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2016年8月22日 第6回 食品衛生管理の国際標準化に関する検討会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部監視安全課

○日時

平成28年8月22日(月)13:30〜16:30


○場所

三田共用会議所3階 大会議室
東京都港区三田二丁目1番8号


○議事

○五十君座長 それでは、定刻になりましたので、第6回「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」を開会いたします。

 本日は大変足場の悪い中をお越しいただきまして、ありがとうございました。本日は、交通事情により、土谷委員が御欠席という連絡をいただいております。他の委員の先生は全員御出席ということでございます。

 また、本日は参考人といたしまして、一般社団法人日本フードサービス協会様。

 全国味噌工業協同組合連合会様。

 日本醤油協会様。

 一般社団法人日本パン技術研究所様。

 全日本漬物協同組合連合会様に出席いただいております。

 なお、本日もオブザーバーといたしまして、農林水産省食料産業局食品製造課食品企業行動室の横田室長に御出席をいただいております。

 それでは、議事に入る前に事務局から配布資料の確認をお願いしたいと思います。

○福島補佐 ありがとうございます。冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきたいと思いますので、御協力のほうをよろしくお願いいたします。

 それでは、配布資料の確認をいたします。

 資料1といたしまして「第6回食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」という資料をつけております。

 資料2〜資料6といたしまして、本日ヒアリングをお願いしております一般社団法人日本フードサービス協会様、全国味噌工業協同組合連合会様、日本醤油協会様、一般社団法人日本パン技術研究所様、全日本漬物協同組合連合会様から御提供いただいた資料をそれぞれおつけしております。

 委員の皆様には机上配布といたしまして、前回検討会での検討事項メモと、検討会の先生方と事務局で幾つかの中小企業でHACCP導入に取り組んでいる工場を見学、視察させていただきましたので、そちらのレポートを配布しております。

 不足している資料等がございましたら、事務局のほうまでお申しつけください。

 それから、検討会とは離れますけれども、本日こちらにいらっしゃる皆様全員にカラーの表裏刷りのリーフレットをお配りしております。右肩に「8月は食品衛生月間です。」と書いてあるものです。夏の間は高温多湿ということもございまして、特に細菌性の食中毒が多く発生する時期でございますが、厚生労働省では毎年8月を食品衛生月間と定めまして、都道府県や関係団体の皆様の御協力もいただきながら、重点的に食中毒の予防を呼びかけているところでございます。お配りしているリーフレットは厚生労働省のホームページからもダウンロード可能でございますので、ぜひきょう御参加の皆様はお帰りになって、それぞれの事業所、御家庭で食中毒の防止についてお話し合いをいただく等、御活用をいただければと思います。

 事務局からは以上です。

○五十君座長 配布資料はよろしいでしょうか。

 それでは、早速議事に入りたいと思います。

 まず、資料1につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

○道野課長 それでは、資料1に基づきまして御説明をしたいと思います。

 ページを開けていただいて「HACCPの制度化の考え方案」ということで、これは前回、前々回からの議論の続きということでございます。

 3ページにつきましては、制度化の考え方案として、基準A、基準Bというような2つに分けた考え方をしてはどうか、特にその衛生管理計画の策定につきまして、コーデックスガイドラインに示された7原則というものを重視したもの、国際的に見てもHACCPということで、例えば、輸出入に関しても諸外国に要求するようなレベルとして想定される基準A。

 基準Bにつきましては、特に中小零細企業を対象としたという考え方で、危害要因分析、モニタリング頻度、記録作成・保管等々について弾力化をしていくというようなHACCPの考え方に基づく衛生管理計画を求めるというような内容でございます。

 4ページにつきましては、前回とほぼ変わっておりません。基準A案、基準B案についての考え方ということであります。特に以前、御意見のあった部分でありますけれども、基準A案のところのb)でありますけれども、関根委員から御指摘がございまして、食品衛生上の危害要因の発生頻度や程度を考慮して除去または許容レベルまで減少させる必要があるもものについて管理措置の一覧を作成するというような書き方にしております。

 重要管理点の決定のところにつきましては、管理措置のうち、重要管理点を特定する。特定した上で管理をしていくというような組み立てにしてございます。

 5ページにつきましては、特段の変更はございません。

 6ページにつきましても同様でございます。

 7ページです。そこでB基準について、どのように今後考えていくかということが課題になるわけでございます。前回は簡単な説明のみにさせていただきましたけれども、英国において小規模事業者支援の取組ということで、Safer Food Better Businessというようなプログラムがございまして、この中で、ここにはケータリング施設を対象としたテキストについて、簡単な資料を用意させていただいております。

 主な特徴といたしまして、ここでは5つのパートについて整理をされています。1つがCross-contamination、要するに交差汚染の防止の関係、Cleaning(洗浄・清掃)、Chilling(冷蔵、冷凍)、Cooking(調理、加熱)、さらにManagementというようなことであります。さらに、それにDiary、記録様式例が後ろに追加されているというような構成になってございます。コピーを先生方に順番に回覧させていただいていますので、お願いいたします。

 このテキストで特徴的なところは、従前どおり、やはり危害分析というものは前回御説明したとおり、政府側でやっている。さらにハードルを低くするという目的もあるのかもしれませんが、HACCPの原則に基づいて策定されているが、HACCPであるとか危害要因の用語は使用していません。

 このケータリングのほかに、小売り、保育所、老人保健施設等々の他の中小事業者が多いと思われるような事業者向けの8種類のものが公表をされております。

 次のページをお願いします。その特徴でございますけれども、ケータリングの内容についてです。上の四角にございますように、対象はレストラン、カフェ、持ち帰り食品というのが対象になっております。マル1は基本的な事項、マル2がそれの使い方、マル3以降が今、申し上げたような記録様式までの構成について説明がございます。

 下に表にしてございますのが、マル3〜マル7につきまして、内容を項目別に示させていただいています。

 記録様式の問題があるわけでございますけれども、これについては、日々の記録が必要となるのは、下表のうち、毎日の記録のための所要時間は約1分というような形で簡素化しているというようなものであります。マル8に示しているように、始業時点検の結果、終業時点検の結果、教育の記録、供給者リスト、連絡先リスト、清掃計画、検証記録、毎日の記録というような形になっております。

 次に内容ということで、これはあくまで例示ですけれども、冷凍されている食品の解凍工程がここに示しております。大きく3段ございまして、安全のポイント、セーフティーポイントということで、その内容には重要事項が記載され、具体的には調理前に完全に解凍をすること。これは部分解凍だと加熱むらなどが出てしまうので、確実に解凍するという趣旨でこういったことを書いています。それはなぜということで、調理に長い時間が必要となってしまうため完全に溶かすということが必要になるということです。

 次が実際にどうするかということでありまして、事業者が実施すべき事項を記入するということになります。調理前に完全に解凍するかどうか。仮にそうでない場合はその方法を記入していきましょう。こういうワークブック形式をこしらえていく。前回申し上げたように、教育的な要素、学習的な要素がかなり入っているということであります。

 続きまして、10ページでございます。中段のあたりですが、ここにはチェックの項目があって、確実に解凍することを確認する。問題が起きた場合にどうするのかということに関しても、役立つ情報が記載されている。ここでは確認方法について記載がされております。再発防止の方法、さらに問題発生時に記録様式に発生した事例及び講じた措置を記入するということが推奨されているというものであります。

11ページが記録の様式でありまして、毎日、管理責任者は様式の曜日欄に必要な事項を記入していくとことになります。これは工夫されているのは、4週間ごとにこの4週間分を見返して、継続した問題の発生の有無を確認するようになっています。下の黄色は個別の記入事項ということになります。

 日本の場合に、前回のヒアリングの中でも出てまいりました大量調理施設衛生管理マニュアル、これも危害分析がない形でのマニュアルということになっておったわけですけれども、これにつきましては大まかな危害要因分析をしてみるとどうなるかということで、今後こういったものを充実させていくという観点から例示的に示させていただきました。

13ページにございますように、食肉、卵、魚介類、生野菜、御飯もの・めん類、割と大ぐくりな原材料に対して、それぞれ具体的なメニュー、何が危険なのかということで、食中毒菌であったり、金属製の異物であったり、そのほか寄生虫というようなことで記載をしています。

 大量調理施設の衛生管理マニュアルで実際にどう防ぐというところが、実際のガイドラインの中には記述があるわけですけれども、中心部の加熱の確認というものが1つあります。もう一つは、調理済み食品の保存温度ということで、10℃以下もしくは65℃以上の状態であればいいのですけれども、この間の温度帯に入る場合には基本的に2時間以内というような管理をすることになっています。そういった実際の対策というのが右端に書かれていまして、それぞれ危害分析の結果がこういう危害の対策につながっていくというような構成になるかと思います。

 こういった厚生労働省が示したガイドラインであるとか、規格基準、製造基準なども既に食品衛生法で定められている。そのほかに衛生規範であるとか、従前からも管理方法について示したものがございますので、B基準の中で使いやすくしていくということが今後対応として考えられるのではないか。そうしていくのが円滑な制度の導入ということにつながっていくのだと考えております。

14ページが「監視指導のあり方(案)」ということであります。こういったA基準、B基準について、どのように食品衛生法の仕組みの中で確認をしていくのか、チェックをしていくのかというような物の考え方でございます。

 資料の15ページにございますように、これは仮に営業許可の申請時に確認をするというようなプロセスを設定した場合ということであります。現行は左側の四角の中の黒字の2つあるように、申請書には添付資料として、こういった施設設備の概要、その他、条例で定めている事項というのが提出されることになっています。これは全部出せばということなので、本当に全部ここで要求するのがいいのか。それとも、こういったものの概要情報を出してもらうということにとどめるのかというのは、また制度としてのフィージビリティー、実現性というところから考える必要はありますけれども、ここでは最大限書いてみればということがありまして、製品説明書、製造工程図、危害要因分析票、HACCPプランという形で、営業許可の申請時に営業許可の要件として要求するというような方策が想定されるということであります。

 真ん中になりますけれども、通常の監視指導ということで、その後、営業の許可もしくは届出が終わった後、食品衛生監視員が立入検査を現行でもやっておるわけでございますが、その際に監視員による検証ということで、CCPのモニタリング記録であるとか改善措置の実施状況、そういったものをチェックしていくような対応が想定をされます。

 さらに右側に営業許可の更新時、現在5年を下らない期間で知事等から営業の許可というのが行われているわけでございますけれども、その際に許可の更新時にも新規申請時、左側の四角と同様の資料を要求する。さらにモニタリング記録、改善措置の記録等についてもあわせて要求をしていくということが想定をされます。もちろん、こういったものについても概要情報というような形での手続のやり方というのもあると考えております。

 真ん中の下の部分ですけれども、これはいろいろな議論があるところだと思います。HACCPのプランを変更した際に、これは許可の要件としてしまうと、こういったものの許可の内容の変更ということになるので、手続的にはこういったものの提出が必要になってくるわけでありますけれども、他の制度でもこういった許可申請時に出したものについての変更の手続というのはいろいろなパターンがございます。要するに変更の許可が必要だという場合もありますし、届けが必要だという場合もありますし、届けるまでもないというようなやり方もございますし、内容のレベルに応じて、こういった変更のプロセス手続は設定をすることが可能となります。

16ページ以降は、例の基準Bに向けての衛生管理計画策定のための手引書の検討ということでございます。

 基準Bにつきましては、やはり現場での事情というのが特に食品の種類ごと、業界ごとにかなり異なってくるということはございますので、それぞれ関係の団体の方々とも十分に調整をして、これは進めていく必要があるだろうということで、のあり方、仕組みというものをどのように設定していくかという内容であります。

 資料の一番上で申しますと、基準Bに求められるガイダンスを厚生労働省が示すということが手順としてはまず必要ではないか。その上で各食品業界の団体において、これを参考に、特に事業者の実態・現状を踏まえつつ、個別食品ごとの手引書というものを策定していただいて、それを役所サイドでもレビューをさせていただく。その上でB基準のあるべき姿というものについて整理をした上で都道府県に通知をしていく。そういうことによって保健所での指導というものも各食品の種類ごとに、個別食品ごとに大きくばらつかないように進めていくことが可能ではないかと考えています。各事業者の方々は業界団体の情報や保健所の指導等に基づいて、自らの衛生管理計画をつくっていくというようなことではないかと思います。

 下の黄色の四角の中に「手引書の構成(案)」ということでございまして、全体としては、わかりやすいように、例示をかなり出さなければいけないかなということが一つと、それぞれの書類についてを一からつくるというのはなかなか大変ですので、穴埋めでできるようなものも含めてつくっていくということが必要になるかなと考えています。個別に申しますと、一般衛生管理のポイントということで、これは現状の管理運営基準をベースに解説をする。そのほかに個別食品ごとに製品説明書、製造フロー図の例示集というようなこと。これに例示を参考にして、みずからこれらの書面をつくっていただく際にも、それの助けになるようなワークシートみたいなものもあわせて必要になってくるのではないかと考えております。そのほかに以下、危害要因、管理措置・管理基準の例示、プランの例示、検証方法の例示、記録様式についても例示をして、できれば、それをそのまま使っていけるようなものを用意していけば、スムースに行くのではないかと考えています。

 先ほど机上配付資料の中で、先日、水産食品の関係で沼津のほうに4名の委員の先生方と、水産食品の特に零細な加工施設に調査に参りました。参考資料というものです。一つ一つのことはともかくとして、2枚目のその他の部分のほうでございますけれども、やはり加工施設、特に小さな施設の現状といたしまして、製造加工原料の管理、衛生の管理についての手順が文書化されているケースというのは非常に少ないというようなことはやはり言えるのではないかと。これは私どものほうでも個別に業界団体ともお話をしているのですけれども、ほぼ統一した認識というか、そういったことになっているようです。おおむねオーナーさんの頭の中にいろいろなものが入っていて、そのオーナーさんの知識と経験で従業員の方々がその指示に従って製造していくというのが、零細ではやはり多いということでございます。

