概要情報
事件名 |
聖マリア学園(聖光学院) |
事件番号 |
東京高裁昭和58年(行ス)第9号
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抗告人 |
神奈川県地方労働委員会 |
相手方 |
学校法人 聖マリア学園 |
判決年月日 |
昭和58年 5月20日 |
判決区分 |
全部認容 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、前に組合執行委員をしていたX1教員の県庭球大会、国体等への参加問題等をめぐるX1と校長等の対立から、学園側がX1に対し譴責処分(56・3・14)、ついで減給処分(56・4・6)を行い、また、国体強化合宿への参加のための有給休暇の不承認及び実際に参加した日(56・10・2)についての欠勤扱い等が争われ、神奈川地労委(57・10・14)が、(1)譴責処分の取消し、(2)減給処分の取消し及び相当分の支給、(3)欠勤日の有給休暇扱い及び(4)ポスト・ノーティスを命じた。使用者が行訴を提起し、(57・10・18)、労委が(1)から(3)について緊急命令の申立てを行ったのに対し、地裁が却下決定を行い、労委の抗告に対し高裁がそれを取り消し、緊急命令を命じた。 |
判決主文 |
原決定を取消す。 相手方は、相手方を原告とし、抗告人を被告とする横浜地方裁判所昭和57年(行ウ)第18号不当労働行為救済命令取消請求事件の判決確定に至るまで、抗告人が神労委昭和56年(不)第5号、同第16号及び同第20号不当労働行為救済命令申立事件につき昭和57年10月14日付をもって発した命令の主文第1ないし第3項に従わなければならない。 本件手続費用は原審及び当審を通じて相手方の負担とする。 |
判決の要旨 |
7220 適法性の審査
救済命令は公権力の行使たる行政処分であり、行政行為に重大かつ明白な瑕疵がある場合を除いてその効力を否定することができないところ、本件救済命令にこのような瑕疵を窺わせる事情はなく、一応適法かつ有効とみるべきである。
7230 必要性の審査
譴責処分及び減給処分の取消、減給額分の支払等を命じた本件救済命令が本件訴訟が確定するまで不履行の状態が継続した場合、組合らの団結権侵害は著しく進行し、回復困難な損害を受けるから、緊急命令を発する必要性がある。
7313 全部認容された例
本件救済命令は一応適法かつ有効とみるべきであり、緊急命令を発する必要性もあるものというべきであるから、本件申立は認容すべきところ、これを却下した原決定は不当として取消を免れない。
7430 抗告がなされた事例
本件救済命令は一応適法かつ有効とみるべきであり、緊急命令を発する必要性もあるものというべきであるから、本件申立は認容すべきところ、これを却下した原決定は不当として取消を免れない。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集18集315頁 |
評釈等情報 |
判例時報 1083号 148頁 
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