労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  ヒノヤタクシー 
事件番号  盛岡地裁平成 3年(行ウ)第3号 
原告  株式会社 ヒノヤタクシー 
被告  岩手県地方労働委員会 
被告参加人  全国自動車交通労働組合連合会 
判決年月日  平成 5年11月 5日 
判決区分  請求の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、賃金配分率(以下賃率)観光要員選任、長距離配車について組合員を差別したこと等が不当労働行為であるとして争われた事件である。
 岩手地労委が賃率の是正、配車等についての差別扱いの禁止、ポスト・ノーティス等を命じたところ、会社はこれを不服として行訴を提起したが、盛岡地裁は請求を棄却した。 
判決主文  1.原告の請求を棄却する。
2.訴訟費用は原告の負担とする。 
判決の要旨  6140 訴の利益
 ポスト・ノーティスには不当労働行為を自認する趣旨はあるが、使用者がこれを掲示したということのみをもって、その救済命令取消しを求める訴えの利益が消滅するものではないとされた例。

2901 組合無視
 会社が、別組合との間だけで賃金配分率を引き上げたことはそれ自体、組合との間に格差を生じさせる差別的な取扱いであり、その他当該引き上げには合理的理由が認められないとして、別組合との間だけの賃金配分率の引き上げが組合員に対する不利益取扱いであるとされた例。

1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
 観光要員に選任されないと、多額の稼働営業収入を得る可能性を閉ざされるなどの事情があることからみて、会社が、組合所属乗務員から観光要員を選任していないことは、組合員に対する不利益取扱いであるとされた例。

1302 就業上の差別
2901 組合無視
 長距離業務に従事しない場合は、相当な労働強化と精神的負担を強いられることからみて、会社が、長距離配車について、組合と別組合との間で格差を生じさせていることは、組合員に対する不利益取扱いであるとされた例。

1302 就業上の差別
2901 組合無視
 会社が、車両割当に関して組合所属乗務員を差別していることにより、組合員は精神的な負担を含めて過重な労働を強いられており、当該差別は組合員に対する不利益取扱いであるとされた例。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集28集270頁 
評釈等情報  労働判例 645 号 56頁 
中央労働時報 871 号 56頁 
法律時報 道幸哲也 67巻4 号 99頁 

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
岩手地労委昭和63年(不)第3号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成 3年 3月19日 決定 
仙台高裁平成 5年(行コ)第11号 控訴の棄却  平成 7年 1月26日 判決 
最高裁平成 7年(行ツ)第112号 上告の棄却  平成10年 1月22日 判決 
 
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