概要情報
事件名 |
姫路赤十字病院 |
事件番号 |
神戸地裁昭和55年(行ウ)第23号
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原告 |
日本赤十字社 |
被告 |
兵庫県地方労働委員会 |
被告参加人 |
日本赤十字労働組合 姫路支部 |
判決年月日 |
昭和58年 6月17日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、姫路赤十字病院の医事課長及び入院係長による組合脱退勧奨が争われた事件で、初審地労委(兵庫、昭55不15、55・12・19)は、これを職制を通じてなした病院の不当労働行為と認め、病院に対し、(1)組合員に対しての職制を通じた組合脱退勧奨による組合運営への支配介入禁止、(2)命令交付後1週間以内のポスト・ ノーティスを命じ、一方、病院課長らの行為は日赤の機関としての行為とはみられない等の理由から、日赤本社に対する申立ては棄却した。この命令を不服として、病院が行訴を提起したが、神戸地裁は請求を棄却した。 |
判決主文 |
原告の請求を棄却する。 訴訟費用及び参加によって生じた費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
4914 経営委任をしている者
本件命令は、日赤及び病院を名宛人とするが、病院は法人格を有しないから、本件救済主文は、法律上は日赤に対する命令であって、病院に対し、日赤がとるべき措置を具体的に命じたものと解するのが相当である。
6150 当事者能力・当事者適格
病院は法人格を有しないから、本件救済主文は、法律上は日赤に対する命令であり、その不服に関する訴訟については、日赤が当事者適格を有する。
3410 職制上の地位にある者の言動
職制機構末端の監督的地位にある被用者の反組合的行為も、その一員としての地位におけるまたはその地位を利用しての行為である限り、使用者の支配圏におけるものとして、使用者はその行為を抑止すべき責任を負う。
3410 職制上の地位にある者の言動
本件医事課長及び入院係長の行為は、その地位に基づき、組合員に対し、組合からの脱退を勧奨したものであることは明らかであり、日赤は、その責任を負うべきものであるところ、同行為は、労組法7条3号の支配介入に該当する。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
本件医事課長及び入院係長の行為は、その地位に基づき、組合員に対し、組合からの脱退を勧奨したものであることは明らかである。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集18集143頁 |
評釈等情報 |
労働判例 419号 46頁 
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