 そういったことで先ほどの基準Bの手引書の構成の中でも、まずはそういった文書化を助けていく。特にベースとなる製造工程だとか原材料だとか、そういったものの文書化ということをできるだけ負担なくスムースにやっていっていただくというところがスタートになるのかなと考えております。

 続きまして、18ページでございます。輸入及び輸出ということになります。

 国内の制度を整備しますと、特に基準Aになってきますと、19ページ、「輸出先国規制との同等性確保のための追加措置」ということで、これは日本の現状でございます。仮に日本がHACCPの義務化ということになりますと、輸出国に対して同等の安全確保というのを要求しなければならないわけです。現在、日本は逆の立場で輸出の際にこういった同等性確保のための追加措置というのを実施して輸出をしているという現状であります。例えば日本側が要求するという段階になれば、逆のことをやっていくということが想定されるということであります。これは米国向けの牛肉の輸出の要件ということであります。

 1つは、こうして具体的に見ていただきますと、衛生管理の部分で、と畜場法と食品衛生法の中にはHACCPの実施の義務づけというのはございませんので、HACCPのプランの作成、実施であるとか、HACCPの有効性の検証を目的とした枝肉の微生物連続検査ということで、こういった検証も含めて米国側から要求をされておりまして、追加措置として、今は実施しているというようなことであります。

 そのほかにも見ていただきますと、公的監督のところでは、米国では食肉の検査というのは連邦政府が実施している。日本の場合は都道府県が実施しているそれに比較できるような、比肩できるような仕組みにするということで追加措置を定めています。例えば地方厚生局が定期的に査察をするというようなこと。検査員につきましても、厚生労働省のほうから指名をさせていただくというような対応をとってございます。そのほかにも右側にございますように、施設基準であるとか残留物質のモニタリング検査であるとか人道的な取り扱いということで、そういった内容について追加措置を講じて輸出をしています。

HACCPにつきましては、衛生管理のところにあるわけでございまして、これを日本で義務づけた場合には、追加措置として輸出国側に要求をしていくということになります。もう既に義務づけられているところには、その必要まではないということになるわけです。

 そのほかに現状、参考まででございますけれども、輸出国に求めている、もしくは輸出国の仕組みを評価している仕組みを20ページに掲げさせていただいております。20ページにつきましては、まずは食肉に関してです。現在は食肉の日本への輸入に当たっては輸出国政府が発行した衛生証明書が必要になります。この証明事項並びに輸出国の基準が我が国と同等ということが前提になっていますので、こういったものの審査を私どものほうでやっております。

 そのほかに21ページでありますけれども、日本と輸出国の間で基準が異なる、もしくは相手国側に基準がない場合に日本向けの輸出のプログラムというものを輸出国側に設定をしていただく。特に輸入検査で違反があった場合などにこういった協議が持たれて、輸出国側で対日輸出管理プログラムというものが設定をされるというようなことになってございます。

 これまでの資料のアップデートという形でございます。22ページ以降でありますけれども、「事業者のHACCP導入に関するハードルの具体例」につきましての資料であります。それぞれ業界団体の方々からの御指摘がヒアリングごとに追加をされていますので、それを追加しております。基本的には人的なリソース、そういった人材育成という部分に関して課題であろうと受けとめておるというような整理で○と×をつけさせていただいています。

25ページ以降でありますけれども、これまでの第3回〜5回までのヒアリングに出された意見について、それぞれの対応の方向性の案ということで整理をさせていただいております。この中で新たなものとしましては、例えば26ページの食品衛生監視員による技術支援というところで、特に食肉関係、お弁当の業界からは保健所・食肉衛生検査所による指導・導入支援についての強い御要望があったというようなこと。

27ページにございますけれども、食肉製品、弁当業界からは事業者向けの検証の充実について強い御要請があったというようなことで、そういった項目を追加させていただいております。

 私のほうからの説明は以上でございます。

○五十君座長 ありがとうございました。

 資料1の内容につきましてはヒアリングの後、きょうも前回と同様に事業者団体の皆様からのヒアリングを行います。その後に別途、討議の時間を十分とりたいと思いますが、今、御説明していただきました部分につきまして、確認あるいは、質問しておきたいような事項がありましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 川崎委員、どうぞ。

○川崎委員 食品産業センターの川崎です。

17ページの「基準B向け衛生管理計画策定のための手引書の検討」については、今後の検討の方向として非常によく理解しました。関連して1点質問ですけれども、4ページから、基準Bではなく、基準Aの弾力的運用について前回から紹介されていますが、ここに引用されているEU等の例を見てみますと、食品ごと、あるいは業態ごとの実態に即して、その弾力的運用のあり方が具体的な方法として、指針として示されているのではないかと思います。そう考えますと、基準Aの弾力的運用についても、この基準B向けの手引書の検討と同じような目線で食品ごと、あるいは業態ごとに検討すべきではないかと思うのですけれども、この辺のお考えがおありになるのかどうか、質問させていただきたいと思います。

○道野課長 実は基準A案につきましては、まだそこまでの必要性があるかどうか、私どもは判断し切れていない状況にあります。むしろ書かせていただいている内容というのは、大手もしくは一定の規模以上の企業でも、なかなかHACCPの導入に踏み切れないとおっしゃっている方々の中で、むしろ誤解をされている部分があったり、それをクラリファイするというような観点から基準Aのところにあえて書かせていただいたという内容もございます。本当にその個別食品ごとでどの程度、基準Aについて必要性があるかというのは、もう少し現状を整理させていただいて、というふうに考えております。

 ちなみに基準Aを前提にした手引書自体は第1回のときにも御説明を差し上げておるのですが、主要な食品については、それぞれ従来の厚生労働省の事業の中でも示させていただいているということがございますので、こういったことの追加という観点で総論的なものをお示しするというのは、御指摘を踏まえて対応可能かなと考えておりますけれども、個別食品ごとまでは今のところ、どうするかということについては、まだ判断はできておりません。

○五十君座長 よろしいでしょうか。今回はかなり具体的にお話が出てきますので、後の議論のときにはイメージがつきやすいと思います。そのときの議論をよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、ほかに御質問がないようですので、次の議題に進みたいと思います。ここからは前回に引き続きまして、各食品の事業者団体から、業界の一般的な状況、食品安全上の管理の中で優先度が高い課題、HACCPの取り組み状態などを説明していただきたいと思います。

 初めに、外食業界の状況につきまして、一般社団法人日本フードサービス協会の福田事務局長より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○福田常務理事・事務局長 よろしくお願いします。日本フードサービス協会の福田と申します。

 日ごろは食の安全、もちろん外食産業にとって食品の衛生管理というのは一番重要な課題ですけれども、日ごろから厚生労働省、農林水産省の行政当局の方々には御指導をいただいているところでございますので、この場を借りて、お礼を申し上げたいと思います。

 きょうは資料2に基づきまして、時間が限られておりますけれども、駆け足で御説明をさせていただきたいと思います。

 外食産業ですけれども、「日本フードサービス協会とは」というところからです。私どもは設立が昭和49年ということで、ことしで42年目を迎えるのですけれども、外食企業の中核企業が集まってできている業界団体でございます。一般社団法人には平成25年から移行しているということで、現在はロイヤルホールディングズ株式会社のCEOである菊池唯夫が会長ということで就任をしております。会員数は現在、正会員と賛助会員を合わせて818社、合計の店舗数は7万3,000店を数えます。売上高は次のページの外食産業トータルの数字が出ておりますけれども、会員企業の売上高を合算しますと約6兆400億という形になります。

 関連団体としましては、フードサービス協会は通常はジェフと呼んでおりますけれども、ジェフ厚生年金基金、健康保険組合、きょうのテーマの中で食の輸出ということもありますが、日本食レストラン海外普及振興機構のNPO団体も関連団体ということです。きょうはアドバイザーということで公益財団法人食の安全・安心財団の中村事務局長に御同席いただいておりますけれども、我々の食の安全・安心委員会というのがございまして、そちらのほうと常に連携をとっているということでございます。それから、フードサービス学会。これは産学官の連携を図るための学会を共同事業ということで行っている次第でございます。

 2ページ「(1)外食産業の一般的な状況」です。これは広義で捉えたときに約31兆強の市場になっておりまして、下のバイチャートを見ていただいて、左上の料理品小売業、これは弁当等の販売があるのですけれども、それを含めた形で31兆を超えるということで、それを引きますと25兆円というような規模でございます。特徴としましては、零細・中小企業が大変多うございまして、店舗数は67万店を超えております。従業員数はトータルで平成26年の段階では480万人を数えております。

 店舗の規模は、これは大手の企業でも、皆さんが日ごろお使いいただいているフランチャイズのお店、全国のチェーン展開をしている企業でも、1店舗当たりの大きさは比較的小さいということでございまして、広域の分布をしているということと、セントラルキッチンを持つ企業、フランチャイズ企業を展開する企業と、業容が一様ではないということが特徴になっております。

 3ページ「(2)外食産業における食品安全上の管理で優先度が高い課題」になります。やはりこれは何と言いましても食中毒対策ということでございます。この辺に関しましても、日ごろから厚生労働省のほうからは御指導をいただいている次第でございます。特に最近では、ノロウイルス、カンピロバクター等、我々としましても対策としましては、日々、会員企業のほうにセミナーを行ったり、そういったことでの啓蒙をしているところでございます。

 続きまして、異物混入問題。これも昨今、メディアのほうで話題になっておりますけれども、特に意図せぬ混入だけではなくて、意図的な混入。これはフードディフェンスにもかかわってくることですが、そういった大きな問題というのが、特にSNSを通じて、健康被害があるものはもちろんですけれども、そうでない可能性が高いものに関しても拡散して大きな社会的な問題になっていると。そういったところも我々にとっては大変苦慮しているところでございます。

 外食産業も大変人材不足、人手不足という深刻な問題を抱えておりまして、特にパート・アルバイトの方々に対する教育・訓練といったところが大きな課題になっているところでございます。これはもちろん食品の衛生管理に関しても同じことです。

 4ページ「(3)外食産業におけるHACCPの取組状況」について御説明を申し上げます。先ほど冒頭に申し上げましたけれども、外食の店舗というのは基本的に1店舗当たりの規模が小さいものですから、店舗の中で、限られた集合スペースの中で仕入れから下処理、調理、盛りつけ、こういった作業を同時並行で行っているというのがほとんどの場合でございます。こういった同時並行をする中で多様なメニューをお客様の注文に応じて調理、提供をしているということで、特に零細事業者におきましては、それらの作業を大変少ない人数、場合によっては1人でこなしている場合もあるということです。

 その場でつくって、その場で消費者に提供するということから、調理作業を行う厨房が開放されているということで、特に最近の透明性を保つ、または臨場感を出して、お客様のニーズに応えるというようなところから、オープンキッチンというところも大変多くございまして、そういったところからHACCPを導入するということに関しては、基本的に我々のヒアリングによりますと、大変困難であると。特に小規模な事業者にとっては対応力がないというような意見が寄せられております。

 セントラルキッチンでの取り組みですけれども、これは大手のチェーン店等では、セントラルキッチンが整備されておりますので、こちらにおきましては下処理から中間加工、その他、集中的に行って店舗に配送するというシステムでございますので、こちらでは製造管理が比較的HACCP手法を取り入れた形での管理が行われるということです。

 5ページ「(4)外食業界全体として行っているHACCP普及の取組」に関してでございます。現在、外食業界は我々協会としてHACCPそのものの普及を特に行っているということではございません。ただ、協会において、店舗段階における食中毒防止に向けた食中毒セミナー、全国に9つあるのですけれども、地域ブロックにおける協議会。明後日も中京地区で行うのですけれども、130名ほど集まりますが、そちらで情報提供、O157であるとかカンピロバクター等、そういった注意喚起、緊急アラーム等の情報を流して情報共有、啓蒙活動を行っているということです。

 2のポイントですけれども、先ほども説明が事務局のほうからありましたが、我々も大量調理施設衛生管理マニュアルを遵守するということが基本でございますので、セントラルキッチン、大型外食店、給食施設等において、この管理マニュアルを衛生管理の基本にしております。マニュアルを遵守するということとともに、大変多様な事業の形態がございますので、また、規模もさまざまですから、それをベースにマニュアルをつくり、マニュアルをベースとした社内管理の基準というものを作成しているという現状でございます。

 製造工程を連続的に管理して安全を確保するというHACCPの考え方を取り入れている事業者は少なくございません。

 6ページ「(5)輸出に取り組む事業者の割合」です。これは正確な数字はアンケート等をとっておるのですが、現在発表できる段階ではないのですが、数多くの会員企業、特にチェーン展開をしている企業においては輸出市場、海外展開を積極的に行っているという現状がございます。特にアジア地区が中心になっておりますけれども、外食事業者の海外進出におきましては、国内でつくられた各企業のシステムというものをそのまま海外で展開するというのが基本的なフォーマットになっておりますので、出店先の国々の法規制、現地のルールに従うということが基本的な取り組みになっております。

 海外に進出する外食店舗の国内農産物の需要状況なのですけれども、私どもは昨年、国から、JETROを通じて委託を受けまして、ミラノ万博における日本館のレストラン事業を運営したのですが、そこで実感をしたのは、なかなか日本からの産物を入手するのは困難ということがございます。さまざまな検疫の問題、HACCPの問題、原発事故に伴う、これはノー・フクシマ・サーティフィケートというようなものを要求されたりとか、食品だけではなくて食器に関しても要求されましたけれども、そういった現状は大変厳しいものがあるなと実感しております。

 最後に7ページ目、HACCPの制度化に関する業界としての意見・要望です。やはり外食は、工場内で特定の商品を一定量集中生産できるというところではございませんので、多様なメニューに応じて料理を提供するということ。限られたスペースで外部との遮断がなかなか難しいという中でのシステムになっておりますので、特に大手チェーンであっても店舗レベルでの事情はさまざまであるということから、加工食品と同様のHACCPを導入するということは極めて難しいというような意見が中心でございます。法的な義務化ではなくて、柔軟な考え方が重要であると考えております。

