概要情報
事件名 |
モービル石油 |
事件番号 |
大阪地労委平成1年(不)第36号・同47号
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申立人 |
スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合大阪支部連合会モービル大阪支店支部 |
被申立人 |
モービル石油 株式会社 |
被申立人 |
モービル石油 株式会社大阪支店 |
命令年月日 |
平成 6年12月12日 |
命令区分 |
却下・棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が(1)昭和61年3月1日に大阪支店の統廃合を実施したこと、(2)支店統廃合後組合員X1ら4名の業務内容を具体的に明示しなかったり、業務内容を変更したこと、(3)組合員X2及びX3の配転に伴う業務変更に関する団交を拒否したこと等が不当労働行為であるとして争われた事件である。 大阪地労委は、会社大阪支店に対する申立てを却下し、また、(1)、及び(2)(3)等のうち平成元年8月19日の本件申立てより1年前である昭和63年8月18日以前に生じた申立事項について期間徒過を理由に却下し、その余の申立事項については棄却した。 |
命令主文 |
1 申立人の被申立人モービル石油株式会社大阪支店に対する申立ては却下する。 2 申立人の被申立人モービル石油株式会社に対する以下に関する申立ては却下する。 (1)昭和61年3月1日付大阪支店の統廃合 (2)申立人組合員X1、X2、同X4及び同X3に対する業務命令及び業務変更(ただし、 昭和63年8月18日以前のもの) (3)申立人組合員X2及び同X3の昭和63年8月1日付配転に係る団交拒否 3 申立人のその他の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
4905 経営補助者
会社の大阪支店は、会社の構成部分にすぎず、法律上独立した権利義務の帰属主体とは認められないので、同支店に対する申立てが却下された例。
5200 除斥期間
大阪支店統廃合による支部三役の配転についての申立てはすでに申立期間を徒過しており、規則34条1項3号により却下された例。
5124 その他の審査手続
X2ら2名の63年8月1日付配転にかかる団交応諾の申立ては、すでに別件で申立てを棄却する命令を発しており、新たに判断を行う余地はなく、却下された例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
X1をクラブ業務からすべてはずしたのではなく、その後同クラブ役員改造の投票箱を机の上に設置を命じたことは相当の理由があり、X1に屈服感を与え組合の団結破壊を企図したものとはいえないとされた例。
2300 賃金・労働時間
職務内容の変更が軽微なもののときは必ずしも義務的団交事項には当たらず、本件職務明細書BによりX3の職務範囲の項目が増えたとしても、それが従来の職務範囲を超えず、過重労働を強いる結果も認められず、団交拒否にはならぬとされた例。
1602 精神・生活上の不利益
2300 賃金・労働時間
職務明細書Bへの署名をX3が拒否した後、会社は再び署名を求めることもなかったのであるから、署名を強要したとはいえず不利益取扱いではなく、会社の格示も義務的団交事項とはいえないから、7条1、2号には該当しないとされた例。
3201 不当労働行為とされなかった例
会社の署名を求めるなどの行為が不利益取扱いでない以上、組合の別件申立てに対する7条4号にいう不当労働行為でもないとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
X3の配転後の事務は職務明細書による職務の範囲を逸脱するものとはいえず、従来より著しく過重な負担を強いるものとは断じがたく、これらの業務命令が団結破壊と企図してなされたものとはいえないとされた例。
1602 精神・生活上の不利益
X3に対し課長が電話をとるよう強い調子で言ったことは認められるが、他の課員が不在であり、電話応接という業務の性質上、すばやく応接することを求めたものと解され、それをもって団結破壊を企図した不利益扱いとはいえないとされた例。
5200 除斥期間
大阪支店統廃合におけるX1らに対して業務命令を乱発したとの申立てにつき、申立期間を徒過したものは却下し、その他の業務命令は通常の範囲を超えて乱発したとは認められず、不当労働行為とはいえないとされた例。
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業種・規模 |
石油製品・石炭製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集100集826頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 平成7年2月28日 1551号 15頁 
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