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2016年5月23日 第3回 食品衛生管理の国際標準化に関する検討会

医薬・生活衛生局・生活衛生食品安全部監視安全課

○日時

平成28年5月23日 13:00〜15:00


○場所

中央合同庁舎5号館18階 専用第22会議室
千代田区霞が関1−2−2


○議事

 

 

○五十君座長 定刻になりましたので、「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」を開会いたします。

 本日は、構成員の欠席はなく、全員御参加いただいております。

 また本日は、参考人として、公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会の土橋技術部長、一般社団法人全国清涼飲料工業会の中嶋技術部長、全国水産加工業協同組合連合会の中山代表理事会長、一般社団法人日本乳業協会の藤原常務理事、全国乳業協同組合連合会の町田会長に出席いただいています。

 なお、本日もオブザーバーとして、農林水産省食料産業局食品製造課食品企業行動室の横田室長に御出席いただいております。

 それでは、議事に入る前に事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○福島補佐 ありがとうございます。

 それでは、カメラ撮影されているようでしたら、ここまでとさせていただきたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。

 それでは、配付資料の確認をいたします。

 本日お配りしている資料は、まず資料1といたしまして「第3回食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」というタイトルのものをつけております。

 資料2から資料6といたしまして、それぞれ、一般社団法人日本乳業協会様、全国乳業協同組合連合会様、一般社団法人全国清涼飲料工業会様、全国水産加工業協同組合連合会様、公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会様から御提出いただいた資料を添付しております。

 それから、参考資料1、2といたしまして、第1回、第2回の本検討会の資料も添付させていただいております。

 委員の皆様には、机上配付といたしまして、前回検討会での検討事項メモを配付させていただいておりますので、適宜御参照ください。

 資料の不足等がございましたら事務局までお申しつけください。

 事務的な御連絡といたしまして、5月1日より、政府一丸となってクールビズに取り組んでおりまして、本日、気温が高くなっておりますので冷房を入れてはおりますけれども、暑いようでしたら遠慮なさらずに上着をとっていただければと思います。

 それから、マイクの使用方法についてです。こちらの卓上マイクは口をかなり近づけていただかないと傍聴席では聞こえにくいということがございますので、大変申しわけございませんが、御発言の際はマイクに近づいて御発言いただければと思います。マイクの角度の調整等に事務局の者が駆け寄らせていただくかもしれませんが、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 以上です。

○五十君座長 資料は大丈夫でしょうか。

 前回のこの会で、傍聴席の後ろの方はなかなか聞き取りにくかったというお話がございましたので、委員の先生は御発言のときに少しマイクの調整をして御発言をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 まず、資料1につきまして事務局より御説明をお願いします。

○福島補佐 資料1のほうは、前回の検討会で先生方からいただきました宿題等に関する御回答といった内容になります。

 まず、ページをめくっていただきますと目次がございます。1つ目が「厚生労働省ホームページ等によるHACCP導入の普及啓発」、2番目といたしまして「日本と諸外国における制度化の状況」、3番目といたしまして「自治体におけるHACCP推進事業・認証事業の現状」ということでつけさせていただいております。

 まず最初に、3ページ目の「厚生労働省ホームページ等によるHACCP導入の普及啓発」でございますけれども、1ページめくって4ページ目から御説明させていただきます。こちらにつきましては、前回の検討会におきまして厚生労働省がHACCPの普及に関していろいろ取り組んでいる事業についてホームページのほうで御案内をしておりますけれども、こういったものにどれぐらいのアクセスがあるのか、分析しているのかといった御指摘をいただきましたので、それについてまとめたものになります。

 4ページ目の資料の下半分に、私どものホームページに掲載しております主な情報を載せております。一番左ですが総合衛生管理製造過程における施設の承認状況を平成15年6月から掲載してございます。

 1つ右にいきまして、こちらは「HACCP導入の手引き」ということで、HACCPの導入は具体的にどういった形でやればいいのかといったことを動画で作成したものをYouTubeで配信してございます。こちらは平成2610月から配信しておりますが、現在のところ、再生数が1万5,000回ぐらいといった状況になってございます。

 それから、その1つ右、『食品製造におけるHACCP入門のための手引書』ということで、現在までに13種類の業種についてこういった入門の手引書を作成して、厚生労働省のホームページに平成2610月から掲載をしております。

 もう一つ右にいきまして、「ご存じですか? HACCPリーフレット」ですが、これは主に事業者の方向けのリーフレットになるのですけれども、HACCPについての簡単な説明を平成27年3月から掲載しております。こちらは80万部を印刷いたしまして自治体等にも配布を依頼しております。この資料にはちょっと間に合わなかったのですが、つい先週、消費者の方に向けてのリーフレットということで、第1回検討会のときにも消費者の方のHACCPの認識のほうがまだ進んでいないといった御意見もあったかと思うのですけれども、消費者の方にHACCPのことを知っていただくためのリーフレットも新たに作成いたしまして、こちらも厚生労働省のホームページに掲載しているところです。

 個々の掲載内容についてどれぐらいアクセス数があるかということは分析がなかなか難しいのですが、HACCP関係のホームページにどれぐらいの方がアクセスしているかといった月別のアクセス数については上のほうにグラフで示しております。見ていただければおわかりいただけますように、平成26年4月ぐらいから増加傾向にあるということで、ここ数カ月ですと2万から2万3,000件のアクセスが毎月あるといった状況になっております。

 最初の資料についての御説明は以上です。

 続きまして、5ページ目から「日本と諸外国における制度化の状況」ということです。第1回と第2回の検討会におきまして、我が国におきますHACCPに関する現在の取り組み・制度について、それから第2回におきまして、米国・EUにおけるHACCPの制度についての御説明をさせていただきましたけれども、これらがどういった関係にあるのか、なかなか一目で比較ができないといった御指摘をいただきましたので、一覧表を作成して6ページ目に掲載しております。

 この6ページ目を見ていただきますと、最初に、日本のHACCPに関する制度ということで、一番左側に、総合衛生管理製造過程の承認に関する制度、真ん中に、自治体の条例に基づくHACCP導入型の基準、一番右側に、と畜場法・食鳥検査法に基づくHACCP導入型の基準ということで3つ並べまして、それぞれ対象食品ですとか、施行時期、要求内容等についてまとめてございます。

 同じ項目で、米国、EUについてもそれぞれ取りまとめおりまして、米国は、現行の食品・医薬品・化粧品法に基づく水産製品、ジュースに関するHACCPの制度、それから、2016年9月以降順次施行される予定の新しい米国食品安全強化法に基づくHACCPの制度、一番右側に、食肉検査法・食鳥肉検査法に基づく食肉・食鳥肉、これらの製品に関するHACCPの制度を並べてまとめております。それから、一番右側に、EUEU規則に基づくHACCPの制度ということで、同じ項目で内容を一覧表にまとめておりますので、こちらも適宜参照していただければと思います。

 続きまして、7ページ目からは参考の情報になるのですけれども、株式会社鶏卵肉情報センターさんが発行されている『月刊HACCP』という雑誌がございまして、こちらの本年5月号で、各自治体においてHACCPに関する推進事業・認証事業はどういったものがあるかといったことをアンケート調査されております。その結果の表をこちらに再掲することを『月刊HACCP』編集部の御厚意によって御了解いただきましたので、こちらで御紹介をさせていただいております。

 8ページに、どのようにアンケートされたかといったことを簡単にまとめております。ことしの3月に47都道府県プラス20政令指定都市、45中核市のほうにファクスで調査票を送付いたしまして、そのうち98の自治体から回答があったということです。それぞれ40自治体ぐらいでHACCPに関連する事業を行っていたり、同じく40自治体ぐらいでHACCPあるいは一般衛生管理を対象とした認証事業をやっていますといった回答があったということです。詳しくはその次のページからの表にそれぞれの自治体がどういった事業を現在実施されているかといったことがまとめられておりますので、こういったものも今後の議論の中で参照していただければと思います。

 資料1についての御説明は以上です。

○五十君座長 前回第2回の会議において宿題として出されておりましたことにつきまして事務局でまとめていただきました。HACCP導入の普及・啓発はどんなことをやっているのかということ、それから諸外国における制度化。これは、前回、非常にボリュームが大きかったところがございますので、一覧表という形でまとめていただいております。

 それから、自治体におけるHACCP推進事業の現状ということで解説をいただきました。委員の皆様から御質問、御意見等がございましたら受け付けたいと思います。いかがでしょうか。

