概要情報
事件名 |
ブライト証券 |
事件番号 |
東京地裁平成16年(行ウ)第474号
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原告 |
ブライト証券労働組合 |
被告 |
東京都労働委員会 |
申立人 |
ブライト証券株式会社 |
申立人 |
株式会社実栄 |
判決年月日 |
平成17年12月 7日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、被告参加人会社である親会社Bが団体交渉に応じなかったこと及び被告参加人会社Aが団体交渉において誠意をもって対応しなかったことは不当労働行為であるとして争われた事件である。 被告東京都労委は、被告参加人会社A・Bの態度は不当労働行為に当たらないとして原告の申入れを棄却したが、これを不服として原告が東京地裁に行政訴訟を提起した。 同地裁は、これを棄却した。 |
判決主文 |
1 原告に請求を棄却する。 2 訴訟費用は、参加によって生じたものを含め、すべて原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
6310 違法判断の基準時
平成16年11月分以降の給与について合意する本件協定の締結をもって原告らの救済利益が消失したとする被告参加人会社らの主張については、仮に被告参加人らに原告は主張するような不当労働行為があったと判断される場合に、本件協定が締結されたとの一事をもって、不当労働行為による団結権侵害の結果が除去され、正常な労使関係が完全に回復したとみることはできないから、被告参加人らの主張は採用できないとされた例。
2130 雇用主でないことを理由
4915 親会社
6150 当事者能力・当事者適格
親会社である被告参加人会社Bが本件において労組法上の使用者に当たるか否かは、Bが管理規定を通じて現実に被告参加人会社Aをどのように管理・監督していたかという実態面により判断されるべきであるがBは、Aの従業員の基本的な労働条件の一部(賃金、人事)に対してある程度重大な影響力を有していることは認められるものの、その態様及び程度をみると、持株会社がグループの経営戦略的観点から子会社に対して行う管理・監督の域を超えるものとはいい難く、原告主張の各事情をもって、Bが、本件当時、直接の雇用契約関係にないAの従業員の基本的な労働条件につき、支配株主としての地位を越えて、雇用契約の当事者であるAが祖生労働者の基本的な労働条件等を直接支配、決定するのと同視し得る程度に、現実的かつ具体的に支配力、決定力を有していたとみることはできず、本件において、他に、Bの労組法上の「使用者」性を裏付け得るような事情も見当たらないことから、Bは原告との関係で、労組法上の「使用者」にあたるとはいえず、これを理由に団体交渉を拒否したことは不当労働行為に当たらないとされた例。
2240 説明・説得の程度
2249 その他使用者の態度
6150 当事者能力・当事者適格
6222 団体交渉拒否
原告の、Aがあたかも本件転籍前に平成14年度賃金を本件金額(Aが平成14年度の従業員の年俸を一般職240万円、リーダー職300万円、部長職360万円とすると発表したもの)とすることが確定していた旨、意図的に虚偽の事実を述べたとの主張には証拠がないこと、平成14年度の賃金に関する団体交渉当時のAの財務状況に照らせば、大幅な営業損失が見込まれていたと認められ、Aが本件金額をベースにして平成14年度賃金の交渉を行おうとしたのはやむを得ないものであったといえること、Aは本件金額をベースとした賃金交渉には応じる態度を示し、実際にも、これに即した譲歩案を原告に提示していること、原告組合員らと雇用関係にあるのはAであるから、Bと誠実な協議をしないまま団体交渉に臨んだことは不誠実にあたらないこと等から、Aの原告との団体交渉の態度が不誠実であったとは認められず、不当労働行為には当たらないとされた例。
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業種・規模 |
金融業、保険業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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