概要情報
事件名 |
シーケンス |
事件番号 |
東京高裁平成19年(行コ)第35号 |
控訴人 |
株式会社シーケンス |
被控訴人 |
国(裁決行政庁 中央労働委員会) |
被控訴人補助参加人 |
労働組合東京ユニオン |
判決年月日 |
平成19年8月30日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、①組合が申し入れた組合員Xの未払賃金の支払等に関する団体交渉を拒否したこと、②団交申入れのために会社に赴いた組合執行委員長を有形力の行使により排除したこと、③事実に反する被害届を提出して組合員を被疑者扱いしたことが不当労働行為であるとして争われた事件で、初審東京都労委は、会社に対し、①Xの未払賃金の支払等に関する誠実団交応諾、②文書交付及び文書掲示を命じ、その余の申立てを棄却した。会社はこれを不服として、中労委に再審査を申し立てたところ、中労委は、文書交付及び文書掲示を命じた部分を文書交付のみに変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 会社は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は会社の請求を棄却した。これに対し、会社は、東京高裁に控訴したが、同高裁は控訴を棄却した。 |
判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は、補助参加によって生じたものを含め、控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
① 会社は、X1組合員が告訴した賃金未払の労働基準法違反事件を検察官が不起訴処分としたから、会社には労働基準法違反の事実がなく、会社には団体交渉に応ずべき義務がなかったことが明らかであるというが、東京地裁判決が説示するとおり、検察官の不起訴処分があったからといって、会社に労働基準法違反の事実がなかったと断じることはできないし、会社が団体交渉を拒否することを正当化することにもならないとされた例。 ② 東京地裁判決には事実誤認があるなどと記載しているというが、証拠に基づかない主張にとどまるのであって、請求の理由がないことを覆すに足りるものではなく、その他、会社の当審における主張を子細に検討しても、請求の理由がないことを覆すに足りるものはないとされた例。 |