概要情報
事件名 |
文祥堂 |
事件番号 |
最高裁平成 4年(行ツ)第112号
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上告人 |
大阪府地方労働委員会 |
上告人参加人 |
総評全国一般大阪地連文祥堂労働組合大阪支部 |
被上告人 |
株式会社 文祥堂 |
判決年月日 |
平成 7年 1月24日 |
判決区分 |
上告の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、大阪支店の出張所の閉鎖、従業員の配転等を内容とする改革案に関する団交において、組合が会社との間で合意が成立したとした5項目について協定書の作成を求めたところ、会社がこれを拒否したことをめぐって争われた事件である。 大阪地労委(63・5・11決定)は、(1)会社は、本社及び三田工場を会社財産のまま維持するよう努力する、(2)会社は、大阪支店を存続させたうえ、同支店に勤務する従業員については、原則として同支店で雇用継続するよう努力する、(3)会社は、大阪支店の閉鎖、縮小並びにこれに伴う同支店に勤務する支部組合員の労働条件の変更について、労使間の合意を得るよう事前に支部との間で誠意をもって団体交渉を行うことを内容とする協定書の作成を命じたところ、会社はこれを不服として行政訴訟を提起した。 第一審大阪地裁(2・10・26判決)は、会社の請求を認容し、地労委の救済命令を取り消した。さらに地労委が控訴した大阪高裁判決も一審判決を維持した(4・3・5判決)ため、地労委が上告していたものである。 最高裁は高裁判決を維持し、地労委の控訴を棄却した。 |
判決主文 |
本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 |
判決の要旨 |
2300 賃金・労働時間
本件団交においては、会社と支部間で大阪支店の閉鎖等に伴う労働条件の変更について、事前協議事項とすることの合意の成立は認められないとした原判決の事実認定に経験則違背の違法はないとされた例
2304 経営事項
会社提案の再建計画に係る団交において、部分的事項の暫定的ないし仮定的な譲歩に係る会社の見解表明は計画全体の合意の成立を条件としてなされたものであって、当該部分的事項の労働協約化を再建計画全体の妥結がないことを理由に会社が拒否しても不当労働行為に当たらないとした原判決が相当とされた例
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集30集56頁 |
評釈等情報 |
労働判例 675号 6頁 
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