 宿題のはずが、まだやっていないよというようなことがございましたら。大丈夫でしょうか。よろしいですか。

○河野委員 前回、本日の4ページで御説明いただいた内容について私から質問させていただきました。特に最近になって、HACCPに関する社会の関心が高いということがホームページのアクセス数でわかりましたし、恐らく、昨年の12月には、新聞報道で「HACCP義務化か」というふうな見出しを見た記憶がございますので、そのあたりからこのことに対して関心が非常に高まってきたことがこれでよくわかりました。せっかく高まってきたところですから、今回、こういった検討会で中身についてもしっかりと確認できればと思ったところです。

 御報告ありがとうございました。

○五十君座長 ありがとうございます。

 ほかに御意見等ございますでしょうか。

 特にないようでしたら、本日もいろいろな情報提供があるようですので、先に進みたいと思います。

 それでは、ここから、各食品の事業団体から、業界の状況として、食品安全上の管理の中で優先度が高い課題、HACCPの取り組み状況などについて説明していただきたいと思います。

 まず初めに、乳業業界の状況について、資料2を一般社団法人日本乳業協会の藤原常務理事より、資料3を全国乳業協同組合連合会の町田会長より御説明いただきたいと思います。

 それでは、藤原常務理事からお願いできますでしょうか。

○藤原常務理事 日本乳業協会の藤原と申します。今日はお招きをいただきましてどうもありがとうございます。

 私から、資料に沿いまして、牛乳・乳製品に関してHACCPの動向・取り組みなどを簡単に御紹介させていただきたいと思います。

 資料2でございます。1枚めくっていただきまして、最初に簡単な紹介でございますが、「一般社団法人日本乳業協会とは?」ということでございます。2000年の3月に業界団体として発足しておりまして、当初、厚生労働省と農林水産省の共管団体として設立をされております。2011年4月に一般社団法人となりまして現在に至っております。全国の乳業会社の団体でございまして、正会員の内訳は、20社というのは大体大手であるとか中堅の企業。それから、44都道府県協会でございますけれども、各都道府県に県単位の協会がございます。そちらに地域の乳業会社が加盟しておるということで、日本乳業協会から見ると、そちらは孫会員という形になります。そのほか、3団体を加えて67会員。賛助会員は89社でございます。

 設立の目的は「酪農・乳業事業の発展」「牛乳及び乳製品の衛生及び品質の向上」「牛乳・乳製品の正しい知識の普及」「国民健康の向上に資すること」ということでございます。

 次のページ「事業の概要」でございます。これもごらんいただいているとおりでございます。乳業事業の改善・合理化ということでございますが、最近やっている事業でございますと、TPP等、製品の輸出などの国際化への対応、農林水産省の食料・農業・農村基本計画等の推進に関する事業、乳業再編の事業、あるいは学校給食に対する牛乳供給の円滑化の事業などをやっております。

 それから、牛乳・乳製品の衛生及び品質の向上ということ。これは私が担当させていただいておりますけれども、各種講習会であるとか、食品衛生法を初めとする法令等の対応、もちろん牛乳・乳製品の安全性確保といった事業をやっております。

 環境対策でございますけれども、容器のリサイクル、あるいは温暖化等環境問題への取り組みを実施させていただいております。

 次の知識の普及、消費の拡大ということでございますが、これは食育等を含む普及・啓発の事業、牛乳・乳製品の需給の均衡といったことをさせていただいております。

 そのほか、乳業、牛乳・乳製品等に関する調査・研究、情報の提供に関することを実施してございます。

 次に、乳業の一般的な数と規模ということで、農林水産省の牛乳乳製品統計から引用してきたものでございます。ここで見ますと、2トン未満と2トン以上ということで大きく分かれるのでこのような書き方になっております。一番下で見ていただきますと、平成27年で、全国で588の乳業の工場数がございまして、規模別に2トン未満から40トン以上、それから、生乳を処理しない乳製品工場を入れて全部で588という数になってございます。その中で、これは平成2712月のある一日に処理した生乳の量を規模別に記載したものでございます。イメージがしにくいかもしれないのですけれども、乳業のことをちょっと御存じの方であれば、牧場から生乳を集めてきて乳業工場に持ってくるというようなことをやるのですが、そのときに、タンクローリーといいますか、その輸送手段があります。先ほど2トンというのが、ベビーローリーと呼んでいますけれども、一番規模の小さい集乳車というのですか、そういったところで、先ほどの2トンというのが一番小さい規模だということでございます。

 その次のページ「生乳の生産と処理」ということでございます。生乳を牛乳工場に持っていきまして、それをそのほかの製品に加工するということです。上の段が生乳生産量の推移でございまして、全国的に見ますと、やはり減っているということでございますが、北海道と都府県で分けて見ますと、北海道のほうは微増しておって、都府県のほうが減少しているという状況です。

 その下の図を見ていただきますと、これも先ほどの規模別ということでございますけれども、工場数の割合ということで、2トン未満から40トン以上、これは北海道と都府県で余り差がないような状況になってございます。

 次のページ「牛乳・乳製品の生産量の推移」でございます。これも毎年同じような推移をとっているわけですけれども、こちらで見ていただきますと、牛乳がある一定の消費をしていることがわかると思います。この図で見ますと、上のほうに発酵乳というのがございますけれども、発酵乳が人気もあるということで生産がふえているという状況でございます。

 それから、主な品目ということで、下のほうにバターと脱脂粉乳を挙げさせていただいております。これも御存じかと思いますけれども、飲用牛乳のほうに優先的に振り向けられるという部分がございまして、特にバター等が若干減りぎみという状況でございます。

 その次の「食品安全上優先度が高い課題」でございます。これはもう一般的なことでございまして恐縮ですけれども、乳業界全般的にでございますが、過去にさまざまな問題であるとか課題があったということでございまして、原料乳を含めまして乳・乳製品の衛生水準を高いレベルで確保するということと、それを維持していくということが当業界の使命であると認識させていただいております。また、それをできるだけ消費者の方に御理解いただくということが一番の課題でございまして、特にここに書いてございますように、生乳・原料の段階からの安全性、製造工程における衛生管理、確実な殺菌、製品の保管・流通ということで、全般的な衛生管理が求められておるところでございます。

 次のページは総合衛生管理製造過程の制度でございます。こちらは、平成28年3月31日現在で厚生労働省から出されております数字を記載させていただいております。これを見ますと、施設数と件数ともに乳・乳製品が承認全体の6割弱を占めているということで、特にこの乳業界がこの制度に深くかかわってきたということでございます。

 「承認施設数の推移」を見ていただきますと、過去10年間程度、同じような形で推移していますけれども、時代の進展に伴って工場数が減ってきたり、あるいは他の認証制度等もございますので、乳製品・乳ともちょっと減っているというような状況。これは過去にもやられたと思います。

 特に乳業界におきましては、大手を初めとして、この総合衛生管理に基づく衛生管理の体制を長年といいますか、この制度ができて以来実施をしてきたということで、今後、新たな制度が検討されるということであれば、このような乳業界における今までの実績といったことを十分に御配慮いただきたい。矛盾することのないような制度にしていただきたいと思っております。

 続きまして、講習会の実施でございます。これも先ほどの総合衛生管理の承認制度にあわせまして講習会を実施してきております。過去5年間の受講者の数について記載させていただいております。HACCP専門家養成講習会というのがございますけれども、これは既に総合衛生管理製造過程の承認を得ている施設で再教育をするという形で、3日間のコースということで実施をしております。今年度も継続して実施する予定です。

 もう一つ、HACCP導入型基準講習会というのは一日のコースでございます。これは御承知のとおり、管理運営基準に導入型基準が導入された以降、今まで総合衛生管理製造過程に取り組んでいなかった方も新たに対象にして講習会を実施しております。これから未導入の方を対象にこういったところも力を入れていきたいと思っております。

 最後のページでございますけれども、「牛乳・乳製品の輸出戦略」ということです。先ほど申し上げたように、国内生産というものが非常に限られた中での牛乳・乳製品の製造ということです。こちらに「輸出の現状」というところがございます。過去には、LL牛乳であるとか、育児用粉乳を中心に輸出をしておったということです。東日本大震災を契機に減っておりますが、今はまた微増しておるところでございまして、特にアジア等での需要があると考えております。右側に書いてございますが、「2020年目標と対応方向」ということで、新興市場、有望市場へ向けて、これは農林水産全体の取り組みの一部でございますけれども、140億円を目標として、一番下に書いてございます牛乳乳製品輸出準備分科会というのを開催してございまして、その中で輸出に取り組んでいるという現状でございます。

