概要情報
事件名 |
日野車体工業 |
事件番号 |
名古屋高裁昭和58年(行コ)第2号
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控訴人 |
日野車体工業 株式会社 |
被控訴人 |
石川県地方労働委員会 |
被控訴人参加人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部 |
被控訴人参加人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部日野車体工業支部 |
判決年月日 |
昭和59年 7月11日 |
判決区分 |
一審判決の一部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
会社が妥結月実施に固執したため49・50年賃上げ交渉が妥結せず、このため賃上げが実施されず、また一時金も支給されていなかった事件に係る救済命令の取消しを求める行訴事件で、一審金沢地裁の棄却判決(58・8・11)を不服として会社が控訴していたが、高裁は地労委の命令中遅延損害金の起算点に関する部分を取り消し、その余の控訴を棄却した。 |
判決主文 |
1 原判決中、原判決添付記載救済命令2項の昭和50年5月以降における昭和50年度賃金引上げ分に対し昭和50年5月1日以降支払済まで年5分の割合による金員支払を命じた部分のうち、控訴人の右各月における賃金支給日の翌日より支払済まで年5分の割合による金員を超える支払を命じた部分につき、取消請求を棄却した部分を取消す。 2 被控訴人のなした前項救済命令中、前項取消にかかる部分を取消す。 3 その余の部分に対する控訴を棄却する。 4 訴訟費用(参加により生じたものを含む)は第1、2審を通じ控訴人の負担とする |
判決の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
会社が飽く迄も組合に妥結月実施条項受諾を要求する態度を固持し、組合が同条項以外は会社回答を受け入れるとした以後も賃上げ、一時金の支給も行わなかったことを目して、不当労働行為であるとした原審の判断は相当である。
4406 バックペイに利子・付加金を付したもの
6355 その他
本件救済命令主文第二項は、組合が妥結月実施条項以外は会社回答を受け入れるとした翌日以降支払済まで年五分の金員の支払いを命じているが、賃金支給日の翌日より支払済までの金員の支払いの付加に止めるべきであり、本件救済命令主文第二項のうち組合が妥結月実施条項以外は会社回答を受け入れるとした翌日以降支払済まで年五分の金員の支払いを命じている部分は、失当であり、取り消す。
6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
労委による救済命令は、不当労働行為によって生じた状態がなかったと同じ状態に回復させるために必要な一切の事実上の措置をとることを命ずるもので、私法上の権利関係の存否に基づいて法律上の措置を命ずるものではない。
6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
不当労働行為の存在が認定された場合、労委はどのような内容の救済命令をなすべきかについては、救済命令の趣旨、目的の範囲内において労委の裁量に委ねられているものと解される。
4413 給与上の不利益の場合
賃上げ等の協定が締結されていないのにその支払いを命じる労委命令は違法であると主張するが、不当労働行為の救済に必要な事実上の措置として賃金遡及引上げ等を命じているのは相当であり、違法なものとは認められない。
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業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集19集192頁 |
評釈等情報 |
 
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