概要情報
事件名 |
亮正会(高津中央病院) |
事件番号 |
神奈川地労委昭和59年(不)第17号
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申立人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方連合川崎地域支部高津中央病院分会 |
申立人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方連合川崎地域支部 |
被申立人 |
医療法人社団 亮正会 |
命令年月日 |
昭和60年 3月 1日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
パートタイマー等である分会員の一時金における不誠実団交、一時金の交渉中に、非組合員に対してのみ一時金を支給したことが争われた事件で、非組合員への一時金の支給に比し、遅延した期間について、各分会員への支給済一時金額に年5分の割合を乗じて算出した額の金員の支払い、組合運営に対する支配介入の禁止及びポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、別表に掲げる申立人総評全国一般労働組合神奈川地方連合川崎地域支部高津中央病院分会の分会員に対し、昭和59年夏期一時金の支給が、非組合員への一時金の支給に比し遅延した期間について、各分会員への支給済一時金額に、年5分の割合を乗じて算出した額の金員を支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人分会との一時金交渉を不当に遅延させ、申立人分会を無視して従業員に「同意書」を配布することにより申立人らの組合の運営に支配介入してはならない。 3 被申立人は、本命令受領後、速やかに下記の文言を縦1メートル、横2メートルの白色木版に楷書で墨書し、被申立人の経営する病院の2号館入口附近の従業員の見易い位置に、毀損することなく1週間掲示しなければならない。 誓 約 書 当社団が行った次の行為は、神奈川県地方労働委員会により不当労働行為と認定されました。当社団は、ここに深く反省するとともに今後、再びかかる行為を繰り返さないことを誓約します。 (1) 昭和59年度夏期一時金交渉において、貴分会の分会員であるパートタイマー、臨時職員について誠実な対応をせず、交渉の妥結を遅延させたこと。 (2) 前記交渉の最中に従業員に「同意書」を配布し、これを提出した非組合員のみに夏期一時金を先に支給したこと。 昭和 年 月 日 総評全国一般労働組合 神奈川地方連合川崎地域支部 執行委員長 X1 殿 総評全国一般労働組合神奈川地方連合 川崎地域支部高津中央病院分会 執行委員長 X2 殿 医療法人社団亮正会 理事長 Y1 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
2901 組合無視
一時金の交渉中に、分会執行委員らを除く全従業員に「同意書」を配布し、これをもとに非組合員に対してのみ一時金を支給したことが不当労働行為であるとされた例。
2242 回答なし
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
一時金における交渉において、パートタイマー等である分会員に関しては、専ら社団が決定する事項であるとして、具体的支給基準を説明しないばかりか、話合いの対象にもしない社団の態度が、労組法7条2号及び3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
4406 バックペイに利子・付加金を付したもの
一時金交渉における不誠実な交渉態度と支給が遅延したことに対する救済措置として、非組合員への支給に比し遅延した期間について、各分会員への支給済一時金額に、年5分の割合を乗じて算出した額の金員を支払わせることが妥当な措置とされた例。
5124 その他の審査手続
一時金交渉における社団の不当な対応により、その支給が遅れさせられたとする申立人の申立て内容の変更は、一時金の解決をみた後になされたもので、「申立権ないし制度の乱用」に当たり、労使間の信義則にも反し却下されるべきであるとの主張に対して、一時金の支払と併せて請求していた諸事項は、解決をみたわけではないから、申立人がこれを取り下げない以上、地労委への申立て事項として消滅したとは認められないとされた例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集77集185頁 |
評釈等情報 |
 
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