労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  京都淡路交通 
事件番号  大阪高裁昭和49年(行コ)第17号・第18号 
第18号事件控訴人・第17号事件被控訴人(第一審原告)  京都淡路交通株式会社 
第18号事件被控訴人・第17号事件控訴人(第一審被告)  京都府地方労働委員会 
判決年月日  昭和49年10月30日 
判決区分  棄却 
重要度   
事件概要  1 会社が、経歴詐称等を理由に組合活動家を懲戒解雇したことが、不当労働行為に当たるとして、京都地労委に救済申立てがあった事件である。
2 初審京都地労委は、原職復帰とバックペイを命じ、バックペイからの中間収入の控除を認めなかった。
 会社は、これを不服として、京都地裁に行政訴訟を提起したところ、同地裁は、初審命令において中間収入を控除しないでバックペイを命じた部分を取り消した。
 本件は、同地裁判決を不服として、会社及び京都地労委双方がそれぞれ大阪高裁に控訴した事件であるが、同高裁は会社及び京都地労委の各控訴を棄却した。 
判決主文  1 本件各控訴を棄却する。
2 控訴費用中、第17号事件につき生じた分は一審被告の、第18号事件につき生じた分は一審原告の各負担とする。 
判決の要旨  1 当裁判所は、会社の本訴請求は原審認容の限度で理由があるが、その余は失当と考えるものであって、その理由とするところは左のとおり附加するほかは原判決理由説示と同一であるからこれをここに引用する。
2 会社がAにした本件懲戒解雇は労組法7条1号所定の不当労働行為に該当するものということができる。京都地労委が本件救済命令において示した判断、すなわち、会社が挙示する事由は未だこれを懲戒解雇事由とするに足る合理性がない、とした判断は正当と認められる。
 会社は、解雇事由が存在すれば、たとえそのさい使用者側に不当労働行為意思があったとしても、不当労働行為の成立はこれを否定すべき旨主張するが、会社のした本件解雇自体に未だ正当な事由なきこと前記説示のとおりであるから、右主張はその前提を欠くものとして失当たるを免れない。
3 救済命令における遡及賃金支払(いわゆるバックペイ)に関する京都地労委の当審での所論は、すべて、最高裁昭和37年9月18日判決の判旨に反するものであって、採用することができない(右判決の理由説示参照)。
 また、京都地労委引用の最高裁昭和37年7月20日判決は、労働者が私法上使用者に対し賃金債権の支払いを訴求した場合の事案であって、本件のように、私法上の権利関係とは無関係に、労組法の規定により使用者の不当労働行為を排除し、該行為がなかったと同じ原状に回復する方法として遡及賃金の支払いを命ずる場合とは事案を異にし、本件に適切ではない。
4 よって、本件各控訴は理由がない。
その他   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
京都地労委昭和40年(不)第45号 全部救済 昭和44年 9月 4日
京都地裁昭和44年(行ウ)第33号 一部取消 昭和49年 3月15日
最高裁昭和50年(行ツ)第30号 上告棄却 昭和52年 5月 2日
 
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