労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  ネスレジャパンホールディング(団交) 
事件番号  最高裁平成21年(行ヒ)第71号 
申立人  ネスレ日本株式会社(平成18年1月にネスレジャパンホールディング株式会社がネスレ日本株式会社等3社を吸収合併して商号変更) 
相手方  国 
同補助参加人  ネッスル日本労働組合島田支部 
決定年月日  平成22年10月19日 
決定区分  上告不受理 
重要度   
事件概要 1 ①Y会社が、組合本部及び5支部が連名で参加する等の連名方式(以下「会社団交方式」という。)でなければ団体交渉には応じられないなどとして、X組合S支部が平成13年10月3日、同年11月6日、同年12月25日及び14年1月17日付けで申し入れた4回の団体交渉(以下「本件4回の団体交渉」という。)を拒否したこと(第1事件)、②給与支給明細書等に関連会社の名義が使用されていることについて、S支部が平成15年1月6日及び同年2月17日付けで団体交渉を申し入れて説明を求めたのにY会社が応じなかったこと(第2事件)が、不当労働行為に当たるとして、静岡県労委に救済申立てがあった事件である。
2 初審静岡地労委は、Y会社の対応は不当労働行為であると認め、①S支部から団体交渉の申入れがあった事項について、支部所在地の工場内で速やかに団体交渉に応じなければならないこと、②S支部から団体交渉を申し入れられたときは、会社団交方式でなければ応じられないとの理由で、団体交渉を拒否してはならないこと、③支部所在地の工場の従業員と会社及び会社以外の関連会社3社との間の各法律関係について文書による説明をすること、④文書手交を命じ、その余の請求を棄却した。
 これを不服として、Y会社及びS支部双方が、Y会社は、初審命令の取消し及び救済申立ての棄却などを求め、S支部は、救済方法の変更を求め、それぞれ再審査を申し立てたところ、中労委は、初審命令を一部変更(①本件4回の団体交渉拒否は、労組法7条2号には該当するが、支配介入(同条3号)には該当しないこと、②他社名義使用に関する団体交渉に係るY会社の対応は、同条2号には該当するが、支配介入(同条3号)には該当しないこと。)した上で、S支部の申立てを救済する命令を発し、その余の各再審査申立てを棄却した。
 これに対し、Y会社は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、本件命令発令後、X組合の組合員であった2名がY会社を自己都合退職したことにより、X組合には現にY会社に雇用されている労働者である組合員が存しなくなったため、本件命令の拘束力が失われてY会社にその取消しを求める法律上の利益はないとして、Y会社の訴えを却下した。
 当該却下を不服として、中労委は、本件命令の拘束力は失われておらず、原判決には重大な判断の誤りがあると主張して、原判決の取消し及び第一審への差戻しを求めて東京高裁に控訴したところ、同高裁は、原判決を取り消し、本件を東京地裁に差し戻すとの判決を言い渡した。
 本件は、同高裁判決を不服として、Y会社が最高裁に上告受理申立てを行った事件である。
決定主文  1 本件を上告審として受理しない。(中労委命令を支持)
2 申立費用は申立人の負担とする。 
決定の要旨   本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。
その他   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
静岡地労委平成14年(不)第2号・平成15年(不)第1号 一部救済  平成16年 4月16日 
中労委平成16年(不再)第31号・第32号 一部変更  平成19年 5月 9日 
東京地裁平成19年(行ウ)第602号 却下  平成20年 6月19日 
東京高裁平成20年(行コ)第264号 全部取消  平成20年11月12日 
 
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