事件名 |
平川商事 |
事件番号 |
奈良地裁平成12年(行ウ)第18号
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原告 |
平川商事株式会社 |
被告 |
奈良県地方労働委員会 |
被告参加人 |
X1 |
判決年月日 |
平成15年 2月12日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、(1)レジ操作の不正行為を理由とする組合員X2に対する
雇止処分(2)来館者用の新聞を自席に持ち帰って読んだことを理由とする組合員X1に対する降格処分、(3)年末一時金の不
支給、(4)会社内に録音機を設置した組合員に対する事情聴取の繰返し等、(5)同問題に関する不誠実団交、(6)組合支部
長に金員を交付して退職させたことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
奈良地労委は、(1)組合員X1に対する降格処分がなかったものとしての取扱い、役職手当のバック・ペイ(命令交付日まで
半額控除)、(2)組合支部長に金員を交付することによって退職させるなどしての支配介入の禁止を命じたところ、これを不服
として会社が行政訴訟を提起した。
奈良地裁は、会社の請求を棄却した。 |
判決主文 |
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
1200 降格・不昇格
3601 処分の程度
本件降格処分は、勤務時間中に自席で私的に新聞を読んでいた新聞事件についての懲戒処分としては相当と認められる程度を越え
た過重なものであり、その過重な部分については、組合の活動を嫌悪している会社が、不当労働行為意思を決定的動機として、組
合員X1に対する不利益取扱いを行ったものと認められることから、労働組合法7条1号本文前段の不当労働行為に当たり、ま
た、組合において重要な役割を果たしていた同人に対し過重な本件降格処分を科すことは、組合員らを動揺させたり、組合活動の
弱体化や組合員の減少をもたらしかねないものであるから、労働組合法7条3号の不当労働行為にも該当する。
4407 バックペイの支払い方法
本件役職手当の支払(本件命令交付日までは半額控除)を命じることも委員会の裁量の範囲内であると認められる。
4407 バックペイの支払い方法
役職手当の支払を命じた主文第1項(2)は、委員会はX1に対し、本件降格処分がなかった場合にX1が支給を受けるはずで
あった役職手当から、実際に支給されていた役職手当に相当する額を控除した額について、新聞事件の非違行為としての程度など
を考慮した上、さらに、その半額を控除した額につき支給を命じたものと解され、委員会の裁量権の範囲内であると認められる。
2625 非組合員化の言動
組合支部長X3が会社内の録音機設置行為に関与していたのであれば、懲戒免職処分とすることも考えられるのに、X3は通常の
自己都合による退職よりも有利な取扱いを受けていることが認められること等からすると、会社のX3に対する賞与の支給は、組
合支部長で中心人物である同人に対し、有利な取扱いをすることによって、できるだけ早く同人を退職させて、それと同時に組合
から脱退させることによって、組合の運営から排除し、組合を弱体化させる意図があったものと認められ、労働組合法7条3号の
不当労働行為に当たる。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
会社が組合の運営に対する干渉や弱体化を図る恐れが解消されたと認めるに足りる証拠はなく、支配介入の禁止を命じる被救済利
益は失われていないというべきである。
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業種・規模 |
娯楽業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
中央労働時報 2003年8月10日 1016号 35頁
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