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2013年12月16日 第5回日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会 議事録

健康局がん対策・健康増進課栄養指導室

○日時

平成25年12月16日(月)
10:00〜12:00


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

構成員<五十音順・敬称略>

宇野 薫 (株式会社タニタヘルスケア/ネットサービス推進部 管理栄養士)
江頭 文江 (地域栄養ケアPEACH厚木 代表)
大竹 美登利 (東京学芸大学 理事・副学長)
岡村 智教 (慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学 教授)
佐々木 敏 (東京大学大学院 医学系研究科 教授)
幣 憲一郎 (京都大学医学部附属病院 疾患栄養治療部 副疾患栄養治療部長)
生源寺 眞一 (名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授)
鈴木 一十三 (株式会社ローソン マーケティングステーション 部長)
高田 和子 (独立行政法人 国立健康・栄養研究所 栄養教育研究部 栄養ケア・マネジメント研究室長)
高戸 良之 (シダックス株式会社 総合研究所 課長)
武見 ゆかり (女子栄養大学 食生態学研究室 教授)
田中 啓二 (公益財団法人 東京都医学総合研究所 所長)
田中 延子 (公益財団法人 学校給食研究改善協会 理事)
田村 隆 (つきぢ田村 代表取締役社長)
中村 丁次 (神奈川県立保健福祉大学 学長)
伏木 亨 (京都大学大学院 農学研究科 教授)
藤島 廣二 (東京農業大学 国際食料情報学部 教授)
藤谷 順子 (独立行政法人 国立国際医療研究センター病院 リハビリテーション科 医長)
八幡 則子 (パルシステム生活協同組合連合 事業広報部 商品企画課 主任)
渡邊 智子 (千葉県立保健医療大学 健康科学部 栄養学科 教授)

事務局

佐藤 敏信 (健康局長)
椎葉 茂樹 (がん対策・健康増進課長)
河野 美穂 (栄養指導室長)
芳賀 めぐみ (栄養指導室長補佐)

○議題

1.開会
2.議題
 (1)日本人の長寿を支える「健康な食事」について
    <生産、流通領域>
 (2)その他
3.閉会

○議事

○河野栄養指導室長 それでは、お時間が少し早いですが、先生方にお集まりいただきましたので、ただいまより第5回「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方には御多忙のところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 なお、本日は原田構成員におかれましては御都合により御欠席です。

 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、資料1として、鈴木構成員提供資料「ローソンの取り組み」。スマートキッチンの資料も配付させていただいております。

 資料2としまして、八幡構成員提供資料の「生協パルシステムの取り組み」。

 資料3としまして、生源寺構成員提供資料の「日本の食料生産:動向と課題」。

 資料4としまして、藤島構成員提供資料の「野菜流通の今日的特徴」。また、追加資料として、本日1枚資料を提供いただいております。

 資料5としまして、大竹構成員提供資料の「食料費支出項目から見た食生活の状況」。

 資料6としまして、「日本人の長寿を支える「健康な食事」の概念整理にむけた枠組み(案)」。

 以上でございます。

 なお、先生方のお手元にはこれまでの会議の資料を紙ファイルとして置かせていただいております。

 これ以降の進行につきましては、中村座長にお願いいたします。

 カメラの撮影はここまでとさせていただきます。

○中村座長 本日は、日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方について、生産、流通領域からということで、鈴木構成員、八幡構成員、生源寺構成員、藤島構成員に話題提供をいただきます。お1人15分ずつ御発表いただき、それぞれ御発表の後に質疑の時間をとりますので、御自由に御質問ください。最後に、大竹構成員に家計という観点から簡単に話題提供いただきますので、よろしくお願いしたいと思います。

 今回まではこれまでと同様に構成員の先生方から話題提供いただき、次回の第6回から「健康な食事」の概念整理や基準について先生方から話題提供いただき、論点を踏まえて具体的な議論を行っていく予定になっております。今後本検討会で「健康な食事」の基準を決め、「健康な食事」が広く浸透していくための認証制度の議論につながる話題提供かと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 まず最初に、本日は国民にとって身近で便利なコンビニエンスストアにおいて「健康な食事」という観点から現在どのような取り組みを行い、今後さらなる展開としてどのような取り組みが考えられるのか、「ローソンの取り組み」というテーマで話題提供いただきたいと思います。

 では、鈴木構成員、よろしくお願いいたします。

○鈴木構成員 鈴木です。よろしくお願いいたします。

 まず御紹介させていただきます。後ろに座っている者が、健康商品の開発のプロジェクトリーダーをやっております伊藤と申します。後ほど質問に答えさせていただくこともあると思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、資料に基づきまして御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず1ページです。国民の医療費は2011年度37.8兆円、2020年度予測で46.3兆円と言われており、こちらをいかに下げていくかというところがとても大きなことになっています。私たちは健康寿命を延ばすお手伝いをして、幸せな生涯を送っていただくサポートをしたいということで、予防マーケットに力を入れていきたいと考えています。こちらの健康市場はとても大きくなりますので、ローソンとしてもミールソリューション、セルフメディケーションサポートで幸せな生涯を送っていただくサポートをしていきたいという考えを持っています。

 次のページです、糖尿病の潜在予備軍といたしましては約3,000万人と言われており、人工透析の方々は約30万人以上いると言われております。私どものお客様でもございます。

 3ページです。私たちローソンが40年近く守り抜いてきたキャッチコピーを変更する、健康へ本気で取り組むのだと決意として、「マチのほっとステーション」から「マチの健康ステーション」へ変更しました。

 次のページです。今までは「便利」をとても追求してまいりましたけれども、その次へということで、次世代のコンビニとは何なのだろうということで、社会構造も変化し、お客様の行動も変化し、「健康」を掲げ、暮らしをサポートしていきたいと考えています。

 次のページです。健康へのこれまでの取り組みということでいろいろ上げさせていただいております。

 その次の5ページになります。2001年からナチュラルローソンというものを取り組み、体によりおいしい健康食を既に展開しております。具体的にはベジタブルファーストの推奨とか啓蒙、豆乳を使ったおいしいメニューの提供、良質な油をとるような商品を採用するであるとか、添加物の使用基準を厳しく設定するなどを行っております。

 次のページになります。ミールソリューションとは、健康的であってもおいしくなければ意味がありません。具体的にはミネラル野菜、ブランシリーズ、低カロリーのメニューの提供、日変わり健やか弁当の提供。

 それから、セルフメディケーションサポートですが、調剤薬局の機能や、OTCや、出前健康診断は始めたばかりですが、店舗駐車場に健康診断の車を呼んで検診をしています。右と左の円がありますが、これらをPontaというカードシステムで健康管理をつないでいくというような仕組みを考えております。

 6ページをお願いします。こちらのほうが2013年度取り組んできた内容です。後ろの伊藤が中心となってやっている内容になります、右のほうの1番〜8番までが具体的な施策になります。野菜を食べよう、おいしい低糖質、おいしい低カロリー等8番までのところに対しまして施策を行って、左側にたくさんいらっしゃる予備軍や、いろいろな症状の方々に提供していこうということになっております。

 その下のページは、こちらの検討会のポイントであった目安の部分の表記しております。通常の商品ですと、オリジナル商品であればサーマルシールというこちらのシールが全ての商品に張ってあります。こちらの商品だと、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムという表記をしております。右側に移りまして、ブランという低糖質商品に関しては、炭水化物を糖質と食物繊維に分けて表記することで、わかりやすくお客様に伝えています。本日は参考資料として皆様の前にパンをお配りしておりますので、見ていただければと思います。糖質が3.4グラム、熱量59キロカロリーと、糖質を抑えた形で、皆様から御支持いただいている商品になります。

 7ページです。医薬品になりますが、病気にかかられている方への取り組みで82店舗薬品を販売しており、ICTの活用により電話相談も承っております。

 8ページをお願いいたします。ブランパンの商品ですが、2012年6月から発売しており、主食で低糖質に向けた商品、食物繊維が豊富という商品で、201312月までの段階で類型2,100万個販売させていただいております。こちらはお客様のリピートが高く、下のグラフを載せておりますが、Pontaカード会員のデータによると、ブランパンが100回売れたとして、46回はリピートのお客様という状態で、ファンの方々、おいしいねと言っていただける方、たくさんいらっしゃいます。

 右のほうにお客様の声を書いています。コンビニで低糖質のパンが購入できる、これは革新的だという声や、今後も続けてくださいという、最初は、2012年6月発売したときはかなり苦労しました。私どもはフランチャイズですので、まずはオーナー様にこちらのブランパンを採用していただく、お店に並べていただかなければならないということ、それから、お客様に届けなければいけないので苦労した商品ですが、逆にお客様から支持をいただいた商品です。

 右下のほうになります。こちらは医療関係者の方々からの声です。出産前後の入院患者さんにブランパンを朝食として御提供いただいています。スマートキッチンという宅配の企業を経由して展開しておりまして、先ほど配らせていただきました冊子の19ページに低糖質を特集しており、ロールケーキにブランがありますが、ロールケーキは全体の注文数の約4割がブランのロールケーキという状態です。

10ページをお願いします。野菜で健康にということで、2010年に新鮮で良質な野菜を提供するためにローソンファームを設立いたしました。現在10カ所で展開しております。農業はかなりの高齢化が進んでおりますので、若返るローソンファームということで若い経営者と御一緒に展開させていただています。

2005年にはローソンストアという新鮮な野菜を提供するお店。

 それから、ローソン全体の普通の青いローソンでは野菜の売り場を強化する状態です。1万1,000店中6,000店舗以上で野菜を売っている状況です。

 それから、中嶋農法になります。中嶋農法を御存じの先生方はいらっしゃいますでしょうか。2人の構成員の先生方、ありがとうございます。中嶋農法、エーザイ生科研さんが我々どもの仲間になりまして、土にミネラルがそもそも含まれておりますが、ミネラルバランスを整えた土に戻していこうというような取り組みです。ミネラルは自分で生成ができないので、それが含まれた土で野菜が育つことで、元気な野菜に育つということで取り組んでまいっております。ローソン店頭ではカット野菜など、ローソンファームの野菜などになっております。