 日本乳業協会は以上でございます。

○五十君座長 ありがとうございます。

 乳業関係ということで、引き続き、町田会長から資料3をもとに御説明を願いたいと思います。よろしくお願いします。

○町田会長 全国乳業協同組合連合の町田でございます。資料3をごらんいただきたいと思います。

 業界の一般的な状況を申し上げたいと思います。1ページめくっていただきますと、別紙「平成27年度中小企業経営内容実態調査」というものがあります。申しおくれましたけれども、私どもの団体は、世上言われている中小乳業の企業さんが会員になっておりまして、毎年こういう実態調査をアンケート方式で実施しております。組合員が152社あるのですけれども、回収数は半分ぐらいであります。売上高規模というのがありまして、凡例では5つ。「5億円未満」というのと、一番上は「100億円以上」となっているのですけれども、通常私どもが使っておりますのは「5億円未満」のところはいわば零細というものであります。その次の2つ「5〜20億円」「2050億円」のところぐらいまでがいわゆる中小。「50億円以上」というのが中堅であります。こんな感じで物を見ていただきますと、売上高規模のところでごらんいただきますと、やはり零細のものが企業数としては4割ぐらい占めているということが御理解いただけると思います。

 次は別紙の2ページをごらんください。経営状況ですけれども、まず、人的な要因、いわば従業者数で見ていただきます。下の棒グラフみたいなものを見ていただきますと、階層別になっておりますが、零細なところ、5億円未満のところは常勤の従業員は41.4%ぐらいであります。それに対してパート・アルバイトの比率のほうがちょっと高いという感じが見えていると思います。通常、5億円未満のものですと、イメージとしては家族経営が主でして、いってみれば常勤の方が1人か2人あるいは5人ぐらいおられて、パート・アルバイトの方が10人ぐらい、そんな感じを想定していただけるといいのではないかと思います。それ以降の5億円以上のところは大体6割から7割5分ぐらいの常勤の従業員を抱えているということが御理解いただけると思います。

 これがどういう形で経営に反映されるかを見ていただきますと、大分飛ぶのですけれども、7ページをお開き願いたいと思います。これは黒字企業の割合を経常で出したものであります。一見してわかることは、いわゆる中小といいましょうか、5億〜50億円未満のところの黒字企業の割合は半分ぐらいしかないわけであります。50.0%であります。それに対して、中堅のところがわりかし黒字が多いというのはうなずけるところですけれども、5億円未満のところは75.0%です。割合ですけれども、いわば中堅企業に匹敵するぐらいの黒字企業があるわけであります。

 何を意味しているかと申しますと、推測もあるのですけれども、家族経営なので従業員を余り抱えていない。また、総体的なものですけれども、施設だと機械類がそんなに大規模なものではない。そういう面から見ると、経常利益のところではわりかしいい成績を出している。それに対して、まさに中小乳業と言われている本命のところは、従業員も雇いますし、あと、施設も結構入れなければいけない、メンテナンスもしなければいけないということもあって、黒字が少なくなっているという感じがいたします。

 御案内かもしれませんけれども、乳業会社の場合、全食品産業ベースに比べて経常利益はちょっと低い感じなのです。なかんずく、5億〜50億円ぐらいの売り上げ規模のところがかなりダメージを受けているというのが御理解いただけるのではないかと思います。

 済みません、最初のページに戻っていただけますか。「1.業界の一般的な状況」を説明したのですけれども、その下、HACCPとの関連で私ども中小企業において一番大事なのは、学校給食用牛乳供給事業というものがありまして、通常、学乳事業と言っているのですが、これが経営の柱になっております。2割弱ぐらいがこれでして、多いところでは4割ないしは5割ぐらいのところが学乳、特に零細のところはそんな感じがします。

 学乳供給のためには、いわゆるマル総の承認取得が必要であります。これがないと学乳供給ができないということになっておりますが、便法といたしまして、あるいはそれにかわるものとして、マル総に準ずる衛生管理助言による監査を受けていることが条件になっております。したがって、このどちらかがないとできないということで、そういう意味において、現在実施されているマル総の承認取得というのは中小乳業にとっては極めて重要な役割を持っているわけであります。

 優先度が高い課題としては、別紙の8ページをごらんください。やはり最初に挙げられているのは「施設・設備の老朽化」で、6割を超えております。あと、「新たな設備投資をする投資余力がない」というのが40%ぐらいであります。多分、この辺のところというのは、いわゆる中小乳業といいましょうか、5億〜50億規模のところがこういうところでかなりあえいでいるという感じがするわけであります。

 大体そんなところです。

 済みません。またもとへ戻ってきまして申しわけありません。「3.HACCPの取り組み状況」であります。取得しているのが57%でありますから、中小といえども、ほかの業種さんに比べると取得しているところが結構多いかなと私どもは見ております。取得していないのが36%。差は「不明」というものです。36%のうち、取得予定、今後取得しますよというのが5割ぐらいであります。予定がありません、取得する予定はないというのがこれに匹敵するぐらいあります。理由は、経営が厳しくて取得更新に要する費用が確保できない、品質安全確保上問題がない、そんなにどうってことはなかったと。これは意見としてはどうかなと思いますけれども、こういう意見が4割ぐらい。意義を感じないといいますか、はっきり申し上げれば余りメリットがないではないか、そういう感じのところが15%ぐらいございます。

 「3.業界団体として実施しているHACCP普及や輸出の取り組み」でございます。(1)はそんなに大きな問題ではないのですが、取り組みとして問題は(2)のところであります。先ほど来申し上げているように、学校給食用牛乳を供給している全ての企業がマル総を取得しておりません。したがって、それを代替するものとして、衛生管理助言といいましょうか、マル総未取得の事業者に講師を派遣しまして、衛生管理指導を事業者当たり1回ないし4回ぐらいやっております。私ども組合員150社ありますけれども、3分の1ぐらいの事業者に対して述べ134回という数字が出ております。27年度の実績であります。

 4ですが、大変恐れ多いことでありますけれども、HACCPの制度化に対する意見なり要望を以下4点にわたって申し述べさせていただきたいと存じます。

 安全な食品を製造するということは食品製造事業者の使命でありまして、HACCP導入を積極的に進めていくべきであると考えております。ただし、中小なり零細事業者におきましては、人と金という大きな課題がございます。まず「(1)人材不足」。これは特に零細部門であります。HACCP導入を進めるために中心となり活動できる人、導入後HACCPを維持・管理できる人が企業ベースで見ますとなかなかいないということが実態であります。たとえ能力のある人がいたとしても、日常業務にかなり忙殺されておりまして、HACCP構築あるいは維持管理まで手が回らない実情であります。これが一番目であります。

 次、裏を見ていただきますと「(2)資金の確保」ということであります。「中小・零細事業者にとって」というのですが、どちらかというと、先ほど来グラフで御説明した中小です。5億〜50億ベースのところの中小乳業者にとって、施設の補修資金だとか、新規設備の導入資金の確保がなかなか困難であります。ソフトでの対応では人手がかかり、コストアップ要因になります。さらに、記録であるとか文書管理にも人手がかかり、コストアップにつながることから、導入に消去的になっております。また、HACCP認証申請だとか、その維持にかかる資金の確保というのも結構難しい面があります。これはなかなか難しいあれですけれども、HACCP導入が売り上げ増につながるとか、コストアップ分を回収できるのであれば導入が進むと考えられ、経営的なメリットを生ずる何らかの施策が必要かなと思っております。

 「(3)マル総の扱い」であります。私どもはマル総を「HACCP」と称して従来から推進してまいりました。ここら辺は当検討会で今後いろいろ御議論いただくことになると思うのですけれども、今後もマル総はそのまま残るのか、あるいは、現在やっておられます、これから検討されるHACCPに一本化するのかどうなのかというところが実は私どもとしては関心事であります。マル総取得に向けて取り組みを進めている事業者が複数あって、方向性を示せず苦慮しております。今後、マル総はどうなるのですかという話のときに、うーん、どうなるのかな、そのぐらいの返答しかできないところが私どもとしては隔靴掻痒という感じがいたすわけであります。さらに、マル総を取得している事業者の今後の対応についても、できれば早目に方向性を示していただければありがたいなというのが要望であります。

 最後「(4)『義務化』について」であります。会議の冒頭でも委員の方がおっしゃられたように、昨今「義務化」の字が業界紙等で踊っております。中小・零細事業者の中には、上に書いたように、零細にあっては人材不足、中小にあっては資金の確保難などがあって、このことから見て、全企業体に対するHACCPの一律義務化というのは、これも私どものおごりかもしれませんけれども、今までの流れから見るとなかなか難しいのではないかと考えております。企業の規模等によっては、現行の「マル総に準ずる衛生管理助言による監査」制度の適用を残すように措置していただければありがたいということが私どもの意見であります。

