労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  日本鋼管(鶴見造船) 
事件番号  東京地裁昭和59年(行ウ)第102号 
原告  日本鋼管  株式会社 
被告  中央労働委員会 
被告参加人  全日本造船機械労働組合日本鋼管分会  他3名 
被告参加人  日本労働組合総評議会全日本造船機械労働組合 
判決年月日  昭和63年 6月30日 
判決区分  請求棄却・訴えの却下 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、組合員3名の解雇撤回、原職復帰、バック・ペイ及び文書手交を命じた中労委の救済命令を不服として行政訴訟を提起し、争った事件で、東京地裁は 6月30日、中労委命令交付後和解により退職したSに関する部分の請求を却下し、その余の請求を棄却する旨の判決を言い渡した。 
判決主文  1 被告が、原告を再審査申立人とし補助参加人らを再審査被申立人とする中労委昭和56年 (不再) 第12号事件について昭和59年 6月 6日付けでした命令中、右命令主文第2項によつて維持するものとされた神奈川県地方労働委員会昭和54年 (不) 第17号事件の昭和56年 2月 5日付け命令主文第1項中の補助参加人佐藤実に関する部分にかかる請求につき、本件訴えを却下する。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は原告の負担とする。 
判決の要旨  4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
本件命令後に救済対象者が和解して退職したとしても、本件命令の後に生じた事由は本件命令を違法たらしめる事由に該当しない。

3700 使用者の認識・嫌悪
X1ら3名の分会加入という分派的活動が除名の理由であると同時に解雇の原因であり、本件解雇により会社内の分会活動は壊滅的打撃を受けることを原告が認識していたと認められ、不当労働行為意思がなかったとの原告の主張は採用できない。

6140 訴の利益
救済対象者が命令後に和解して退職しているから、当該命令部分は原告に対する拘束力を失ったというべきであり、当該部分を取消す実質的利益がなく、その取消を求める請求は訴えの利益を欠くものとして却下する。

1000 ユニオン・ショップ
労組法7条は労働協約より上位の規範であるから、労働協約によりその効力を排除することはできず、ユ・シ協定に基づく解雇であっても除名原因が組合加入、結成等労組法7条所定の行為であるときは、解雇が不当労働行為を構成する。

1000 ユニオン・ショップ
2901 組合無視
本件解雇がX1ら3名の分会加入及び組合活動を理由とするものであるから、不利益取扱いであるほかに、分会に対する支配介入に当たり、労組法7条1号及び3号に該当する不当労働行為である旨の労委の認定判断に誤りはない。

業種・規模  輸送用機械器具製造業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集23集137頁 
評釈等情報  判例時報 1281号  148頁 
労働判例  521号 12頁 
ジュリスト 香川 孝三  943号  117頁 
判例タイムズ 林 豊  706号  390頁 

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
神奈川地労委昭和54年(不)第17号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和56年 2月 5日 決定 
中労委昭和56年(不再)第12号 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和59年 6月 6日 決定 
神奈川地労委昭和54年(不)第17号/他 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和61年 2月20日 決定 
 
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