 その下です。店内で揚げているフライドフーズにヘルシーオイルを使っていく、低カロリー商品ということでマンナンヒカリを使った商品であるとか、管理栄養士さんが考えました健やか弁当を宅配していく等、先ほどお見せしましたスマートキッチンでいろいろな健康野菜、有機野菜を提供していくというような取り組みをしております。

 今までが商品です。次なのですが、「健康アクションプラン」と呼んで、2012年度から社員の一部、加盟店の一部に導入しております、スマートフォンアプリを使っていろいろな健康管理をしていこうという取り組みです。2014年上期中にはPonta会員向けのサポートサービスを開始していこうという取り組みです。

 その下になりますが、社員であれば健診データで、もしくはアンケート結果をもとに症状をグループに分けましていろいろな管理をしていくというようなものです。

12ページをお願いします。弊社のPONTAカード会員5,700万人、国民の約2人に1人が会員ですが、健康アプリ、ポイント、加盟社をぐるぐる回していくような取り組みを行っていくということです。

 下のほうは、今まではスポーツを見る人であるとかエンターテインメントを見る人へのサービスが多かったけれども、これからは実際スポーツをする方に向けてサービスしていくというような取り組みです。

 右上に移ります。こちらが地方自治体さんとの取り組みになります。尼崎市との取り組みで、先ほど申し上げました出前健診、ローソンの店頭に駐車場に検診車を置き、お客様、ローソンを経営しているオーナーさんに健診を実際に受けていただく取り組みです。

14ページになります。実際進めていくに当たって悩んでいることになります。

 1番ですが、現状の特定保健用食品は必要なことだと思います。また根拠となる資料が必要で、膨大な費用と期間が必要です。事実上、体力のある大企業だけが申請でき、承認されている状況があるのではないかと思います。その後、認定後も大々的な告知活動が必須となります。

 右上です。こちらは表記のお話になっておりますが、こちらにブランパンの広告の一部が載っております。「糖質が気になる方へ」と書いていますが、実際に伝わってほしい方々にメッセージが届きにくいのではないかと感じています。

16ページをお願いします。4つほど提案したいと思っておりますが、新認定制度の必要性で、より多くの方が今後は治療から予防へとシフトしていく中、それぞれの症状に適した商品を提供していくために、トクホを補完するより簡易な保健用食品新制度の実現が検討できるのではないかと考えています。北海道では独自の表示制度がありますが、それとは別の国レベルでの検討をしてはどうかという御提案です。

 次のページです。表示の話ですが、「気になる方へ」等もっと踏み込んだ表現ができるのではないか、それが商品だけではなく我々が提供しているお弁当や、献立やメニュー、社食や給食でという、だんだん大枠で記載しております。

 2番目に、外食メニュー、中食メニュー、通販メニューも同様に検討できるのではないでしょうか。

 それから、我々がやろうとしているアプリの件にも影響しますが、バーコードを読み取ることでカロリー、栄養素の取り込みが可能になるようなことができないか。

 今までいろいろな認定制度が国にもありますが、栄養士、保健師、薬剤師、栄養教諭も含めて、治療から予防の視点、食育の視点、役割の大きな見直しというところも検討できるのではないかという提案です。

 右上に移ります。こちらはロコモティブシンドロームについて。いろいろな特定症状に対してトクホがあるように、ロコモ対策にも制度が要るのではないかという提案です。ロコモチャレンジということで、日本整形外科学会がされているロコモチャレンジのマークを載せさせていただいておりますけれども、国としても大きな目標を掲げて増加しないようにとなっておりますので必要なのではないかという提案となっております。

 その次の下の最後になりますけれども、今後ますますふえていくと思われます宅配弁当、宅配ビジネスに、新制度の整備が必要なのではないかということ。例えば運ぶものの種類、どこまで運んでいいのか、保健所等様々な役所への提出資料の多さ、煩雑さ、期間の長さがありますので、こちらを一本化していただく等、整備が必要なのではないでしょうか。

18ページが最後ですが、「マチの健康ステーション」を目指すべく我々も皆様と一緒に進んでいければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上になります。

○中村座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの鈴木構成員の御発表内容について質疑に移りたいと思います。御質問がありましたら御自由に。

 どうぞ。

○伏木構成員 健康にいいことを目いっぱい取り入れていくという姿勢はいいと思いますけれども、例えば6ページのブランを使用した商品がありますね。右側が取り組みだと思うのですけれども、左側の通常の商品などを見ると、例えば1食当たりの熱量が977キロカロリーで40グラム、これは普通に売られているやつですね。これは多分おいしくて欲しい人は多いと思うのですが、健康は大事だけれども、しかし左側にあるようなものが主力商品かどうかわからぬけれども、売れてしまうという葛藤のようなものはコンビニにはないのでしょうか。

○鈴木構成員 最後におっしゃっていただいたのは。

○伏木構成員 6ページにブランと通常の商品が2つ並んでいますね。ブランのほうは、今、やっておられる積極的な姿勢としていいと思うのですが、左側のほうはいつも売られているものですね。これは1食当たり977キロカロリーで、油が40グラム、それは別に悪いことではないですけれども、健康と言いながら、あるいはもっと日本人の食生活をと言いながら、葛藤はないのかと私は聞きたかったのです。こちらのほうが多分おいしくて売れるだろうと思いますし、がっつり食べたい人はいると思いますが、何か全体としてよくやっているけれどもちぐはぐ感がするのはこういうページにも出てくるのではないかと思って気になったのです。

○鈴木構成員 ありがとうございます。葛藤はないと言ったらうそになります、今までのお客様とこれからのお客様はニーズ等状況が変わってくると思われます。今までは単一的なシーンを想定しておりました。たとえばお昼御飯にはたっぷり食べたいという方々を想定していましたけれども、別のシーンでコンビニを利用しはじめているという認識で、あくまで1人のお客様にこれを食べてこれを食べてと差し引きしているわけではなく、いろいろなお客様のニーズに応えていきたいという考え方ですいただいて。

○中村座長 ありがとうございました。

 ほかにございますか。

○藤島構成員 大変参考になるお話をありがとうございました。幾つかお聞きしたいのですけれども、2つに絞って、1つは5ページ目のところです。ベジタブルファーストというものがありますが、この意味はカット野菜とかお総菜ということでよろしいですか。

○鈴木構成員 それも含みますし、お弁当の中で野菜から食べようということも含みます。

○藤島構成員 お弁当なども含めてということですね。それをつくられるときに原料として生鮮、ホールのものを仕入れられてつくられているのか、それとも加工野菜等を仕入れられてつくられているのかを教えていただきたいのと、もう一つは10ページ目のところのローソンファームなのですけれども、こういう取り組みは私も非常に重要だと思っているのですが、現在面積はどのくらいで、かつお総菜に使われるような野菜あるいは販売される野菜などのうちどのくらいの割合になっているのかを教えていただきたいのです。

○鈴木構成員 ありがとうございます。最初の御質問、丸のままの野菜を仕入れているのかという話だと思いますけれども、工場が全国それぞれあり、丸のまま野菜を仕入れているところやある程度半分等カットしたものを仕入れているところ、さまざまあります。

 それから、ローソンファームに関しまして、具体的な面積数をここに持ち合わせていなくて申しわけございませんが、実際にローソンファームで育てた大根に関しましては全国のローソンのおでんの大根に使わせていただいております、そういう形で、割合としては決してまだまだ多い状態ではないのですが、今後ふやしていく予定になっております。

○伊藤氏 補足させていただきます。ローソンの健康商品開発プロジェクトの伊藤でございます。

 まずベジタブルファーストについて、我々コンビニエンスで今、取り扱っている野菜製品の中でこういう啓蒙活動は今まで行ってこなかったのです。特にナチュラルローソンは世間にデビューしてから10年以上たっております。そういう意味では我がコンビニエンスの中でも都内100店舗で展開していて、非常に健康意識の高いお客様が来られているので、まずそこでベジタブルファーストの啓蒙活動を1年間やってみようということで実施しました。特に普通の青いローソンとの違いは如実で、カップサラダ、普通の即食で食べるサラダの販売構成比が高く、非常に伸長しています。それ以外にスープ系の御飯ですとか、雑炊や雑穀を使っている食事メニューなどにも非常に野菜が使われていまして、大体1食当たりで30%〜40%くらいの比率で調理野菜を使って提供させていただいているのが現況です。

 昨今ではカット野菜といって普通の袋野菜、これはコンビニエンスの代名詞みたいになっていますが、こういった製品もお客様に非常に支持を受けるようになってきていまして、そうであるならばよそ様で通常の慣行品の野菜を提供されているのとは違って、独自に野菜のもともとの生産地からトレースからしっかりとって、ローソンはローソンならではの商品の提供をしたいということで、新たな取り組みとしてファームをつくりました。ファームのほうですが、ローソン全体の売り上げ構成比でまだ大体2%〜3%なのですが、急ピッチでファーム数をふやしていっているのと作付をふやしております。

 まだまだいろいろなものにチャレンジしていまして、稲作も始め、お米も有機のお米の田んぼをつくっていこうとか、そういうことも広げていっていますが、将来的には短期で、向こう5年くらいで約倍、20ファームくらいを目指して、それから、関連の賛同者を集めていくというような活動を行っております。その活動の延長線上に大地を守る会さんやらでぃっしゅぼーやさん、こういった他企業さんとも一緒に連携をとっていこうと、ピッチを上げるために、いろいろな企業さんと合同で目標感を一緒にやっていこうというようなことが我々企業の将来ビジョンとなっております。