 以上で終わります。

○五十君座長 町田会長、どうもありがとうございました。

 それでは、資料2、資料3の乳業関係の御発言に関しまして御討議をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 まさに導入の割合が一番高い業界で、また中小の抱えている問題などの御提案があったかと思いますが、御質問等ございますでしょうか。

 どうぞ。

○河野委員 御説明ありがとうございました。

 まず最初に、一般社団法人日本乳業協会様と全国乳業協同組合連合会様は違う団体だというのは名前でわかるのですけれども、加盟されているメーカーさんが重なっているのか、それとも全く違っていてそれぞれなのかというところを教えていただけますでしょうか。

○町田会長 私から申し上げるのも変なのですけれども、日本乳業協会さんは全乳業者をカバーしております。漏れもあるかもしれませんが、全部という形であります。それに対して、私どものほうは、そのうちのわりかし商系といいまして農協系を除いたものです。農協系も一部入っているのですけれども、商系の中小乳業者の方が入っています。したがいまして、その部分、完全にダブっております。私どもの組合員から見ますと、その150社については乳協の会員さんでもあるので、そこはダブっております。

 なぜダブっているかと申し上げますと、私どものほうは、学校給食用牛乳を国が法律で補助しているものですから、それをベースに集まった団体と御理解いただければと思います。それがメーンでやっていると。

○河野委員 ありがとうございました。

 日本乳業協会様の傘下にいらっしゃる中で全国乳業協同組合連合会様の会員でいらっしゃる事業者の方々は、割合で言うと何パーセントぐらいを占めていらっしゃいますか。

○町田会長 割合でいくと、感じとしては、ざっくり申し上げて3割ぐらいだと思います。3割か4割ぐらい。

○河野委員 ありがとうございました。

 続けてよろしいですか。

HACCPに関する御意見は、具体的に全国乳業協同組合連合会様のほうでここに幾つか書いていただいております。1つは、人材といいましょうか人の問題で、もう一つはコストの問題だということなのですけれども、乳業メーカーさんは、生乳という鮮度の高い食品を消費者のところに安全に届けるということで、衛生管理には非常に心を配っていらっしゃる事業者団体だと思います。安全な食品を製造するためには、一番重要である安全を確保するための手段であるHACCPに対して経費をかけることをコストというふうに主張されているかなと受け取ったのですけれども、これを投資という形で前向きに考えて取り組むということにはならないのでしょうか。

○町田会長 お答えしましょう。

 確かに、今、委員がおっしゃった発言というのは、当初、マル総が動いてきた15年ぐらい前は、どちらかというとコストというイメージだったわけです。最近は、取引先の関係から見ると、こういうものをつけていないとなかなか取引できないという感じが出てきまして、そういう面から見ますと、徐々にではありますけれども、投資という面は出てきつつあります。ただ、そうはいっても、中小の中小乳業の場合ですと、まだお金がないものねという感じはかなりある。特に取得なり更新に10万単位のお金がかかってまいりますので、そういう面から見るとちょっと厳しいかなという面も否めないところであります。御理解を賜りたいのです。

○河野委員 もう一点、これで最後です。

 事業規模が5億〜50億円ということでかなり幅はあると思いますが、皆さんが今、必須要件として、学校給食に供給するためにはこのマル総は絶対必要だねということで取られている。これにかかる経費は、事業規模にもよるかもしれませんが、正確には大体どのぐらいかかるのか。5億〜50億円の事業体でその十数万円の支出が企業経営にどの程度のダメージがあるのかというところをちょっと教えてください。

○町田会長 これは売上高ベースなので、実際の営業利益の部分というのはもう少し下がりますので、かなり低いと思います。

 先ほど申し上げましたように、半分が赤字企業なのです。特に5億〜50億円のうち、売上高は大きいのですけれども、半分が赤字という状況では、10万のお金といっても結構きつい。ずっと赤字になるわけではないのだろうと思うのですけれども、ちょっときついかなという感じはします。

○五十君座長 ちょっと議論に入りつつありますので。ほかに御質問とか確認事項はございますでしょうか。

 私から1つ。

 藤原常務理事から御発言のあった資料の総合衛生管理製造過程の承認施設数のところで、6割の方が取られているというお話があったページがあると思います。こちらで他の制度を検討されているところがあるというようなお話があったと思うのですが、具体的にはどういう制度でしょうか。説明をいただけますか。

○藤原常務理事 6割弱というのはちょっと言葉足らずであったかと思うのです。総合衛生管理製造過程の承認数、例えば施設数ですと495というのがございますけれども、そこから見て、乳・乳製品を合わせると6割程度を占めているということだと思います。実際の総合衛生管理製造過程で対応する割合というのも、多分、6割程度ではないのかなと見ております。

 それから、承認数の推移でございます。減っているというのは、工場自体がなくなるといいますか、統廃合等で承認が継続できないというのが一番多いと思います。そのほかは、2005年以降だと思いますけれども、ISOであるとかFSSCとか、そういった民間認証の制度。総合衛生管理のほうが古いので大体それでやっているのですけれども、中にはそれにかわっていったというのもあって減っているのではないのかと認識しております。

○五十君座長 では、民間認証を取られているため減っている部分もあるという理解でよろしいですか。

○藤原常務理事 そう思います。

○五十君座長 わかりました。

 そのほかありますでしょうか。

 山口委員、どうぞ。

○山口委員 御説明ありがとうございます。

 資料3に関しまして全国乳業協同組合連合会様に質問をさせていただきます。基本的な質問もありまして恐縮ですけれども、学校給食用牛乳の供給事業を経営の柱としている事業者からできた団体ということで、この学乳供給事業を行っている事業者というのは、専らそれを事業内容としているのか、それともほかの取引先というのがあるうちの主要な部分を占めるのかというイメージをお伺いできればと思います。

 2点目が、マル総に準ずる衛生管理助言による監査ということで、これは今後も実施してほしいという御要望もあったということなのですけれども、マル総とこの衛生管理の助言による監査というのは、監査を受けるというのと手間が違うのかなと思うのですが、安全管理という面から見たときに何か内容的な違いがあるのかどうかということをお伺いできればと思います。

 最後、3点目です。項目の3のHACCPの取り組み状況で、取得を予定している、いないのところで、予定がないという事業者の回答として、品質安全確保上問題がないという回答もそこそこあると。先ほどのお話の中で、取引先との関係でこういった承認を受けていないと取引をしてもらえないという状況も出てきているということだったのですけれども、安全確保がHACCPによらないとすれば、どういうところで安全確保ができていると事業者として判断されるのかをお聞きできればと思います。よろしくお願いします。

○町田会長 まず第1点ですけれども、別紙の5ページをごらんいただきたいと思います。

 ここは、先ほどの説明では、流れの中では余り重要ではないと思ったので飛ばしたのですけれども、「販売先別販売金額構成比」というのがございます。このグラフを見ていただきますと、平成26年度、学乳というのは5番目で12.9%でございます。これは、私が見る限りでは、中小さんの場合、本当はもうちょっと上がらなければいけない、上がっているはずなのです。例えば高いところだと4割から5割ぐらい学乳に頼っているところがありますが、この調査では結構低く出ております。調査対象もあるのだろうと思います。それ以外の部分、例えば宅配とか、量販店に出すとか、生協さんへ出すとか、一部ですけれども卸さんに出すとか、自販機だとか、そういったところで販売先はかなり多岐にわたっているというのが1つであります。これが1点です。

 次、2点目は、取得の予定なしでございましたか。そうではないですか。

○山口委員 衛生管理の助言による監査のところで、マル総と事業者の方にとっては違いが。

○町田会長 違いですね。わかりました。

 マル総と監査の事業内容ですけれども、私どもは非専門家なので余り大きなことは申し上げられないのですが、チェック内容、見ているところはそんなに違いはないのではないかなと思っております。やや我田引水なところもありますが。ただ、それはマル総などに比べると、正式のものではないという面から見てどうかなと思いますが、項目的には一応、ほぼマル総並びの項目は入っているという感じであります。

 ただ、今のマル総の運用というのは、私どもの感じからいきますと、現場の声を聞きますと、これは本当のマル総の趣旨かどうかはわからないのですけれども、施設整備というものにかなり重点を置いているわけです。それが監査の場合は少し甘いのかなという感じがします。

 それというのは本当にマル総の中身なのかというところが実は私どもとしてはよくわからないところもあるわけです。そういう面から見ると、項目自体としてはそんなに遜色はないものとしてでき上がっているのではないかと見ております。

