概要情報
事件名 |
高知県観光 |
事件番号 |
最高裁平成 5年(行ツ)第141号
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上告人 |
高知県観光 株式会社 |
被上告人 |
高知県地方労働委員会 |
判決年月日 |
平成 7年 4月14日 |
判決区分 |
控訴審判決の一部破棄自判 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が組合員を他の従業員と異なる勤務シフトに勤務させ、これに従わなかった組合員を出勤停止処分にしたこと等が不当労働行為であるとして争われた事件である。 高知地労委は、勤務シフト差別の禁止等を命じた(昭63(不)1、平2・1・11決定)ところ、会社はこれを不服として行訴を提起したが、第一審高知地裁(平2(行ウ)1、平3・6・18判決)は、高知地労委の救済命令を支持して会社の請求を棄却した。さらに高松高裁が一審判決を維持し、会社の控訴を棄却(平3(行コ)4、平5・6・22判決)したため、会社が上告していたものである。 最高裁は後述のとおり原判決を一部破棄し、時間外労働等に関する差別扱いの禁止及びこれにかかるバック・ペイ、支配介入の禁止を命じた部分を取り消し、その余の上告を棄却した。 |
判決主文 |
原判決のうち別紙記載の救済命令の部分に関する部分を破棄し、第一審判決のうち右部分を取り消す。 被上告人がした別紙記載の救済命令の部分を取り消す。 上告人のその余の上告を棄却する。 訴訟の総費用はこれを5分し、その1を被上告人の、その余を上告人の負担とする。 |
判決の要旨 |
6330 審査手続の違法
会社が、申立組合との間で新勤務シフトを前提とする36協定の締結を拒否し、申立組合の組合員の時間外労働を禁止した行為は、団交で、新賃金計算方法による基礎給の歩合の引下げを強く主張し、その合意がなければ36協定の締結には応じられないとした会社の態度が不誠実とはみられないことから、これを不当労働行為に当たるとした原審の判断が労組法7条1号及び3号の解釈を誤った違法があるとして取り消された例。
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
申立組合員に対する一連の懲戒処分が、申立組合を嫌悪し、その組合員に不利益を与えることを意図して行われた不当労働行為であるとした原審の判断が相当とされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集30集225頁 |
評釈等情報 |
判例時報 1530号 134頁 
判例タイムズ 878号 127頁 
労働経済判例速報 1570号 3頁 
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