 統一的な指導・啓発に関してですけれども、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理については、事業者の規模に応じて普及を図る必要があると考えておりますが、その場合、自治体等の指導に統一性を持たせるための標準的な基準が必要ではないかと考えておりまして、特に小規模事業者が取り組めるような簡易版の導入手引き等があれば、効果的ではないかと考えております。

 最後ですけれども、我々外食産業の自主的な取り組みをぜひ支援をしていただくような方策を考えていただきたいと。HACCPの導入に関しては、義務化ではなく自主的な取り組みに対してインセンティブを与えるような行政の指導ガイダンス、先ほど弾力的なというお言葉がありましたけれども、そういった取り組みが望ましいと考えている次第です。

 以上でございます。

○五十君座長 どうもありがとうございました。

 前回同様、時間の効率化を図るために、まず発表を優先させて進めさせていただきますので、次にまいりたいと思います。

 続きまして、資料3を準備していただきまして、全国味噌工業協同組合連合会の磯部理事より御説明をお願いしたいと思います。

○磯部理事 全国味噌工業協同組合連合会の磯部でございます。

 それでは、資料3に沿いまして、御説明をさせていただきます。

 「1.味噌業界の一般的な状況」でございます。我々は連合会でございますので、全国8ブロックにある47の県組合を構成員とする全国団体でございます。47の県組合に所属するみそ製造事業者数と言いますのは、昨年7月1日現在で929社ございます。ちなみにちょうど10年前の平成17年の時点では1,118社ということで、この10年間の間に189社が減っているという状況でございます。一時期は減少のスピードが遅かったのですけれども、ここ数年は数十社単位で廃業が出ております。

 関連団体としては、表示関係を取り扱う公正取引協議会、そういった団体等がそこに書いてあるとおりございます。

 出荷量・製品・事業者等の概況でございます。みその出荷量はずっと漸減傾向でありましたけれども、このところ下げ止まり状態で、平成26年度は41.3万トンございます。後でみその種類について簡単に御説明しますが、種類別の構成比で言いますと、何と言いましても、米みそが8割、麦みそが5%、豆みそが5%、それらの調合みそが10%という形になっております。それぞれのみそにつきましては、こうじに何を使うかとか、色とか味によって、さらに細分化されて、全国で多様なみそが生産されているというところが大きな特徴でございます。

 主産地は長野県でございまして、50%弱ございます。販売数量につきましてはトップ企業が約10万トン、上位10社を合計すると67%ということで3分の2を占め、さらに上位50社、大体50番目の会社が年間1,000トンくらいになりますが、上位50社だけで全出荷量の94%を占め、残りの6%を880社で生産しているという非常に中小・零細規模の事業者が多いということになります。

 消費量でございますが、お米と同様に、みそ汁は御飯とセットでいう形が多いのですけれども、御飯が漸減傾向にありますように、みそも漸減傾向で、平成26年度は1人当たり約3.5キロ、20年前が4.5キロですから、20年間で1人当たりの消費量が1.1キロ減少しているという状況でございます。

 次に行きまして、みその分類でございます。そこにありますように、原料のこうじに何を使うかによって、米、麦、豆、調合という形。それらを色とか甘辛で分類して、そこに書いてあるような分類をされております。ここで何と言いましても一番多いのは赤い丸で囲みましたが、米みその辛口で、この中で一番有名なのは黄色みの強い信州みそ。これが一番生産されているところでございまして、塩分12%ということになります。また、辛口みその中でも熟成期間が長くなりますと色が濃くなりますので、東北地方を中心に赤系の辛口みそが生産されているという状況でございます。

 生産量の一番多い辛口の米みその製造工程例を次に示しております。複雑なプロセスになっておりますが、大きく分けますと、米とか大豆、そういったものの原料を処理して、米からこうじをつくって、蒸した大豆と仕込んで、発酵・熟成、製品、そういった流れになっております。

 今はだし入りみそが大体2025%ございますけれども、だし入りみその場合には、核酸系の調味料が、ホスファターゼ活性が残っていますと分解されてしまうということで、発酵・熟成が終わった後、加熱してフォスファターゼを失活させ、だしを加え、風味原料を加えて製品にするということがあります。

 みその場合には、このプロセスにありますように、仕込んだ原材料がそのまま製品になるということで、異物混入、そういったものが製造事業者にとっては大きな課題といったところがございます。

 「2.食品安全上の管理の中で優先度が高い課題」について、2つ挙げさせていただきました。何と言いましても我々は伝統産業でございますので、そういった長い間に蓄積された経験知、そういったものによって今でもみそを製造しているといったところがございます。そういった中で新しい製造工程の管理とか品質保証に関する科学的管理手法、そういったものが求められているのが現在の状況かと思います。言いかえますと、従来の経験に基づいた製造技術に新しい衛生管理技術の一体化、それをやっていかなければいけない時代に入っているということでございますので、そこをいかに徹底するかというところが大きな課題ではないかということ。

 もう一つは、どうしても中小・零細規模の家族経営的な事業者が多いものですから、施設や設備に頼らない製造環境を衛生的にブラッシュアップする知恵や方法、そういったものを創出する。あるいは団体として提供する。それが大きな課題かなと思っております。

 「3.HACCPの取り組み状況」でございます。国際的な認証は、10社程度がISO22000FSSC22000あるいはBRCを取得しております。

 ほかにHACCP手法を導入している事業者としては、HACCP支援法に基づく高度化計画認定の17社、昨年度から厚生労働省で始まりましたチャレンジ事業への参加事業者が3社、自治体HACCPの認証取得者。これは実数は不明ですが、そういった事業者がHACCPに取り組んでいるという状況でございます。

 最後に、こういった形で新しくHACCPが制度化されるということで、県組合の中には勉強会とかモデル工場を選定して現場指導を行っている県組合がございます。

 「4.業界団体として実施しているHACCP普及の取り組み」でございます。1)これまでHACCPは企業の自主的な取り組みという状況でございましたので、必要な国内外の情報を団体として提供して周知するという形が中心でございましたけれども、これからはHACCPが制度化されるという状況におきましては、周知からサポートへという形で方針転換をしております。

 2)に書いてありますように、今年度から会員を対象にしたHACCPの講習会を既に実施しております。既に6月から始まっておりますが、入門編、実際にHACCPプランをつくっていただく。そういった形での演習形式のものを行っております。来年度もことしの状況を見て、変えるべきところを変えたりして、来年度以降も実施していきたいと思っております。

 3)でございますが、HACCP支援法ができたのと相前後して、団体として「味噌製造のための衛生管理基準」を平成10年につくっておりますが、あれから16年たっておりますので、今の新しい情報、データ等を組み込んだ形で、これを改訂したいということでございます。

 先ほど出ましたように、HACCP支援法に基づく指定認定機関として、これまでに17件を認定しているところでございます。

 「5.輸出に取り組む事業者の割合」でございます。残念ながら、定量的に団体として把握しておりませんが、次のような概況になっております。輸出につきましては、東日本大震災時を除いて増加基調にありまして、平成27年の輸出金額としては27.6億円、数量で1.3万トン、対前年9.6%ということで、これまで大体年間10%程度の増加をしておりまして、北米あるいはアジアが中心でございましたけれども、最近はほかの地域にも広がってきているというところが特徴でございます。輸出の多くは大手みずからが手がけるというよりは、流通業者の求めに応じて物を出しているという状況ではないかと考えております。

 我々の業界の大手1社は、約10年近く前だと思いますが、米国西海岸に工場を建設して、そこを拠点に北米あるいは南米、ヨーロッパ、アジア、オセアニアに物を出していると聞いております。その他の大手事業者の中には、兼務ではございますけれども、扱いも少量と聞いておりますが、輸出担当セクションを置いているケースがございます。

 小規模事業者の中でも流通業者に頼らずに、特徴あるみそを仕立てて、みずから輸出しているといった事例もございます。

 最後に「6.HACCPの制度化に関する意見・要望等」でございます。みそは塩の特性、塩味を付与する、微生物の活動をコントロールする。そういった2つをうまく活用した発酵食品であるために、主に9割以上はみそ汁として喫食されてきておりますけれども、大きな問題は起こっておりません。今後、HACCPに取り組むことは、団体としては、みその品質の一層の向上と業界の発展につながると認識しておりまして、制度化に当たりましては、次のような点について配慮していただければと思っております。

 我々の傘下の事業者は今でも、HACCPが日本に紹介されたころの影響だと思うのですが、HACCP=施設整備、お金がかかるといった認識が非常に強くございます。こういった部分を払拭していかなければいけないということ。小規模事業者は我々がHACCPをうまく取り込んでやっていけるのか。今後とも今までのような商売ができるのか。そういった形で事業継続に不安を持っているというところがございます。そういうところから、やはり県や地域単位できめの細かい講習会、そういったものをぜひお願いしたいと思っているところでございます。

 これに関連いたしまして、事業者サイドから見ると、厚生労働省、農林水産省と個別にやっているような印象を持っておりまして、こういったセミナーも可能であれば、合同でやっていただけると、事業者サイドとしては変な誤解がなくてよろしいかなと思っているところでございます。

 例えば、一般的衛生管理、そういったものに手をつける場合には、どうしてもある程度の投資が必要になりますので、そういった意味での助成金制度、なおかつ使い勝手がいいということ。そういった点について、お願いしたいと思っております。

 3番目でございますが、今のところ、一般的衛生管理、それからHACCPという2段階の取り組み。そういった部分については見えてきているように感じておるのですけれども、さらに時間をかけながら、ステップ・バイ・ステップの取り組みができる。そういった取り組みができるような形で制度を設計していただけるとありがたいと考えております。

 支援とか相談につきましては、我々団体として、可能な限り進めていきたいと思っておりますが、やはり行政サイドといたしまして、親身な相談、そういった形による普及、そういったものをやっていただければと思っているところでございます。

 駆け足でございますが、以上でございます。

○五十君座長 御報告をありがとうございました。

 それでは、次にまいりたいと思います。資料4を準備していただけますでしょうか。日本醤油協会の小熊参与より説明をお願いしたいと思います。

○小熊参与 日本醤油協会の小熊でございます。

 本日は私が技術的なところを説明させていただきますが、その前に全体の概要につきまして、日本醤油協会の専務理事の金子のほうから説明させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○金子専務理事 日本醤油協会の金子でございます。

 今、小熊のほうから話がございましたけれども、醤油協会全体の概要、主に2ページ目のところですが、こちらについて簡単に私のほうから説明をさせていただきたいと思います。

 まず、業界全体の市場規模ということで、こちらにありますが、国内78万キロということでございますが、なかなか78万キロといってもぴんと来ないと思いますけれども、こちらにありますように、5年前の平成22年に比べると8%ほどマイナスということになっております。1年で2%弱ずつ減ってきていると思います。平成元年、27年前ですが、こちらが約120万キロほどありましたので、25年前に比べると3分の2に減っているということでございます。

 また、1人当たりの消費量につきましても同様に平成元年は1人、約10リットルを年間使っておりましたけれども、今では6.6リットル強というような状況になっております。これは食の多様化とか、グローバル化とか、外部化とか、簡便化とかありますけれども、こんな状況もありまして、減ってきているということでございます。ただ、輸出につきましては、例の和食がUNESCOの遺産に登録されたということもありまして、ここ数年は2桁増ということで、こちらにありますように平成22年比の5年前で言いますと47%ということで、1.5倍になっているということでございます。

 事業者数でございますけれども、1,297社ということでございます。今、みそのほうの話がございましたけれども、約半数弱かなと思いますが、みその製造事業者、しょうゆの事業者は兼業者が結構多いということでございます。ただ、こちらのほうも平成元年から比べると、平成元年は2,300社ございましたけれども、約1,000社が減っているということでございます。

 業界団体ですが、我々の団体は特殊なところがございまして、日本醤油協会というのは、大手5社と全国醤油工業協同組合連合会と一緒になって日本醤油協会という組織をつくっております。全国醤油工業協同組合連合会は全醤工連と言われておりますけれども、全国で48組合、ほとんど中小企業が加盟しているということで、こちらも先ほどありました、みその組合と約半分がみそとしょうゆの組合ということになっております。醤油のシェアで言いますと、大手5社で約半分強、52.3%、全醤工連の上位24社で4分の1、25%ということで、上位30社で8割のシェアを占めております。

 取り扱い品目と書いてございますが、製造品目は基本的にしょうゆは5種類あるということですが、濃口、淡口、たまり、再仕込、しろということですが、ほとんど濃口しょうゆで83%、淡口が12%ということで、淡口は関西が多いということでございますけれども、ほとんど濃口しょうゆという状況になっております。

 しょうゆ加工品というものがございますが、これは昨今、先ほど簡便化ということもお話をさせていただきましたけれども、特につゆとか、たれとか、あるいは加工しょうゆというのは何々しょうゆ、例えば、昆布しょうゆとか、かつおしょうゆとか、最近は卵かけ御飯みたいなものもございますが、そういうものを総称して加工しょうゆと言っておりますが、しゅうゆ加工品が最近伸びてきております。ここのところは停滞気味ですが、しょうゆにかわって、こちらのほうが伸びているという状況でございます。

 概況のほうを簡単に説明させていただきました。あとは小熊のほうからお願いします。

○小熊参与 それでは、続きまして、しょうゆの製造工程について概要を御説明いたします。工程名を青で示しておりますが、しょうゆの場合ですと、まず原材料といたしまして、大豆、小麦、食塩、この3つを原料としております。大豆も通常の大豆以外に、大豆から油分をとりました脱脂加工大豆も原料としております。

 大豆はまず蒸します。一方、小麦は炒って、その後に砕きます。こういった工程はいずれも殺菌という意味を兼ねております。殺菌と、大豆の場合はたんぱくを分解させるためのたんぱく変性が主な目的でございます。これを混ぜまして、そこに麹(こうじ)菌を植えるわけですが、これが先ほどのみそと大きく違うところといたしましては、みそは半分が原料で半分が麹という形になりますが、しょうゆの場合は全てを麹にするという全麹というのが特徴でございます。これで4866時間くらい麹菌を生やしまして、麹というものを作ります。