 以上です。

○藤島構成員 今の2〜3%は野菜の販売額ではなくて、全体の販売額の中でということでよろしいですか。

○伊藤氏 ローソンが使用する野菜の構成比はまだまだ2〜3%がローソンファームから仕入れて使っている野菜になります。

○藤島構成員 それとローソンファームから入れられる場合もそうですけれども、ホールで入れられる場合の土の問題といいますか、そういった衛生面の問題はどうされていますか。

○伊藤氏 ホールで工場にダイレクトに入れるのではなくて、指定の野菜処理工場を各地域に設定して、独自の社内基準を設けて共同で、近くの工場で一旦洗浄して工場に持っていくということが大半です、またレタスなどは工場洗浄しておりますが、種類によってという形です。

○中村座長 どうぞ。

○岡村構成員 今のブランの食品の表示を見たときに、例えばここだと食物繊維は分離して書きましたというのがあるのですが、ここまでやるのだったらナトリウムを塩分相当量に変えるとか、脂質の中で飽和脂肪だけ分離するくらいをしていただくと、要するに高脂血症と高血圧と糖尿病を3つ視野に置いて一遍にわかるので。学会的には全商品塩分相当表示にしろみたいな働きかけをずっとしているのですが、書いてしまうと小さい会社なんかは義務づけられたら困るみたいなところも恐らくあるのですが、御社でこの辺の商品とかだったらできないことはないだろうなと思うのですけれども、ここはあえてしていない理由が何かあるのか今、検討されているのかとか、その辺の流れを教えていただきたいのです。

○伊藤氏 御回答します。当社の検査システムがあり、1商品を糖質検査するのに大体3万円の予算になっています。これをある程度の食事メニューで1年間の発売商品で換算しますと、数億の検査料が発生することとなり、まだまだ予算的にということ、商品開発のピッチが速いので、検査の受け入れの量も多いため、吟味をしている最中です。まず2013年コンビニ健康ローソン元年ということで糖質から始めたばかりで、おっしゃられるとおりいろいろなものをわかりやすく表示していくというのが将来ビジョンですが、今のところは段階を踏んで少しずつわかりやすく、手段も方法も検討中ということで、他社さんの事例なども参考にさせていただきながら、よりわかりやすいものをつくっていきたいと思っております。

○岡村構成員 例えば食物繊維とかエリスリトールとかデキストリンみたいなものはわざわざここで表記していますね。だから消費者の興味はいろいろなところに行くのですが、それ以前に肝要な塩分であるとか飽和脂肪のほうをきちんとケアしていただきたいなという趣旨です。物珍しいほうに皆さんの興味は行ってしまうのですけれども、より大事なところが飛んでしまうところがあるというのが学者の立場から見た意見というふうにここでお話しさせていただきたいと思います。

○中村座長 ありがとうございます。

 では、武見先生お1人だけ、あとからまた御質問を受けます。ちょっと時間の関係がありますので。

○武見構成員 またブランのところで、資料でいうと8ページですか、とても今、売れているということなのですけれども、この検討会も健康な食品ではなくて「健康な食事」を考えていくということから考えると、例えばこの主食でブランを買った人たちが実際にどんな食べ方をしているのかというのが私などの場合にはすごく興味があるのですけれども、その辺についてのリサーチはどうなのかなというのをお聞きしたいです。例えばここにちょうどブランの実際に使われている写真なのでしょうか、ブラン2個入り120円と出ている。これは飲み物とサラダだけ、これが本当に健康な食事なのかという、もちろん状況にもよるとは思いますけれども、そういうことも含めてこれを買われた方、特に中にはメロンパンとかショコラブランとか、いわゆる菓子に該当するような商品もある。それはそれでいろいろな商品があっていいと思うのですけれども、お聞きしたいことは、これを買われた方がどんな食べ方をしているかというあたりについてどう把握されているか、あるいはそうしたことについてどういうふうな情報提供なり、やっていこうとなさっているかというあたりを伺いたいと思います。

○伊藤氏 ブランを発売しまして、まだまだ開発途上です。もうちょっと正確にお伝えいたしますと、ベーカリー系のブランは全国ローソン1万1,000店で8種類の品ぞろえをしております。これが普通のベーカリーです。それから、我々でいうところの俗称の調理パンと言われている野菜やハム等を一緒に挟んで食べるタイプのサンドイッチ系の商品は2アイテムということで、ブランの食事系のパンに関して10品を標準として展開しております。これらもいろいろ召し上がっていただいているお客様に、我々はいろいろ独自なブログがあり、お客様からかなり毎日お声をいただいています。参加型のブログになっていまして、それがブランの開発担当のほうに全て集計されて、専門に整理する人間がいますので体系的に整理されて、それを読み込みまして次の商品の開発につなげていきます。小売業ならではのそういうネットワークと、先ほど申し上げました5,600万人Ponta会員の個人データがあり、世代別、ターゲット別、時間帯といったものはデータとして分析する。

 それから、食シーンなのですけれども、食シーンは昨今財団を立ち上げまして、食・楽・健康協会を立ち上げまして、お仲間を募りまして、いろいろな業界の方からアイデアをいただいたり、我々もみずから活動し、啓蒙活動と末端での食事シーンのニーズを吸い上げるというような活動もしております。店頭の店員、加盟店のオーナーさんが直接社内とやりとりするメールがございます。これもオンタイムで全国1万1,000店からこういうお客さんの声があったというようなことが全て確認できて聞こえてくるようになっておりますので、これらをうまく使ってブランの担当に関しては今後もお客様の食シーンに合わせた企画、サイズ、内容、味のよしあしの改良みたいなことをやっていきたいと思います。

 以上です。

○中村座長 ありがとうございました。

 まだ御質問があると思うのですが、後半に総合討論の時間を用意していますので、またそのときにお願いいたします。

 続きまして、食品の個人宅配の先駆け的存在であります生協のパルシステムにおいて、商品づくりの特徴から「健康な食事」の何を重視しているのか、具体的な取り組みの状況について、「生協パルシステムの取り組み」というテーマで話題提供をお願いいたしたいと思います。

 では、八幡構成員、よろしくお願いいたします。

○八幡構成員 よろしくお願いいたします。パルシステム連合会の八幡則子と申します。よろしくお願いいたします。

本日の構成員の皆様の中にもパルシステムの組合員の方がいらっしゃるかもしれませんが、パルシステム生活協同組合連合会は現在1都9県で展開しております。栃木県には生協はございませんので、群馬などから配送しています。

パルシステムは創立の当初から産直を事業の柱として掲げ、1990年に個人宅配をスタートさせました。カタログはこのように1週間に1冊組合員さんのところにお届けし、来週の御注文をいただくという形で商品を提供しております。

 グループの事業高は大体2,000億円弱です。組合員さんの世帯数は約130万となっております。

パルシステムの大きな特徴としましては、お店がない無店舗事業ですので、3つのカタログ、媒体を通じて情報を提供しながら商品事業を展開しているということです。一部千葉県などに店舗がありますが、基本的には無店舗事業です。

 組合員さんのライフステージに合わせて選べる『コトコト』というカタログ、それから、『きなり』というカタログ、こちらが大きなメーンのカタログです。『コトコト』というカタログは食べ盛りの小中学生のお子さんがいらっしゃる家庭向けで、毎週約50万部発行しております。『きなり』は大人の暮らしを大事にしたい方、お子さんが大きくなって手が離れた家庭に向けて毎週18万部を発行しています。オプションのカタログとして『yumyum for baby&kids』という赤ちゃんのいる家庭向けに約6万部、これは『コトコト』を活用しながら『yumyum』を活用する、『きなり』を活用しながら『yumyumu』を活用するというふうにプラスして使っていただくということで、インターネットの情報提供とあわせて展開しております。

 それぞれの各媒体の対象となる組合員さんの層についてです。『yumyum』は大体35歳前後がボリューム層になっています。『コトコト』というカタログが最もボリューム層になり平均年齢は44歳くらいです。『きなり』については平均年齢が61歳くらいです。ここ30年〜40年の間で日本の社会構造や食生産のあり方が大きく変化しておりますので、それぞれの組合員さんの世代に寄り添いながら、暮らしの中の、おもに食卓の課題に向き合いながら行動提起しております。

まずパルシステムの商品づくりの基本をご説明します。商品開発する者たちは全てこれを肝に銘じて商品づくりするというふうになっております。1番〜5番までざっとお読みください。この5つの基本に対して、別途組合員さんに向けては、商品づくりはこのように具体的にやっていきますという「7つの約束」を設けています。インターネットやカタログの裏表紙などで定期的に情報提供しておりますが、本日の検討会にかかわりがあるかなというところ、1番〜4番までを順に紹介していきます。

まずはつくり手と顔の見える関係を築いて、信頼から生み出せる商品をお届けしますというものです。産直といっても、いわゆる「産地直送」とはパルシステムは趣が違います。産直協定を産地と締結し、それのみが産直産地、産直商品であるとしております。市場を介さないで農畜産物の直接取引を行っており、産直協定を結ぶためには産直4原則を必ず満たすものとしております。まず誰がつくっているか、産地がどこであるかが明らかであること。栽培方法と出荷方法が明らかで、履歴が全てわかること。環境保全型・資源の循環型の農業を目指しているということ。4つ目はことに重要な点として、生産者と組合員相互の交流ができることです。産直青果では全ての産地ごとに品目別の栽培計画書を提出してもらい、これに基づいて栽培を徹底しています。農薬は事前に決めた回数を散布するとか、使用する薬剤も事前にわかる仕組みになっています。

 また、こういった産地の努力を要求するだけではなく組合員のほうもきちんと確認するという仕組みがあります。組合員みずからが勉強して講習会を受けた上で監査人を務める公開確認会という形で産地に赴いて、帳票類などを全て確認して、いろいろな意見交換をする場を設けております。1999年から開始し、延べ112回開催しています。去年2012年には220名強の組合員さんが参加しております。例えばことし6月は宮城県のJAみどりのさんという産直産地で確認会を実施しました。農薬低減の取り組みの確認や、圃場の視察を行っています。原発事故後の放射能対策についても独自の取り組みが報告されました。 2番目としまして国産の優先があります。食の基盤となる農業を守るためにも国産を優先しようということで、パルシステムが供給している肉は全て国産です。産直産地の比率としては、ごらんのとおり豚が94%、牛肉が94%、鶏肉は100%産直です。大きな農場、小さな農場がありますので、それぞれの産地にいろいろな取り組みがありますけれども、基本的に資源循環型の農業を行っています。例えば糞尿については近隣の農家さんに飼料として提供するなどです。また、抗生物質や薬剤に頼らない畜産を広げております。

