労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  富里商事 
事件番号  千葉地労委昭和55年(不)第1号 
千葉地労委昭和55年(不)第2号 
千葉地労委昭和55年(不)第3号 
申立人  ノースウエスト航空日本支社労働組合 
申立人  X2ほか23名 
被申立人  富里商事 株式会社 
命令年月日  昭和55年12月24日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  時限ストに参加した申立人ら組合員24名に対して、ホテル支部の組合加入のための規約改正手続がとられていないから職場離脱に該当し処分の対象となるなどと警告したことなどが争われた事件で、警告及び通告の撤回、従業員食堂へのポスト・ノーティス及び文書の手交を命じ、陳謝文の正面玄関への掲示、組合及び申立人X1に対する陳謝文の掲示については棄却した。 
命令主文  1. 被申立人は
(1) 別記第1申立人目録記載の各申立人(16名)に対し各昭和55年4月10日付け警告並びに通告書をもってなした各警告並びに通告
(2) 別記第2申立人目録記載の各申立人(14名)に対し各昭和55年4月23日付け警告並びに通告書をもってなした各警告並びに通告
(3) 別記第3申立人目録記載の各申立人(24名)に対し各昭和55年5月15日付け警告並びに通告書をもってなした各警告並びに通告
 をそれぞれ撤回し、かつ、上記(1)、(2)及び(3)記載の各申立人に対し、今後上記各警告並びに通告がなかったものとして取り扱わなければならない。
2. 被申立人はこの命令交付後1週間以内に
(1) 申立人ノースウェスト航空日本支社労働組合に対し別紙第1陳謝文と同一文言の文書及び別紙第3陳謝文(1)と同一文言の文書
(2) 別記第1申立人目録記載の各申立人(16名)に対し、各別紙第2陳謝文(1)と同一文言の文書
(3) 別記第2申立人目録記載の各申立人(14名)に対し、各別紙第2陳謝文(2)と同一文言の文書
(4) 申立人X1に対し別紙第3陳謝文(2)と同一文言の文書をそれぞれ手交しなければならない。
3. 被申立人は本命令交付後1週間以内に上記第1陳謝文と同一文言を縦 1.5メートル横2メートルの上質の白紙の表の全面に、かい書をもって明瞭に墨書し、被申立人が経営する成田インターナショナルホテル(千葉県印旛郡富里村七栄650-35所在)の従業員食堂の壁の従業員が見やすい位置に10日間き損することなく掲示しなければならない。
4. その余の申立ては棄却する。
 別 紙     第1  陳  謝  文
 当社は、
1. 貴組合が昭和55年4月8日16時から18時まで行った時限ストライキに参加した貴組合の組合員 X2、同 X3、同 X4、同X1、同 X5、同 X6、同 X7、同 X8、同 X9、同 X10、同 X11、同 X12、同 X13、同 X14、同 X15 及び同 X16の各位(16名)に対し、昭和55年4月10日付けの警告並びに通告書を発したこと
2. 貴組合が昭和55年4月18日17時から19時まで行った時限ストライキに参加した貴組合の組合員 X2、同 X3、同 X5、同 X10、同 X11、同 X12、同 X14、同 X17、同 X18、同 X19、同 X20、同 X21、同 X22及び同 X23の各位(14名)に対し、昭和55年4月23日付けの警告並びに通告書を発したこと
3. 貴組合が昭和55年4月21日、22日、24日、30日、5月4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日及び13日にそれぞれ行った時限ストライキの一部に参加した貴組合の組合員X2、同 X24、同 X25、同 X1、同 X5、同 X6、同 X7、同 X8、同 X9、同 X10、同 X11、同 X12、同 X13、同 X26、同 X15、同 X16、同 X17、同 X18、同 X19、同 X20、同 X21、X22、同 X23及び同 X27の各位(24名)に対し、昭和55年5月15日付けの警告並びに通告書を発したこと
が、この度千葉県地方労働委員会において、いずれも労働組合法第7条第1号・第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。
 当社はこのことを貴組合に対し深く陳謝するとともに今後再びこのようなことをしないことを約束いたします。
  昭和 年 月 日
      富里商事株式会社
       代表取締役 Y1
  ノースウェスト航空日本支社労働組合
  中央執行委員長 X28 殿
注:年月日は、手交文書にあっては手交の日付を、掲載文書にあっては掲載の日付をそれぞれ記入すること。
 別 紙     第2 陳 謝 文(1)
 当社は、
1. 貴殿が所属しているノースウェスト航空日本支社労働組合が行った昭和55年4月8日16時から18時までの時限ストライキに参加した貴殿に対し、昭和55年4月10日付けの警告並びに通告書を発したこと。
2. 貴殿が所属しているノースウェスト航空日本支社労働組合が昭和55年4月21日、22日、24日、30日、5月4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日及び13日にそれぞれ行った時限ストライキの一部に参加した貴殿に対し昭和55年5月15日付けの警告並びに通告書を発したこと。
が、この度千葉県地方労働委員会において、いずれも労働組合法第7条第1号・第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。