 この麹を作るところを製麹工程と呼ぶわけですが、その麹を食塩水と混ぜまして、タンクに仕込んで発酵・熟成させるのですが、この混ぜたものを諸味(もろみ)と言います。この諸味で約半年から1年発酵・熟成させた後、これを搾ります。これを圧搾工程と言います。搾ってできてきた清澄な液体を生揚げしょうゆと呼びます。この生揚げしょうゆをさらに簡単な殺菌、しょうゆの香り、色を整えるために火入れという加熱工程を入れます。これを火入れ工程と称しまして、そこで変性いたしましたいろいろな各種たんぱく質をオリとして取り除いた後、充填いたします。これが簡単なしょうゆの製造工程でございます。

 続きまして、食品安全上の管理の中で優先度が高い課題について御説明いたします。

 1つ目といたしまして、しょうゆは食塩濃度が非常に高いというのが特徴でございますので、この食塩濃度でいろいろな病原性微生物の危害を防いでいるわけですが、この食塩濃度が低下したときの病原性微生物の対策が大きな課題と考えております。

 2つ目ですが、どうしても原料を穀物としていることがございまして、そういったものによく附随してくるゴキブリですとかネズミですとか、そういった鼠属昆虫対策を中心とした一般衛生管理も重要課題と考えております。

 続きまして、HACCPの取り組み状況です。

 1番目といたしまして、Codex-HACCPに関連する第三者認証、例えばFSSC22000ですとかISO22000、こういったものを取得している事業者は大手5社、準大手は先ほどの全醤工連上位24社、それ以外の数社、これらの会社でで輸出を行っている一部の会社だけです。ここで言っている意味は、大手とか準大手であっても全てが認証を取得しているわけではありません。この一部しかないということを言っております。

 2番目といたしまして、Codex-HACCPというものとは違うわけですが、品質規格として日本農林規格というものがございます。しょうゆの場合はJAS規格を持っておりまして、JASの認定工場は全体の約40%でございます。この40%の意味は、事業者割りでいくと40%でございます。しょうゆの出荷量の出荷割りでいきますと約55%、6割弱という数字となります。こういったところは、HACCP手法の導入は次に述べますマル3に比べますと、比較的容易ではないかと考えられます。

 問題となるマル3のJAS認定工場でない残りの事業者、ここへHACCP手法の導入をするのが大きな課題ではないかと考えています。先ほど厚労省の方からお話があったとおり、いろいろな記録等について普段からそういう作業習慣がなかなか身についていないというようなこともございますので、こういうようなところにHACCP手法を導入するのが大きな課題ではないかと考えております。

 業界団体として実施しているHACCP普及の取り組みでございますが、1番目といたしまして、平成11年に全醤工連がHACCP支援の指定認定機関になりました。それに基づきまして、「醤油製造工場 HACCP手法導入マニュアル」というものを作成いたしまして、業界全体に配布してございます。これは私自身も眺めますと、かなり専門的な書き方をされているので、これを単に渡されて、「やってください」と言われても、なかなかすぐにはできないだろうというのが正直な気持ちでございます。

 そこで2番目といたしまして、今年からHACCP導入のあり方検討ワーキンググループというものを設置いたしまして、このマニュアルのリニューアルを検討しているところでございます。予定といたしましては、今年の10月末から11月頭にかけて、このマニュアルのたたき台を提出していきたいと考えております。

 3番目ですが、昨年度からHACCPに対する興味が業界としても非常に高まってきておりますので、中央セミナーですとか、生揚生産者会議ですとか、そういった場で複数回セミナーを実施している状況でございます。

 次のページに行っていただきまして、輸出に取り組む事業者の割合でございます。

 1番目といたしまして、しょうゆの輸出量は冒頭で報告がありましたとおり、2万6,000キロリットル、平成25年以降、対前年比2桁の伸びを示しておりますが、実際には国内のしょうゆ出荷量に対する割合は約3%ということで、非常にわずかなものでございます。

 2番目といたしまして、輸出に取り組む事業者の割合ですが、これも定期報告とか直近のアンケート調査などから調べますと約40社程度でございまして、大手のほか中小企業も合わせても全事業者の約3%と非常にごくわずかでございます。ただ、ここで一つ注意したいところといたしましては、これは自主的に輸出している企業ということでございます。実際にはいろいろな流通会社の方が、勝手にと言うと言葉に語弊があるのですが、市場からしょうゆを買って、それをどんどん輸出しているケースもあるようでございます。そういうところは私どもも把握しておりませんので、ここはあくまでも自主的に取り組んでいるところという数字でございます。

 3番目ですが、輸出先国は世界の67カ国にわたっております。主な輸出先というのは、北米、中国を含みます東南アジアを中心にいたしまして、欧州、オセアニア、南米等でございます。残念ながらアフリカは南アフリカ共和国くらいで、まだ非常に少ない状態でございます。

 参考までにですが、日本式しょうゆの海外での現地生産は現在、約23万キロリットルということでございます。輸出量の約10倍程度のものが現地でもう既に生産をされているということでございます。

 では、最後にHACCPの制度化に対する意見・要望等をここに示します。

 1番目に示しましたとおり、安全な食品を生産することは、食品製造事業者の使命でございます。したがいまして、食品安全を担保する手段としてHACCP手法による管理を導入して衛生レベルを向上させることが有効であることは理解しております。ただ、しょうゆ業界の以下の状況も勘案して検討をいただきたいと考えております。これはどこの業界でも大体共通の話なのですが、改めてお願いしたいところでございます。

 しょうゆは、こうじ菌、しょうゆ酵母、しゅうゆ乳酸菌等の有用な微生物を活用するという伝統的な手法で古来より製造されてまいりました。そこで高濃度の食塩を使うことによりまして、防腐効果によりまして病原性の微生物に起因する健康危害の発生はなく、安全な食品と考えております。ただ、そこでしょうゆ業界は大手、準大手を除くと中小・零細、言葉を変えれば家族経営的な企業が圧倒的に多い業界でございます。古くから昔は地方ごとに酒屋さんとみそ・しょうゆ屋さんはどこの地域にも大体1軒ずつあるというようなイメージになりますので、そういうようなところがいまだにまだあるということでございます。

 このHACCP手法を導入するに当たりまして、こういった家族的な経営をしている企業は、中心となって活動できる人材の確保が非常に難しいというのが先ほどからもある話でありまして、従業員が3人以下の事業者も結構あるということでございます。

 最後に、中小・零細企業は、設備・施設も含めました一般衛生管理のレベルにかなり差がございます。どういうことかと言いますと、後継者がいて、若い経営者に代わったときは経営意欲が活発で、いろいろな設備の補修とかを積極的にやっていただけるのですが、経営者の方が高齢になられていて、後継者も今のところ見つかっていないというような事業者ですと、なかなか一般的な設備の補修もままならないような状態もございます。ですから、そういうような事業者の方でも取り組めるようなプログラムを用意していただいたり、何らかの配慮をいただけるような措置を検討していただければと思っております。

 以上でございます。

○五十君座長 ありがとうございました。

 それでは、次にまいりたいと思います。資料5になります。一般社団法人日本パン技術研究所の井上所長より御説明をいただきたいと思います。

○井上常務理事・所長 日本パン技術研究所の井上です。よろしくお願いいたします。

 では、これからお手元の資料に沿いまして、パン製品の食品衛生管理について御説明させていただきます。

 最初に、私ども日本パン技術研究所は、2000年に起きましたパン製品の異物混入騒動が契機になりまして、製パン事業所の食品衛生管理に関する指導を行っております。その1つとしまして、大手製パン企業21社の団体である日本パン工業会の依頼を受けまして、2001年から後ほど説明いたしますAIBフードセーフティ監査を実施しております。また、中小製パン企業約1,500社の団体である全パン連の依頼を受けまして、2011年から全パン連フードセーフティ監査というものを実施しております。

 3ページ「2.パン業界の一般的な状況」に関しましては、個人店を除く製品出荷額合計は1兆2,000億円になりまして、その74%を日本パン工業会会員である大手企業21社が占めております。そして、全パン連の会員である1,500社及びその他の企業のシェアが26%になっております。また、個人店か約1万2,000店ありまして、その販売額は約3,650億円とされております。

 4ページ目、マル3がダブってしまいましたが、4ページのマル3に示しましたように、パン製造事業所の特徴としまして、多品種生産というものが挙げられます。このような多品種の製品をマル4に示しましたように、HACCPを導入する場合はA)〜D)の4種類に大別しております。

 A)は食パンのように加熱前後にプラスアルファの加工をしないパン。B)は加熱前にあんを包むなどの加工をするパン。C)はチョココロネのように加熱材料を使用し加熱後加工するパン。D)はサンドイッチのように非加熱材料を使用し加熱後加工するパンになります。

 「3.食品安全上の管理のなかで優先度が高い課題」に関しましては、A)、B)、C)の3つのグループはパン製造のために必須な焼成工程で有害微生物の殺菌が行われますので、第1に金属やガラスなどの物理的な危害を持つ異物の混入防止が重要視されております。なお、パンのクレームに関しましては、健康上の危害がない、毛髪、油かす、昆虫などの混入が大半を占めておりまして、このような面からも異物混入防止が重要な課題になっております。

 2番目としまして、科学的危害であるアレルゲンの管理が重要視されております。また、特に中小の企業におきましては、焼成後のパンを従業員が触れることによるノロウイルス事故の防止が重要な課題とされております。これらのグループのパン製品の危害分析を行いますと、CCPは金属検出機だけでありまして、管理の実際に関しましてはHACCPで言う前提条件プログラムの高度化が極めて重要になっております。

 D)の非加熱材料を使用し加熱後加工するパンに関しましては、マル2〜マル4に加えまして、マル1の有害微生物事故の防止が重要でして、生野菜などの非加熱材料の微生物管理が重要な課題とされております。そして、危害分析を行いますと、金属検出機に加えまして、非加熱材料の洗浄・殺菌工程がCCPになります。なお、この製品グループに関しましても、クレームの大半は前提条件プログラムの不備に起因しておりまして、前提条件プログラムの高度化が極めて重要な課題であると言えます。

 以上のことから、4のパン製造事業所のHACCP普及の取り組みに関しましては、前提条件プログラムの高度化がポイントになりますが、この取り組みが不十分な事業所が数多く残されており、この改善が重要な課題となっております。

 そこで8ページになります。マル1の大手製パン企業に関しましては、さきにお話ししましたように2001年からAIBフードセーフティ監査が導入されております。このAIB監査は米国の任意の監査プログラムでして、前提条件プログラムの構築と実施を現場主体で支援するものです。このために極めて実効性が高く、米国系の企業を中心に約9,000の事業所で利用されております。日本では私どもが行っておりますが、利用者の中には導入数年後にクレームが90%減少した企業があります。また、AIB監査ではHACCPの実施も要求しますが、詳細な書類審査は行っておりません。

 9ページになります。AIBフードセーフティ監査の利用動向に関しましては、大手製パン企業の約70%で少なくとも1回は利用されておりますが、前提条件プログラムに大きな問題が見出されたまま改善活動が止まっている企業も多く、約半数の企業ではHACCPの導入に不可欠な前提条件プログラムに不備が残されていると推察されます。

10ページになります。また、マル2の中小製パン企業に関しましては、AIB監査はハードルが高過ぎるという問題があります。そこで私どもがAIBの基準よりもレベルを下げました全パン連食品工場安全衛生管理基準というものを2005年に作成し、それに基づく全パン連監査というものを2011年から実施しております。全パン連監査は過去5年間に173社で利用されましたが、それは全パン連会員企業の11%でしかありません。また、利用された企業に関しましても、その多くでは依然として前提条件プログラムの大幅な改善が必要とされているのが現状であります。

12ページになります。このような状況ですので、全パン連の会員企業は学校給食パンを製造しておりますが、異物混入のクレームが多く、その対策として焼成したパンに異物がついていないことを目視で検品する作業が一般的に行われているのが実情です。そして、2014年に起こった浜松市のノロウイルス事故は検品作業者が汚染源になっております。このような健康上の大きな事故をなくすためにも、前提条件プログラムの高度化が必要であることを全パン連には伝えておりますが、改善がおくれているというのが実情でございます。

13ページになります。マル3の約1万2,000店の町のパン屋さんに関しましては、人的及び経済的な面から前提条件プログラムの高度化、HACCPの導入が極めて困難であるのが実情です。

14ページになります。「5.輸出の取り組む事業者の割合」に関しましては、パンは賞味期限が極めて短い加工食品であるため、輸出に取り組むパン製造業者はほとんどいません。そのかわりに米国、東南アジア、中国などでの現地製造が進められております。

15ページになります。「6.HACCPの制度化に対する意見・要望」に関しましては、マル1、パン製品の安全性はHACCPで言う前提条件プログラムで確保されるものであり、CCPの特定とモニタリングを重要視するHACCPはパン製造事業所の食品衛生管理の実際性と解離しているように思われます。

 マル2、パン製品のクレームの大多数は健康上の危害がない毛髪、油かす、貯穀害虫などの異物混入であり、HACCPの対象外であります。

 マル3、大手製パン企業21社に関しては、約半数で前提条件プログラムの構築が進みHACCPの導入が始まっていますが、約半数では依然として前提条件プログラムの構築に問題を抱えております。

 マル4、中小製パン企業約1,500社及び個人店約1万2,000店に関しては、大多数が前提条件プログラムの構築がおくれていて、HACCPを導入する準備が整っていません。

 マル5、中小製パン企業及び個人店に関しては、仮に前提条件プログラムの構築が進んだとしても、大多数では人的及び経済的脆弱性のために危害分析などを適切に実施することが極めて困難であります。また、パン製造事業所のCCPは金属検査機ですが、大多数が金属検出機を持っておりません。