 あとは産直原料の加工品を積極的に開発しているところもパルシステムの大きな特徴です。パルシステムは大きな取り組みとして進めておりますので、さまざまな加工品においても産直の原料を活用していくしくみがあります。現在300点余りの商品がありますが、例えば産直産地の卵を使ったプリンがあります。毎日毎日鶏は卵を産むものですが、パルシステムの配送は週5日なのです。ですから、土日の分の卵はどうしても余剰してしまうので、こういった卵も全て活用しようという商品です。ほかにも玉子豆腐やフリーズドライの卵スープにも活用している状況です。あと産直大豆や産直人参を使った加工品なども積極的に開発しています。

 国産というところから話が微妙にそれるかもしれませんけれども、パルシステムの食づくりの考え方を象徴する商品として御紹介したいのが、産直の野菜でつくった白菜漬けです。こちらは産直産地のグリンリーフさんの製品です。モスバーガーさんなどにも野菜を提供されている産地ですが、自社の工場で製造しているお漬物です。もともと工場に添加物を置かないというポリシーを持った工場なのですが、ごらんのとおり原材料は非常にシンプルです。漬物でなかなかここまでシンプルなものを探すのは難しいのですが、こういった取り組みをきちんと組合員さんに理解してもらい、たくさん利用してもらおうということで、情報提供も積極的に行っています。お漬物はどうしても乳酸発酵が進みますので、家庭で自分が漬けたものは味が変わってきたりするものですが、そういうお漬物ですよということをわかってもらうようにパッケージに表示しています。もし古漬けがお好みだったらちょっと時間がたってから召し上がったらどうですかというふうにお好みに合わせて食べてくださいという情報提供を行っています。

 3番目としては環境に配慮した持続できる食生産のあり方を追求しますということで、産地とともに「環境保全型農業推進会議」を設置しています。産直産地は今全国で300くらいありますが、各産地で農薬削減プログラムを実行しています。パルシステムの現在のトップブランドとして一番栽培基準が高いものがコア・フードという独自の基準で栽培された作物です。JASの有機認証を取得した有機農産物あるいはそれに準ずると判断された農産物にで、マークをつけて組合員さんにわかりやすくしています。2012年度の全青果の出荷量の4.2%くらいになっています。その次にエコ・チャレンジという、コア・フードよりももう少しハードルを下げて環境保全型農業をやってもらいましょうという基準があります。これが大体4割くらいになっています。先ほどの農薬削減プログラムに則って優先的に排除してほしい農薬や問題があるのではないかという農薬を使わないで栽培している青果です。

 エコ・チャレンジ栽培への取り組みをまず頑張ってやってもらおうというところがパルシステムの大きな目標になっています。パルシステムの独自の考え方に基づく毒性が強い農薬は排除してもらうこと。回数が少なくても毒性が強い農薬についてはなるべく安全性に配慮して排除してもらおうというものです。次に農薬を使う回数を削減していこうというもの。そして、除草剤とか土壌薫蒸剤を使わないで済むように、なるべく自然を活用した土づくりなどを実践してもらっているというものです。

 こういった農薬や化学肥料の削減量について示した表があります。青果と米それぞれ記載しております。例えば千葉県で秋冬に育てるニンジンの場合、千葉県の慣行基準だと、大体14回〜18回くらいは農薬を使ってもいいとされていますが、パルシステムのコア・フードとエコ・チャレンジ基準以外のマークなしで普通に供給している商品についても基本的に原則4回以内にしてくださいとしています。先ほど申し上げたエコ・チャレンジに関してはゼロ〜2回に、コア・フードに関してはゼロ回としております。お米についても同等です。 4番目の商品づくりの取り組みとしましては、化学調味料不使用で、子供の味覚を育みますということをやっております。添加物基準としては、化学調味料は使用可能としてはおります。介護食品などではなかなか使わないとつくれないものもございますので、今のところ一部介護食品は使用しております。ただ味覚を育むという点では使わないようにしようということでメーカーさんとも取り組みを進めており、基本的に全ての商品で運用上は使用しないことにしております。これはパルシステムのオリジナルPB商品に限らず、ナショナルブランドの商品も、パルシステムで供給する商品に関しては全て化学調味料不使用に変更していただいております。

 さらに日本が誇るべきだしの文化を何より大事にしましょうということで、だし用の商材も全てパッケージを統一して、こういうときにこのだしを使うとおいしいよですとか、だしのとり方をパッケージの裏面で丁寧に表記をするなどしております。

 味噌も産直大豆を使ったものを供給しております。みそ汁にもパルシステムは非常にこだわりを持っています。構成員の伏木先生にも学習会なども行っていただきながらだしとお米のよさを組合員さんに伝えていくという取り組みを行っております。

 8ページ上段からはパルシステムの食育の取り組みになります。パルシステムの基本方針の中で食育が大きな基幹テーマになっています。産直の青果を皆さんに使っていただくこと、プライベートブランド商品を使っていただくこととともに、食育を進めております。先ほど申し上げた商品づくりや産直の取り組み、食育を通じてパルシステムが発信していきたいことは、基本的に食べ物はでこぼこがあったりつくることに手間暇がかかるものであって、それぞれつくり手や、環境や地域があるよということです。組合員さんがそういうふうにつくられた食品をどのように料理しようか、どういうふうに食べていこうかと考えていくチャンスを提供することが役目かなと思っております。

 パルシステムにとっての食育は事業そのものを食育と捉えましょうということです。それから、組合員さんの参加、実践を大事にするということです。食べるだけではなくて、つくる人々、生産する農業や工業やといったつくり手と食べる私たちのつながりを大事にすることをテーマにしております。

 9ページ目の上段からカタログにおける展開例が書いてあります。若いお母さん方にとっては、なれない台所仕事をサポートするためにどういうふうにタマネギを保存したらいいのとか、リンゴを食べるのなら皮の栄養素を逃さず食べようであるとか、そういった情報なども提供しています。単品でお肉やお魚を訴求するのではなくて、極力レシピで提案するようにして、なるべくバランスのいい食事づくりをサポートできるようにしております。

さらに日本型の食を伝えていくことを大事にしています。例えばぬか漬けやだしについてカタログでの提案をしっかりやっていくことで、少しでも組合員さんの助けになればと思っています。季節ごとの行事食についても例えばひな祭りのちらしずしや子供の日のかしわ餅などのように手づくりできるものなどを食材とともに提供したりしています。

 それから、野菜です。やはり組合員さんの大きな悩みとして、子供に野菜が足りていないのではないか、家族に野菜が足りていないのではないかということがあります。1日350グラム目安を活用し、一日一日ではなく1週間分にするとこのくらいの量と見せることで、なるべく買い物と連結したような取り組みを行っております。

 また、赤ちゃんのいる世帯に離乳食でもなるべくお米とだしを上手に使っていこうという情報提供を行っています。

10ページ上段です。カタログとインターネットも活用した手づくり提案ということで、組合員さんの参加や実践を重視しているという例です。今は2014年度の6月の企画を立てているところなのですが、6月は梅のシーズンですので、手づくりの梅干しをはじめとした梅仕事、ラッキョウ、ミョウガや新ショウガのように時季のものを使った手づくり提案を行っております。梅干しは品評会を行いまして、小田原の産地に赴いて生産者と交流を行っています。そのほかにも実践を何より大事にするということではみそづくりも非常に盛り上がる企画で、毎年1月の大寒の時期に合わせてみそづくりをしようという取り組みを行っております。ウエブでもみそフェスといったおもしろいイベントなども展開しながら、組合員さんに参加してもらう取り組みを行っております。来年1月の下旬には電話相談も行いながら組合員さんをサポートする予定です。

11ページ目の上段です。参加型の取り組みの例として、組合員さんの活動も非常に盛んで、各県の生協では組合員による学習会が展開されております。食育を進めていこうという「食育リーダー」さんが積極的に学習会を実施しています。また、パルシステムの商品を勉強してほかの組合員さんによさを伝えるという、パルシステムライフアシスタントという組織をつくり、各地域で活動しています。ほかにも子供から大人までいろいろな食育のきっかけづくりとサポートを行っており、たとえばイワシを丸ごとさばいて使ってみようとか、食育のツールを使いながらお米と一汁二菜でバランスがいい食事を考えるというワークショップや、うどんづくり、親子で野菜たっぷりのランチをつくってみようなどいろいろなイベントを行っています。

 産地に赴いての食育実践も行っておりまして、NPOと一緒にはたけの学校やたんぼの学校を展開している生協もあります。こういうところでは産地に赴いて実際に農業体験することで、食生産のあり方を自分で学ぶことができます。また、パルシステム東京ではお米について学んだ職員が幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校に赴いてお米の出前授業を行っています。バケツを使っての田植えの体験、収穫、もみすりをして食べてみようというところまでいろいろなプログラムを実施しており、ことしは都内で計84校、大体6,000人強を対象に実施中です。これは非常に好評なプログラムです。

12ページ目の上です。こういった取り組みの中でやはりパルシステムは、食べることだけではなくて食べることとつくることをしっかりつないでいきたいということを大事にしています。例えばお米のパッケージにいろいろな地域の田んぼで見られる動物、生き物を描いていますが、新潟県のささかみという地域では、パルシステムとの産直を行ったことで農薬に頼らない農業が実践でき、蛍やメダカなどの生き物がたんぼに帰ってきました。そこで新潟コシヒカリのお米の袋には蛍を描いたりというように、地域に資源循環型・環境保全型の農業が広がることでどういうことが生まれてくるのかをパッケージでもあらわしています。