 あとは、取得の予定がないというところで。品質安全衛生上問題がないというところは、先ほども申し上げましたけれども、ちょっといかがかなという感じがあります。ここは、学乳に頼っているというところが結構多いものですから、逆に言うと、学乳というのは、つくって、置いて、せいぜい2〜3日なのです。だから、余り日がたたないところが多いので、回転が速い。そういう面から見ると余り問題はないのかなと思っていますけれども、裏を返せば、安全衛生意識がやや乏しいのではないかなという感じもしないでもない。そこは、このアンケートをとっていて、私どものほうも問題設定に問題があったのかなという気がします。そこは余り大きく考えないでいただければありがたいなということでございます。

○五十君座長 ありがとうございました。

 それでは、時間もありますので、藤原常務理事、町田会長、どうもありがとうございました。

 続いて、資料4をお手元に用意していただけますでしょうか。資料4につきましては、一般社団法人全国清涼飲料工業会の中嶋技術部長より御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○中嶋技術部長 全国清涼飲料工業会の中嶋でございます。提出していました資料をもとに御説明をさせていただきたいと思います。

 まず1枚目をめくっていただきまして「清涼飲料水の生産量・出荷額」。業界全体の大きな外観をつかんでいただきたいと思います。2000年から5年ごと、2010年から1年ごとのデータを示してございます。2015年、昨年度の総生産量は2,047万キロリットル、500ミリリットルのペット換算しますと、大体400億本という規模の業界でございます。生産額としましては、出荷額としまして3兆7,000億円ぐらいといった規模でございます。内訳としましては、一番多いのがお茶系の飲料、続いて炭酸飲料、ミネラルウォーター、コーヒー類といった商品群の構成となってございます。

 それでは、めくっていただきまして、次の2ページ目「清涼飲料水の容器構成」をお願いいたします。多種多様な容器を使っておりますが、近年一番メーンになっておりますのがペットです。ボリュームベースでいいますと、昨年度初めて7割を超えております。続きまして缶、紙、瓶、その他の容器となっております。例えばパウチとか、そのようなものがその他のほうに入ってございます。年とともに容器の変遷につきましては、大体、皆様の御認識どおりかなと思います。

 めくっていただきまして、次の3ページ目になります。「清涼飲料水業界の構成」ということで、先ほどの乳業界と近しいところが一部ございます。まず初めに、全国清涼飲料工業会の会員の構成を下に示しております。生産者のほうは66会員・274社で構成しておりまして、大きく企業会員と称しております、主に大手の清涼飲料製造業者45会員・92社。それから、中規模・小規模の清涼飲料業界の製造者が中心となります組合会員。これはもともとは全国の都道府県単位でございましたが、現在は少しずつ統合されておりまして、今は21会員・182社といった構成になってございます。

 では、規模でどんな感じですかといいますと、全部で274社の中で、上位の10社で、生産数量で言いますと85%、生産額で言いますと82%程度を構成しております。大手の部分が非常に多くのボリュームと生産量を占めているという形になります。一方で、中小製造者は、各地域に根づいた、もしくは輸出などに力を入れているところもございますが、特色のある生産活動を展開しているといった業界の大きな流れでございます。

 それでは、4ページ目をお願いいたします。食品衛生の管理で優先度の高い課題は何ですかと。先ほど乳業協会のほうでもありました。これも一般的な食品としては当たり前なことになるのですが、微生物と異物といったところが優先度が高いものかと思います。大きく分けますと、原材料の安全性確保ということで、清涼飲料水ですのでまず水が一番大きくなります。その他原料として、農産物であったり、農産加工品であったり、その他、それから添加物等がございます。製造工程で除去が難しいものというのが当然ここにございますので、原料を確保する段階でしっかりとしたものを選ぶというのが大切になってまいります。

 もう一つは、工場でつくり込んだものをお客様のところまでお届けする間にしっかりと品質保持するために必要な容器・包材といったものも大切になってまいります。

 2番目が工程管理になります。こちらは微生物の制御。当然、殺菌工程であったり、微生物の状態を維持するための密封とか流通の温度といったところが微生物制御としては大切になってまいります。あとは、当然、異物混入の防止といったものも非常に力を入れておる工程でございます。

 それでは、5ページ目「HACCPの取組み状況」です。まず、大きく分けますと、大手の企業会員というのはコーデックス型のHACCP、さまざまな制度等がございます。ISO22000であったり、FSSC22000であったり、マル総であったり、その他それに準ずるものがたくさんありますが、これらについては何れかは、ほぼ導入済みといった状況です。

 一方で、組合会員、中規模・小規模の会員につきましては、コーデックスHACCP11社が導入済みです。これは201512月に組合の会員、中規模・小規模の会員に対してコーデックス型のHACCPの導入状況のアンケートをとっております。182社に対してアンケートをとっているのですが、フォローが余りよくなかったということもあるのですけれども、まず回答があったのが24社といったようなレベルになります。恐らく「HACCP」という言葉を使った時点で何となく回答が出てこないようなところも実際にあったのかなと思います。したがって、回答があった24社のうち、実際は11社がコーデックス型のHACCPを導入していますよといったレベルです。逆に言いますと、それ以外のところについてはまだ導入が進んでいないといった状況です。HACCPと言ってもいろいろな形があるかと思いますが、導入しよう、制度化しようということになりますと、中規模、小規模を中心に十分な支援が必要だろうと考えております。

 次の6ページをお願いいたします。全国清涼飲料工業会としてのHACCP普及の取り組みについて御説明させていただきます。

 まず初めに、HACCP、いわゆるマル総、総合衛生管理製造過程の講習会としまして、清涼飲料の6団体共催での講習会を年2回実施しております。主に対象としているのは、先ほどの大手の会員もしくは大規模な組合会員というところになります。マル総の取得、それから維持・管理の要員の教育といったことを内容としておりまして、図で示したような『清涼飲料水のHACCP 衛生管理計画の作成と実践』といった書籍を教科書としまして3日間程度の講習を行っております。受講者数としては、年2年、昨年度ですと合計105名の方に受講していただきまして、これまでに累計50回実施して4,600名程度受講していただいているといったような状況です。

 次の7ページは、コンプライアンス・衛生講習会というもう一つの講習会を開いております。こちらは、先ほどの中規模・小規模の清涼飲料水製造者182社をほぼ対象とした講習会でございます。内容としましては、法令解説や一般的衛生管理といったところの話をしております。その時々に応じたトピックが中心になってまいります。昨年度は食品表示基準が大きく変わっておりますので、この部分の法令解説が中心となっております。主に使用しているテキストとしましては、こちらも図で示しております『清涼飲料水工場の一般的衛生管理ガイドブック』というのを全清飲のほうで作成しておりますので、こちらを中心に実施しております。期間につきましては、中小のところですと、要員等いろいろな事情がございますので、余り長い期間をとることができないということで、ほぼ半日の期間を中心に実施しております。全国10カ所に分けて実施しておりまして、昨年度は72社・174名の方に受講していただいているということになります。

 もしこのHACCPの制度化みたいなものを進めていくということになると、中小規模の清涼飲料業者さんに対する講習会あたり、テキストの改訂とかきめ細かいフォロー、あと0.5日で済むのかとかいったようなあたりのところについてしっかりとフォローしていかなければならないなと考えております。

 それでは、8ページをお願いいたします。輸出についてのお問い合わせですが、「清涼飲料水 輸出量・額と割合」という形で表に示してございます。これも、2000年から5年置きと2010年からの毎年のデータです。割合としてはそれほど高いものではございませんが、輸出量としては9万キロリットル、全生産量に対して0.45%ぐらいの割合です。額としましては219億円、全体の額からしますと割合として0.6%弱といったレベルになっております。グラフにしますと何となく右肩上がりのような形もします。全体の量、清涼飲料水ということでかなり重量が重いということで、輸出に非常に向いた商品というものではないのですが、数量的には少しずつ右肩上がりで上がっているといった状況でございます。

 以上、全体の清涼飲料業界の流れと、HACCPを業界としてどのように推進しているかという御説明をさせていただきました。

 最後に、HACCP制度に対する意見・要望につきましては以下のようになります。

 1番目のほうについては、既に取り組まれているものかなと思いますので、簡単に。規格の連動です。ほかの規格と一緒に整理のほうをよろしくお願いしますということを書いてございます。

 特に4です。「『総合衛生管理製造過程』との関連性整理」といったところはぜひお願いしたいかなと思います。

 最後、10ページをお願いいたします。「HACCPの制度化に対する意見・要望」ということで、これは大きく2つに分かれます。制度維持の効率化というのが非常に大きな課題かなと認識しております。