 マル6、中途半端なHACCP(例えば鑑を模倣してプログラムを作成する等)は各事業所あるいは各製品の実際性から解離し、効果を発揮しません。

 以上の理由により、パン製造事業所へのHACCPの制度化は極めて困難であると推察されます。

 パン製造事業所に必要とされている食品衛生管理上の課題はHACCP支援法の高度化基盤整備であります。この改善をHACCPの導入と表現することは可能であるかもしれませんが、HACCPの実際とは大きく解離すると思われます。

HACCP以上に、米国のFSMAHARPCの概念が実際性が高いと推察されます。これは非健康危害を含めたパン製品の経験上、重要な危害を特定し、それらを予防的に除去する対策を講じる方向であります。

 以上で報告を終了させていただきます。

○五十君座長 ありがとうございました。

 それでは、資料6を準備していただきまして、全日本漬物協同組合連合会の大羽副会長より御説明をいただきたいと思います。

○大羽副会長 全日本漬物協同組合連合会副会長の大羽でございます。

 私はメーカーの人間でございますが、組合を代表しまして御報告を申し上げます。まず資料をお開きくださいませ。1ページ目を開いた後でございます。

 全日本漬物協同組合連合会、以後は全漬連と略させていただきますが、その状況でございます。全漬連は、全日本の組合ができましたのは戦後でございまして、戦前から各地域に県別の組合はございまして、戦後に全国的な組合を創設しました。その後にメーカーと卸売業者を合体しまして、つくりましたのが昭和45年6月29日で、これが全漬連の設立年月日になっております。

 構成員は現在、全国の38団体で915組合員でございます。

 企業規模につきましては、漬物業界の産業規模はなかなかつかみにくいのですが、3,200億円程度ではないかと言われております。漬物事業者数でございますが、保健所等の各県別の調査等の数値を参考にしますと、道の駅等の販売も踏まえますと8,000軒ほどあるのではないかと見られております。なお、全漬連会員の企業規模は相対的に大きいのですけれども、それでも従業員50名以下の小規模企業が85%以上を占めております。

 取扱品目は、食品表示基準による分類が10種類でございまして、和食の歴史の中で育まれた漬物は、漬物としては1,000品目くらいあるのではないかとも言われております。衛生管理基準は対象商品によりまして、1番目、殺菌温度。2番目、pH管理。3番目、発酵熟成度。4番目、生野菜の殺菌数と温度管理が漬物の中でもいろいろなものによりまして、管理基準になるところが多様になっております。

 「2.食品安全上の管理のなかで優先度が高い課題」としましては、(1)食品表示法に関する基礎的な理解。(2)食中毒事故、異物混入、アレルギー事故。(3)従業員の健康管理、衛生教育・訓練。(4)製造施設・設備の管理。(5)商品の理化学分析と保存テスト。こういうようなこが優先順位的には考えられるかと思います。

 「3.HACCPの取組み状況」でございます。

 (1)厚生労働省が平成26年に行った実態調査によりますと、HACCPを導入もしくは導入を検討している漬物製造業者は10.8%と極めて低く、全漬連未加入企業を含めた小規模企業では、ほとんどの事業所でHACCPに興味を示しておりません。全漬連加入組合員でも、HACCPISO22000等を取得している割合は4%でございます。

 (2)「漬物の衛生規範」改正により浅漬のHACCP取り組みは進んでおりますが、その他の漬物については指導もなく、遅れております。

 (3)都府県並びに自治体が実施している安全衛生管理認証の取得を推進しておりますが、HACCP認証機関がない、もしくは相談に乗ってもらえない自治体が数多くあると聞き及んでおります。

 「4.業界団体として実施しているHACCP普及の取り組み」。

 (1)平成25年より毎月6月を衛生管理月間と定め、全国で衛生管理講習会等を開催し、HACCPを学習しております。

 (2)「HACCP手法を取り入れた浅漬及びキムチの製造・衛生管理マニュアル」を平成26年3月に改訂し、普及に努めております。

 (3)「食品製造におけるHACCP入門のための手引書(漬物編)」、これは厚生労働省のつくったものでございますが、この周知を図ってはおりますが、インターネット操作に不慣れな企業では認識がおくれております。

 (4)HACCP支援法指定認定機関としての取り組みに努めております。

 (5)平成25年より「衛生管理シート」で組合員企業にアンケート調査し、対策のとられていない企業には、各県理事長から企業別に改善を要請しております。

 (6)平成26年より「漬物製造管理士・技能評価試験」を実施し、HACCP的衛生管理手法の普及を図っております。

 (7)一部の都府県では、組合未加入企業にも組合主催のHACCP講習会への参加を促しておりますが、個人情報保護法を理由に、未加入企業に案内書を送付することができない状況にございます。

 「5.輸出に取り組む事業者の割合」。

 (1)梅干し、たくあん、らっきょう、福神漬等の輸出実績はありますが、輸出に取り組む事業者は限定的であり、正確には把握していません。輸出額もわずかであると思われます。

 (2)なお、和食の世界無形文化遺産登録やミラノ国際博覧会の開催などにより、和食が海外から注目されている中、漬物についても海外への輸出の増加が期待されております。

 (3)しかし、輸出対象エリアの食品安全規格や食品表示法に関する的確な情報が不足しており、認証取得にかかわる莫大なコスト問題もあり、各事業所は積極的な海外輸出に躊躇しております。

 「6.HACCPの制度化に対する意見・要望」としまして、(1)漬物製造業は一部の都道府県等が条例で指定する営業許可業種、届出業種のため、全国の漬物製造者を把握できておりません。HACCPの制度化に当たり、まず全ての都道府県で営業許可業種にし、業界の把握及び衛生管理上の最低限の製造レベルアップが図られるようにしていただきたい。平成24年8月に札幌市の漬物メーカーが製造した「白菜きりづけ」から腸管出血性大腸菌O157が検出され、8名の死亡者を出しましたが、事故の再発を防止する第一歩はここにあると考えております。

 (2)漬物は多くのカテゴリーで成り立っており、危機管理ポイントは製造品目によって異なっております。例えば、しょうゆ漬は温湯殺菌条件、酢漬はpH値、浅漬は生野菜の洗浄殺菌と商品温度管理、こういうように管理ポイントが異なっております。

 次のページを開いてください。製造品目の特性を理解した上で的確な教育指導をお願いしたいと思います。

 (3)中小企業が多いため、HACCP取得のための人材・資金(設備対応等)が不足しております。国や県から人材、資金支援をしてもらいたい。特に社外HACCPコンサルタントの採用または派遣費用をしていだたければ、ありがたいと思っております。

 (4)HACCP導入のための手引書だけでは何を実施していいかがわからない企業が多いと思われます。HACCPを導入するためのリーダーを養成する機会が少ないので、教育機会の増加をお願いしたい。

 (5)HACCP取得後の継続管理が重要です。取得後の指導を実施していただく体制を要望します。

 (6)地域HACCPの認証内容は各都道府県並びに地方自治体により統一性がないように感じられます。HACCP認証取得の社会的評価が確立され、各事業所が食品衛生管理に努力した結果が商売上でも生かせるようにしていただきたいと思います。

 (7)輸出を前提とする商品については国際標準化が必要と考えます。現時点では国際標準の内容が十分に討議されておらず、輸出エリア別に指導いただける体制整備をお願いします。なお、国内市場並びに限定された狭い地域だけを商圏とする商品について、FSSC22000等の国際標準の認証を取ることはコストがかかるため、HACCPの取得で事業展開できるようにしていただきたいと存じます。

 (8)小規模事業所は、HACCPの制度化を進めるとコスト面(設備投資等)・人的能力面で導入できないおそれがあり、検討するのも困難な状況にあります。全国各地の和食文化を守るため、私たちに何ができるか、検討課題としたいと思います。

 (9)HACCPISOのように認証資格を取るものと思いがちで、各企業がみずから導入・実施することが大切であるという認識が不足しております。どのような規模の事業所でも、現在行っている生産活動の中の品質管理や製造過程において何が危害を発生させる原因になるのかを洗い出すことと、その対策を実行することを学び導入できる制度が必要である。お力をお借りしていきたいと思っています。

 なお、漬物業界は先ほどもちょっと述べさせていただきましたけれども、札幌で平成24年8月にO157で死亡者を出しておりまして、業界としましても何とか漬物の信頼を勝ち取りたいということで、一生懸命にHACCPのほうにも取り組んでおりますが、これを行うのが漬物業界の団体である全漬連が行っております。これを一生懸命やり過ぎまして、漬物業界の企業が組合を脱会し始めまして、これも小さいところではなくて中堅まで脱会をし始めました。そうなりますと、私たちはもう手も足も出なくなってきまして、組合の存続も危うくなってくる。それから、漬物企業の品質管理レベルを上げることもできなくなるという状況にありますので、そういう思いを込めて御報告をさせていただきました。ありがとうございます。

○五十君座長 どうもありがとうございました。

 以上で5団体の御発表が終わったわけでございます。どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問や御意見がございましたら、お願いしたいと思います。業種別に大ざっぱに分けて進めさせていただきたいと思います。

 まず最初は、外食産業として、日本フードサービス協会様の御説明につきまして、続きまして、発酵食品関係としまして、全国味噌工業協同組合連合会様並びに日本醤油協会様、順番は少し変わりますけれども、最後の全日本漬物協同組合連合会様の御説明について質問、最後に一般社団法人日本パン技術研究所様の御説明についての御質問を受けつける形で進めさせていただきたいと思います。

 それでは、まず、日本フードサービス協会様への御意見、御質問についてありますでしょうか。よろしくお願いしたいと思います。資料2になります。いかがでしょうか。

 河野委員、よろしくお願いします。

○河野委員 御報告をありがとうございました。私たち一般消費者が食中毒というキーワードでいつも頭に思い浮かぶのが飲食店での発生というところでして、やはり食品衛生管理における誰もが共通理解できるような考え方で、ちゃんと安全な飲食物を提供しているのだよというのを見える化をしていただくのはすごく重要だと感じています。

 先ほどの御報告の中で、最後の7ページの意見・御要望のところに、構造的な事情に配慮してくださいという要望が1番目に書いてありまして、恐らく私もここに書いてあることはそのとおりであろうと思います。本当に小さな、お一人でやっていらっしゃるところもあれば、数人でやっていらっしゃるところもあるというふうに御事情はよくわかるところです。

 一方で、本日、厚労省さんから提供された「8月は食品衛生月間です。」と「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」というパンフレットの1〜6番。ここに書かれていることは恐らくHACCPの考え方をそのまま応用して、私たちは家庭で台所に立つ主婦にわかりやすく説明してくれているのだなと思うのです。そうすると、この6つの考え方を家庭では家族のために安全な食材を手に入れて、安全に衛生管理に気をつけて食べるということで、中小・零細の外食の方はこれと同じような考え方で、お客様に対して安全な食材を提供するというような、今ある仕組みではとてもではないけれども、現場では無理だよねとおっしゃらないで、こんな考え方を取り入れていく。家庭では家族のために、小さなお店では来てくださるお客様のためにという、そういう考え方はできないのだろうかと思ったのですけれども、いかがでしょうか。

○福田常務理事・事務局長 おっしゃるとおりだと思います。この6つのポイントに関しては、食中毒というのは外食企業にとって一つ事案を起こしてしまうと、場合によっては本当に企業の存続にかかわる致命的なことですので、こういったポイントに関して、業界としても啓蒙していくということは常に行っていることでございまして、先ほども冒頭に説明しましたけれども、食の安全・安心財団のほうとも連携をして、各事業において我々のほうはこういった衛生管理に関するマニュアルづくりのサポートであるとか、いろいろなセミナー等を通じて、そういったことに関するサポートは行っております

 ただ、このHACCPという枠組みの中で、例えばモニタリングであるとか、さまざまなHACCPの原則を全て網羅するということ、全てに金型的に当てはめてしまうと、ちょっと無理が生じてしまうなというのが現状でございまして、その点を正直に申し上げたとおりです。あと、我々の団体に加盟している企業は、どちらかと言うと大手を中心としたシステムを持った企業が多いのですけれども、そうではない全国で67万店ある中の、ママパパと呼ばれるような企業に対して、我々のほうがいろいろな行動規範を示すことによって、それが守れて広がっていくということは期待するところです。ですから、全て外食全体を捉えたときに、1つのHACCPというやり方を当てはめてしまうということでは、若干無理が生じるかなというのが現状でございます。

○五十君座長 よろしいでしょうか。私のほうから、まさにこの業界は多彩なメニューがあって、それに対応していかなくてはいけないというところで、HACCP対応が少し問題になるというお話だったと思います。既に大量調理施設衛生管理マニュアルが出ているのですが、こちらの対応というのはいかがですか。有用と考えられておりますでしょうか。

○福田常務理事・事務局長 それはまさしく原則になっておりまして、それをベースに各企業が取り組んでいます。

○五十君座長 そうしますと、マニュアルの延長上の考え方で、柔軟な考え方を考えていくというのには余り無理がないということですか。

○福田常務理事・事務局長 お示しいただいた基準Bと、英国における状況ももう少し勉強する必要がありますけれども、セーフフード、セーフビジネスはまさしく外食企業が目指すところだと思いますので、その辺は我々も勉強していかなければいけないと思っております。

○五十君座長 きょう、資料1で説明があったような英国型のスタイルはかなり有用と思われるということですか。

○福田常務理事・事務局長 詳しく勉強をしてみますけれども、きょうの説明でお聞きさせていただいた中では、そういったのは全く取り組みから遠いという状況ではないと認識しております。

○五十君座長 ありがとうございます。

 ほかに御質問、コメント等はございますか。中嶋委員、マイクをお願いできますでしょうか。

○中嶋委員 御説明をありがとうございました。外食産業はいわゆる中食産業との境界は非常に難しいところがあるのではないかと思いますし、居酒屋さんなどもお弁当をお昼に出したりする人たちもいると思うのですが、そういった食事を供給するスタイルがかなり現場で柔軟に変化をしていくときに、どのようにこの衛生管理を徹底していけばいいのかということに何かお考えがあればというのが1つ。