 産地との交流事業が下段にありますが、大体30年くらい行ってきています。2012年は1万5,000人弱参加していますが、親子連れでさまざまな産地に赴いて生産者とお話しし、土に触れることで、田んぼや、畑が単なる食べ物をつくるところだけではなくて、いろいろな人が生きていてかかわっているのだなということをわかってもらう、知ってもらうというふうな取り組みを行っております。

 駆け足でしたが、こういったパルシステムのいろいろな実践の中で、今回の健康な食の基準が整理されることについて、メリットとしては科学的根拠が明確になることでパルシステムのカタログでの情報提供がしやすくなると考えられます。先ほど申し上げた組合員さん活動、食育講座などでは今まで2005年に制定された食事バランスガイドも活用していましたが、なかなか難しくて定着しづらかったという実態があります。インターネットやカタログの裏表紙などでも食事バランスガイドを活用して組合員さんに情報提供しましたが、根づくのが難しかったのかなというのが実際のところです。ただ、今回の健康な食が整理されることでそういった組合員さん活動もよりやりやすくなるのではないでしょうか。また、商品開発でもこの基準を生かせるかもしれません。今もおかずのセットやお料理キットなどのように実験的に取り組みが始まっている商品もありますが、そういった商品などにもこの基準を生かせる可能性が出てくるかと思っております。

 デメリットというか、今後懸念されるところでいうと、これまで食事バランスガイドであるとか、あるいはいろいろな食育の先生などが活用している食育ツールなどがありまして、そういったところとの整合性が懸念されるというところです。また、子供たちに理解できるというわかりやすさが何より大事だと思っておりますので、そういったところが課題かなと思っております。

 非常に簡単で申しわけなかったのですけれども、パルシステムの取り組みを駆け足でお伝えいたしました。ありがとうございます。

○中村座長 どうもありがとうございます。

 時間がずれているのでお1人だけ御質問を受けて、次の話題提供をしていただきます。お1人誰かいらっしゃいますか。

○幣構成員 京都大学の幣です。

 非常にすばらしい仕組みかなと思って聞かせていただきましたが、どちらかというとローソンさんとは違って、生協さんというと食とか何かに意識の高い人たちが何となく会員さんになられているのかなと思っています。実際お弁当とかの形態はお持ちでなくて、例えば単品の商品であったり、それをどう調理するかということは会員の方がやられる、普通のご家庭への食材提供というイメージが私自身は強かったのですが、今後この会議でもあります「健康な食事」を考えたときに、実際日本型の食事をどう提案していくか、先ほどもエビデンスがこの会で出たらというお話でしたが、みずからの生協の会員さんたちにはどういうふうに加工して、食材だけといったら日本にあるものを提供するだけになってしまうので、どういうふうに展開していこうというお考えがあるのか、少しお聞かせいただきたいのです。

○八幡構成員 今、実験的なのですけれども、千葉県などではお弁当の宅配も行っております。ただ、なかなか健康食というところまで踏み込めておりませんので、逆に糖尿病なのだけれどもどうしたらいいのかなど御意見などをいただいております。今後パルシステムとしてどのように健康な食という概念を伝えていけるかということなのですけれども、パルシステムは食材提供のみならず各カタログの中面にレシピのページや、どういうふうに食べていこうかという情報提供するページを独自に設けております。そういった情報提供のコーナーを使いまして1日のバランスを考えるであるとかは特集ができます。あるいは子供により野菜を食べさせたいとか、バランスがいい食事はどうなのと考えているお母さんに対しては記事の中で提供していくことができます。あとは先ほど申し上げた学習会などの場で子供さんなども一緒に参加してもらいながら健康な食を考えてみようかという情報提供ができるかと思います。年齢層の高い組合員さんに向けたカタログでも情報提供できる大きなコーナーがありますので、「健康な食」の概念が制定されたときにはしっかり情報提供できます。例えば1食のバランスや、1日のバランスなどをわかりやすく写真を使いながら提供していくことはできると思います。

○中村座長 ありがとうございました。

 続きまして、「健康な食事」を支える農業や食料という視点から、「日本の食料生産:動向と課題」というテーマで話題提供をいただきます。

 生源寺構成員、よろしくお願いいたします。

○生源寺構成員 資料3をごらんいただきたいと思います。私はマクロ的といいますか、集計量といいますか、平均値といいますか、こういったやや粗っぽいデータでありますけれども、少し長い期間をとって振り返ってみるようなこと、あるいは食料政策にも今回の議論は関係すると思いますので、多少そういったことにも言及したいと思います。

 おめくりいただきまして、「横ばい状態が続く平成の食料自給率」というタイトルにいたしましたけれども、昭和の時代は随分自給率が下がってきているわけですけれども、真ん中の赤い系列がカロリーベースの自給率ですけれども、その後ここ15年ほどは40%程度で推移しているということでございます。なお、生産額、つまり経済的な価値を物差しにした自給率は比較的高い水準を現在も維持しております。これに対してカロリーあるいは穀物の自給率は相当低いということでございます。御承知のとおりでございます。

 ただ、この自給率の推移は時としてミスリーディングであることも御注意いただきたいと思います。下段ですけれども、これは品目によって随分差がありますけれども、集計しますと昭和の時代の食料生産そのものは伸びていたということであります。特に野菜、果物、畜産物の伸びが非常に著しかったわけであります。自給率は、分母が国内の食料の消費量で、分子がそのうち国内で生産されたものという割り算でありますから、昭和の時代は随分下がっているのですけれども、しかし分子の農業生産はそれなりに伸びているということであります。ということは、食べ方が随分変わったことによって自給率が下がったというふうに推認されるわけで、事実そういう状況でございます。

 右上をごらんいただきますと、細かな数字で恐縮ですけれども、これは55年を起点にとっております。高度成長が始まった年でありますけれども、その後の半世紀ちょっとの間の変化であります。驚異的と言っていい変化かと思います。肉類8倍、9倍、乳製品7倍、8倍、油脂5倍ということであります。米は逆に半分というような変化が生じているということでございます。したがって、これは世代によりますけれども、かなり大きな変化を経験してきた世代と、今の若い世代になりますと、これをごらんいただきますと90年以降はかなり安定化してきている面がありまして、安定化のフェーズに入って食生活を経験している世代がいわばこの国の中には混在しているという言い方もできるかと思います。

 なお、今、申し上げましたけれども、品目によって違いますけれども、90年代、肉類あるいは乳製品、魚介類、油脂、砂糖、全体として1人当たりのパーキャピタの消費量は減ってきております。横ばいないし減少であります。2008年でしょうか、恐らく人口減少元年という形になるかと思いますけれども、人口も減ってきております。したがって、分母の食料の消費量はむしろ若干縮小ぎみであります。であるとすれば、農業生産あるいは水産業のアウトプットが横ばいであれば自給率はむしろ上がっていいはずであります。ただ、実際には横ばいであることを先ほど確認したわけでありますけれども、ということは、農業生産あるいは漁獲高が食料の消費の減り方とほぼ同じ程度に減ってきているということであります。ですから、農業生産あるいは水産業という観点からいいますと、平成の時代のほうがやや深刻な状況が生まれているという言い方もできるかと思います。このことをまとめたのが3ページの下の部分であります。むしろ平成の時代のほうが食料の国内調達という意味ではやや深刻な状況が生まれているということであります。2ページの下段のほうに総合の農業生産指数が低下してきているということを示しておりますので、これで御確認できるかと思います。

 めくっていただきまして、この大きな変化と並行して、これももう周知のことでありますけれども、地域間の平準化が非常に進行したというのも、戦後の、あるいは食料の消費量の大きな変化の時期の特徴だったかと思います。これはいわゆる変異係数、ここでは平準化係数と表現しておりますけれども、要はばらつきがどの程度変化したかということで、昭和38年と平成7年について示したものであります。西日本中心に食されていたものが全国で食べられるようになったとか、そういうようなことであります。

 右上は牛肉と納豆。納豆は東日本、西日本はほとんど食べないということでありましたけれども、今ではそうではなくなっているというようなこと、それから、牛肉は関西、近畿が圧倒的に多かったのがかつての食生活のパターンでありましたけれども、これも牛肉の消費量が全体としてふえると同時に地域間の差も小さくなってきているということであります。

 今、自給率について多少どういう推移であったことを申し上げましたので、自給率の目標について少し触れておきたいと思います。実は現在自給率の目標を政府として掲げることが法律で決められております。2000年以降5年ごとに基本計画をつくっておりますけれども、そこで10年後の目標を掲げることになっております。現在はカロリーベースの自給率と金額ベースといいますか、生産額ベースの自給率の2つの総合の自給率の目標を掲げることになっております。

 ただ、この自給率の目標を掲げることにつきまして随分議論がございました。私も多少参加した一人でございますけれども、6ページの上段をごらんいただきたいと思います。最初、余り本質的ではありませんけれども、自給率の目標が錦の御旗となって農業政策そのものが合理性を欠くことになってしまうのではないかというようなこと、もう一つはかなり本質的な話でありまして、ここでの議論とはある意味では逆という言い方ができるかと思いますけれども、国民の食生活のあり方について政府、お上が積極的に関与すること自体がいいかどうかという議論、これは15年ほど前の議論と御理解いただきたいと思います。もう一つはかなり本質的な話でありますけれども、分母の大きさに依存して左右される自給率よりも、特に食料の安全保障というような観点からいうと、絶対的な供給力の水準をやはり問題にすべきではないかという指摘等もございました。

 ただ、こういう議論があったわけですけれども、結果的に自給率の目標を掲げることになりました。下に書いておきました。私は実は経済学がベースですので、比較的個人の自由を尊重するという習慣のもとで仕事をしてきておりますけれども、私自身この自給率の目標を設定した経緯につきましては、経済学的な観点が譲歩して、栄養学あるいは公衆衛生学の観点をしっかり取り入れたと理解しております。ここに少し書いておりますので後ほどごらんいただければと思います。要は食事は個人の問題で、個人で全て責任をとるべきだというような議論もあるわけですけれども、実際には医療保険等のシステムのもとでいわばお互いがお互いを支えているような状況でありますから、非常におかしな食事に関しては何らかの働きかけをするのはむしろ当然だろうという方向になったということです。

