概要情報
事件名 |
奥道後温泉観光バス |
事件番号 |
東京高裁平成20年(行コ)第39号 |
控訴人 |
奥道後温泉観光バス株式会社 |
被控訴人 |
国(処分行政庁 中央労働委員会) |
被控訴人補助参加人 |
奥道後温泉観光バス労働組合 |
判決年月日 |
平成21年7月15日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
Y会社が、①会社の事務室に2台の監視カメラなどの防犯装置(以下「監視カメラ等」という。)を設置して、X組合の組合員を威圧・監視したこと、②貸切バスの配車において、X組合の組合員をY会社所属の非組合員と比して差別的に取り扱ったことが不当労働行為に当たるとして争われた事件である。
初審愛媛県労委はY会社のこれら行為は不当労働行為に当たるとして、監視カメラ等の作動の禁止、貸切バスの配車におけるX組合の組合員と非組合員の公平な取扱いなどの救済命令を発した。
Y会社は愛媛県労委の命令を不服として、中労委に再審査を申立てたが、中労委は愛媛県労委の命令を維持し、Y会社の申立てを棄却した(以下「本件命令」という。)。
Y会社は、本件命令を不服として、その取消しを求め東京地裁に提訴したところ、同地裁は本件命令に違法はないとして、Y会社の請求を棄却した。
本件は、Y会社はこの判決に不服として、その取消しを求めて東京高裁に控訴した事件で、同高裁は、控訴を棄却した。
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判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。
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判決要旨 |
① 当裁判所も、Y会社の請求は、いずれも理由がないと判断する。その理由は、原判決の「事実及び理由」中の「第3 争点に対する判断」に説示するとおりであるから、これを引用する。
② Y会社は、控訴理由において、自社の行為について不当労働行為は成立しないとして、事実認定及び判断について種々の主張をするが、本件の証拠関係及び上記引用に係る原判決の説示に照らして、採用することができない。
③ Y会社は、X組合のX1組合員に関しては、母親の介護のために泊まりを伴う出張ができなくなったことにより、同人の勤務内容が制限されることとなったという事情変更により、同人に対する平等配車は不可能になったから、同請求に係る訴えの利益が失われたと主張する。しかし、仮にY会社が主張するようにX1に、従来どおりの業務の継続が一部困難となる事情が発生したとしても、他に手当等の付く仕事は存在するから、X1に対するすべての仕事の割当てにおいて、救済命令の履行が客観的に不可能になったとはいえない。
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