 最近は移動販売車と言うのでしょうか、よくビジネス街などに車が来て販売しているようなものがあるのですが、あれは外食に入るのか中食なのかが私はよくわからないので、どういうカテゴリーに入るのかということと、そこでの衛生管理について何かお考えがあれば、教えていただければと思います。

○福田常務理事・事務局長 まさしく中食と外食の境界線というものがどんどんわかりづらくなっているというのは、最近、小売店舗、スーパーマーケット等、そういったところでもフードコートというのがどんどんふえてきておりますし、きょう御説明させていただいた中で、その約6兆円が弁当、料理品小売業というものを含めて、あえて数字を提示させていただいているのですけれども、それはそういった背景もあって入れさせていただいたのですが、我々の会員企業の中でも惣菜、お弁当、デパートの地下で惣菜等を販売している企業も含まれております。そういった企業においては、後は産業給食もそうなのですけれども、全く同じ考え方で管理をしているという現状があると思います。ただ、フードトラックに関しては、我々の参画企業とはちょっと別の分野だと考えております。

○五十君座長 よろしいですか。ほかに御質問、コメント等はございますか。

 それでは、次にまいります。発酵食品関係ということで、全国味噌工業協同組合連合会様、日本醤油協会様、全日本漬物協同組合連合会様。資料は3、4、6になると思いますが、こちらに関しまして、御質問、コメント等はございますでしょうか。

 河野委員、どうぞ。

○河野委員 御報告をありがとうございました。おみそにしても、しょうゆにしても、漬物にしても、私たち日本人がずっとずっと大事にしてきた食材だと思っていますので、皆様のところでもそれぞれ業界団体として、こういった衛生管理に向けて手を尽くしていらっしゃるということが、先ほどの御報告からよくわかりました。

 これは感想のようなものですけれども、事業継続と言いましょうか、事業者の数がこのところ少しずつ減っていらっしゃるという御報告と、HACCP導入の際はそういった方たちもちゃんとついていけるようにという御意見もあったと思うのですけれども、HACCPの導入と経営状況も含めた事業の継続というのは別の問題かなと、消費者として私は受けとめました。逆にHACCPの導入がその事業継続を助けるような形、これをやることが足を引っ張るのではなく、消費者に向けてもアピールをするポイントになると考えていただければと感じたところです。

 おしょうゆにしても、おみそにしても、今は輸出はそれほど実態をつかめていないとおっしゃっていましたけれども、ミラノの国際博等でも日本独特の食材だということで、これからはやり方によっては国内消費の不足分を補うような形にもなる可能性もあるかなと思っています。そうしたときにやはりこのHACCP、A基準なのかB基準なのかは別として、こういった誰からも評価できる基準にのっとって製造しているというのは非常に重要な観点かと思いますので、大変な御事情はあると思いますけれども、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいというのが、全国味噌工業協同組合連合会様、日本醤油協会様にお願いしたいことです。

 質問は全日本漬物協同組合連合会様で、私も忘れもしない北海道のO157の事件がございましたが、その後、衛生管理対策にお力をお入れになればなるほど、脱会される方がいるというお話でした。その脱会される方というのは衛生管理に対する、厳しいことに対する嫌悪感といいましょうか、そういうことで辞められていくのか。なぜ業界の方が減っていくのかどうかという、その実情を教えていただければと思います。

○五十君座長 それでは、最初の部分はコメントということで、後の全日本漬物協同組合連合会様への質問について御回答をいただれければと思いますが、いかがでしょうか。

○大羽副会長 札幌で起きました白菜きりづけの業者さんでございますが、私も聞いているところでは、非常に人柄のいい実直な経営者だったそうでございます。それゆえに高齢者福祉施設にも漬物を入れられていたと思います。ただ、北海道はこの事件が起きる前に全漬連から、いわゆる自治区域として脱会してしまいまして、ある意味では全漬連から指導ができなかったということ。しかも、この事件が起きた後、もう一回、全漬連に入ってくださるのかなという動きもあったのですが、最終的にまた戻ってもくれなかった。

 そうしますと、今、全漬連という組織を通して、O157の事件を起こした北海道の漬物業者の方に指導することができないのです。例えば、組合団体を通して話をしておけば、ちゃんとやってくれるだろうと期待をされるわけですけれども、なかなかそのお役に立てていないという部分がございます。何とかこういう人たちにも入ってもらえるような全体的な、先ほど申しました認可制だとか、そういういろいろな国の制度と結びつけないと、ちょっと無理なのかなというように思っておる次第です。

○五十君座長 よろしいですか。厳しくすると脱退してしまうという、いわゆる落ちこぼれと言うわけではないのですけれども、そういった雰囲気に流れていくというのは余りいい傾向ではないと思われます。ここをいかにして救っていくかというあたりでコメントは何かありますでしょうか。

○大羽副会長 一生懸命やればやるほど、本当に離れていかれる企業さんも出てきているのが現実でございます。今回もリオのオリンピックが終わりまして、2020年に希望が出てきたという言葉が随分出てきましたけれども、私たちも漬物という産業、そういう企業をやっていくことで未来に希望を語れるような、こんな業界にぜひともしていきたいと考えております。

○五十君座長 ありがとうございます。

 ほかにコメントはございますか。質問でも構いません。山口委員。

○山口委員 御説明をいただき、ありがとうございます。各団体様に1点ずつ質問をさせていただきます。まず、味噌工業協同組合連合会様ですが、資料の6ページで衛生管理基準で平成10年版を改訂される予定だというお話ですけれども、10年以上たっておりますが、どのような改訂をお考えかというところを少し具体的に教えていただければと思います。

○五十君座長 では、1つずつまいりましょうか。よろしくお願いします。

○磯部理事 先ほども御説明しましたように、要はHACCP支援法に基づいて、業界として何らかのガイドラインをつくらないといけないという中で、ほかの業界団体に先駆けてつくったわけなのです。当時これをつくったまとめ役の座長の先生のお話を伺うと、みそは長らく塩分を含む食品として安全上の問題も起こさないできたということで、基礎データが不足しているという部分があって、それがガイドラインをつくった段階ではデータが不足しているために、こういったこともある、ああいったこともあると、ある意味、可能性を列挙した形になっていたわけです。

 そういう意味で、今後そういった分、必要なデータを団体として、あるいは既にある研究などをレビューする形で盛り込んで、しかも中小・零細でも読みやすいような形、わかりやすいような形にできるだけしていきたいと、そういうことでございます。

○五十君座長 よろしいですか。では、次の質問をお願いします。

○山口委員 日本醤油協会様と全国醤油協同組合連合会様に対してですけれども、みそとしょうゆの兼業もあるというお話だったのですが、それと資料の8ページに意見・御要望ということで5つ目の点として、中小・零細事業者は一般衛生管理のレベルに差があるということで挙げられています。製造過程にどこまでHACCPの管理手法を入れる必要性があるかというところも含めてですが、一般衛生管理とHACCPの考え方をあわせて、衛生管理のレベルの底上げにつなげるような取り組みを団体として考えられないか、何かお考えがあれば、お伺いできればと思います。お願いします。

○小熊参与 それでは、小熊のほうからお答えさせていただきます。今のお話のところで、一般衛生管理のレベルに差があるというところで、それもそうなのですけれども、その前の6ページのところで、今年からHACCP導入あり方検討ワーキンググループを作りまして、1回作ったマニュアルのリニューアルを検討中ということをお書きしましたが、これは今まさにこの検討会で話されているのと同じような考え方で、やはりある程度のレベルのところにある人たちは、すぐにHACCP導入ができるようなレベルのマニュアルを作ればいいというところです。

 でも、まだまだ一般衛生管理すら、なかなかままならないようなところも中にはないわけではないところがありまして、そういう方々も要は初心者レベルの取り組み用のマニュアルも必要です。要はマニュアルを2種類作って初心者バージョンと中級者バージョンの2つに分けて作ろうということを今、考えてやっているところでございます。

○山口委員 ありがとうございます。

 最後の1点は全漬連様ですが、漬物が多くのカテゴリーで成り立っているという御指摘が資料の2ページの6番目の(2)で挙げられています。ただ、危機管理ポイントが挙げられていて、どこを管理のポイントにするかというところは具体的に考えられているということなので、浅漬のマニュアルのようにそれぞれを、団体レベルで具体化できるとよいかと思うのですけれども、浅漬以外のところで取り組みが進んでいないというお話だったのですが、その理由をお伺いできればと思います。

○大羽副会長 具体的な話をさせていただきます。例えば、梅干しは日持ちがするのは、どんなに塩分を下げても12%と昔から言われておりました。今、スーパーさんで売られている梅干しの塩分を見ますと、5%、7%です。それはどう違うかというと、製造工程と販売工程、流通の仕方とか、全部そういう温度管理を絡めてやらなければいけないわけで、塩分とpHとのバランス、アルコールの使い方、こういうようなものが、昔からつくっている梅干しというのは塩分だけを、普通の一般の方がつくるときは12%ではなくて、実際は20%くらいで梅干しをつくりまして、梅から出る梅酢というので塩分を調整しておったわけですけれども、だんだん求められる味覚のものにすると製造方法も変わってきますし、安全基準というものも変わってくるのですが、まだそこのところが業界として十分にできていませんという意味でございます。

○五十君座長 よろしいですか。それでは、そのほかに御質問はありますか。

 内堀委員、よろしくお願いします。

○内堀委員 御報告をありがとうございました。全国味噌工業協同組合連合会さんにお聞きしたいのですけれども、資料の5ページの一番上ですが、今まで蓄積されてきた経験知と科学的な管理手法の調和ということで考えられているということが課題として挙げられているのですが、この辺は私も非常に重要な部分かなと思っていまして、具体的に何かどんなアウトプットを考えられているのかなというのはお聞きしたい部分かなと思っています。

 どうしてもHACCPと言ってしまうと、単純化し過ぎてしまうというか、CCPを設定すると、それをモニタリングするということと当然セットで考えてしまうので、単純にその数値化できる部分だけでやっておけばいいみたいなことになってしまいがちなのかなと思うのです。ただ、日本の伝統食の中で培われてきた品質管理なり安全管理の手法みたいなものはやはりあるのではないかと思っていますので、その辺をどう考えておられるのかなということをお聞きしたいなと思いました。よろしくお願いします。

○磯部理事 端的に言いますと、今まで経験に基づいて、それぞれの事業者あるいは業界として共通的に認識されてきた、そういったものでみそを製造してきて、特に大きい問題はなく、世間を騒がせるようなことはなかったのではないですかというのは中小事業者のある意味の本音、正直な気持ちです。

 でも、今は食塩を含有するみそといえども、やはり消費者あるいは世界の潮流として、こういった時期にあるということで、そこにもう少し科学的な管理手法を導入しないと業界として生き残っていけない。ある意味、事業者の心構えを変えたいというところをここに書いているところでございます。

 具体的に、それだけではなかなか事業者を説得できませんので、例えば、昔はみそはみそとして売られていたのですが、今はみそを加工調味料の原材料として使うケースもあって、最近はこのみその一般生菌数は幾つですかと。5乗以下にしてください、3乗以下にしてくださいという話があって、私どもに相談に来るのですが、そういったときに応えられないようなものでは将来の発展がない。それに応えられるようなことになれば、取引の拡大にもつながるのですよという形で団体として事業者にそういうメリットを強調して、ですから、HACCPを導入することが団体としての目的ではなくて、皆さんの事業の拡大に結びつけたいということでやっているのですよということを、講習会でも言っているところでございます。

○五十君座長 よろしいでしょうか。伝統の発酵食品というのは、本来のつくり方をすると微生物危害というのはほとんどない食品でございますが、例えば、漬物業界さんのように浅漬といった多様性の出てきたものが登場することによって、あるいは健康志向で減塩にしたものを食品とするようになってきますと、そういった従来はなかったような危害要因が飛び出してくる。その辺のところを科学的に考えていっていただきたいと思います。

 発酵関係は以上でよろしいでしょうか。では、次にまいりたいと思います。最後になりましたが、一般社団法人日本パン技術研究所様への御質問はございますか。よろしくお願いいたします。資料は5になります。どうぞ。

○河野委員 御説明をありがとうございました。日本パン技術研究所様のところも大手さんはしっかりとやっていらっしゃるのですけれども、実際に町のパン屋さんのようなところでは、このHACCPの考え方というか、HACCPの導入は厳しいという御意見だと承ったのですけれども、よくわからなかったのは、例えば、大きなパン業界における事件だと思って伺っていたのですが、浜松のほうで、給食の異物混入のクレーム対応で、わざわざ焼成されて熱加工されて出てきた食パンを手で触って、ノロウイルス汚染が起きてしまったということがありまして、何が一体こういうところでは大事なのだろうなと思ったところです。パンを衛生基準にのっとって安全に供給するために何が一番重要なのだろうなというところで、何か重きを置いているところが違うような気がするのです。最終的にノロウイルスの汚染のようなことを起こさないために、どういうことに気をつけてやっていくのか、そのためにはどういう管理をしていくのかというところを、それが大手さんであれ、特に対面で売られるような、購入者がお店の中で並べられているパンの横でいっぱいしゃべってしまうとか、それは日本パン技術研究所様のところの業態ではないかもしれませんけれども、結構リテールで売っているところなどは、本当に誰が触ったかがわからないパンがずっと売られているという現状もあります。御要望のところに、絶対に無理だというようなかたい決意のもとにここの御要望を書いているような気がして、先ほど、みそ工業協同組合連合会さんがおっしゃったような前向きな対応が業界内で話されていないのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。