 ちょっと気になりますのは自給率の目標であります。これは当然10年後にどういう食べ方をしているかを想定して計算するわけであります。2000年、2005年、2010年とこれまで3回自給率の目標を設定しております。1回目、2回目、2000年、2005年につきましてはかなり品目別の消費量の趨勢ですとか品目別の生産量について詳細に検討しています。特に2回目は「健康日本21」にも言及しておりますし、その時点ではまだ名前は決まっていなかったと思いますけれども、食事バランスガイドにも言及しております。そういう意味では厚労省関係あるいは文科省関係との連携も非常にはっきりしていましたけれども、2010年の基本計画は政権交代後半年の段階でできたこともかなり影響していると思いますけれども、非常に小さな扱いであります。ほとんど検証作業抜きにとあえて申し上げますけれども、自給率の目標を前の45%から50%に引き上げたという経緯がございます。

 7ページの下は自給力、自給率の関係であります。後でお読みいただければと思います。

 8ページの上も自給率と自給力ということであります。フードセキュリティーという観点からいいますと、やはり絶対的な供給力に注目することが必要であって、潜在的な供給力という点で、これは最近では5年に1度農林水産省が試算しておりますけれども、カロリーの供給力を最大化するような農業生産を行った場合のパーキャピタの供給量は大体2,000キロカロリーを少し上回る程度ということであります。したがって、ぎりぎりのカロリー供給力がこの国に潜在的にあるという状況であります。ある意味では危険水域に近いという言い方もできるかと思います。

 下のグラフは20年ほどの穀物の市場の価格の変動の様子であります。最近はかなりボラティリティーが高いというとスマートな言い方になりますけれども、変動の幅が大きくなってきております。これは穀物でありますけれども、牛乳・乳製品などの品目についてもほぼ同じような状況があらわれております。需給の全体の構造がタイトになると同時に、年々の振れが非常に激しくなるようなことがあります。

 その次に、食料、食材の供給ということで、農業について少しお話をいたします。ここに「一律に論じられない」と書きましたけれども、もうこの一言に尽きるかと思います。施設園芸、これはガラスハウスとかビニールハウスなどで行う野菜づくり、あるいは畜産、酪農、養豚、養鶏等あるいは肉牛、これはそれほど土地を使わずに非常に大量の資材なり労力を投入して行う農業ですけれども、ここはかなり生産性の高い農業が実現しておりますし、あるいは若い人、働き盛りもある程度確保されている。問題は土地利用型農業、特に水田農業であります。高齢化が非常に顕著ですし、戦後規模拡大がほとんど進んでいないとも申し上げられるわけであります。地域的にも北海道のように土地利用型農業であってもEUの中心国に比肩し得る規模を実現している地域もございます。

 先ほど金額ベースの自給率が比較的高くて、カロリーベースが低いと申し上げましたけれども、これは実は日本の農業の割と強い部門と残念ながら縮小してきた部門を反映しているという言い方ができるかと思います。9ページの下でございます。その要因について少し触れておきましたのでごらんいただければと思います。

10ページであります。これは比較的統計データが古くからとれるということで、酪農と稲作について一律でないよということの象徴という意味でお示しいたしました。稲作はこの50年間で倍の規模です。100アール、1ヘクタールです。100メートル掛ける100メートルですから都会の人間にとっては非常に広いように感じられるかもしれませんけれども、これは戦後の農地改革、つまり今よりも実質所得が10分の1以下の、日本が途上国あるいは復興の段階にあった時期の面積にほぼ相当します。それではとても食べていくだけの土地利用型農業は難しいということであります。一方、酪農は30倍であります。それから、土地利用型農業の場合も、都府県では2倍弱ですけれども、北海道では6倍というようなことであります。

 問題なのは後継者が不在の小規模な兼業稲作であります。経済的にはそれほど困窮しているわけではありません。むしろ専業農家のほうが所得額を見ると、1人当たりの所得などを見ると苦しい状況が、その種の統計をとることができた時期に確認されていることであります。

 振り返りという意味で、食の供給といいますか、あるいは調達に関して非常に大きく変わった点を指摘しておきたいと思います。それはまさに食品産業の存在感が増したということであります。11ページの上でありますけれども、これは2005年ですが、74兆円の飲食費の最終支出です。この年のGDP500兆ちょっとですので、15%くらいが食費に投入されているということであります。ただ、その内訳ですけれども、生鮮品、これは肉とか米なども含んででありますけれども、2割以下であります。加工が5割以上、外食がほぼ3割という状況であります。これは年々加工、外食がふえてきてこういう状況になっているということであります。

 その下は今のことの別表現にも少しなるわけですが、食の外部化率という言い方をしておりますけれども、外食といわゆる中食、調理済みの食品の購入の部分が年を追ってふえてきているということであります。当初外食が増加し、その後が中食という言い方をしていますけれども、調理済みの食品の購入量がふえて、現在では外部化率が45%程度ということであります。

12ページですけれども、上段のデータは2010年の抽出率にほかの年次と違うようなこともあって、厳密にいうと多少接続しないところがございますけれども、後で差しかえたいと思います。再集計を私自身しておりますので、ちょっとデータには御注意いただきたいのですけれども、要は農業・水産業の就業人口が非常に急速に減りましたけれども、一方、食品産業の従業者は大変なテンポでふえた。70年代、80年代、90年代食品産業の従事者が10年で100万人というスピードでふえております。結果的に1,000万人程度の方が食にかかわる産業で仕事をされているわけで、大ざっぱにいいますと6人に1人ということです。特に農業・水産業と食品産業は地方に比較的密度高く立地する産業であります。ですから、今後の日本の社会の安定した運行という意味でも、就業機会、雇用機会という意味で食の産業の持つ意味は大きいだろうと思います。

 自給率が下がってきたということは、逆に言いますと外国への依存度が高まっているわけであります。それから、食材の生産に携わる農業・水産業と食卓の間に加工あるいは外食あるいは流通、こういった食品の産業が介在することで、ある意味では距離が拡大していることがあるわけであります。輸送距離が拡大しておりますし、産業の連鎖といいますか、連関という意味での距離も拡大しているわけであります。これが豊かな食生活を支えていることは間違いないわけであります。ただ、同時に、供給する側と食べる側が一番典型でありますけれども、情報のギャップも拡大している。これは情報の保有量もそうでありますけれども、そしゃく力という意味でも非常に大きな違いが出てきているということがあります。言うまでもなく供給側に優位性があるということであります。

13ページでありますけれども、こういう中で先ほどのパルシステムの産直のお話がありました。ある意味ではここと重なるところもあるのですけれども、農業経営の側から見ると、農業の川下にある食品産業のビジネスの要素を取り込むことで経営の厚みを増すといいますか、当然土地の面積を拡大するという意味での規模拡大も課題ではありますけれども、同時に食品産業の要素を取り込むという意味での動きも随分盛んになってきております。これはフードチェーンの川下に農業あるいはものによっては水産業がウイング、活動領域を延ばすということでありまして、消費者に接近し、消費者とのつながりを深めることになるわけです。また、私見では、やはり農業経営者の判断力やコスト力を鍛える非常にいい機会になっているという言い方もできるかと思います。逆に言いますと、非常に甘い考えで加工とかレストランなんかに取り組むととんでもないやけどをすることもあるかと思います。

 最後になりますけれども、やや感覚的な表現で恐縮ですけれども、日本の農業・食品産業はやはり高品質の製品を生み出す伝統の力にあったかと思います。ただ、今後は恐らく安全・安心にかかわる属性あるいは栄養性・機能性に関する属性、消費者が食料・食品に求める情報の範囲は非常に拡大するだろうと思います。むしろ情報のギャップが拡大したことで、いささか逆説的ではありますけれども、情報に対するニーズも強まっている。恐らく今後は製品の品質に加えて、先ほど環境保全型の農業の話がございました。生産工程の問題あるいは供給プロセス、これはトレーサビリティーがあるかどうかということも含めてでありますけれども、この品質も問われることになるのではないか。ここを消費者に的確に伝える情報技術の巧拙も農業経営の成果を大きく左右することになるのではないか。これはマーケティングあるいは経済学の用語でありますけれども、食品は経験財の典型、つまり1回消費体験があれば、そのものが自分に適したものであるかどうかはわかるというカテゴリーになっていたわけですけれども、信用財、食べただけでは本当に向いているか、あるいは自分が欲しているものかどうかがわからないような性格をかなり帯び始めているだろうと思っております。この辺を逆にいわば強みにつなげるような形で生かすことも必要かなと思っております。

 以上でございます。

○中村座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの生源寺構成員の御発表に関して御質問がありましたらお願いします。

 どうぞ。

○伏木構成員 1つだけ。今、食料自給率の水準と供給力の水準の話をされましたが、大変重要な問題だと思うのですが、食料自給率のほうは供給力に比べて消費者の嗜好性が入っていると思うのです。供給力は農家がどのくらいつくれるかという問題でしょうし、自給率は食べたいと思うかどうかという問題が入ってくると思う。私は食料自給率に消費者の嗜好性が組み込まれているほうが納得できるのです。つまり例えばお米でも、幾らでもつくれても、それが食べられなかったら結局つくれない、つくられないということになってしまうので、この2つは無関係でもないという感じがするのです。

