概要情報
事件名 |
理研産業 |
事件番号 |
広島地労委 昭和51年(不)第7号
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申立人 |
広島県西部労働組合理研産業支部 |
被申立人 |
理研産業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和55年 7月 9日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
欠勤日数を理由に組合活動家3名の定期昇給外の賃金増額を2分の1に減額したこと、組合のピケを理由に執行委員長を譴責処分に付したこと、社内報等で会社の考えなどを従業員に知らせたこと、受注難等を理由に組合員4名を配転したこと、組合のビラ張り等を理由に執行委員長を出勤停止処分に付し、また組合員らの一時金を低査定したこと、配転問題に関する団交を拒否したことなどが争われた事件で、2分の1に減額しなかったものとしての取扱い、譴責処分の取消し、組合中傷文書配布の禁止を命じ、配転、出勤停止処分、一時金の低査定、団交拒否及び陳謝文の掲示の申立てについては棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、X1、X2及びX3に対する昭和50年賃金改定について、定期昇給外の増額を2分の1にしなかったものとして取扱わなければならない。 2. 被申立人は、X1に対して、昭和51年1月29日に行った譴責処分を取り消さなければならない。 3. 被申立人は、会社の従業員に対して、申立人組合の方針及び活動を中傷する文書を配布してはならない。 4. その余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0202 会社施設の利用
0415 職場占拠
配転撤回要求のための座り込みとはいえ、その期間が1ヵ月にも及んだばかりか本社社屋の玄関において乱雑で来客にまで不快感を与えるような状態で行われたものであるから、それは抗議の限界を超えたものであり、また、ショールームの硝子全面に及んだビラ張りについても会社施設の効用を著しく損う等の行きすぎがみられることから、いずれも正当な組合活動とは認め難い。
0414 ピケッティング
一時金に関し7回の団交をもっても歩み寄りがみられなかったために行われたストの際に、組合員10数名により行われた早朝1時間30分のピケが、その状況からみて平和的説得の域をでたものとは認められない。
0200 宣伝活動
0202 会社施設の利用
本社玄関前での座り込み及びショールーム硝子へのビラ張り行為が正当な組合活動とは認め難いとされた例。
0414 ピケッティング
一時金要求に関するストの際に行われたピケが、その状況からみて平和的説得の域をでたものとは認められないとされた例。
1200 降格・不昇格
組合活動家X1らに対する欠勤日数超過を理由とする定期昇給以外の賃金増額からの減額行為が不当労働行為とされた例。
1202 考課査定による差別
正当性を超えた座り込み及びビラ張りを理由とする組合員X4らの一時金の低査定が不当労働行為ではないとされた例。
0414 ピケッティング
1400 制裁処分
ピケによる就労妨害を理由とする執行委員長の譴責処分が不当労働行為とされた例。
0202 会社施設の利用
1400 制裁処分
正当性を超えた長期にわたる座り込み及びビラ張りを指令指導したことを理由とする執行委員長の出勤停止処分が不当労働行為ではないとされた例。
2240 説明・説得の程度
組合員の配転に関し4回話合いがもたれていることから、正当な理由なく会社が団交を拒否したとする組合の主張が認められなかった例。
2620 反組合的言動
組合の方針・活動を中傷した社報等の従業員に対する配布が支配介入とされた例。
1300 転勤・配転
1603 組合活動上の不利益
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合員X3をトレース係から青焼きコピー業務へ配転しても、組合活動に支障をきたすものではないこと等を理由に不当労働行為ではないとされた例。
1201 支払い遅延・給付差別
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
配転撤回闘争直後に、組合活動家らについて定期昇給以外の賃金増額分から減額したことが不当労働行為とされた例。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集68集62頁 |
評釈等情報 |
 
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