概要情報
事件名 |
西神テトラパック |
事件番号 |
兵庫地労委平成 5年(不)第1号
兵庫地労委平成 5年(不)第3号
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申立人 |
X1 |
申立人 |
全日本金属情報機器労働組合西神テトラパック支部 |
被申立人 |
西神テトラパック 株式会社 |
命令年月日 |
平成 6年12月 6日 |
命令区分 |
一部救済 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、(1)会社が申立人組合及び同執行部を誹謗中傷する文書を全従業員に配付したこと、(2)工場長がインフォメーションミーティング等で組合活動を誹謗中傷する発言を行ったこと、(3)職制が組合員を個別に呼び出し組合からの脱退を勧奨したこと、(4)日勤勤務の執行委員長X1を三交代勤務の部署に配転したこと、(5)労組法2条の要件を充たさない「せいしんくらぶ」の結成を援助し、組合と同じ便宜供与等を行ったこと、(6)X2マネージャーらが組合員の氏名が警察のブラックリストに載る旨を発言して組合からの脱退を勧奨したことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 兵庫地労委は、(1)(2)(3)(6)について組合組織及び運営への支配介入の禁止、(4)についてX1の配転命令の撤回と原職相当職への復帰を命じ、併せて文書交付を命じ、その余の申立てについては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合の執行委員長X1に対する平成4年11月24日付製造管理部ドクタ ーマシン部門への配転命令を撤回し、同人を原職相当職に復帰させなければならない。 2 被申立人は、申立人組合の組合員に対して、同組合からの脱退を勧奨し、同組合を誹謗中 傷する文書を全従業員に配布し、インフォメーションミーティングの場で同組合を威嚇、誹 謗中傷する発言を行ったりして、同組合の組織、運営に支配介入してはならない。 3 被申立人は、本命令書写し受領後1週間以内に、下記内容の文書を申立人組合に交付しな ければならない。 記 当社が、平成4年11月24日付で貴組合執行委員長X1に対し、製造管理部ドクターマシン 部門への配転を命じたこと、貴組合の組合員に対して同組合からの脱退を勧奨し、同組合を 誹謗中傷する文書を全従業員に配布し、インフォメーションミーティングの場で同組合を威 嚇、誹謗中傷する発言を行ったりしたことは、いずれも不当労働行為に該当すると兵庫県地 方労働委員会から認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないよう誓約します。 平成 年 月 日 全日本金属情報機器労働組合西神テトラパック支部 執行委員長 X1 様 西神テトラパック株式会社 代表取締役 Y1 4 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
5124 その他の審査手続
一度申立てを取り下げた後でも、救済利益の存するかぎり、再雇用に申立てをすることを妨げられないと解するのが相当である。
2620 反組合的言動
会社が全従業員に配布した文書は、その内容が事実に反する一方的な中傷や、組合の内部問題に介入するものであり、これら文書配布は組合に対する支配介入に当たるとされた例。
5201 継続する行為
一連の会社の全従業員に対する文書配布行為が「継続する行為」に該当するとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
工場長、課長らにより組合脱退勧奨の発言が不当労働行為に当たるとされた例。
1300 転勤・配転
主任電気技術者として勤務していた執行委員長に対する製造管理部門への配転は、製造ラインで生じた不良のものを除去するという単純作業に従事させるものであり、同人に対する不利益取扱い、組合に対する支配介入に当たるとされた例。
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業種・規模 |
パルプ・紙・紙加工品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集100集485頁 |
評釈等情報 |
 
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