○生源寺構成員 全くそのとおりかと思います。自給率の低下が食べ方の変化によって特に昭和の時代に引き起こされたと申し上げましたけれども、自給率の高いお米の消費量が半分になったことによって、米が自給率に貢献できる部分が小さくなったということがあります。それから、畜産物については生産額の自給率とカロリーでは少し計算の方法が違うのですけれども、実は肉とか卵とか乳製品につきましては畜産物の自給率そのものだけではなくて、えさの自給率を考慮しているということがあるのです。そうしますと、変な話ですけれども、卵はほぼ100%国産なのですけれども、えさはほぼ9割輸入ですから、つくればつくるほど自給率が下がってしまうわけです。こういったものの消費が伸びたことも当然のことながら自給率を下げる方向に、生産額のほうはその効果がそれほどありませんので比較的高いところにいるということかと思います。

○中村座長 では、佐々木先生。

○佐々木構成員 先ほどの自給率のお話の続きで1つ教えていただきたいのですけれども、自給率は非常に我が国において重要な問題だと私も思います。そのときにカロリーベースというのは栄養学的に考えるとエネルギーを供給するという生きる根本で意味がある。生産額ベースは経済的な見方である。この検討会における「健康な食事」を考えるときに、何かそういう新しい健康な食事ベース自給率という、なぜかというと、健康なのだけれども経済的に価格が安いというか、そういうものがここに乗ってこないし、むしろ私たちが健康だと薦めたいものの多くはエネルギーの少ない食品であったりする。そうすると、このカロリーベース自給率と生産額ベース自給率はどうもこの検討会には全く合わないとは申しませんが、ややしっくりこないものがある。そうすると、ここで何か新たな健康ベース自給率構想というようなもの、そういう糸口はあり得るのかどうかひとつ伺いたいのです。

○生源寺構成員 これはあり得ると思います。要するに食材に含まれているカロリーを物差しに集計したものがカロリーベースの自給率です。食材の経済的な価値を物差しにしたものが自給率。したがって、例えば繊維とか、あるいは特定の栄養素に関する自給率を計算することは理論的には可能なはずです。さて、今、具体的にアイデアと言われますと困りますけれども、そこは検討の余地は私はあると思います。技術的には可能だと思います。

○中村座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。あとお1人だけ。

 どうぞ。

○藤谷構成員 私たちが食事に払っていると思っているもの自体は一体農業にどれだけ行っているのかと同様に低下してきているのですね。

○生源寺構成員 きょうお示ししませんでしたけれども、実は産業連関表というものを使って農林水産省のほうで多少試算をしています。先ほど2005年のこの国の飲食費の支出が74兆円と申し上げました。この試算自体、私は詳しい計算の手続について承知しているわけではないのですが、74兆円のうち国内の農業・水産業に帰属したパーセンテージはたしか14.5%です。つまり15%くらいということです。外国の農業にも行くものがありますから、それを含めても2割を切っていたと思います。ですから、大ざっぱな言い方をしますと、実は食材の素材を生産しているところで形成されている価値が2割くらい、その後の加工・流通・外食で形成される付加価値のほうが圧倒的に多いという状況です。これは先ほどの従業員の就業者の数で見ても、今、3対8とかそのくらいの状況ですから、そういう観点からいっても価値形成という意味では実は食材の部分はそんなに大きい状況ではございません。

○藤谷構成員 その8割の流通とか加工とかの部分の国有率というか、それはどのくらいなのでしょうか。

○生源寺構成員 加工したものを輸入されているものがありますので、それは加工のプロセスも外国で行われているということはあります。ですけれども、11ページの上にございますけれども、これは非常に圧縮、単純化していますのであれですけれども、ここに真ん中のカラムの真ん中よりさらに下に「1次加工品の輸入」とか「最終製品の輸入」というものがございます。このあたりから大体推測することができるかと思います。輸入の場合は加工されたもので相当な金額のものが入ってきているという感覚ではないと思います。74兆円の中でここに出ているのが数兆円とかいう状況ですので。

○中村座長 ありがとうございました。

 では、引き続きまして「健康な食事」の要素として野菜はとても重要になるのですが、本日はその成分的価値ではなくて、流通の観点からその現状について「野菜流通の今日的特徴」というテーマで話題提供いただきたいと思います。

 藤島構成員、よろしくお願いいたします。

○藤島構成員 それでは、野菜流通の特徴ということでお話しさせていただきます。

 野菜流通の特徴は2枚目の上段にありますように、ここでは主に5つ挙げました。5つに限られるわけではありませんが、この5つぐらいのところが主要なものだと考えております。

 その第1番目の特徴といたしましては、年間を通して供給が安定化してきているということでございます。それを示しているのが図1−1、最初の図でございます。これは野菜全体で見たものですが、1970年、75年と比べて2010年、2012年には供給が安定化してきている、周年化してきていることがおわかりいただけると思います。

 これをさらに品目別に見るとなお明白でございまして、次の図1−2のホウレンソウ、図1−3のブロッコリーですが、これを見ていただくと、非常に周年的に供給されてきている、安定化してきているというのがおわかりいただけるかと思います。

 では、なぜこういった安定化といいますか、周年化が進んできたのかということでございますけれども、これについては次の図1−4のホウレンソウを見ていただくと、まず1つは、かつて1975年当時と2012年とで比べますと、同じような地域からの出荷ではあるのですけれども、非常に出荷が周年化してきている、供給が安定化しているということがおわかりいただけるかと思います。このことは言うまでもなく産地での栽培技術が進歩したから、特に施設栽培が普及してきたからということであろうと思います。要するに同じ産地で周年的に供給、出荷できるようになったということでございます。

 2つ目といたしまして、これはブロッコリーを例として挙げておりますけれども、やはり集荷先産地が拡大してきたということが言えます。そこにありますように、ブロッコリーは東京都中央卸売市場の場合、かつては関東が中心だったのですけれども、今や夏場になりますと北海道あたりが中心になりますし、周年的に輸入物も入ってきているということでございます。どうしてこういうことが起きたのかというと、当然ではありますけれども、道路網が整備された、特に国内の場合、高速道路が整備されたのが大きいでしょう。それとコールドチェーン化だろうと思います。コールドチェーン化ということではどういうことがあるかというと、各産地に予冷施設が非常に普及してきたこと、冷蔵車が一般的に使われるようになった、あるいは輸入物についてはリーファーコンテナが使われるようになったことです。このリーファーコンテナは庫内の温度をプラスマイナス25度でもって調節できるコンテナでございますので、生鮮品あるいは冷凍品などの輸入も非常にしやすくなったということでございます。

 次の6ページ目の上段は今、申し上げたことをまとめたものでございますけれども、特にそこで「ただし」と書いたところについてお話ししておきますと、このような形で確かに1年間を通してそれぞれの季節ごとに大体同じような量のものを食べることが可能になってきていると言えるだろうと思うのですが、これは例えば辻村先生がホウレンソウのビタミンCの含有量が時期によって全然違いますと指摘されているように、同じ産地のホウレンソウでも違うのですから、ブロッコリーのように産地が違えば、当然成分要素の含有量は違うであろうということで、同じ量を食べられるようになったから栄養成分も同じとはならないというところには留意する必要があると思っております。

 2つ目の特徴でございますけれども、先ほどのブロッコリーでも見ていただきましたように、輸入がふえてきているということでございます。輸入がいつごろからふえてきているのかというのが図2−1のところでございます。ここを見ていただきますとおわかりいただけますように、大体1980年代中ごろから顕著に増えています。これは野菜に限らず、肉類だとか水産物だとか、そういったものも同じように増えています。以前から輸入が多いということになると小麦とか大豆が多かったのですけれども、1980年代中ごろからさまざまな食品の輸入が大幅にふえたということです。それは先ほど申し上げた輸送手段、リーファーコンテナの普及も一因ですが、それと同時に円高が進んだことが挙げられます。1985年9月のプラザ合意以降の円高です。それから、野菜の場合はもう一つ重要な要因として、1988年あたりから国内生産力が低下し始めるということがございます。その低下によって特に生鮮野菜の輸入がふえたと言えます。

 その結果として、自給率、ここでは重量ベースの自給率ですが、図2−2で見ていただくように、1980年代半ば以降、より大幅に低下しています。

 この輸入の場合、そういった自給率の低下なども重要なのですが、より注目しなければならないのは加工品の増加ということです。図2−3のところでは製品形態別の輸入量の変化を示しております。その中で生鮮野菜の輸入量が大きくふえていることも間違いないのですが、冷凍野菜を中心とした加工品がかなり大きく伸びていることも読み取っていただけると思います。ただ、ここでの冷凍野菜は芋類を含んでいます。この冷凍野菜のうちの3分の1くらいは芋類、ポテトになっております。

 加工野菜と生鮮野菜の輸入量がどうであったのかというのを、次の図2−4では加工野菜を生鮮数量に換算した上で見ています。これを見ていただくとおわかりいただけますように、生鮮野菜の輸入量は100万トン前後ぐらいのところで最近は推移しておりますけれども、加工野菜は生鮮数量に換算すると300万トン前後になっているということでございます。

 その加工野菜の輸入量の増加をもとにして、現在の流通量の中で加工品の割合はどのくらいなのだろうかというのを見ているのがその下の図2−5です。これを見ていただくとわかりますように、日本では輸入の増加などによって加工品の割合がかなり高まってきています。現在ですと大体25%前後くらいになっております。ただ、この場合実は芋類は除いております。芋類を入れますと、御存じのように芋類は冷凍状態でもって輸入されてくるものがほとんどなものですから、そしてそれが製品数量で30万トンを超えておりますので、芋類を入れますと加工品の割合が30%を超えていることはまず間違いないと見ております。

 次の9ページ目の上段は今、申し上げたようなことをまとめたものですが、またここのところでやはり注意しておかなければならないのは、加工品が日本の場合非常にふえてきている、しかも加工品の栄養成分は生鮮品とは違うだろうということでございます。