 大手につきましては、FSSC等の既存規格を既に取得しておりますので、もしHACCPを制度化したとしても、さらに追加の作業がふえることについてはなるべく最小化していただきたいなと考えております。

 一方で、中小につきましては、まずは現状がありますので、実施可能なHACCPの制度にしていただきたい。それから、意欲のある事業者にとってステップアップの道筋となるような制度であることが望ましいなと考えております。

 実はここには書き切れなかったところで、中規模・小規模の企業の方からの意見もたくさんありました。過去の経緯もあるのですが、「HACCP」とか「義務化」とか「期限」という用語に対して根強い苦手意識があるというのが実際かなと思っております。それから、乳業のところでもございましたが、中規模・小規模の事業者として、もし制度化してもメリットが感じられないな、何なのだろうといったことの説明が必要なのかなと思います。そして、力量とか要員不足から、文書・記録類の作成や保存に対する不安といったものが漏れ聞こえてまいっております。

 あと、現実的に、今回もし制度化するとなると、実施可能なレベルというのをお願いしたいところなのですが、どのぐらいのレベルになるかというのが示されない中ではちょっと意見が言いづらいなといったところもあります。「実施可能な」と言ったところで、現行の営業許可に求められているレベルぐらいをHACCPと称してしまうとなると、今度はHACCPに対する信頼感もなくなってしまうのではないかという大手の意見もありまして、ここら辺のところについては具体的なレベル感が示されてからまた相談、お願いをしていきたいなと考えております。

 以上でございます。

○五十君座長 ありがとうございました。

 最後に、要望のところを端的にまとめていただいておりますので、それに関して、あるいは今の御発表に関しまして、御質問、御意見等がございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 では、簡単にお願いします。

○河野委員 ありがとうございました。

 課題がどこにあるのかということと、いわゆる業界の中では大手の方が占めている割合を考えると、かなりカバーされているということがよくわかりました。調査をした結果、24社からしか回答がなく、そのうちの11社は前向きに回答をくださったというところの中小の事業者さんへの取り組みなのですが、今、最後に、お金も人手もかかるのだと。先ほどの乳業協会の皆さんと同じような課題を抱えている、そのことに対する不安だとか不信感というのがあってなかなか先に進めないとおっしゃっていましたが、全清飲様のところでは、この中小の方々にとって何が一番ハードルが高いと考えていらっしゃいますか。やはりコストの面でしょうか。それとも施設・設備の改善でしょうか。それとも、専門的な人材というか知識でしょうか。そのあたり、普及といいましょうか、積極的な取り組みを阻んでいるのはどこにあると考えていらっしゃるか教えていただければと思います。

○中嶋技術部長 まず「HACCP」という言葉が持っているものが、実はいろいろ想像しているところがあります。例えばマル総の場合をイメージしているところで言うと、確かに設備のような投資の部分というのはあるかと思います。一方で、今回目指しているコーデックス型のHACCPみたいなところで言うと、どちらかというとソフト面のところなのかなと。あとは、記録とか文書化をどのレベルまでやったらいいのだろうか。要は、具体的なレベルが示されない中ですごく高いところを求められるとちょっとしんどいなといったようなところで、コストというのはまた次のレベルかなと思います。どちらかというと、「HACCP」という言葉が持っている今までのイメージのほうが心理的なハードルがまず1つあるのだと思います。もちろん、その次に力量とか資金面というところはあるかと思いますが、まずは心理的なハードルというのがあるかなと思います。

○五十君座長 それでは、一通り発表を進めてからの質問にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 続きまして、資料5にまいりたいと思います。資料5につきましては、全国水産加工業協同組合連合会の中山代表理事会長から解説をお願いしたいと思います。

○中山代表理事会長 全水加工連の中山と言います。私の業界は、加工業といっても多種多様で、練り製品からいろいろな業種がございます。それをみんなまとめた形の中で私の組合で感じたことをまず先に述べさせていただきます。

 私ども、震災以降、全国をずっと回っているのですけれども、正直言って、水産加工というのは、後ほど資料のほうは説明しますが、4分の3が20人以下の工場です。その中で、ここ30年、40年ぐらい前からは、新規の加工をやりたいよというような業者もありません。ですから、減るだけという形になっています。ただ、今、生き残っている方は、ほとんどの方が50年、80年、100年という歴史の中で頑張ってやっています。先ほど来お話があった「義務化」というのが新聞で踊りまして、その辺で皆さんから問い合わせがございます。正直言って、義務化と言わずに廃業しなさいよと言っているのと同じではないかという意見もございます。

 実際に、3人、4人の企業というのは、ほとんどが地域の小さな漁港の周りに付随して、開きをつくったり、佃煮をつくったり、一応魚ですので鮮度を維持しなくてはならない。30年、40年、50年の歴史の中で自分たちの技術を持ってやっていますので、皆さんこだわってつくっています。ですから、今までそういうのを各県にある保健所がほとんどカバーをして、1年に1度か2度立ち入りがあって、その中で、皆さん、自分のこだわりの中で保健所の指導を受けながらやっている。私、実際には、50年、60年、4つも5つも組合を見ていますけれども、今まで食中毒があったよという経験は私自身はありません。ただ、正直、異物混入とかというのは最近出てきた。自分がそれを出せば自分の商売がだめになるよというのも皆さん頭の中に入れてやっていますので、全国で1年にほんの数件ぐらいしか出てこないというのが現状です。

 小さい、小さい加工屋さんが4分の3。これからの自分の進み方というのは、地方へ行っても皆さん心配しています。日本の人口がどんどん減っている中で、今の加工屋を全部維持できるわけないだろうと。皆さん、それを頭の中に入れた中で、海外へ出ていかなくてはしようがないよね、自分の息子を継がせるのだったら、やはり海外へ出ていかなければしようがないよねという方は、このHACCPというのが頭の中へ入っている。ですから、小さくても、アンケートをとると、HACCPというのが頭に入っている。ただ、輸出するとか、海外へ持っていくというのは全然ない、うちはもうその地域で生きていくのだという方は、HACCP対応の格好でやりなさいよと言っても、それについてこられないというのが現状です。

 どちらにしても、3人、4人の工場のところにお金をかけろよというのもなかなか難しいし、何十年来やってきた自分の技術の中で、おたくの場合ここのところが汚いよと言っても、いや、ここがこうなっているからうちの製品ができるのだ、こういう工場でやっているからこういう製品ができるのだと。古い考えかもしれないけれども、こだわりを持ってつくっている方が多いものですから、大手量販店とたくさんの商売をやっていきたいという方は、何も言わなくても、EUHACCPにするのか、アメリカのほうのHACCPにするのか、そちらへどんどん自分らでやっていく。ただ、その落ちこぼれというのか、今、全国で8,000社ぐらいの水産加工業者の中で、4分の3が20人以下というような工場、またそういう経営体なものですから、ぜひその規模というものをしっかり頭に入れた中で今後進むなら進んでいただきたい。先ほど言ったように、そうでなかったら、あなたたち廃業しなさいよと最初から言えよというところまで言われているものですから、ぜひその辺も頭に入れた中で今後進んでいただきたいなと思います。

 内容のほうは、うちのほうから説明します。

○五十君座長 よろしくお願いします。

○全国水産加工業協同組合連合会相馬部長 資料の説明を事務局から説明させていただきます。

 資料5です。1ページ目ですけれども、Iは水産加工業の業界の説明になっております。水産加工業は、国内外の魚海藻類を原料として、食品・飼料・肥料・油脂等を生産する産業です。水産加工品は、先ほど会長からもお話があったように多種多様でして、原料も多種に及びます。かまぼこなどの練り製品、素干し品、塩蔵品、塩干品、薫製品、節製品、調味加工品等、多種多様です。地方の伝統食品から、最近ではコンビニなどでよく見ますレンジアップ商品まで本当に多種多様につくっております。今、企業数で8,000と会長からありましたけれども、生産されるアイテム数でいくと数十万アイテムになります。

 それから、2ページ目です。水産食料品製造では、事業所数・従業者数、製造品出荷額において、食料品製造全体の中でパン・菓子製造に次いで多い産業となっております。食料品製造業の中で、海に囲まれた水産資源の多い我が国では重要な産業に位置づけられております。

 それから、3ページ目です。こちらも水産加工業についてですが、水産食料品製造業の構成で、かまぼこなどの水産練り製品の製造、海藻加工業、塩干・塩蔵品製造業が多くなっております。また、そのほかの水産食料品製造業では、先ほども出ていました節類、かつお節とかの節加工、佃煮加工、漬け魚等の加工品製造業があります。

