概要情報
事件名 |
南労会(配転等) |
事件番号 |
東京地裁平成18年(行ウ)第583号 |
原告 |
全国金属機械労働組合港合同 全国金属機械労働組合港合同南労会支部 |
被告 |
国(処分行政庁 中央労働委員会) |
被告補助参加人 |
医療法人南労会 |
判決年月日 |
平成20年4月21日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
X組合とその支部(以下「X組合ら」という。)は、Y医療法人(以下「Y法人」という。)がX組合らと協議することなく婦長職を導入したことなどの4件について、平成7年4月19日から同年10月13日にかけて、大阪府労委に救済を申し立てた。大阪府労委は、これらを併合し、平成9年11月8日、X組合らの申立ての一部を容れ、X1主任及びX2、X3、X4組合員に対する配転命令及び懲戒解雇は不当労働行為であるとして、Y法人にこれらの措置がなかったものとしての取扱い及びバックペイ並びに文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。これを不服としたY法人、X組合らは、中労委に再審査を申し立てた。中労委は、大阪府労委の命令のうち、X1主任の配転に関する文書手交を命じた部分は維持し、その余の申立てを棄却した。本件は、X組合らがこの中労委命令の取消しを求めた事件である。
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判決主文 |
1 原告らの請求を棄却する。 2 訴訟費用は,補助参加によって生じた部分を含め,原告らの負担とする。 |
判決の要旨 |
① 婦長制導入についての不当労働行為の成否 婦長制度導入それ自体は、X組合らの組合員の労働条件に不利益をもたらさないから、X組合らに対する支配介入としての不当労働行為と認める余地はない。したがって、これを不当労働行為であるとするX組合らの主張は、その余の点につき判断するまでもなく、理由がない。 ② X2、X3、X4組合員の配転についての不当労働行為の成否 X2、X3、X4組合員は、Y法人からの再三の業務指示を無視し、業務体制の混乱に荷担した。こうした業務混乱を考えると、Y法人がX2、X3、X4組合員を診療所看護科から他の部署へ配転することは、その勤務体制の混乱の切迫性、X2、X3、X4組合員の各行為の執拗さ、継続性を考慮するならば、配転先における当該配転の業務の必要性が乏しいとしても、また配転に伴う同人らの不利益を考慮しても、診療所の業務の正常化と秩序回復を図るための措置として十分に合理性を有するものであると認めることができるのであり、この配転をことさらX組合らに対する嫌悪を動機としてされた措置であると評価することは困難である。したがって、X2、X3、X4組合員の配転の不当労働行為性を認めることはできない。 ③ X1主任及びX2、X3、X4組合員に対する懲戒解雇についての不当労働行為の成否 本件懲戒解雇は、X1主任及びX2、X3、X4組合員の就労闘争がY法人の就業規則19条7号の懲戒解雇事由に該当する行為であることを理由としてされた処分であると認めるのが相当であり、これが不当労働行為であるとするX組合らの主張は理由がない。 |