事件名 |
郵政省新宿郵便局 |
事件番号 |
東京地裁昭和42年(行ウ)第69号
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原告 |
全逓信労働組合 |
被告 |
公共企業体等労働委員会 |
被告参加人 |
国 |
判決年月日 |
昭和47年 6月10日 |
判決区分 |
救済申立棄却命令の一部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
郵便局長が、(1)自宅の酒席において、新労結成の中心人物による
全逓組合員に対してのオルグ活動を制止せず放置したこと、(2)職員の配置転換、昇任、研修所への入所許可に当たり、全逓組
合員を別組合員に比べ不利益に扱ったこと、(3)庁舎内で開催された職場集会に対して解散命令を通告したこと、(4)組合掲
示板を無許可であることを理由に撤去したこと、(5)別組合に対して掲示板を供与しながら、全逓には供与しなかったこと、
(6)別組合に対して食堂の使用を許可しながら、全逓には許可しなかったことが争われた事件で、公労委は、組合の申立てを棄
却した。
組合は、これを不服として、東京地裁に行政訴訟を提起していたが、同地裁は、救済申立棄却命令の一部を取り消し
た。 |
判決主文 |
1 申立人原告全逓信労働組合、被申立人郵政大臣および新宿郵便局
長間の昭和40年(不)第2号事件につき被告が昭和42年2月13日にした別紙命令書記載の命令中、(1)新宿郵便局長Y1
が昭和40年5月13日貯金募集打合会でした発言、(2)同郵便局長が同月16日自宅においてした郵政労働組合への加入のし
ようよう、(3)同郵便局長が同年4月20日同郵便局長室において臨時補充員X1らにした発言、(4)同年5月10日の原告
組合新宿支部の職場集会に対する妨害、(5)同年6月7日の原告組合新宿支部の職場集会に対する監視および(6)同月11日
の原告組合新宿支部の職場集会に対する監視がいずれも不当労働行為を構成しないとして、ならびに(7)同郵便局庶務課長Y2
らが同月10日原告組合新宿支部の組合掲示物を撤去した行為に対して救済命令を発する必要がないとして、これらの点に関する
原告の救済申立てを棄却した部分を取り消す。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用中、本訴によって生じた部分を二分し、その一を原告の、その余を被告の負担とし、参加によって生じた部分を二分
し、その一を原告の、その余を参加人の負担とする。 |
判決の要旨 |
2620 反組合的言動
郵便局長が、貯金募集打合会の席上、別組合を賞揚し、原告組合を非難したことは、組合の運営に対する支配介入として不当労働
行為を構成する。
2620 反組合的言動
郵便局長が、採用後日が浅く、まだいずれの組合にも属していない臨時補充員らに対し、自宅の酒席において、原告組合を非難し
たことは、組合の結成ないし運営に対する支配介入として不当労働行為を構成する。
2500 別組合の結成・援助
2620 反組合的言動
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
郵便局長が、採用後日が浅く、まだいずれの組合にも属していない臨時補充員らを局長室に呼び、原告組合を非難するとともに、
別組合を賞揚したことは、組合の結成ないし運営に対する支配介入として不当労働行為を構成する。
3020 組合活動への制約
郵便局長が、郵便局局舎内における無許可集会の解散を命じたことは、適法な庁舎管理権の行使というべきであり、組合の運営に
対する支配介入とは認められない。
3020 組合活動への制約
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
休憩室は本来職員の自由使用に委ねられている所であり、当局も組合の休憩室の自由使用を認めていたのであるから、休憩室使用
目的の障害事由が発生しない限り、庁舎管理権の発動としては休憩室における職場集会の解散を命ずることは許されず、右職場集
会に対して解散を通告したことは、適法な職場集会に対する妨害行為であり、組合の運営に対する支配介入として不当労働行為を
構成する。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
郵便局局舎内の組合掲示板から無許可掲示物を撤去したことを不当労働行為に当たると認定しながら、その後個々の掲示物の掲示
に許可を要しない取扱いになったため救済の必要がないとして救済申立てを棄却した公共企業体等労働委員会の命令は違法であ
る。
3020 組合活動への制約
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
郵便局局舎内における無許可集会に対し、使用禁止を通告することはともかく、集会の運営そのものを妨害するような挙に出るこ
とは、庁舎管理権の目的を逸脱したものであるから、右集会に対し、課長らが中に割って入り、大声で解散するよう叫び、終始右
集会の状況を監視し、組合員の発言内容をメモした行為は、組合の運営に対する支配介入として不当労働行為を構成する。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
組合員数の少ない別組合に対して、原告組合と同一大の掲示板を供与したことは、不当労働行為とはならない。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
別組合には貯金課外務室の使用を許可しながら、原告組合には食堂の使用を許可しなかったことは、諸条件が異なっているため、
不当労働行為ということはできない。
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業種・規模 |
分類不能の産業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
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