概要情報
事件名 |
エッソ石油(和解差別) |
事件番号 |
東京高裁平成22年(行コ)第359号 |
控訴人 |
スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合 |
被控訴人 |
国(処分行政庁:中央労働委員会) |
被控訴人補助参加人 |
エクソンモービル有限会社(平成14年6月1日に合併により旧商号「エッソ石油株式会社」から商号変更) |
判決年月日 |
平成24年4月18日 |
判決区分 |
一部取消(取消部分に係る訴え却下) |
重要度 |
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事件概要 |
1 ①Y会社が、同種の事由により懲戒解雇処分を受けたX組合の組合員3名について、Z組合の組合員2名に対しては原職復帰を前提とした和解の提案を行ったのに対し、X組合に対しては、組合員の原職復帰を前提とした和解を提案せず、差別的に扱ったこと、②Y1社長が人事関係セミナーで「懲戒解雇された組合の組合員は思想的に問題があるので職場復帰させる考えはない」旨の発言を行ったこと等が、不当労働行為に当たるとして、東京地労委に救済申立てがあった事件である。
2 東京地労委は、和解関連のY会社の行為は不当労働行為に当たらず、Y1社長の発言については事実の疎明がないとして、申立てを棄却した。
X組合は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は棄却した。
これに対し、X組合は、これを不服として、東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、X組合の請求を棄却した。
本件は、同地裁判決を不服として、X組合が東京高裁に控訴した事件であるが、同高裁は、原判決を一部取り消し、取消部分に係る訴えを却下し、その余の控訴を棄却した。
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判決主文 |
1 原判決中、控訴人の救済命令の義務付け請求を棄却した部分を取り消し、同取消部分に係る控訴人の訴えを却下する。
2 その余の本件控訴を棄却する。
3 訴訟費用は、補助参加によって生じたものを含めて、第1、2審を通じ、控訴人の負担とする。
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判決の要旨 |
1 当裁判所も、控訴人の再審査申立棄却命令の取消請求は理由がないと判断する。その理由は、〔一部〕補正するほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第3 争点についての判断」に説示するとおりであるから、これを引用する。
2 控訴人の救済命令の義務付けを求める訴えについて
中労委による再審査申立棄却命令に対するX組合の取消請求は理由がないから、X組合の救済命令の義務付けを求める訴えは、行政事件訴訟法37条の3第1項2号の「当該処分又は裁決が取り消されるべきもの」の要件を欠くものであり、不適法な訴えとして却下すべきである。
3 結論
以上によれば、X組合の請求のうち、救済命令の義務付けを求める請求については、不適法な訴えとして却下すべきであり、原判決中これと異なる部分は相当でないから、これを取り消し、同取消部分に係る訴えを却下し、再審査申立棄却命令の取消請求は理由がないから棄却すべきであり、これと同旨の原判決は相当であるから、同部分についての控訴を棄却することとする。
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その他 |
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