行為を繰り返さないこと及び誠意をもって貴組合との団体交渉に応  じることを誓約します。 5 その余の申立ては、これを棄却する。  | 
			
			
				| 判定の要旨  | 
				
			
			
				
					
					4916 企業に影響力を持つ者
					 
				
				Y2は、労働契約上の雇主ではないが、一貫して、会社の従業員の労働条件につき、現実的かつ具体的な支配力を有し、これを行使してきたということができ、このことからY2は労働組合法第七条に規定する使用者とするのが妥当であると判断された例。
  
			
				
					
					1302 就業上の差別
					 
				
				会社及びY2がX2に対して恣意的な配車をしたこと、大口取引先であるAの専属業務から同人を排除したこと及び同人を使用開始後2年程度経過した車両から使用開始後9年以上経過した車両に乗り換えさせたことは、X2の組合加入直後に開始されたものであり、これにより同人に支給された歩合給の額が大幅に減少していることが認められるが、その理由がX2の組合加入にあったことをX2への回答のなかで示唆しており、労働組合法第七条第一号に該当する不当労働行為であると判断された例。
  
			
				
					
					2240 説明・説得の程度
					 
				
					
					2249 その他使用者の態度
					 
				
				組合が申し入れたX2の労働条件等に関する団体交渉に対し、Y2は、団体交渉申入書を破り捨てるなど、団体交渉に応じることを頑強に拒否し、会社は、関連資料の提示や説明を行わないなど、誠実交渉義務を果たしていなかったことは明らかであり、これらの対応は、労働組合法第七条第二号に定める不当労働行為に該当するものと判断された例。
  
			
				
					
					2610 職制上の地位にある者の言動
					 
				
				Y2の「仕事がほしければ組合を脱退すればよい」などと述べたこと、また会社代表取締役によるY2の行為を追認する姿勢は、いずれも組合に対する嫌悪の意思に基づき、X2の組合からの脱退を意図して行われたものであって、これが組合の結成及び運営に対する支配介入に当たることは明らかであり、Y2及び会社の行為は、労働組合法第七条第三号に定める不当労働行為に該当するものと判断された例。
  
			
				
					
					2611 その他の従業員の言動
					 
				
					
					2613 使用者と取引関係者の言動
					 
				
				Y2の指揮の下で会社の車両の運行指示(配車)を行っていたことなどY5は会社の労働条件に一定の影響力を有していたことは否定できないが、その身分は別会社の従業員であり、他に同人の言動をもって会社の行為であると認めるに足りる疎明はなく、Y5の言動については組合に対する支配介入とは認められなかった例。
  
			
				
					
					4407 バックペイの支払い方法
					 
				
					
					5007 謝罪・陳謝・誓約文の手交・掲示
					 
				
				組合は、会社の不利益取扱いに対して、X2が当該不利益取扱いを受けた当時従事いていた運送業務になお従事していることを前提とした救済を求めているが、会社は、その運送業務を別会社に譲渡し、審問終結時においては専ら中古自動車の解体等のための作業場建設を行っているにすぎず、運送業務には従事していないことを考慮すると、Y2及び会社には、不利益取扱いが開始された平成10年5月15日から運送業務が別会社に譲渡されたと目される平成11年9月の前月の末である8月31日までの間におけるX2への歩合給の減額分の支払いと、組合に対する謝罪文の手交を命ずるのが相当であると判断された例。
  
			
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				| 業種・規模  | 
				電気業  | 
			
			
				| 掲載文献  | 
				不当労働行為事件命令集117集63頁  | 
			
			
				| 評釈等情報  | 
				
			
				  
			
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