事件名 |
日経ビーピー |
事件番号 |
東京高裁平成16年(行コ)第44号
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控訴人 |
X1 |
被控訴人 |
中央労働委員会 |
被控訴人参加人 |
株式会社日経ビーピー |
判決年月日 |
平成16年 5月19日 |
判決区分 |
一審判決の全部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が(1)申立人X1を配置転換し、譴責・減給・出勤停
止の各処分に付したこと及び昇格差別したこと、(2)その後、無断欠勤を理由に同人を懲戒解雇したことが不当労働行為である
として申立てがあった事件である。東京地労委は、申立書が不当労働行為を構成する具体的事実の記載を欠くとともに、補正され
ないことを理由に申立てを却下したところ、これを不服としてX1から再審査の申立てがなされ、中労委は、再審査申立てを棄却
したが、X1はこれを不服として、東京地裁に行政訴訟を提起していた。同地裁は、X1の請求を棄却したところ、X1はこれを
不服として東京高裁に控訴したが、同高裁は、X1の控訴を棄却した。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
5141 補正されない申立て・要件不備
審問手続きを経るまでもなく申立人の主張する事実が不当労働行為の要件を欠くことが明らかな場合には、規則第34条1項5号
により審問手続きを経ることなく申立てを却下することができると解されるが、同様に調査手続きを尽くして、申立人に対し、
「不当労働行為を構成する具体的事実」を明らかにするように補正を求めたにもかかわらず、不当労働行為を構成する事実の記載
が不十分で審理の対象が明らかとならず、さらなる審理を重ねても不当労働行為の成否を判断することができないと認められると
きには、労働委員会は規則32条2項3号、4項、34条1項1号により、申立人の申立てを却下することができるとされた例。
5141 補正されない申立て・要件不備
本件申立ては、不当労働行為を構成する具体的事実の記載がなく、労働委員会規則32条2項3号の要件を欠き、かつその補正が
なされなかったものであるから、規則34条11項1号に基づき本件申立てを却下した初審決定は違法ではなく、また、中労委に
おける再審査手続においても、右記具体的事実の補充はなされなかったのであるから、初審決定を相当として、再審査申立てを理
由がないとした本件命令は正当であるとした原判決が相当であるとされた例。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
中央労働時報 2005年2月10日 1037号 63頁
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