 水産加工業の経営体の従業員規模は、こちらに出ておりますが、3人以下という経営体が26.9%と一番多く、次いで4〜9人、それから1019人となっております。先ほど会長からあったように、19人以下が全体の4分の3を占めるということになっております。4分の3が中小・零細企業ということになります。

 水産加工業ですが、中小・零細規模で経営基盤が脆弱な経営体が大半を占めています。特に小規模階層の水産加工場を中心に、先ほどあったように減少傾向が続いております。ここ10年ぐらいで大分減りまして、1万数千社あったところが25年度で8,500社まで減っております。

 それから、4ページ目が水産加工業における食品安全管理上の重要点。こちらについては、ほかの食品製造業者と同じと思いますが、水産食料品製造業において食品衛生上最も重要な点は食中毒・異物混入が挙げられます。製造工程上の管理において、原料管理、一般衛生管理、異物混入確認管理が重要であると考えております。その中で、水産加工業界が抱える現状の課題として、人手不足、機械化のおくれ、それと経験則の優先です。伝統的職員が多い、古い経営体が多いというところから、経験則を優先している。それと記録管理の徹底不足ということが挙げられます。

 続きまして、5ページ目「HACCPの取組状況について」です。食品製造業全体でいきますと、売り上げ規模が大きいほどHACCPの導入率は高くなっていると思われます。従業員数が多いほどこちらもHACCPの導入率が高くなっている。それから、売り上げ規模10億円以上と未満、従業員数が20人以上と未満でHACCP導入率が大きく違っているのがこれらの表からわかります。

 続きまして、6ページ目です。この中で水産食品製造業においてのHACCPの取り組み状況ですが、現状HACCP導入を考えていないというところは全体の3分の2を占め、食品製造業全体でいくと比較的多い状況にあります。

 こちらの表では、HACCPの導入状況について水産食料品製造というところで20%が導入済み。

 アンケートの回答数が少ないので、全体8,000社でいくと実態は導入の割合はもっと少ないです。水産白書から、対米、対EUHACCP取得工場は大体400社ということになっておりますので5%程度というのが実態になっていると思われます。

 続きまして、7ページ目、当業界においてのHACCP普及や輸出の取り組み。こちらは、傘下組合での衛生講習会の開催とか、海外での日本産水産加工品の普及セミナーを本会等で開催しております。海外での商談会、出展の補助、補助事業の開催案内等も本会から案内しているという状況です。

 続きまして、8ページ目は先ほど会長からお話があった意見と要望となっております。

 以上です。

○五十君座長 ありがとうございました。

 水産関係は零細が大変多いということで多種多様であるということの御発言だったと思います。8ページに問題点等をまとめていただいておりますが、御意見等ございますでしょうか。

 特に水産食品固有のご発言がないようでしたから、ひとまず発表を続けさせていただきたいと思います。

 中山代表、ありがとうございました。

 それでは、資料6に移ります。資料6の公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会の土橋技術部長より御説明願いたいと思います。お願いします。

○土橋技術部長 日本缶詰びん詰レトルト食品協会の土橋でございます。よろしくお願いします。

 資料6に基づきまして、時間もあれなのでざっと御説明させていただきます。

 まず最初に、缶詰業界の一般的状況でございます。そちらに書いてある数字は、私どもが生産統計をとる際にお願いをしている企業さんの数と工場さんの数です。これが全国全部ではないですけれども、大体これで網羅しているとお考えください。缶詰のほうが約200社で230工場、レトルト食品は135社で158工場という状況でございます。こちらは、パートさんも含めて常時雇用している従業員数を300名で割っていまして、企業数ベースでいくと、300名以上の大企業は15%、中小企業は85%となっております。実は生産数量のベースでいきますと、大企業が自社で生産しているのが約10%、大半の90%は中小企業が製造しているという業界内構造です。

 特にレトルト食品は自社工場を中心に委託工場を併用しているケースがほとんどなのですが、缶詰、瓶詰に関しましては、いわゆるブランドと呼ばれる販売をする業者さんと委託を主に受けている製造業者さんの完全な分離構造になっていまして、今、自社工場ではほとんどつくらず、全ての商品が委託工場でつくられているという状況になっています。

 もともと缶詰、瓶詰の場合は、古くは国内の原料をそこの産地からとりまして、産地の近くに製造工場を置いて、それを缶詰にして全国に長期保存をかけるというのがもともとの食品の形態ですので、結局、水産にせよ、農産にせよ、原材料である農産物とか水産物の収穫地の近くに工場がたくさんありまして、販売業者は東京ですとか大阪の大都市に本社を構えるということです。例えば同じ1つの果物の缶詰でも、複数のブランドが同一の工場に商品を委託しているというケースもございます。逆に言うと、単一の工場でしか国内の製品を製造していないような品目もありますので、そういう意味ではちょっと特殊かなとは考えています。

 業界ですけれども、私どもは約280社の製造会員さんがいます。私どもの組織率は企業数ベースで85%程度、生産量ベースで92%ぐらいになっておりまして、私どもの会員でない企業さんが大体40社程度で、全生産量の8%ぐらいを占めているという状況ではございます。

 次に「食品安全上の管理の中で優先度の高い課題」ということになるのですが、缶詰、瓶詰、レトルト食品の場合は、基本的に常温で長期間、平均で3年程度もたせるということがございまして、最大の問題になるのは微生物学的安全性ということで、特に対象微生物がボツリヌス菌という形になります。こちらのボツリヌス菌の制御が重要な課題になっておりまして、科学的根拠に基づいた加熱殺菌条件の設定と運用、それと確実な密封とその保持、流通中における維持といったものが重要な課題になっているということでございます。

 もともとこちらのほうは、致死率の高いボツリヌス菌を従来から相手にしていることもございまして、私どもの業界は、古くから、そういう意味では対微生物に関してはHACCP的な管理方法を従来から導入しているということでやっている業界ではございます。

 おめくりいただきまして、「HACCPの取り組み状況」となっております。業界内におきましては、大企業につきましては既にほとんどの企業で導入が完了している。総合衛生管理製造過程が始まる前後ぐらい、国内でHACCPの機運が高まってきた平成5年、6年ぐらいから大企業のほうは順次準備を始めていきまして、それから数年の間に導入が全部完了しています。中小企業につきましても、そのころから順次導入の検討・準備・作業を始めていきまして、現在でほぼ半数以上の企業が導入済み、もしくは一部導入という状況でございます。いずれにせよ、まだ導入途上ですとか、そういったものがあります。

 どこをもってHACCPの導入済みかというところが恐らく非常に問題になるところでして、現在、缶詰、レトルト食品につきましては、総合衛生管理製造過程の承認の対象品目となっておりまして、総合衛生管理製造過程のかなり高度なレベルまででないとHACCPと呼びませんよということになると、恐らく一部導入というのが中小企業の大半だと思われます。

 先ほどお話ししましたとおり、対微生物、ボツリヌス菌ということになりますと、昭和30年代、40年代から業界を挙げてこういったものの研究を推進しています。管理につきましても厳重な管理を行って、商業ベースで缶詰、レトルトでボツリヌス菌の中毒が起きているということは国内ではほとんどございません。近いものですと、例えば昭和58年に起きました辛子レンコンのボツリヌス事件、平成12年に起きましたハヤシライスの具におけるボツリヌス菌の事件、つい最近ですと、あずきばっとうにおけるボツリヌス菌の事故があるのですけれども、いずれも要冷蔵食品ですとか、常温での100度以下で加熱殺菌するような食品のものでありまして、私どもの業界で行われているいわゆるレトルト殺菌、120度4分の加熱殺菌を義務づけられるような食品群の中ではボツリヌス菌の事故はほとんど起こっていないという状況です。それだけを考えていきますと、恐らく、業界内においてHACCPにおける管理型の手法はある程度確立しているのでしょうということは言えると思います。

 次に、業界団体として実施しているHACCPの取り組み状況です。講習会につきましては、総合衛生管理製造過程の承認品目になりました平成10年から38回行いまして、約1,600人が受講を完了しております。こちらは、総合衛生管理製造過程で規定されています相当知識程度を有する者の講習会に該当するということで、おおむね3日程度の講習を義務づけているものでございます。技術書につきましても同じころに業界内で作成しまして、計画マニュアルと一般衛生管理プログラムマニュアルの作成を行っています。あとは、支援法に基づきまして27年度までに13工場が認定済みということです。