○井上常務理事・所長 御理解いただけなくて非常に残念なのですが、HACCPはどういうものかを十分に御認識されていますでしょうか。危害分析を全ての製品に行って、それをどこで管理するか決めて、最後にCCPが残って、そこをモニタリングする。要は保険だと思います。それを取り組む前のHACCPで言う前提条件がしっかりしていれば、まず現実に事故は起きないと。消費者に問題はかけない。HACCPというのは保険をかけるものだと我々は認識しています。

 それまで行けないところが多くても、その前提条件を徹底することができれば、お客様に結局、迷惑をかけるような事故は起こさない。それを徹底しましょうという取り組みをパンの業界では、今、一生懸命に行っていると。それができるようになれば、例えば、先ほどの浜松の例ですが、私は言いませんでしたが、言おうとしたことは、その取り組みができていれば、こういうところでパンを検品することは不要になるわけです。そうすれば、人が触ってノロウイルスの事故を起こすような危険が除去できるわけです。ですから、それをしっかりやりましょうと。それがあってHACCPですよというものが、非常にHACCPを考えるときに重要なのではないかと、そのように考えています。

○五十君座長 よろしいですか。では、川崎委員、マイクをお願いします。

○川崎委員 今のパン技術研究所さんのコメントは、こういうふうに考えて差し支えないか質問させていただきます。冒頭に私が質問した基準Aにおける柔軟対応の参考例として、厚労省さんも引用されているEU等の柔軟性に対する考え方と同様、一般的に製造条件や製造工程が大体固まっていてよく知られている食品、業態、そういうところであれば、言葉は適切ではないかもしれませんけれども、無理にCCPを設定して管理をするということではなく、一般的な衛生管理で危害が防止できるものは、そういう手法でやっていく。という考え方と理解していますが、いかがでしょうか。

○井上常務理事・所長 そのとおりで、HACCPができたら、それに越したことはないわけで、保険がかかります。ただ、その前に前提条件をしっかりしていれば、まず事故は起きませんよと、そういう状況ができるわけで、それをしっかりつくることに専念する。いたずらにCCPを設けて安心してしまうような、そうすると大半の事故は違うところで起こっているわけです。そんな意味で、おっしゃられるようなことだと私は思っています。

○五十君座長 よろしいでしょうか。非常に重要なポイントではないかと思います。

 ほかにありますでしょうか。そろそろ時間も大分超過しておりますので、中嶋委員で終わりにしたいと思います。

○中嶋委員 どうもありがとうございます。最近、冷凍パン生地をベーカリーさんに出すというような仕組みがどんどんふえていると思うのですが、そのときにこの衛生管理というのは途中で区切れるという考えでよろしいですか。パン生地を出す部分の管理の仕方と、ベーカリーさんの対応も別にしなければいけないのですが、そういった仕組みづくりというのはもう進んでいるのでしょうか。

○井上常務理事・所長 冷凍生地の場合は、最終的に解凍・発酵して、焼成工程を経て、消費者のもとに提供されると。ですから、通常のパンと同様に最後に焼成工程を経ないと消費者には渡らないと。ですから、輸入などの場合には生地の段階で時々大腸菌が多いとか、それで輸入が止まるとか、そういう問題が起きることがあるという話は聞いておりますが、そのHACCPの観点からいくと、それは最後に危害は焼成工程で除去されると。そういう考え方になると思います。

○中嶋委員 わかりました。

○五十君座長 それでは、先に進めさせていただきます。5団体の皆様、どうもありがとうございました。本日の各団体からの御意見や御説明につきましては、事務局とともに整理させていただきたいと思います。

 それでは、ここで本日の冒頭に事務局より御説明いただきました資料1の議論に戻ります。資料1の区切りごとに議論を進めていきたいと思います。

 まず、資料1を出していただきまして、2〜6ページ「HACCPの制度化の考え方案」に関しまして、コメントあるいは御意見をいただきたいと思います。本日は、この部分につきましては、下線部以外はほとんど前回と変わっておりませんので、下線部を引いてあります4ページを中心にもし何かありましたら。

 関根委員、どうぞ。

○関根委員 皆様いろいろ御丁寧な御説明をありがとうございました。まず、私から基本的な考え方ということで、整理も含めて質問させていただければと思います。私たちがここで考えているHACCPですけれども、そこで対象とすべき、最終的にこのHACCPの7原則というところでも出てきていますが、危害要因という言葉がございますけれども、この危害要因という言葉に該当する要因ですね。これはあくまでも人の健康を害するという意味の食品安全ということだけにフォーカスして、この検討会の中で話を進めていくという方向で正しいのか。

 それよりもう少し、先ほど各団体の方からも、健康被害という意味ではないのですけれども、異物混入という意味で、例えば髪の毛というような話も出てきたりしましたが、そういうことまで含めて危害要因として取り上げられなければいけないというようなHACCPシステムということでお考えになるのか。

 あと、川崎先生がおっしゃられたことと関係しますけれども、最終的にHACCPシステムの運用をしたときに、必ずCCPがないとだめですよというような運用になってしまうのか。そこも含めて大前提のところを少し確認したいと思います。多分、川崎先生がおっしゃられたのは、HACCPシステムとして分析して、結果論としてCCPが必要ありませんという場合も、HACCPシステムとして運用しているのだという意味として理解しているということだったと思うのですけれども、大前提のところで、まず整理をさせていただければと思いますが、よろしくお願いします。

○五十君座長 2つあったと思います。1つ目は異物混入までを含む健康被害に限定してHACCPを考えるのかということと、CCPに関してはどういうふうに考えるか。この2つについて説明をお願いしたいと思います。

○道野課長 では、事務局から答えさせていただきます。まず1点目の危害要因の考え方について、御指摘のあったように髪の毛までというのは難しいと思います。それはなぜかと言うと、これは食品衛生法に基づく基準ということになるわけですので、あくまで食品衛生法で扱っている範囲、食品衛生法の目的に照らしてということになりますので、食品安全もしくは公衆衛生上の危害の発生防止ということから、義務づけるという観点からは、そこが危害要因の範囲ということになってくると思います。

 2点目につきましては、4ページの重要管理点の決定のところにもございますように、危害要因が一般的な衛生管理によって管理できると判断された場合には、重要管理点の設定は不要というようなEUのガイダンスの記載も踏まえて、それと先ほど川崎委員からも御質問があったときに、なかなか大手というか中堅以上でも誤解があるということで誤解のあるものについて、わざと記載させていただいたというのはまさにここのところです。そのCCPが必須ということではないというのは国際的にも共通認識だと考えております。

○五十君座長 明確に確認されたと思いますので、その方針で今後見ていきたいと思います。よろしいでしょうか。

 ほかに6ページまでにつきまして、ここは余り大きく変わっておりませんので、この部分はよろしいですか。

 それでは、7〜13ページ、SFBBに関するセクションですが、大量調理施設における危害分析例につきまして、御質問、コメント等はございますか。恐らくこちらはB案の多様性のある、なかなかHACCP導入が厳しいという業種に対して、実際に英国でやっている具体的な例の紹介ということになると思います。

○関根委員 本日までいろいろな事業者団体様の方から、いろいろお話を伺ってまいりました。ただ、日本の中の食品関連事業をやっていらっしゃる皆さんは、事業者団体様に入っていらっしゃらない規模でも漬物をやられていたりというお仕事をなさっている方々がいっぱいいらっしゃると思います。きょうの道野課長からの説明の中でも、例えば、何か情報を整理して、各事業者団体様のほうから何かしらのものを提示してもらって、それを厚生労働省のほうでレビューをさせてもらいながらというような話しもありました。

 ただ、それを今度は、実際にかなり小さい1人、2人でやっていらっしゃる企業の方々にもやってもらわないとB案はいけないわけですよね。B案の下のC案があるわけではないと思いますので、ということを考えたときに、各事業者団体の皆様に指導していただくというわけにもいかないので、そこの何か方策はあるのでしょうかという素朴な疑問です。済みません、お願いいたします。

○五十君座長 では、道野課長。

○道野課長 必ずしもここの場だけで、多くの関係団体から御意見を伺うというわけにもいかない、時間にも限りがございますので、農林水産省さんとも御相談をして、ほかの業界団体からもいろいろと御意見を伺っているところです。

 そういった中で1つのアプローチとして、役所側でつくるということになると、先ほども言及いたしましたけれども、基準Aをフォローした形のものは行政側でもできますし、既に実施されている企業も多々あるので、その中から実施例なども含めてパブリッシュをさせていただいているわけです。けれども、なかなか個別の業界ごとに小規模なところ、零細のところの事情というのは全部把握できるわけではありませんし、どうしても行政側がつくると、現実に対応できないような部分も多々出てくるということもあるので、事業者団体で特に前向きに進めたいというところもかなりございまして、ぜひ相談をしながら進めていただけないかということを私どものほうからお願いをしているというような状況であります。

 業界団体内でもなかなか、情報誌を出しても全部の皆さんが読んでおられるわけではないというようなこともあってそれだけでは周知は不十分、もちろん業界団体の方からも周知はお願いするのです。役所でなぜある程度レビューをさせていただくというようなプロセスをわざわざ申し上げたかというと、それを地方自治体、保健所を通じて、導入指導の材料として活用させていただくということで、業界団体、行政、双方からの普及、情報提供を通じて浸透させていくことが可能になるのではないかということで、先ほどのような説明をさせていただいたという趣旨でございます。

○五十君座長 よろしいですか。

○関根委員 確認させていただきたいのですが、今回、英国の事例ですけれども、こういうテキストになるかどうかはわからないですが、将来こういうものをつくっていただいたときに、保健所なのか地方厚生局なのかはわかりませんけれども、そちらの御担当の方とか、そちらの関連の方が例えば1人の事業者の方に、これはこういうふうに考えてくださいよという説明をする機会を設けるというような、そんなイメージになるのか。それ以外のどこかでそういう方々に対して、この使い方、この考え方はこうするのですよというような説明をする機会が設けられそうなのか。その辺はどうイメージをしておけばよろしいでしょうか。

○道野課長 前者のほうはある程度、全国津々浦々ということになると300万施設ですね。我々の統計でも把握しただけでもそれくらいはありますので、その零細の方に対して、どこまでやれるかというと、時間とエネルギーをかけてやっていくということになると思います。ただ、2番目のところまでは、地域の事情だとか、そういったこともあるので、なかなかそこまで御説明するのは、今の時点ではお答えするのは難しいと思っています。

 ただ、全体の保健所の今の立ち入りの回数から言うと、これは自治体によってもかなりむらはあるのですが、年に1回行くような施設は全体としてはかなり多く占められていますので、自治体によっては3年に1回というような、かなり間を空けた立ち入りの計画を立てているところもあります。そういった意味で、施設に保健所の食品衛生監視員が出かけていく。そして、直接そういう導入指導ができるチャンスというのは、今の監視回数から言えば、そういうようなイメージで考えていただければいいのではないかと思います。

○関根委員 ありがとうございます。

○五十君座長 ありがとうございます。私のほうから、例えば、大量調理施設衛生管理マニュアルみたいなものがありますが、今回御紹介のSFBBが大量調理施設衛生管理マニュアルから発展的につくられていくようなイメージで考えてよろしいですか。それとも全然別物として考えていったほうがよいと考えればよろしいのでしょうか。

○道野課長 お答えします。実は、もちろん大量調理施設の衛生管理マニュアルというのはここでヒアリングをしていただいてもわかるとおり、対象の事業者の人が多いですし、業界も多いので、かなり頻回に出てくると思います。卵のときにはGPセンターでの取り扱いとガイドラインが出ました。ほかにも、例えば、惣菜だとか、セントラルキッチンだとか、洋生菓子だとかの衛生規範というものもございまして、似たような衛生管理のガイドライン、ソフトのガイドラインになっています。それは保健所の食品衛生監視員が指導する際のバイブル的な存在ということになっております。

 そういったものは必ずしもHACCPの考え方に沿ったものかどうか。細かいところでは沿っていないのかもしれないですけれども、全体的に見れば、実際に事業者の方がやること自体はそれに大きく差があるわけではないので、そういった意味で事業者さん、特に団体との議論の中では、衛生規範までできています、できていませんというようなことをまずお伺いをして、さらにそこでどういう課題があるかという議論をしています。1つの目安といいますか、指標にはなると思います。

 ただ、申し上げたとおり、必ずしもHACCPということで整理されたものではないということもあって、先ほど資料の中では大量調理施設における危害要因分析例ということで、13ページに示させていただいています。これまでの指導のガイダンスというものに関して、HACCPに基づいたものということで指導できるような内容になっているかどうか。そういうマイナーチェンジについてのレビューというのは、我々も今後必要だと考えております。

○五十君座長 この大量調理施設はある程度の量を扱うところの話なので、SFBBのようにもっと零細経営用のものは具体的にこういう形でつくられるという、別に考えていくというほうがいいのか確認したかったのです。

○道野課長 それにつきましては、中小の調理施設、要するに大量調理施設に該当しないところに対するガイドラインも実はあるのですが、大量調理施設の要件を少し緩和しただけのもので、要は一からつくっているわけではないです。もとになるのは大量調理施設のマニュアルの基本的なところ、特に右側にあるような中心部の加熱の要件だとか、保存温度と時間というのがやはりこういった、特に多品目を対象にしているところでは、そういった考え方を中心に管理をしていかないと、なかなか一個一個のメニューについて危害要因分析をやっていくというのは現実的に難しいでしょうし、そういった調理方法だとか、原材料の性質だとか、商品そのものの性質ですね。シェルライフが短いとか長いとか、そういったところに着目をして管理方法を決めて、管理方法からアプローチするというような手法が必要になってくると思います。そういった考え方で小さな施設のものについてもやっていく。そういう意味で基本的な考え方が変わるというものではないと考えています。

○五十君座長 SFBBには、11ページにあるように、記録様式みたいなおまけがついているのですが、この辺は非常に重要なところかなという気がします。この辺がSFBBの特色なのかなと、思います。

