事件名 |
明輝製作所 |
事件番号 |
東京高裁昭和60年(行コ)第37号
東京高裁昭和60年(行コ)第45号
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控訴人 |
株式会社 明輝製作所 (45号) |
控訴人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方本部 (37号) |
被控訴人 |
中央労働委員会 (37号) |
被控訴人 |
中央労働委員会 (45号) |
被控訴人参加人 |
株式会社 明輝製作所 (37号) |
被控訴人参加人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方本部 (45号) |
判決年月日 |
昭和63年 8月31日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、組合に対し仕事上の差別並びに残業及び休日出勤の差別をしたことが不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、東京地裁が維持した中労委命令の取消しを労使双方がそれぞれ求めて東京高裁に控訴していたものである。同高裁は、会社側控訴を棄却し、組合側控訴を認め、救済棄却部分の中労委命令を取り消した。 |
判決主文 |
1 昭和60年 (行コ) 第45号事件控訴人の控訴を棄却する。
2 原判決中昭和60年 (行コ) 第37号事件控訴人に関する部分を取り消す。
昭和60年 (行コ) 第37号事件被控訴人が中労委昭和55年 (不再) 第56号事件にいて昭和57年 9月1 日付けでした命令中残業及び休日出勤の差別扱いについての賃金相当額の支払を求める救済申立てを組合員X1以外の者につき棄却した部分を取り消す。
3 昭和60年 (行コ) 第45号事件控訴人と同事件被控訴人及び参加人の間の控訴費用は、同事件控訴人の負担とし、昭和60年 (行コ) 第37号事件控訴人と同事件被控訴人及び参加人との間の訴訟費用は、第一、二審とも、参加によつて生じた費用を同事件参加人の負担とし、その余を同事件被控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
1302 就業上の差別
組合員に対し雑作業を命ずる等仕事上の差別及び残業等についての差別は、組合活動を理由とする不利益取扱いであり、組合に対する支配介入の不当労働行為であるとした認定判断は違法でない。
4411 配転・転勤・出勤停止・下車勤等の場合
仕事上の差別及び残業等の差別に関する救済として、差別の禁止、差別がなかったならば得たであろう賃金相当額の支払い、誓約書の提示を命じた命令は違法ではない。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
初審結審時の組合脱退者に対する残業等の差別は、個々の組合員の権利侵害にとどまらず、組合運営の支配介入にも当たるので、組合は侵害状態の除去是正を求める固有の救済利益を有するから、これを棄却した命令は違法であり取消す。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集23集271頁 |
評釈等情報 |
判例時報 1286号 146頁
労働判例 527号 34頁
労働経済判例速報 1351号 3頁
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