従来、児童福祉法(昭和22年法律第164号)においては、あらゆる児童家庭相談について児童相談所が対応することとされてきたが、近年、児童虐待相談件数の急増等により、緊急かつより高度な専門的対応が求められる一方で、育児不安等を背景に、身近な子育て相談ニーズも増大している。
こうした幅広い相談全てを児童相談所のみが受け止めることは必ずしも効率的ではなく、市町村をはじめ多様な機関によるきめ細やかな対応が求められている。
このような背景を踏まえ、「児童福祉法の一部を改正する法律」(平成15年法律第121号)により、平成17年4月から市町村が子育て支援事業を実施することとされたとともに、第159回国会に提出していた児童家庭相談に関する体制の充実等を図る法案である「児童福祉法の一部を改正する法律案」が平成16年11月26日に成立し、同年12月3日に公布され、同日から順次施行されることとなったところである。
この法律により、児童家庭相談に応じることが市町村の業務として法律上明確化され、住民に身近な市町村において、子どもに関する各般の問題につき、家庭その他からの相談に応じ、子どもが有する問題又は子どもの真のニーズ、子どもの置かれた環境の状況等を的確に捉え、個々の子どもや家庭に最も効果的な援助を行い、もって子どもの福祉を図るとともに、その権利を擁護することとなった。
すべての子どもが心身ともに健やかに育ち、その持てる力を最大限に発揮することができるようするためには、各市町村において相談援助活動が適切に実施されることが必要不可欠である。
このため、今般「市町村児童家庭相談援助指針」を別添1のとおり作成したので、この指針を踏まえつつ、地域の実情に応じて適正に児童家庭相談援助活動が実施されるよう、管内の市区町村並びに関係機関及び関係団体等に周知を図られたい。
また、児童家庭相談援助に携わる職員は、援助に必要な態度、知識、技術を獲得し、子どもの福祉を図るとともに、その権利を擁護することが求められている。
このため、子どもの権利に関する基本的な法令である「児童の権利に関する条約」を別添2のとおり参考に添付するので、改めてその内容をご了知いただくとともに、管内の市区町村並びに関係機関及び関係団体等に周知を図られたい。
なお、この通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言である。