概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(自動車事業部) |
事件番号 |
東京高裁平成 8年(行コ)第139号
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控訴人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
被控訴人 |
中央労働委員会 |
被控訴人参加人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
被控訴人参加人 |
国鉄労働組合東京地方本部関東地方自動車支部 |
被控訴人参加人 |
国鉄労働組合東日本本部 |
判決年月日 |
平成 9年 9月 9日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
会社の自動車事業部の総務課長Y1が、昭和62年11月27日、東京自動車営業所の分会執行委員長X1の自宅を訪問して、国労からの脱退を勧奨し、同人を脱退させたことが不当労働行為であるとして争われた事件。 初審東京地労委が、このY1課長の脱退勧奨行為は不当労働行為に当たるとして、文書の交付を会社に命じ、中労委も初審命令を維持し、再審査申立てを棄却したため、会社はこれを不服として取消訴訟を提起した。 東京地裁が会社の請求を棄却したため、会社は東京高裁に控訴したが、同高裁は、この控訴を棄却した。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
5121 挙証・採証
X1の分会三役会議、執行委員会における発言内容につき、同人が原審においてこれを虚偽の事柄である旨の証言を行っているが、同証言は信用し難いとした原審判断が支持された例
5121 挙証・採証
会社は、Y1課長がX1宅を訪問して話した内容は、二人乗務の話題が中心であって脱退勧奨をした事実はないと主張し、証人H課長、同X1らはこの主張に沿う証言をしているが、証言等は信用性に乏しいとした原審判断が支持された例
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
Y1課長は、分会委員長であったX1に「国労に残っていては駄目だ」、「あんたを飛ばすわけにはいかない」などと申し向けて脱退を勧奨した事実が認められ、この行為は労組法7条3号の不当労働行為にあたるとした原審判断が支持された例
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
Y1課長の分会委員長であったX1に対する脱退を勧奨する発言は、会社がその職制を介して行った労組法7条3号の不当労働行為にあたるとされた例
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集32集350頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1998年5月15日 734号 72頁 
中央労働時報 1997年9月10日 927号 38頁 
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