概要情報
| 事件番号・通称事件名 |
東京高裁令和8年(行コ)第104号
大浜資材不当労働行為救済命令取消請求控訴事件
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| 控訴人 |
X会社(「会社」)
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| 被控訴人 |
国(処分行政庁 中央労働委員会(「中労委」))
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| 被控訴人補助参加人 |
Z組合(「組合」) |
| 判決年月日 |
令和8年8月19日 |
| 判決区分 |
棄却 |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
1 会社は、生コンクリート(「生コン」)の製造及び販売を主たる事業とする株式会社である。会社は、令和5年4月10日、組合に所属する組合員である従業員2名(「本件組合員2名」)に対し、組合からの脱退を勧告し、本件組合員2名がこれを拒否すると、同月11日からの自宅待機を命じた(「本件自宅待機命令」)。
2 本件は、上記1に関し、組合が令和5年4月12日付け、同月20日付け、同月27日付け及び5月9日付けで申し入れた団体交渉(これら4回の申入れを併せて「本件団交申入れ」)に応じなかったことが、労働組合法(「労組法」)7条2号に該当する不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事案である。
3 初審大阪府労働委員会は、会社が本件団交申入れに応じなかったことは、労組法7条2号に該当する不当労働行為であるとして、会社に対し、団体交渉応諾及び文書手交を命じたところ、会社は、これを不服として再審査を申し立てた。
4 中労委は、会社の申立てを棄却したところ、会社はこれを不服として、東京地裁に行政訴訟を提起した。
5 東京地裁は、会社の請求を棄却したところ、会社は、これを不服として東京高裁に控訴した。
6 東京高裁は、会社の控訴を棄却した。
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| 判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、補助参加によって生じた費用を含め、控訴人の負担とする。
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| 判決の要旨 |
1 当裁判所も、会社の請求は理由がないものと判断する。その理由は、後記2のとおり会社の当審における補充主張に対する判断を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」第3(略)に記載のとおりであるから、これを引用する。
2 会社の当審における補充主張について
会社の主張は以下のとおりである。
大阪府及び兵庫県の生コン工場の大半がC協(C協同組合)に加入し、その主催する共同販売事業に参加しており、会社も、仕事のほぼ全てをC協に依存しているところ、会社は、C協から除名されれば、仕事がほぼなくなって事業の維持、存続が危うくなり、除名されなくても、仕事の割当、資金調達、紛争対応等でC協の支援を受けられなくなるおそれがある。一方、組合とC協は対立関係にあり、会社は長期にわたって組合と協調関係にあったことから、会社としては、C協の不信感を増幅することのないよう、組合との団体交渉に入るタイミングを慎重に見定める必要があった。
したがって、会社が直ちに団体交渉の申入れに応じなかったことには正当な理由がある旨主張する。
しかしながら、原判決説示のとおり、会社がC協から除名されれば、仕事がほぼなくなって事業の維持、存続が危うくなる状況について、これを認めるに足りる証拠はないし、仮に会社がC協から除名されなくても、仕事の割当、資金調達、紛争対応等でC協の支援を受けられなくなるおそれがあることについても、これを認めるに足りる証拠はなく、これらは会社の抽象的な懸念を述べたものにすぎないというべきである。会社は、本件組合員2名に対する本件自宅待機命令についてはC協からの働き掛けなどはなく、会社独自の判断で行ったことを認めているところ、本件組合員2名についての組合からの団体交渉の申入れに対して何ら具体的な説明をせず、交渉に入ることすら応じないという対応は、会社が上記の抽象的な懸念から反応したものといえ、労使関係の将来に向けた正常化を図ろうという不当労働行為制度の趣旨に反するものであり、その対応に正当な理由があるとは認められない。
なお、本件自宅待機命令等の不法行為を理由とする損害賠償請求訴訟(別件訴訟)の第1審判決が確定した後に、会社と組合との間の団体交渉が開始されたことが認められるが、それまで会社が3年以上にわたり団体交渉に応じなかったことは、労働者への配慮を欠くもので、上記の制度趣旨とは相容れないといわざるを得ない。
以上のことから、会社の主張は採用することができない。
3 結論
会社の請求は理由がないからこれを棄却すべきであり、これと同旨の原判決は相当である。よって、本件控訴は理由がないからこれを棄却する。
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| その他 |
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