○道野課長 きょうヒアリングをしていただいた中でも、特にフードサービス協会で、セントラルキッチンがあるところはそれなりの対応はされているけれども、なかなか店舗ではスペースの問題だとか、人員の問題とかがあって難しいというような御議論もございました。これは飲食店営業全般にかかわることでございますし、一方で、今、座長から御指摘があったような記録というものをそういう中でどうやっていくのかというようなこともございます。次回、飲食店関係についてもヒアリングをしていただいて、今後の方向性についても御議論をしていただければと考えております。まさにSFBBに近い形態のビジネスをやっておられる方々の団体ということになるかと思います。

○五十君座長 ありがとうございます。

 ほかに今のセクションで御質問や御意見はございますか。もしないようでしたら、先にまいります。

1415ページ「監視指導のあり方(案)」につきまして、コメントはございますか。

 中村委員。

○中村委員 東京都の中村でございます。

 自治体の監視指導の考え方に関連する部分で、まず前提として御質問をさせていただきますが、15ページにあります赤字の添付資料ですけれども、仮にというお話がございましたが、許可要件と考えてよろしいのでしょうか。

○五十君座長 お願いします。

○道野課長 HACCPそのものはソフトの基準ということがあって、現状はどういうふうになっているかというと、ソフトの関係については許可要件になっていないです。施設と営業者御自身が過去に食品衛生法に関するいろいろな経歴で問題がなかったかということが相対的欠格要件として設定されているわけですけれども、そういった要件で許可を出しているということであります。

 一方で、食品衛生法の関連の制度でも、そういったソフトに関しては全くそういった事業は事前手続の中に含まれていないかと言うと実はそうではなくて、例えば、御承知かと思いますけれども、検査機関の要件だとか、そういったものに関しては業務の管理に関して一定のマニュアルなり、手順書なり、そういったものが定められているか。許可とはちょっとずれますけれども、組織の要件、役割の決まった人が設置されているかというところまで決めているわけでございます。また、民間認証においても、こういうソフトのものの認証に関しては一定の形式要件という形での書面だとか、そういったもののシステムについてチェックするという方策はとられていると思います。

 仮にと申し上げたのは、現時点でどういうような位置づけで整理するかということは、まだ十分ここでも議論されていないという認識でしたので、仮に許可要件とするということで、こういった許可もしくはそういう営業の届出時に、これはフルに御提出をいただくのか、それとも概要を記載したものを出していただくということによって、許可を下ろしていくというふうにするのかは、また議論のあるところだと思います。ただ、着実に施行するという観点からは、許可要件にするということが一つの効果的な手法であることは間違いないのではないかと考えている次第です。

○五十君座長 中村委員。

○中村委員 決してこの赤字の資料を出すことを否定しているわけではなく、我々も実態を把握する上では非常に有効な手段だと考えています。ただ、かなり事業者によっては膨大な資料になるなというところもあって、できれば、例えばISOですとかFSSCですとか、そういった国際認証プラス自治体の認証もありますので、そういった第三者認証をとられているところについてはこの添付資料を省略するとか、そのような形にしていただくと、事業者さんの負担も軽くなるでしょうし、我々もそういった第三者が既に確認しているものをあえてダブって確認するという手間も省けますし、さらに言えば、こういった申請時に資料確認などのプラスがありますと、場合によっては申請手数料に跳ね返さなければいけないとか、そういう場合も出てきますので、そういったことの軽減ということも含めて、第三者認証の活用というようなところも考慮いただければと思います。これは意見ということです。

○五十君座長 こちらについては、今後どの方向性がいいかを議論されるかと思いますので、希望的することは今のうちに出しておいていただいたほうがよいと思います。ほかにいかがでしょうか。

○関根委員 今の中村先生のお話につけ加えですけれども、横田室長がここにいらっしゃいますが、新しい第三者認証制度も日本の中でということもありますし、そういったところで定期的な審査をされている認証制度ですね。今、中村先生がおっしゃられたような、そういう認証制度の場合に通常の監視指導というところで囲まれている監視ですね。この頻度がどうなるのかということも御考慮いただいてもいいのではないかというような感じはします。限られた監視指導員の資源を有効に使っていただければというような感じがいたしました。

○五十君座長 コメントをありがとうございます。

 ほかに御意見はありますか。川崎委員。

○川崎委員 15ページの「監視指導のあり方(案)」ですけれども、今は基準A、基準Bの論議を中心に制度をどうしていくかという議論の段階ですので、こういうことを申し上げるのは早過ぎるのかもしれないのですが、制度化が成功するかどうか、導入された後に形骸化しないで、食品衛生管理レベルの向上に本当につながっていくということからすれば、この15ページに書かれた監視指導こそ、決め手になるかなと率直に感じています。今後この辺はきちんと議論をしていきたいと思います。

 きょうは2点申し上げたいと思います。本日を含め事業者の皆さんからの御発言の中に、やはり段階的な導入、ステップアップが必要なのだという御提起が多かったと思います。これは制度内容で考えるべきところもあるかもしれませんが、基本は15ページに書かれている監視指導全体の運用の中で一歩ずつステップアップをしていくということが本質だと思いますので、そういうことができる監視指導のあり方が何なのかという議論がぜひ必要というのが1点です。

 もう一点は、中段の上に書いてある食品衛生監視員による検証ということですが、この検証がいわゆるCodex HACCPの原則6そのものを指すのであれば、HACCPシステムの有効性の検証を中心にやるということになります。実態的にはこの辺は大手企業の中でも、試行錯誤をしながら、悩みながらやられていると思われますので、余り早い段階で中小企業の皆さんに、そういう意味での検証を強く求めると、ちょっと難しいかなという感じがあるので、この検証が具体的にどういうことなのかをはっきりさせていく必要があるかなと思います。

 また、制度の中の1つのポイントに記録のとり方があると思いますが、記録はこの検証に関連させて、どういう記録をとっていくか決める必要があると思います。この辺をセットで考えていく必要があると思います。

 最後に、中村先生が御指摘になった点ですが、営業許可の段階でHACCPプラン及びその周辺の書類を出していくというのは結構厳しいのかなという感じがします。HACCPの理論から言うと矛盾することを申し上げていることを承知の上で申し上げますが、実際に生産をやって稼働してみないとわからないことはいっぱいありますので、実態に即して御検討をいただきたいと思います。

 以上です。

○五十君座長 ありがとうございます。

 こちらについては非常に重要なところで、今後何度かリバイスしながら検討していくことになると思います。今の御意見を反映した形で、また次に提案していただきたいと思います。

 では、次に進んでよろしいでしょうか。1617ページの「基準B向け 衛生管理計画策定のための手引書の検討」につきまして、何かありますか。その前の監視指導のあり方とかかわってくる部分もあると思います。基準A、Bをどのように対応していくかという中で、基準B向けの手引書の仕組み案ということで今回提案していただいております。御質問あるいはコメント等がございましたら、よろしくお願いしたいと思います。どうぞ。

○河野委員 ここでヒアリングをさせていただいた事業者団体さんのところで幾つか実際に関連施設を視察させていただく機会がありました。私自身は焼津市の水産加工の現場と千葉県八千代にある大手の食肉加工関連施設を見せていただきました。どちらの業界でも、いわゆる認証をとっていらっしゃる大手の皆さんも維持継続ということに対して非常な努力をされているという実情を確認できて、なかなか大変な仕組みなのだなということがよくわかりました。

 さらに申し上げれば、中小規模の焼津で拝見した加工工場ですけれども、経営者の方は皆さん、食品衛生管理へのHACCP導入に非常に理解を示されていましたが、ただ、実際に自分のところでやるとなったら、どういうふうにすればいいのだろうと、そこのところの事業者の皆さんの現場での意識とこの制度の実効性のところに、私のような消費者からすると、本当にはかり知れない大きな隔たりがあるというのは実感したところです。

 ここでB案はどのくらいの幅にしたらいいのかということも業態ごとに本当に違うと思いますので、ここも専門家の方の御意見を聞きたいと思いますけれども、ぜひ多くの前向きな意識を持っていらっしゃる事業者の方が、こういった制度が国に導入されることによって疎外感というか、除外感というか、ある意味、違反しているみたいなことにならないような形で手を差し伸べてあげたいと思いますし、この手引書を策定するに当たっては、本当にそれぞれの関連事業者さんからもたくさんお知恵をいただいて、丁寧なものをつくっていってほしいなと感じたところです。なかなか現場は、実際は厳しいのだなと感じています。

○五十君座長 そういう意味では、17ページにある分野横断的なガイダンスを作成というのが一つ重要なところになる気がしますので、これについてもまた次回以降、議論をしていければと思います。

 ほかにこちらにつきまして、御意見、コメント等はございますか。

 中嶋委員。

○中嶋委員 この17ページにある手引書というのは、例えば1つの食品をターゲットにして、どのような手順でつくっていくのか、の衛生管理のあり方を記述していくのだと思うのですが。その前に戻って申しわけないのですけれども、SFBBでこういう例を御紹介になったということは、日本でもこういうものをつくろうということだと思うのですけれども、これと手引書との関係がどうなるのかなというのがわからなかったので、確認させていただきたいと思いました。SFBBのほうはいろいろな食品に共通する作業を分解していって、それの要点を取りまとめているようなものなのですが、これを組み合わせることで手引書が構成されていくと理解するのでしょうか。

○五十君座長 道野課長。

○道野課長 御指摘のような要素もあるとは思うのですけれども、もともと業態によって、かなり違ってくるので、両方の考え方を持っておかないとだめかなと考えています。具体的な名前を出していいのかどうかはよくわからないですけれども、例えば豆腐とか、つくり方は事業者によってそんなに大きく差がないわけですので、むしろそういった原料の性質だとか、製造工程に着目して、言ってみれば、そんなに大きなバラエティーなしに一つのものがつくれると思います。

 ただ、例えば飲食店についてもそうですし、ひょっとしたら町のパン屋さんみたいなところもそうなのかもしれないのですが、自分のところで焼いて、いろいろな調理パンを売っているところもあるでしょうし、ほかにもそういったメニューが多いというか、アイテムが多いところに関しては、先ほどちょっと触れさせていただきましたけれども、そういう工程に着目しないと、なかなか一つ一つのメニューについて危害要因分析ができないというような業態に関しては、むしろ大量調理施設の再整理だとか、SFBBのようなアプローチというのも、そこは業界の実情を反映して整理していくのかなと思っています。

 おっしゃったとおり、物によっては単品のものを積み重ねることによって、そういった複数品目、多数のアイテムを扱っているものがうまく構成できるというケースもあるかもしれないですけれども、まずは業態からアプローチをしていくのかなと思っております。

○五十君座長 よろしいですか。

 それでは、最後のセッションの「輸出及び輸入の現状」、1821ページということになりますが、こちらにつきまして、御質問、コメント等はございますか。

 関根委員。

○関根委員 今回、事例としてお示ししていただいた19ページの米国向け牛肉という事例でございますけれども、ここで追加措置として、今やっていただいていることが書いてあるわけですが、今、私どもが討論させていただいているHACCPの法制化がされたときに、ここの追加措置というところがイメージとしては、このHACCPのところはなくなるかもしれないのですが、ほかのところは引き続き運用していただくというか、やっていただく、そんなイメージでよろしいのでしょうか。

○五十君座長 どうぞ。

○道野課長 まさにそういうことでありまして、国際基準はあっても、必ずしも国際基準どおりというわけではございません。国によって基準が異なる。特に日本側が仮にHACCPについて輸出国に要求するにしても、後ろのページにあるような、その他の基準の部分についても現在も同等性の協議ということで、同等な基準になるように追加措置を定めてもらって輸出しています。日本も輸出しますし、輸出国から輸入もしています。そういったことで、その部分については今後も変わらないということになります。ただ、やはりHACCPがある、なしでは非常に貿易の中では結構大きな要素でありますので、四角の大きさは5分の1ですけれども、HACCPの要素はこの中で比重的には非常に大きいものだと御理解をいただければと思います。

○五十君座長 どうもありがとうございました。

 それでは、ほかにもう一つ、岸田委員。

○岸田委員 今のお話と同じで、輸入食品についてです。現状はこういうことですけれども、例えば、対日輸出管理プログラムの中にHACCPの実施状況みたいなものが入るということで考えて、全体の枠組みというのは現状の延長線上にあると考えられるのか。あるいはHACCPというのは新しく全く違う、何かそういうものを輸出の条件みたいなものにするとか、そうなっていくのか、現時点でお考えがあれば、お聞かせください。

○道野課長 一応、国内で義務化しているものに関しては、特に基準Aのほうの議論になってくる。国際的に認知されているのは基準Aのほうですので、基準Aについて輸出国に要求をするということになれば、もちろんルール上、規則上は実際にそういう規定があるのかということ。現実に輸出国内で適切に運用されているのか。そういった組織はしっかりしたものがあるのかどうか。そういったことは対日輸出をする際の政府間での協議の前提条件ということになります。そういった意味で言うと、今は基本的には衛生基準が同等かどうかいうところしか見ていないわけですけれども、HACCPというものを機能させるということについては、ルール面、組織面、実際の運用面といった角度から評価、協議をしていくということになります。

○五十君座長 よろしいですか。

 それでは、そろそろ時間もオーバーしてまいりました。引き続きこういった議論を次回以降も進めていきたいと思います。活発な御討論をありがとうございました。本日の委員の皆さんからいただいた御意見につきましては、事務局とともに整理させていただきまして、それを踏まえた資料を次回検討会でお示ししたいと思います。

 本日の議題は以上ですが、その他に事務局から何かありますでしょうか。

○福島補佐 次回、第7回検討会ですが、先ほどもお話に出ましたが、次回は飲食店関係の事業者団体の皆様からのヒアリングをさらに行いたいと考えております。日程につきましては間隔が短いのですが、9月初旬に開催ということで現在調整中でございますので、また日程が固まりましたら、近日中に御案内をさせていただきます。

○五十君座長 では、次回は短い期間でまたあるそうですので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、本日の検討会はこれで終了いたします。非常に天候の悪い中をお越しいただきまして、大変活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。

 それでは、これで終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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