労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  寿建築研究所 
事件番号  最高裁昭和52年(行ツ)第131号 
最高裁昭和52年(行ツ)第132号 
上告人  東京地方労働委員会 
上告人参加人  建設関連産業労働組合 
被上告人  株式会社 寿建築研究所 
判決年月日  昭和53年11月24日 
判決区分  上告の棄却 
重要度   
事件概要  組合が暴力を振うおそれがあることなどを理由とする団交再開申入拒否、及び同問題に関する労委救済命令の裁量権の範囲をめぐって争われた事件である。
 地労委(東京、48(不)90、49・11・5)は、団交再開は無意味であること及び組合が暴力を振うおそれがあることを理由に拒否してはならない旨を命じた(本誌別冊第 870号参照)。
 これを不服とする会社側の行訴提起に対し地裁(東京、49(行ウ) 175、50・9・10)は、本件救済命令を瑕疵ある行政処分で違法であるとして取消し、高裁(東京、50(行コ)55・56、52・6・29)も、地裁判決を支持し、労委の控訴を棄却した。
 さらに、労委が上告したが、最高裁は原審を支持し、上告を棄却した。 
判決主文  本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。 
判決の要旨  2230 不穏当な態度
 解雇問題に関する組合の団交再開申入れに対し、組合員の暴力行為を危惧してこれを拒否した会社の態度を是認した原審判断は正当であり、原判決に違法はない。

2250 未妥結・打切り・決裂
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
 会社が、誠意をもって団交に応じたが交渉の余地がなくなったため団交を拒否するに至ったものであり、その後団交再開すべき事情の変更は認められないとした原審判断は正当であり、原判決に違法はない。

6343 団体交渉拒否に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
 前示1・2の団交拒否を不当労働行為に該当すると判定して団交を命じた労委救済命令が違法であるとした原審判断は正当である。

業種・規模  建設業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集15集543頁 
評釈等情報  最高裁判所裁判集民事  125号  709頁 
判例時報  911号  160頁 
季刊労働法 岸井貞男  113号  148頁 
労働判例  312号 54頁 

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
東京地労委昭和48年(不)第90号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和49年11月 5日 決定 
東京地裁昭和49年(行ウ)第175号 救済命令の全部取消し  昭和50年 9月30日 判決 
東京高裁昭和50年(行コ)第55号 控訴の棄却  昭和52年 6月29日 判決 
 
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