概要情報
事件名 |
ニプロ医工 |
事件番号 |
東京地裁昭和58年(行ウ)第115号
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原告 |
ニプロ医工 株式会社 |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
合化労連化学一般関東地方本部 |
被告参加人 |
合化労連化学一般関東地方本部ニッショー・ニプロ支部 |
判決年月日 |
昭和60年 9月26日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、(1)会社が組合を批判する内容の記事を掲載した社内報を配布したこと、(2)会社の課長が組合からの脱退、別組合への加入を慫慂したこと、(3)社長が年頭あいさつの中で組合を批判する言動を行ったこと等が不当労働行為であるとして争われた事件である。初審群馬地労委(57・7・22)は、上記(1)、(2)及び(3)はいずれも不当労働行為であるとして支配介入の禁止とポスト・ノーティスを命じ、中労委(58・6・1)は、社長の年頭あいさつは不当労働行為にあたらないとしたほかは初審命令を維持し再審査申立てを棄却した。会社は、これを不服として取消訴訟を提起したが、東京地裁は、請求を棄却した。 |
判決主文 |
原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
2620 反組合的言動
トップ会議の模様を掲載した組合機関紙に対抗して会社が掲示板に社報を掲示したことは、その内容から見て、真意は上部団体及び支部の運営方針に疑念を抱かせ、その組合員らに対して動揺を与え、その組織運営に影響を与えようとの意図の下に行われたものと認めるを相当とし、支配介入にあたる。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
三名の課長が組合員に対し電話をかけ、あるいは自宅を訪問するなどして、別組合への加入を勧め、組合及び組合幹部を非難したことは、支部からの脱退を慫慂したものであり、しかも三課長によって同時期に同様の言動がなされていることからすれば、会社の意思に基づくものと推認するを相当とし、会社の支配介入である。
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業種・規模 |
精密機械器具製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集20集293頁 |
評釈等情報 |
労働判例 464号 42頁 
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