労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  両洋学園 
事件番号  京都地労委 昭和51年(不)第9号 
申立人  両洋学園教職員組合 
申立人  京都私学教職員組合連合 
申立人  X1 外2名 
被申立人  学校法人両洋学園 
命令年月日  昭和53年 8月 4日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  生徒の懲戒処分問題に対してなされた組合の朝礼不参加・妨害・就業時間内の腕章着用闘争等の一連の争議行為あるいは人員過剰などを理由に組合員全員を解雇したことが争われた事件で、解雇取消し、原職復帰、バックペイ、ポスト・ノーティスを命じた。 
命令主文  1 被申立人は、X1、X2、X3に対する昭和51年3月25日付の解雇を取り消し、原職に復帰させるとともに、解雇の日から原職復帰に至るまでの間同人らが受けるべきはずの諸給与相当額を支払わなければならない。
2 被申立人は、下記内容の文書を縦1メートル、横 1.5メートルの模造紙に墨書し、学園内の教職員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。
                記
 学校法人両洋学園は、両洋学園教職員組合の活動を封じるために、同組合の組合員X1、同X2、同X3を解雇したことは不当労働行為であったことを認め、今後かかる行為はいたしません。
 以上、京都府地方労働委員会の命令により誓約します。
   昭和 年 月 日
  京都私学教職員組合連合
   中央執行委員長 X4 殿
  両洋学園教職員組合
   執行委員長 X1 殿
  X1 殿
  X2 殿
  X3 殿
               学校法人 両洋学園
                 理事長 Y1 
判定の要旨  0410 目的・手続き
生徒に対する懲戒は、本来校長の職務権限に属するとはいえ教育の内容の一環として重要な意義をもつものであり、それが適正に行われるよう配慮し、懲戒の決定手続に関与することを教員に認めることは教育活動の一環としてのみならず、教育労働という立場にある教員の処遇の一部として必要不可欠のものであって、教員の労働条件の一部をなすものと解するのが相当である。従って、本件争議行為は学園の一方的な生徒の懲戒処分の手続を不当として抗議のために行ったものであるから、自らの教員としての正当な処遇を求めるものとして正当な組合活動であるといわざるを得ない。

0300 争議行為の範囲
朝礼拒否、腕章着用闘争、学園中傷のビラ配布などが、多少行きすぎのきらいはあるとしても全体として正当な争議行為の範囲を著しく逸脱したものではないとされた例。

0700 職場規律違反
争議行為等を理由に組合員全員を懲戒解雇処分に付したことが不当労働行為とされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集64集173頁 
評釈等情報  労働判例  306号 62頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
京都地労委 昭和50年(不)第16号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和52年 3月15日 決定 
中労委 昭和52年(不再)第29号/他 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和54年12月19日 決定 
中労委 昭和53年(不再)第46号/他 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和54年12月19日 決定 
東京地裁 昭和56年(行ク)第33号 全部認容  昭和56年 6月16日 決定 
 
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