概要情報
事件名 |
ニュードライバー教習所 |
事件番号 |
中労委昭和50年(不再)第4号
中労委昭和50年(不再)第45号
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再審査申立人 |
株式会社 ニュードライバー教習所 |
再審査申立人 |
総評全国一般労組京都地方本部京都自動車教習所労働組合 |
再審査被申立人 |
総評全国一般労組京都地方本部京都自動車教習所労働組合 |
再審査被申立人 |
株式会社 ニュードライバー教習所 |
命令年月日 |
昭和51年11月17日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
組合活動のための職場離脱、草刈の業務命令拒否を理由に組合分会長を二度に亘り出勤停止処分に付したこと、36協定未成立を理由に時間外労働をさせなかったこと、組合分会長に対して44年以降一時金を支給せず、45年以降昇給を停止した事件で、出勤処分の取消しとバックペイ、時間外労働の実施とバックペイ、昇給、一時金についてのバックペイ、文書の手交およびポスト・ノーティスを命じた初審命令のうち、昇給、一時金についてはすでに裁判所で和解が成立していることからこの部分に関する再審査申立てを却下し手交および掲示文書のうち当該部分について取消した。 |
命令主文 |
1 中労委昭和50年(不再)第4号事件初審命令主文第2項及び中労委昭和50年(不再)第45号事件初審命令主文第1項に関する再審査申立人の申立てを却下する。 2 中労委昭和50年(不再)第4号事件初審命令主文第4項の記中の「昭和44年年末一時金、昭和45年夏季一時金及び同年年末一時金を支給しなかったこと、昭和45年の昇給をさせなかったこと、」を「並びに」に改める。 3 中労委昭和50年(不再)第45号事件初審命令主文第2項を取り消す。 4 その余の再審査申立人の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
会社は半数を超える従業員と36協定を締結しているのであるから、労基法上、組合との間に別の協定をしなくても分会員が時間外労働を拒否しない限り、時間外労働させることに差支えなく、会社が36協定締結のための団交を申入れ、団交ルールの条件に固執したため、組合が応じなかったのはやむを得ない。組合は文書交換によってでも36協定を締結したい旨申入れていることから不利益取扱に該当する。
1400 制裁処分
草刈りを技能指導員という技術者の本来的職務とみることには疑問があり、技能指導員である分会長を草刈りをせよとの業務命令を拒否したとして出勤停止処分に付したことは不利益扱いである。
1401 労務の受領拒否
分会長らは、組合活動を行うに当たり、賃金カットさえ覚悟すれば勤務時間中であっても自由に組合活動を行えると考えているふしがないではなく、分会員の組合活動に行き過ぎがあったことは否めないが、緊迫した労使関係は会社の行為によって惹起されたものであって、分会結成前後の分会に対する会社の意図を併せ考えると、分会長の出勤停止処分は、会社が分会長としての組合活動を嫌悪し、職場規律違反に藉口して行った不利益取扱である。
1401 労務の受領拒否
組合活動のための無許可の職場離脱が会社の不当労働行為を含む行為によって惹起されたものと認められること等からこれを理由とする出勤停止処分が不利益扱いである。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
分会長に対する一時金等の不支給問題の救済については、既に同人と会社間に和解が成立しており、再審査被申立人組合も分会長に関する一時金及び昇給の件については争わない意思を表明しているので、この部分についての再審査申立てを却下する。
4838 申立ての承継
会社は、労委規則に承継に関する規定がないことなどを理由に地労委が当初の申立人組合から分離独立したK組合の当事者の地位の承継を認めたことは違法であると主張するが、労委規則第34条第1項第7号では、承継を認める前提で申立てを却下することができることとしていること、組合の大会で分離独立することが決定され、初審申立人の地位を承継した旨の申立書を提出しており、地位の承継が認められる。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集60集468頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1977年 3月10日 600号 16頁 
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