概要情報
事件名 |
日本アイ・ビー・エム |
事件番号 |
中労委平成 6年(不再)第27号
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再審査申立人 |
日本アイ・ビー・エム株式会社 |
再審査被申立人 |
全日本金属情報機器労働組合日本アイビーエム支部 |
再審査被申立人 |
全日本金属情報機器労働組合東京地方本部 |
再審査被申立人 |
全日本金属情報機器労働組合 |
命令年月日 |
平成10年 8月 5日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、組合らが「賃金制度の改善」に関する団体交渉において、賃金制度の公開ないし同制度に関する資料の提示を要求したのに対して、会社が給与レンジ等の必要な資料を提示せず、十分な説明を行わなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 初審東京地労委は、会社の上記対応は労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとして、会社に対し、給与レンジ等の資料を提示し、充分説明をするなどの誠意ある団体交渉の実施及び文書交付等を命じた。 これを不服として会社は再審査を申し立てていたが、中労委は、初審命令を一部変更し、会社に対し、団交において、資料提示に応じられない場合には応じられない理由を誠実に説明するよう命じ、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
Ⅰ 本件初審命令主文を次のとおり変更する。 再審査申立人日本アイ・ビー・エム株式会社(以下「会社」という。)は、再審査被申立人全日本金属情報機器労働組合、同全日本金属情報機器労働組合東京地方本部及び同全日本金属情報機器労働組合日本アイビーエム支部が平成3年10月24日付けで要求した「賃金制度の改善」に関する団体交渉における賃金制度の公開ないし同制度に関する資料の提示の要求について、その要求に応じられない場合には、応じられない理由を誠実に説明しなければならない。 Ⅱ 会社のその余の再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2235 その他組合の態度
2240 説明・説得の程度
2300 賃金・労働時間
労働組合が賃金等労働条件に関し、具体的要求ないし主張をすることなく賃金制度そのものの公開と同制度に関する関係資料の提示を要求した場合においては、会社は、組合の要求する事項の開示や資料の提示にどこまで応じられるかを明らかにすべきであり、また、要求に応じられない場合にはその理由を具体的に説明する必要があり、かつ、それで足りるとされた例。
2240 説明・説得の程度
本件団体交渉における組合の賃金制度の公開ないし同制度に関する資料の提示の要求についての会社の態度は、公開できない事項ないし提示できない資料について、公開ないし提示できない理由を具体的に説明しなかった限りにおいて誠実なものとはいえず、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとされた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
就業時間中の組合活動の取扱いについては、労使の協議が整わないことから会社が事実上これを黙認してきたものと認められ、また、組合事務所の供与に関しても、支部と会社間の交渉によって決定されたものであることなどを勘案すると、これらの取扱いは、労働組合法第2条第2号但書の規定する組合経費の援助の範囲を逸脱しているとまではいえず、支部の労働組合としての自主性が失われているとまではいえないとされた例。
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業種・規模 |
その他の製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集111集407頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1999年4月 952号 24頁 
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