概要情報
事件名 |
ヒノヤタクシー |
事件番号 |
岩手地労委昭和63年(不)第3号
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申立人 |
全国自動車交通労働組合連合会岩手地方本部盛岡支部ヒノヤ分会 |
被申立人 |
株式会社 ヒノヤタクシー |
命令年月日 |
平成 3年 3月19日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)賃率の引上げについて組合員間差別を行ったこと、(2)車両の割当て、長距離配車及び観光要員の選任について組合員間差別を行ったこと、(3)組合員X1らに対して組合脱退を勧奨したことが争われた事件で、(1)について別組合にのみ賃率を引き上げたため生じた格差の是正及び文書掲示を、(2)について組合間差別の禁止及び文書掲示を命じ、(3)については申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立外全国交通運輸労働組合総連合東北支部ヒノヤタクシー労働組合所属組 合員に対してのみ賃率を引き上げたため申立人所属組合員に生じた格差を是正しなければな らない。 2 被申立人は、乗務員に対する車両の割当て、長距離配車及び観光要員の選任について、申 立人所属組合員と全国交通運輸労働組合総連合東北支部ヒノヤタクシー労働組合所属組合員 とを差別扱いしてはならない。 3 被申立人は、下記のとおり、縦1m×横2mの白紙の全面に楷書で墨書し、本命令書交付 の日から5日以内にこれを被申立人の本社及び各営業所における従業員の見やすい場所に10 日間掲示しなければならない。 記 年 月 日 全国自動車交通労働組合連合会 岩手地方本部盛岡支部ヒノヤ分会 執行委員長 X2 殿 株式会社ヒノヤタクシー 代表取締役社長 Y1 当社が、全国交通運輸労働組合総連合東北支部ヒノヤタクシー労働組合所属組合員に対し てのみ賃率を引き上げて貴組合所属組合員に格差を生じさせたこと、乗務員に対する車両の 割当て、長距離配車及び観光要員の選任について、貴組合所属組合員と全国交通運輸労働組 合総連合東北支部ヒノヤタクシー労働組合所属組合員とを差別取扱いしていることは、今般 岩手県地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行 為であると認定されましたので、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたしま す。 4 その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
2901 組合無視
別組合の賃率を50%から51%に引き上げ、両組合間に格差を生じさせたことが申立人組合を意図的に差別する意思をもってなした不当労働行為であるとされた例。
1302 就業上の差別
別組合所属組合員に新車を割当てながら、申立人組合所属組合員には古い車を割当てたことが不当労働行為であるとされた例。
1302 就業上の差別
長距離配車について、別組合所属組合員と比べ申立人組合所属組合員を差別したことが不当労働行為であるとされた例。
1302 就業上の差別
会社がことさら申立人組合から観光要員を選任しなかったことが不当労働行為であるとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集92集312頁 |
評釈等情報 |
 
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