概要情報
事件名 |
東洋シート |
事件番号 |
東京地裁平成 5年(行ウ)第30号
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原告 |
株式会社 東洋シート |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
全国金属機械労働組合 |
判決年月日 |
平成 7年 6月 8日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、申立人組合(「金属機械広島地方本部東洋シート支部」)の存在を認めず、東洋シート労組と妥結した昭和54年度年末一時金について、新支部の組合員らに同意する旨の念書の提出を求め、同組合員らが拒否したところ、同一時金を支給しなかったことが、不当労働行為であるとして申立てのあった事件である。初審東京地労委の救済命令を不服として、会社から再審査の申立てがなされ、中労委は、再審査申立てを棄却したところ、会社はこれを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は平成7年6月8日、会社の請求を棄却した。 |
判決主文 |
原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
4833 組織の消滅(含1人組合となった場合)
支部執行委員会においてなされた支部が団体として上部団体から脱退する旨の決議は、組合規約に定められた手続に沿わない方法で行われたため無効であり、右脱退決議賛成者は個人として上部団体に所属する支部から脱退したものといえるから、右脱退者が新たに結成した東洋シート労組は支部残留者の参加人組合とは同一性がない別組合であって、参加人組合が支部の正当な継承者であるとされた例。
2802 福利厚生資金に関する寄付・貸付等
会社が支部の存在を否定して昭和54年度年末一時金についての団交を拒否し、X1らに対し「会社の支給額に同意し、ここに異議なく受領する」旨の念書の提出を求め、同人らがこれを拒否したことによる右一時金の不支給が、同人らが支部所属組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たるとされた例。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
右一時金の支払い及びポスト・ノーティス命令については、会社は別件裁判所の判決に従い、留保付きで支払い、また念書を廃止したものの、上訴中で紛争は完全に解決した訳ではなく、今後も同種の不当労働行為が繰り返される虞れがないとはいえないことから、同命令を維持することが相当とされた例。
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業種・規模 |
石油製品・石炭製品製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集30集303頁 |
評釈等情報 |
労働判例 683号 52頁 
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