概要情報
事件名 |
季朋会員光園 |
事件番号 |
東京地裁平成20年(行ウ)第423号・第724号 |
第1事件原告兼第2事件訴訟参加人 |
社会福祉法人やまばと会員光園 |
第1事件被告補助参加人兼第2事件原告 |
かじみつ福祉労働組合 |
両事件被告 |
国 |
判決年月日 |
平成22年3月3日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
1 Y法人が、[1]X組合の執行委員長X1に対し、18年6月1日付けで、知的障害者更生施設員光園(本部施設の一つ)から高齢者デイサービスセンター「陣屋の森」(出先施設の一つ)に配置転換したこと、[2]組合員に対し、組合からの脱退を迫るなどの言動をしたこと、[3]上記配転に関する団体交渉を一方的に打ち切ったこと、[4]就業規則の変更に当たり、組合との事前協議を行わなかったこと、[5]その他の支配介入等をしたことが不当労働行為に当たるとして、救済申立てがなされた事件である。
2 初審山口県労委は、[1]ないし[4]は不当労働行為に当たるとして、法人に対し、[1]X1に対する知的障害者更生施設員光園以外の本部施設への配転、[2]組合からの脱退を迫るなどの言動の禁止、[3]就業規則変更に際しての組合との事前の誠実協議、[4]文書手交(上記1の[1]、[2]及び[4]に関し)を命じ、その余の申立てを棄却した。これを不服として、法人は、中労委に再審査を申し立てたところ、中労委は、命令を一部を取り消し、その他を棄却した。
双方はこれを不服として、東京地裁の行政訴訟を提起した。
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判決主文 |
1 第1事件原告兼第2事件訴訟参加人の請求をいずれも棄却する。
2 第1事件被告補助参加人兼第2事件原告の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、補助参加及び訴訟参加によって生じたものを含め、第1事件及び第2事件を通じ、第1事件原告兼第2事件訴訟参加人と被告との間においては、第1事件原告兼第2事件訴訟参加人の負担とし、第1事件被告補助参加人兼第2事件原告と被告との間においては、第1事件被告補助参加人兼第2事件原告の負担とする。
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判決の要旨 |
1 X1の与薬過誤の重大性を考慮すれば、与薬過誤理由とする人事異動に前例がないからといって直ちに不合理とされるものではない。
本件配転は遅くとも発令日の8日前である平成18年5月24日にはX1に告知されているのであり、Yは労使協約に沿う対応をしているともいえる。
2 Y1前園長が、X2組合員に対し、辞職ないし解雇を示唆し、あるいは、暗黙に組合からの脱退を要求するものであることはその内容から明らかであり、この言動がY1前園長の特異な性格により誤解を招く発言程度のものであるということはできない。
3 Yは最初からXと協議しないという方針で本件団交に臨み、必ずしも本件配転の撤回ありきという方針で臨んでいないX組合や具体的な不利益を被るX1委員長に対し、本件配転の合理性について具体的に説明をしていないのであり、その交渉態度が誠実であったということはできない。
4 YはXに対し、労使協定に基づき、信義則上、少なくとも本件就業規則変更を事前に通知するべき義務があったのに、これを怠って本件就業規則変更を実施したというのが相当である。
5 中労委が、YとXとの労使関係、労使紛争を考慮して、Yに本件命令、文書交付を命じたことは、不当労働行為の被害救済措置として適切でないというこはできず、その裁量を濫用又は逸脱したものとはいえない。
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