概要情報
事件名 |
油研工業 |
事件番号 |
東京高裁昭和47年(行コ)第70号
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控訴人 |
神奈川県地方労働委員会 |
参加人 |
油研工業株式会社 |
被控訴人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方本部 |
判決年月日 |
昭和49年 5月 29日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
1 会社が、外注会社から派遣されたいわゆる社外工に対し、外注会社との請負契約の解除を理由に同人らの仕事を打切ったこと、及びこれに関する団交拒否が、不当労働行為に当たるとして神奈川地労委に救済申立てがあった事件である。
2 初審神奈川地労委は、労使関係を否認し組合の請求を棄却した。
組合及び組合員3名は、これを不服として、横浜地裁に行政訴訟を提起したところ、同地裁は、初審命令を取り消した。
本件は、同地裁判決を不服として、神奈川地労委が東京高裁に控訴した事件であるが、同高裁は控訴を棄却した。 |
判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、参加人の負担とする。 |
判決の要旨 |
1 当裁判所は、被控訴人らの本訴請求を正当であると判断する。その理由は、原判決の理由の一部を訂正するほか、これと同一であるので、右理由を引用する。 2 控訴審における訂正(下線部分が原判決文の一部訂正)
(1) 労働者がいわゆる社外工として、形式的な労働契約面では労働者派遣企業に所属するにとどまり、現実に労務を提供する相手の労働者受入企業との間には直接何らの契約関係がない場合であっても、労働者受入企業の被用者と一緒に労働者受入企業の工場で就労し、しかも労働者受入企業の決定する職場秩序ならびに労働者受入企業の直接的指揮監督下におかれ、労働者派遣企業がこれらの点につき何らの支配力をも有しない場合には、労働者受入企業そのものが労組法上の使用者であって、労働者派遣企業は使用者でないといわざるをえない(もっとも、いわゆる「社外工」と労働者受入企業との関係が常に労組法7条にいう「労働者」と「使用者」にあたるというのではなく、両者間の事実上の支配従属関係が、同条による規制をしなければ労組法1条1項の目的を実現することが困難と考えられるような事実上の支配従属関係が存在する場合に限るのであって、両者間の関係が右の程度に至っていない場合には労組法7条にいう「労働者」「使用者」にはあたらない。すなわち、事実上の雇傭関係に準ずるような支配従属関係であって、具体的に個々の場合毎に検討評価しなければならない。)。 (2) 会社は、雇用契約上の雇用主と同様の支配力を直接、現実かつ具体的に有しているから両者の関係が民法上の雇傭契約でなく、また、就業規則の適用がなくとも労組法上は両者の間に直接雇用に準ずる雇用関係が実質的に成立しているというべく、従って会社は、労組法7条にいう「使用者」であると解せざるを得ない(本件における会社と被控訴人3名との間に労組法7条にいう「使用者」「労働者」の関係があるというだけであって、同条にいう不当労働行為の成否に関しても通常の雇傭関係の場合と全く同一に解すべしというのではない。それは、両者間の関係の実態を克明に検討して「不当性」を判断すべきであるが、少くとも、右両者を同条にいう「使用者」「労働者」にあたらないとして、本件救済申立に対しいわゆる玄関払いをするのは誤っていると考えるのである。更に、労組法7条にいう「使用者」「労働者」にあたるからといって、その他の労働関係法規上もすべて「使用者」「労働者」にあたるというのではなく、それはそれぞれの法規の目的・立法趣旨を吟味して別個に定むべき問題である。)。 |
その他 |
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