概要情報
事件名 |
大藤生コン三田 |
事件番号 |
大阪地裁平成 7年(行ウ)第28号 平成 8年(行ウ)第1号
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原告 |
大藤生コン三田 |
被告 |
大阪府地方労働委員会 |
被告参加人 |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 |
判決年月日 |
平成 8年 9月30日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
A社構内に設立されたB社の解散に伴い、A社にB社の従業員であったX1の所属する組合からの平成5年10月28日付「分会長X1の雇用関係確認の問題について」、及び平成6年9月16日付「未払賃金の精算、X1の労働条件、その他」を議題とする団交申入れを、A社がX1の使用者でないことを理由として拒否したことが争われた事件である。 大阪地労委は、A社がNの労働関係上の諸利益に対して、Nの雇用契約上の雇主と同視し得る程、具体的な影響力ないし支配力を及ぼし得る地位にあることから、労組法7条の使用者に当たり、本件団交拒否を不当労働行為であると判断し、A社に対し速やかに両議題についての団交に応じることを命じた。 A社は、これを不服として大阪地裁に行訴を提起していたが、同地裁は請求を棄却した。 |
判決主文 |
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
4900 請負・委任・派遣契約
A社とX1の間には強度の指揮連絡関係が存在しているのに対し、B社はX1の雇用主としての実体がなく、B社は実質的にはA社の企業組織の一部と同視すべきものであるうえ、A社代表も実質的にはX1を自己の従業員と同視していたことが認められるのであるから、A社とX1との間には黙示の雇用契約が成立していたと見るべきであり、A社は、形式上X1がB社の従業員であることをもってX1との労働契約関係を否定することはできない。
2130 雇用主でないことを理由
A社は、X1との関係において労組法7条2号所定の使用者に該当するのであるから、X1が現に加入している労働組合である補助参加人との団体交渉を正当な理由がなく拒むことができないことは明らかである。
2301 人事事項
組合の申入れに係る団交事項はいずれも組合員の労働条件に関する事項で使用者が処分可能なものであるので、団体交渉の対象として許容される
2301 人事事項
「分会長X1の雇用関係確認の問題について」は、X1が就労を拒否されている状況において、同人の現実の就労を求める趣旨であると解されるので、使用者であるA社に処分可能なものであるのでこの点も団交の対象として許容される。
4500 交渉拒否理由または交渉条件に関する指示に触れた例
A社がX1との関係で労組法7条2号所定の「使用者」に当たることを前提に、組合の申し入れに係る団交事項につき、A社に対し、団交を命じた本件命令は適法である。
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業種・規模 |
建設業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集31集311頁 |
評釈等情報 |
 
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