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パートタイム労働指針の概要

パートタイム労働指針の概要 〜平成20年4月1日施行〜

パートタイム労働法第14条に基づき、事業主が講ずべき適正な労働条件の確保および雇用管理の改善等に関する措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るために定められています。

1.労働関係法令を遵守してください(基本的考え方1)

パートタイム労働者の適正な労働条件の確保および雇用管理の改善等のための措置を講じる際の基本的な考え方の1つ目は、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、雇用保険法、労災保険法などの労働関係法令を遵守するということです。

2.労働条件を合理的な理由なく一方的に不利益変更することは許されないこと
に留意してください(基本的考え方2)

雇用管理を見直す際、通常の労働者、パートタイム労働者にかかわらず、労働者の労働条件を合理的な理由なく、事業主の一存で一方的に不利益に変更することは、許されません。

労働条件の変更を労働契約によって行う場合には労働者との合意が必要ですし、就業規則によって行う場合には各労働者の同意までは求められませんが、その内容の相当性や労使交渉等の事情に照らして合理的なものである必要があります。

いずれにしても、労働条件を見直す際は、労働者とよく話し合ってすすめてください。

3.フルタイムで働く「パート」と呼ばれる方にも法の趣旨が考慮されるべきで
あることに留意してください(基本的考え方3)

フルタイムで働く方については、「パート」などこれに類する名称で呼ばれていてもパートタイム労働法の対象とはなりませんが、これらの方についても、雇用管理にあたってこの法律の趣旨が考慮されるべきであることに留意してください。

4.労働時間について配慮するよう努めてください

パートタイム労働者の多くは、家庭生活との両立などのために、短時間かつ自己の都合に合う一定の就業時間帯を前提として勤務しているため、フルタイムの労働者に比べて一般的に時間の制約が厳しく、残業も困難です。事業主は、このような事情を十分考慮して労働時間・労働日の設定・変更を行うとともに、できるだけ所定労働時間を超えた残業、所定労働日以外の日の労働をさせないように努めてください。

5.退職手当や通勤手当などについても均衡を考慮するよう努めてください

パートタイム労働法第9条では、賃金のうち、職務に密接に関連する基本給、賞与、役付手当などについて、その決定方法が規定されていますが、職務に密接に関連しない賃金、例えば退職手当、通勤手当などについても、パートタイム労働者の就業の実態や通常の労働者との均衡などを考慮して定めるように努めてください。

6.福利厚生についても均衡を考慮するよう努めてください

パートタイム労働法第11条では、給食施設、休憩室、更衣室の福利厚生施設について、パートタイム労働者にも利用の機会を与える配慮義務が規定されていますが、これら以外、例えば、医療、教養、文化、体育、レクリエーション等の福利厚生施設の利用や事業主が行うその他の福利厚生の措置についても、パートタイム労働者の就業の実態や通常の労働者との均衡などを考慮して取り扱うように努めてください。

とりわけ福利厚生については、多種多様なものがあり、パートタイム労働者の就業の実態も多様であることを踏まえ、一律に取り扱うよりも個々の事情に応じた対応が求められる場面も多いと考えられます。

7.パートタイム労働者との話し合いを促進するよう努めてください

(1) パートタイム労働法第13条では、雇い入れ後、パートタイム労働法で事業主が講ずべき措置に関してその決定に当たって考慮した事項を説明する義務が規定されていますが、これら以外のパートタイム労働者の待遇にかかる事項についても、説明するように努めてください。

(2) パートタイム労働者の雇用管理の改善などの措置を講じるときは、パートタイム労働者の意見を聴く機会を設けるなどの適当な方法を工夫するように努めてください。
そのための方法としては、例えば、職場での労使協議、職場懇談会、意見聴取、アンケートなどが考えられます。事業所の実情に応じて、パートタイム労働者の意見を聴くことができる方法を工夫するよう努めてください。

(3) パートタイム労働法第19条では、パートタイム労働者からパートタイム労働法で事業主が講じることが義務化される事項に関係する苦情の申し出を受けたとき、事業所内の苦情処理機関などを活用するなどして、自主的な解決を図る努力義務が規定されていますが、これらの事項以外にかかる苦情についても事業所内で自主的に解決を図るよう努めてください。

8.パートタイム労働者を不利益に取り扱わないようにしてください

以下の事項を理由としてパートタイム労働者を解雇、配置転換、降格、減給、昇給停止、出勤停止、雇用契約の更新拒否など不利益な取扱いをしないようにしてください。

・  パートタイム労働者が法第7条(就業規則の作成手続に関する規定)に定める過半数代表者であること、もしくは過半数代表者になろうとしたこと、または、過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益に取り扱うこと

・  パートタイム労働者が法第13条に定める待遇の決定に当たって考慮した事項の説明を求めたことを理由として不利益に取り扱うこと

9.短時間雇用管理者の氏名の周知

パートタイム労働法第15条では、常時10人以上のパートタイム労働者を雇用する事業所ごとに、短時間雇用管理者を選任するよう努めることとしていますが、選任したときは、短時間雇用管理者の氏名を事業所の見やすい場所に掲示するなどして、パートタイム労働者への周知に努めてください。

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