概要情報
事件名 |
日本周遊観光バス |
事件番号 |
大阪地労委 昭和56年(不)第71号
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申立人 |
全自交日本周遊観光バス労働組合 |
被申立人 |
日本周遊観光バス 株式会社 |
命令年月日 |
昭和57年 9月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
別組合を脱退して申立人組合に加入したX1の定年後の嘱託雇用について、いったんは別組合と合意していながら申立人組合に加入するや嘱託として雇用することを拒否したこと、所長が団交の席上で執行委員長に対して「口頭通告のみでは組合として認められない」、「組合事務所が必要なら別組合の事務所を使ってくれ」等の言動をしたことなどが争われた事件で、組合員X1についての1年間の嘱託としての取扱い及びバック・ペイ(年5分加算)を命じ、所長の言動及びポスト・ノーティスの申立てについては棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人組合員X1を、昭和56年9月26日から昭和57年9月25日までの間、嘱託として取り扱い、その賃金は勤続年数7年の乗務員の基本給の額とするとともに、昭和56年9月26日から同人が就労するまでの間、同人が受けるはずであった賃金相当額及びこれに年率5分を乗じた額を支払わなければならない。 2 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1500 不採用
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
別組合を脱退して申立人組合に加入したX1に対して定年後の嘱託雇用を拒否したことにつき、会社がいったんは別組合と同人の定年後の嘱託雇用を了承しておきながら、同人が申立人組合に加入するや嘱託としての雇用をやめたとみられることから、同人の組合加入を理由とする不利益取扱いであり、組合の弱体化を企図した不当労働行為である。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
団交の席上における所長の「口頭通告のみでは組合として認められない」、「組合事務所が必要なら別組合の事務所を使ってくれ」などの発言が、組合の存在自体を否定する趣旨で発言したものでなく、また、団交の席上における交渉事項をめぐる組合要求の回答としてなされたものであることから、不当労働行為には当たらない。
4410 雇入拒否の場合
組合員X1に対する定年後の嘱託雇用拒否の救済として、嘱託雇用条件の基本給は別組合と会社の間で合意した「勤続年数7年の乗務員の賃金」とするのが相当で、嘱託期間は、会社が定年延長等を定めた当時の労使間協定に基づき1年間とするのが相当である。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(バス専業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集72集275頁 |
評釈等情報 |
 
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