概要情報
事件名 |
ネッスル(霞ヶ浦工場) |
事件番号 |
東京高裁平成 1年(行コ)第136号
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控訴人 |
ネッスル 株式会社 |
被控訴人 |
中央労働委員会 |
被控訴人参加人 |
ネッスル日本労働組合 |
被控訴人参加人 |
ネッスル日本労働組合霞ヶ浦支部 |
判決年月日 |
平成 3年 6月26日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、(1)組合からの団体交渉申入れに対して、会社内には同一名称の別組合しか存在しないとの理由により団体交渉を拒否したこと、(2)組合及び組合員から中止の申入れがあったにもかかわらず、組合員の給与から組合費をチェック・オフし、これを別組合に交付したことが不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、初審茨城地労委の一部救済命令に対し、会社、組合双方から再審査の申立てがなされ、中労委は、チェック・オフした組合費相当額に年5分の割合による金員を付加すること等を一部変更したほかは再審査の申立てを棄却した。これを不服として、会社は東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、中労委の命令を支持して請求を棄却した。さらに会社は東京高裁に控訴していたが、同高裁は、会社の控訴を棄却した。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
チェック・オフは組合と雇用主との取立委任契約と、組合員が雇用主に支払いを委任する契約が存在することにより、三者間に法律効果が生ずるから、組合員がチェック・オフの中止を申し入れて後の組合費を別組合に引き渡すことは不当労働行為である。
4406 バックペイに利子・付加金を付したもの
6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
組合員からチェック・オフした金員相当額の支払いを命ずるにあたり、年5分の割合による金員の付加を命じたことは、労委の裁量権の範囲を逸脱したものとはいえない。
2114 組合の不存在
団交拒否の不当労働行為が争われている場合、組合が客観的に実体として存在しているか否かを問題とすれば足り、法律的に旧組合といかなる関係にあるかを判断する必要はない。
0110 結成行為の範囲とされた例
参加人組合が訴外組合と別個独立に執行部役員を選出し、組合規約を制定し、労働者の団結体としての実態を有するに至った以上、参加人組合所属の組合員が旧組合を脱退又は除名の手続を履践したか否かを問わず労働組合として成立したことが認められるとした原審は相当である。
6330 審査手続の違法
参加人組合の存在を否認して団交を拒否したことは労働組合法第7条2号にいう正当な理由のない団交拒否に該当する不当労働行為であるとした原審は相当である。
6342 不利益取扱いに関する不当労働行為の成否の判断の誤り
参加人組合の組合員個人から訴外組合とのチェック・オフ協定に基づくチェック・オフの中止の申入れがあった場合、参加人組合員が訴外組合の組合員資格を有していたか否かを確認するまでもなくチェック・オフを中止すべきであったのに、これを継続してその金員を訴外組合に交付したことが、参加人組合員に対する不利益取扱いであるとともに参加人組合の弱体化を図る支配介入に該当する不当労働行為であるとした原審は相当である。
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業種・規模 |
飲料・たばこ・飼料製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集26集315頁 |
評釈等情報 |
労働関係民事裁判例集 42巻3号 487頁 
判例時報 1401号 124頁 
判例タイムズ 786号 175頁 
季刊労働法 164号 207頁 
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