 次に、輸出に取り組む状況です。缶詰、瓶詰、レトルト食品は実は輸出はほとんどございません。数字的には全生産量の2.5%という数字は出るのですけれども、そのほとんどは中東向けの水産缶詰、主にサウジアラビアですとかそういったところにおけるサバですとかイワシの缶詰といった特殊用途と、あとはODAに基づく海外援助物資が大半を占めております。そのほかには、果実缶詰とか調理食というものはありますけれども、いわゆるタクワン貿易といいますか、日本食の一部缶詰化における輸出という程度のもので、数字としては微々たるものです。

 こちらも、国際競争力からいきますと、日本からいわゆる一般的な缶詰を輸出するということは、為替の関係もあってちょっと難しいのではないかということで考えています。

 最後に、制度化に関する意見ということです。先般からお話ししていますとおり、HACCPというものに対して、このHACCPをどこをもってゴールにするのか、どこをもってそのHACCPが完了した、導入ができているのだと考えるのかというところについて、先ほど全清飲の方もおっしゃっていましたが、ここら辺のものを少し明示していただきたい。

 もう一つあるのは、総合衛生管理製造過程の場合には、ある一定の要件を満たしたことによって承認ということで任意法だったということもあるのですけれども、今度の場合は義務化をされていきますので、その場合に、ある程度不完全なもの、完全ではないようなHACCPについても導入がある程度進んでいるという肯定的な評価をいただいて、特に中小企業、いわゆる設備ですとか、そういうハード面の立ちおくれ。あとは、資金的な余裕も余りないところもありますので、そういったものに対しても息の長い形で御指導をしていただきたいということがあります。

 もう一つは、これは私どもからのお願いなのですけれども、実際に監視・指導に当たられる自治体の方、保健所の方です。こういった方々は、少ない監視員の方で多くのいろいろな業界を御指導いただきますので難しい面はあるのですが、業界それぞれの固有の事情に合った形での御指導をお願いしたい。食品業共通ということになると、どうしてもハード面に偏る指導が出てくるのですけれども、そうではなくて、いわゆるハードに頼らずソフトな面、それから、その食品の固有の技術ですとか問題点といったものに対して的確に指示ができたり、指導できるような人材を、保健所ですとか自治体、行政のほうでよりたくさん養成していただいて、業界の御指導に当たっていただければ幸いだと考えております。

 缶詰協会からは以上でございます。

○五十君座長 どうもありがとうございました。

 こちらは比較的完了しているというようなイメージを感じたのですが、御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、土橋部長、どうもありがとうございました。

 以上で、それぞれの業界からそれぞれの業界の特色、現状を含めて管理状況等の説明があったかと思います。これまで御説明いただいた業界団体の状況の全体を通しまして御質問とか確認、あるいは質問する時間を持てなかった業界もございましたので、そういった業界に対する御意見あるいは御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○土谷委員 乳のところで質問させていただきたいのですが、現状のところで、輸出品の大半は大手・中堅乳業による製品という御説明をいただいたのですけれども、そちらのところは何かマル総とは別のものを取らないと輸出できないとか、そんなことはないですか。普通に輸出されるのですか。

○藤原常務理事 お答えさせていただきます。

 輸出についてはHACCPの関係は特に関係ないと思います。

○土谷委員 わかりました。

○五十君座長 よろしいでしょうか。

 ほかに。

 どうぞ。

○河野委員 先ほど御説明いただきました全国水産加工業協同組合連合会様にお尋ねしたいと思います。

 なかなか厳しい業界内の現状というのはよくわかりました。それで、HACCP普及や輸出の取り組みについてのところで、海外での普及セミナーを開催されていて、ここに掲載されています写真ですと、参加者が大勢いらっしゃるような感じなのですけれども、そういったこれまでの伝統的な手法でつくられてきた地域の特産品を海外に普及していこうというところに関心を持たれている事業者さんに対する手応えといいましょうか、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。

○中山代表理事会長 正直言いまして、組合を挙げて、今、国のほうへも要請して海外へも予算をつけていただいて、先ほど言ったように、このままいくと、日本の食料品製造業は小さくならざるを得ないよと。人口が減っていて食料だけふやしても余るのはわかっていることだから、もう海外へ行きましょうよと。ただ、先ほど言ったように、3人でやっている工場に、1人一緒に向こうへ行きましょうよと。あなたの商品を、これはこうだからおいしいのよ、やりなさいよと言っても、なかなか出てこられない。ですから、組合の職員が行って、いろいろなものを聞いて、それから食品を持って行っています。正直言って、先ほど言ったように、このまま行ったらうちの仕事はなくなるよねという危機感を皆さん持っているものですから。アンケートをすると、何としても海外へ行きたいのだという気持ちはあっても、なかなかそれについて来られないというのが現状です。

○五十君座長 ほかにありますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、今日御発表いただきました業界の方々、お忙しい中どうもありがとうございました。本日の各団体からの御説明、御意見につきましては事務局とともに整理させていただきたいと思います。

 そのほか、事務局から何かございますでしょうか。

○道野課長 済みません。今後の進め方の件です。

 次回以降も継続的に関係業界の方々からいろいろ御意見、現状等を承るという予定になっているわけですけれども、恐らく、今日出たようないろいろな課題が今後も出てくると思います。私ども、先生方と御相談しながら、こういった課題にどのように対処していくのかということについて並行して整理をさせていただきたいと考えています。

 1つは、今後、食品衛生法で求めていくHACCPの内容をどうするのか。今日も御指摘ありましたけれども、総合衛生管理製造過程との関係をどうするのかということであるとか、民間認証であるFSSCISOとの関係、さらにどういったことをやればHACCPをやっているというふうにみなすのか、判断するのかということの基本的な内容、手続になってくると思います。

 あと、具体的に出ているのは人の問題とお金の問題です。人の問題につきましては、我々が想定しているのは、危害要因の分析であるとか、モニタリングであるとか、記録であるとか、そういったものをどの程度やっていくか。これはコーデックスでもその弾力的な運用が図られるべきだというようなものもありますし、前回御紹介した諸外国の仕組みでも、フィージビリティーを考えてやっているというのは事実でございますので、そういったことも勘案してどういった対応がとれるのかということについて整理をしていきたいと思います。

 あと、お金の問題では特に施設整備との関連がございます。本来、ソフトの基準なのですけれども、企業の場合、こういったHACCP導入とあわせて設備投資のサイクルを合わせていうこともあって、何億円かかったというような声が聞かれることも事実でございます。そういった中で、要はどの程度そういった資金が必要なのか。過去に総合衛生管理製造過程といったものを取得したところの例で、本当にそれがHACCPに必要かどうかも含めて、実情なども関係団体の方にお伺いしながら整理をさせていただきたいと思います。

 ただ、一足飛びに答えが出てくるものでもないと思いますので、基本的な考え方、方向性から整理させていただきたいと思いますので、また御協力をよろしくお願いいたします。

○五十君座長 ありがとうございました。

 一応、今回の御報告を基に事務局で各団体の抱える問題点等々の整理をするということ。それから、実際に本日いろいろ御報告がありましたように、HACCPにもいろいろあるわけでございまして、マル総、それから国際的な認証を受けているようなHACCP、それから一般衛生管理プラスアルファみたいな形で運用されているようなもの、こういったいろいろなものがあると思いますので、その辺のところも今回御報告いただきました業界の特色を事務局で整理した資料を次回提供していただくことになるかと思います。

 それから、今、道野課長からありましたように、それ以外の人の問題とか、金銭的な問題とか、弾力的な運営をどこまでやっていくのかとか、施設の問題などがあるかと思います。その辺の問題点も含めて一度整理をした形で、実際、次回からは議論を始めるというようなことになるかと思います。また、必要によって業界から人を呼んでいただいて議論に係わる情報提供をいただく、そのような方向性でよろしいでしょうか。

○道野課長 次回以降は、まだまだいろいろな業界がありますので、一応スケジュールどおりヒアリングを継続しつつ、ヒアリングだけではなくて、そういった課題について改めてまた議論をいただく時間もとっていきたい。それに必要な資料はこちらのほうで準備をしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○五十君座長 今日はほとんどヒアリングということでしたが、次回からは少し議論も進めていくことになるかと思います。その方針につきまして委員の先生から何か御要望等はありますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、私と事務局のほうで本日の御発言について問題点等をまとめさせていただきまして、また皆さんに提供させていただきたいと思います。

 次回の検討委員会につきまして何か事務局のほうから連絡等はありますでしょうか。

○福島補佐 次回検討会の日程についてはまた別途調整させていただいて御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

○五十君座長 それでは、もしほかに御意見等がございませんようでしたら、今日の検討会はこれにて終了させていただきたいと思います。

 長い時間、御協力ありがとうございました。

 

 


(了)

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