 当社は、貴殿に対しこのことを深く陳謝するとともに今後再びこのようなことをしないことを約束いたします。
    昭和 年 月 日
      富 里 商 事 株 式 会 社
       代表取締役 Y1殿
 注:上記16名の各組合員にそれぞれあて名を記入したうえ各1通を手交すること、年月日は手交の日付を記入すること。
 別 紙     第2 陳 謝 文(2)
 当社は、
1. 貴殿が所属しているノースウェスト航空日本支社労働組合が行った昭和55年4月18日17時から19時までの時限ストライキに参加した貴殿に対し昭和55年 4月23日付けの警告並びに通告書を発したこと。
2. 貴殿が所属しているノースウェスト航空日本支社労働組合が昭和55年4月21日、22日、24日、30日、5月4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日及び13日にそれぞれ行った時限ストライキの一部に参加した貴殿に対し、昭和55年5月15日付けの警告並びに通告書を発したこと。
が、この度千葉県地方労働委員会において、いずれも労働組合法第7条第1号・第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。
 当社は貴殿に対しこのことを深く陳謝するとともに今後再びこのようなことをしないことを約束いたします。
    昭和 年 月 日
      富 里 商 事 株 式 会 社
       代表取締役 Y1殿
注:上記14名の各組合員にそれぞれあて名を記入したうえ各1通を手交すること、年月日は手交の日付を記入すること。
 別 紙     第3 陳 謝 文(1)
 当社は貴組合が昭和55年4月18日17時から19時まで行った時限ストライキに貴組合の組合員X1殿が参加しなかったにもかかわらず、昭和55年4月23日付けの警告並びに通告書を同人に交付いたしましたが、この度このことが千葉県地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号・第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。
 当社は貴組合に対しこのことを深く陳謝するとともに今後再びこのようなことをしないことを約束いたします。
    昭和 年 月 日
      富 里 商 事 株 式 会 社
       代表取締役 Y1
 ノースウェスト航空日本支社労働組合
 中央執行委員長 X28 殿
(注:年月日は手交の日付を記入すること。)
 別 紙     第3 陳 謝 文(2)
 当社は貴殿が所属しているノースウェスト航空日本支社労働組合が昭和55年4月18日日17時から19時まで行った時限ストライキに貴殿が参加しなかったにもかかわらず、昭和55年4月23日付けの警告並びに通告書を交付いたしましたが、この度このことが千葉県地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号・第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。
 当社は貴殿に対しこのことを深く陳謝するとともに今後再びこのようなことをしないことを約束いたします。
    昭和 年 月 日
      富 里 商 事 株 式 会 社
       代表取締役 Y1
  X1 殿
(注:年月日は手交の日付を記入すること。)
別 記
第1申立人目録
 X2、X24、X4、X1、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16
第2申立人目録
 X2、X24、X5、X10、X11、X12、X14、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23
第3申立人目録
 X2、X24、X4、X1、X5、X6、X7、X8、X9、X10、
 X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X27 
判定の要旨  0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0413 ストライキ(含部分・指名スト)
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
ホテル支部の組合加入については必要な規約改正手続を経ていないので、組合からの指令に基づくホテル支部のストは無断職場離脱に他ならず、それに対し警告等をするのは使用者として当然であるとの会社主張について、ホテルの従業員は組合に個人加入し、その後支部結成が承認されたものであり、また規約改正手続を経たか否かは組合の問題であるとして、ストに対する警告等を不当労働行為と判断した例。

業種・規模  旅館、その他の宿泊所 
掲載文献  不当労働行為事件命令集68集523頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委昭和56年(不再)第4号 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和57年 6月16日 決定 
東京地裁昭和57年(行ウ)第118号 請求の棄却  昭和59年 1月19日 判決 
東京高裁昭和59年(行コ)第3号 一審判決の一部取消し  昭和59年11月29日 判決 
最高裁昭和60年(行ツ)第62号 上告の棄却  昭和61年 2月18日 判決 
 
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