概要情報
事件名 |
広島タクシー・ときわタクシー |
事件番号 |
広島高裁昭和62年(行コ)第4号
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控訴人 |
広島県地方労働委員会 |
控訴人参加人 |
株式会社 ときわタクシー |
控訴人参加人 |
株式会社 広島タクシー |
被控訴人 |
X1 外36名 |
被控訴人 |
X2 外1名 |
被控訴人 |
広島タクシーグループ労働組合 |
判決年月日 |
平成 3年 7月17日 |
判決区分 |
一審判決の全部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、別組合を脱退し申立人組合に加入した組合員に対する別組合の組合員としてのチェック・オフの実施、賃金スライド制の導入に同意しないことを理由とする一時金の支給差別等をめぐって争われた事件で、広島地労委の救済命令(59・6・28決定)の一部棄却部分を取り消した広島地裁判決(62・6・3)を不服として同地労委が控訴していたが、広島高裁は同地労委の主張を認め、地裁判決を取り消した。 |
判決主文 |
1 原判決を取り消す。 2 被控訴人らの請求を棄却する。 3 訴訟費用は、第1、2審を通じ、参加によって生じた費用を含めて被控訴人らの負担とす る。 |
判決の要旨 |
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
別組合から脱退して申立組合に加入した3名から組合費を2重にチェック・オフしたことは両組合から控除申請がなされていたためとった措置で、これを不当労働行為ということはできず、これを不当労働行為とした1審判決は取り消す。
1201 支払い遅延・給付差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
一時金の上積み回答にあたり賃金のスライド制導入を提案したところ、別組合はこれを受諾し、申立組合はこれを拒否した結果、一時金に差が生じたことは、両組合の自由意思による選択の結果であって、不当労働行為とはいえない。
1201 支払い遅延・給付差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
3700 使用者の認識・嫌悪
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
賃金のスライド制導入の提案や、同提案を受け入れた別組合に一時金を上積み支給したことをもって、申立組合の団結権否認や嫌悪の意思が決定的動機となったものとは認められず、これを不当労働行為とした1審判決は取り消す。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集26集338頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 832号 47頁 
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