労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  両洋学園 
事件番号  中労委 昭和52年(不再)第29号 
中労委 昭和53年(不再)第46号 
再審査申立人  学校法人 両洋学園 (29号、46号) 
再審査被申立人  両洋学園教職員組合 他個人2名(46号) 
再審査被申立人  京都私学教職員組合連合 他個人2名(29号) 
再審査被申立人  京都私学教職員組合連合 (46号) 
命令年月日  昭和54年12月19日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  学園の名誉・信用を毀損したこと等を理由に組合員2名を解雇したこと、朝礼及び国旗掲揚の妨害及び長時間にわたる授業時期中の腕章の着用等を理由に組合員3名を解雇したこと及びこの3名の行った争議行為を指導したこと等を理由に先の2名を再解雇したことが争われた事件で、それぞれ解雇取消し、原職復帰、バックペイ及びポスト・ノーティスを命じた初審命令中、救済利益を放棄したX1に関する部分及びそれぞれの初審で命じたポスト・ノーティスを取消し、その掲示場所、文言等を変更した新たなポスト・ノーティスを命じ、その余の再審査申立てを棄却した。 
命令主文  1 中労委昭和52年(不再)第29号事件及び中労委昭和53年(不再)第46号事件に係る各初審命令の主文を次のように変更する。
(1) 中労委昭和53年(不再)第46号事件に係る初審命令の主文第1項中「X1」を削る。
(2) 各初審命令の主文第2項を取り消す。
2 再審査申立人は、縦1メートル、横1.5 メートルの模造紙に下記のとおり墨書し、職員室の見易い場所に10日間掲示しなければならない。
 学校法人両洋学園が、両洋学園教職員組合に所属する組合員のX2及びX3を昭和50年3月31日をもって解雇したこと並びにX4及びX5を昭和51年3月25日をもって解雇したことは不当労働行為であると中央労働委員会によって認定されました。
本学園は、今後このような行為を致しません。
 以上、中央労働委員会の命令により掲示します。
昭和 年 月 日
 京都私学教職員組合連合
    中央執行委員長 X6 殿
 両洋学園教職員組合
  執行委員長   X2 殿
          X2 殿
          X3 殿
          X4 殿
          X5 殿
学校法人 両洋学園
理事長 Y1 
3 その余の再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  0420 その他の争議行為
朝礼の妨害、腕章着用闘争、学園中傷のビラ配布などが、多少行きすぎのきらいはあるとしても全体として正当な争議行為の範囲を著しく逸脱したものではないとした初審判断が相当とされた例。

0600 暴力行為
学園の名誉を毀損する宣伝、暴力行為等を理由に組合活動家2名を解雇したことを不当労働行為とした初審判断を相当とした例。

1107 その他
朝礼の妨害、腕章着用闘争、学園中傷のビラ配布等を理由とする組合活動家2名を懲戒解雇処分に付したことが不当労働行為に該当するとした初審判断が相当とされた例。

1102 業務命令違反
違法な争議行為を指導したこと等を理由に組合活動家2名を予備的に再解雇したことが不当労働行為であるとした初審判断が相当とされた例。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
申立人個人が取下書を提出しており、申立組合も最後陳述書で同人の救済申立てを維持することを主張していない場合には、同人に関する救済利益は申立組合についても消滅したものと解するのが相当であるとされた例。

4611 P.Nの掲示の場所を配慮した例
ポスト・ノーティスの掲示場所について、初審命令の「教職員の見易い場所」を、「職員室の見易い場所」に変更した例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集66集877頁 
評釈等情報  労働判例 1980年5月1日  337号 87頁 
中央労働時報 昭和55年4月10日  648号 30頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
京都地労委 昭和50年(不)第16号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和52年 3月15日 決定 
京都地労委 昭和51年(不)第9号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和53年 8月 4日 決定 
東京地裁 昭和56年(行ク)第33号 全部認容  昭和56年 6月16日 決定 
 
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