 ついでまでに申し上げておきますと、お手元に追加資料をお配りしているのですが、この追加資料でアメリカと日本の比較ということで消費量がどう変わったのかというのが上段にありますけれども、この上段の図はよく見かける図かと思います。粗食量ベースでございますけれども、今ではアメリカのほうが消費量が多いですよ、供給量が多いですよということがここからおわかりいただけるかと思うのですが、非常に興味深いのはその下の図でございます。アメリカで消費量が伸びるときに、実はアメリカの加工品の比率は低下しているということです。ただ、低下しているとはいいましても、アメリカの加工品の比率は現在でも40%前後になっていますから、日本よりはずっと高いことは高いのですけれども、しかし加工品の比率が低下しているのはある意味では興味深いところかなと思っております。

 そういった加工品、生鮮品と野菜の場合はいろいろございますけれども、3つ目の特徴としてはその用途でございます。用途が加工用あるいは業務用といいますか、そういった比率が非常にふえていますよということでございます。現在どのくらいなのかということを大まかに見ているのが9ページ目の図3−1でございます。これは国産物と輸入物と合わせて見ているのですけれども、そこのところで真ん中の「加工業者」「業務用需要者」というところを見ていただきたいのですが、ここの「加工業者」「業務用需要者」が使っている野菜の数量として大まかなところ輸入物は大体300万トンくらいございます。ということは、この年生鮮換算で輸入物が400万トン近くございましたので、大体輸入物の8割が加工業者向けあるいは業務用需要者向けということになります。一方、国産のものはどのくらい使われているのかといいますと、国産のものは大体600万トンくらい使われております。ですから、輸入物よりもずっと多く、倍近くあるわけでございますけれども、しかし国内産の生産量に比較しますと、大体4割程度というような状況です。いずれにしましても現在では、その段の一番下を見ていただきますとおわかりいただけますように、最終消費者の段階ですと、生鮮と加工とが大体半々ないしは加工品のほうがより多くなるような状況になっていると言えます。

 そのことを農林水産政策研究所が推計しているわけでございますけれども、農林水産政策研究所の推計によりますと、加工向けあるいは業務向けの割合が2010年には56%になっているということでございます。

 そうした加工向け、業務向けが増加してきているものですから、図3−3を見ていただくと、中食向けといいますか、お総菜等の支出はこれまでかなり増加してきておりますけれども、生鮮向けはふえていないことがおわかりいただけるかと思います。

 なお、生鮮向けのひし形が2005年と2010年を比べて若干上昇しているのですけれども、これはどういう要因かというと、明確ではないのですけれども、多分カット野菜などのようなものがふえてきていること。この家計調査年報ではカット野菜も生鮮ものとして入れているというお話なものですから、カット野菜がふえてきているということと、それと野菜価格が2009年ごろから若干上昇傾向にありますので、その影響を受けているのだろうと思います。

 ですから、次の図3−4を見ていただくとおわかりいただけますように、1人当たりの購入量ということで見ますと、野菜は2003年くらいからここのところほとんど増加していません。いや、ちょっと増加しているのではないかとも見られるところがあるのですが、少なくとも先ほどの2005年と2010年で比べていただきますと増加していないと言えます。

 いずれにせよこういう形で生鮮品の購入量が減ってきて加工品がふえてきているのはどうしてなのかというと、これまたいろいろな理由があろうかと思うのですが、やはり1つ大きな理由としては高齢化が影響しているだろうと思われます。と申しますのは、図3−5で見ていただくとおわかりいただけるのですが、高齢者の中食利用頻度は意外と高いのです。若い人たちもないわけではもちろんないのですが、高齢者が結構高い。また、高齢化が進めば女性の方の有業率も増加してきますから、そうなりますと調理時間が少なくなるということで、中食などを利用される割合も高まるでしょうし、個食といった形でいろいろなものを食べることにもなりますと、メーンのものは御自分でつくられても、それ以外のものは中食を購入されることもふえてくるだろうと思います。

12枚目のところはそういったようなことをまとめたところです。

 4つ目の特徴といたしましては、加工品比率はふえてきているのですが、実は消費量は減っていますよということでございます。では、消費量はいつごろから減っているのだろうかというのを見てみますと、野菜の場合、1人当たりで見ますと、もう既に1970年前後あたりから減少傾向になっています。これはもちろん芋類は除いております。人口の横ばい、減少の影響もありますが、いずれにせよ40年ほど前から減少傾向です。

 では、どうしてなのだろうかということですが、図4−2を見て下さい。よく言われますようにお米はかなり以前から減少傾向なのですが、ほかの多くのものは減少傾向あるいは横ばい傾向に入るのが1990年代後半以降になっています。これに対し、野菜(図の野菜・I)の場合は既に1970年前後から減少傾向でした。それはどうしてなのかというと、これもはっきりしたことではないのですけれども、やはり野菜はお米と一緒に食べられることが多かったからだろうと。例えば漬物でありますとか煮物でありますとか、自宅で作っておかずとして食べることが多かったから、それだけお米の減少と似たような形で減少してきたのかなと。ついでまでに申し上げておきますと、野菜をIIIに分けているのですが、野菜・Iのほうは芋類を含まず、野菜・IIのほうは芋類ときのこ類を含んでいます。芋類ときのこ類を含む野菜・IIのほうは、少なくとも1990年くらいまでは減少傾向にはなっていません。その後ほかの食料品と同じように減少傾向になりますが、芋類などを含むと減少傾向の開始がかなり遅れるということです。このことは、いも類ときのこ類を除く野菜の場合、御飯との絡みが強かったことを示唆していると思います。

 そのことをさらに裏づけるものとして図4−3を見ていただきますと、家庭での生鮮需要量が大きく減っています。業務加工用の需要量も最近は減ってはいるのですけれども、家庭用のものが大きく減っていることから、生鮮で購入してご飯のおかずとして調理することが大幅に減少したと考えられます。

 そういった形で消費量が全体として減ってきておりますので、流通量も減っていますよというのが図4−4でございます。

 また、それと並んで生鮮品を主に扱っている卸売市場の取扱量も減っていますよというのが図4−5でございます。

 金額的にも減っているというのが図4−6になります。

15ページの下の段はそういったことをまとめたものですが、ただここのところで注意しなければならないことは、消費量が減ってきているということは、供給量が減ってきているから消費量が減ってきているということではないだろうということです。つまり消費量そのものが減少傾向にあるのだと。なぜそのようなことが言えるのかというと、それは5つ目の特徴との関連で申し上げられるだろうと思っています。

 その5つ目の特徴といたしましては、これは食料品全般についてのことなのですけれども、どちらかというと過剰傾向が比較的強まっており、その結果として価格が低位に収れんしてきているということです。では、どうして過剰傾向などということが言えるのかといいますと、図5−1からそれが言えると思います。図5−1は余り厳密なものではないのですけれども、そこのところで摂取熱量と供給熱量を描いてございますが、この両者の格差が開くということは当然過剰化が進んでいることになります。格差の部分といいますか、違い(差)の部分を摂取熱量で割ったものを実は私は超過率と言っているのですけれども、この超過率は1990年前後、つまりバブル経済のころ、飽食だとかよく言われた時期でさえ、30%を超えることはなかったのですが、90年代後半以降になりますと、常に30%を超えていて、過剰傾向がかなり進んできているなと考えられます。

 そういった結果として図5−2のレタスでございますけれども、レタスの価格変化に見るように、高いときの価格がどんどん下がってきていて安いときの価格に収れんするような動きが見てとれます。ごく最近は若干上がったりもしているのですけれども、いずれにしても低位収れん化傾向が読み取れます。

 あるいはネギの場合、キロ当たり350円を超える月についてX軸を太くしていますが、その太い軸が少なくなるような形で平均単価の低下、低位への収れん化が見られます。

 そういったようなことを最後の17ページの下のところでまとめてありますけれども、こういう過剰傾向あるいは価格の低位収れん化は今後どうなるかというと、今後も続く可能性は多分にあると考えております。もちろん供給量が少なくなったときには価格が上昇することはあり得るわけですが、全般的な動向としてはそうではないだろうと。それは特に高齢化社会という中ではそうならざるを得ないであろうと考えています。

 長くなって申しわけございませんが、以上で終わります。

○中村座長 ありがとうございました。

 御質問はありますか。

 どうぞ。

○武見構成員 ありがとうございました。野菜ジュースのことについて伺いたいのですけれども、10ページのところに伸長状況で加工品(飲料)も結構伸びている状況があるのですけれども、実際野菜ジュースはかなりいろいろな品目もふえている、それは健康に配慮する人たちが気にしていてそういう飲料をとっていることもあると思うのですけれども、野菜消費全体における野菜ジュースの位置づけとか、あるいは影響、野菜ジュースがたくさん品目がふえたとか、その辺を教えてください。

○藤島構成員 野菜ジュースにつきましては輸入物がこれまた多いのですけれども、もちろん国産もありますが、7ページ目の図2−3を見ていただきますと、その他の加工野菜というので伸びているのがおわかりいただけるかと思いますが、その他の加工野菜のところに野菜ジュースが入っております。これはどのくらいなのかということは、申しわけないのですけれども、今は数字を思い出せません。なお、ジュースについては野菜と果実のジュースといいますか、果汁がすごく多いです。果汁の場合はそれこそ製品数量で輸入だけで三十数万トンあるのです。三十数万トンということは、実は生産数量に換算すると果汁の場合8倍くらいするものですから、240万トンくらいになるのです。全体の果実の消費量がせいぜい日本国内で900万トンくらいのものですから、3分の1近く、すごく量は多いです。野菜はそこまでもちろんいっていないのですけれども、野菜もふえていると見ていただいて間違いないと思います。

○中村座長 ありがとうございました。

 本日は生産・流通領域から話題を提供いただいたわけですが、特に世帯単位での経済的要因のかかわりについては重要ですので、最後に家計という視点から大竹構成員から簡潔に話題提供をいただきたいと思います。

 大竹構成員、よろしくお願いいたします。

○大竹構成員 大竹です。

 食料費支出項目から少しデータ提供というふうに言われましたけれども、単に支出の金額だけではなくて、実は家庭生活全体の中で例えばそれを受け取った側がどのように自分で加工したりして食べているかとか、誰と食べているかというような、家族とか家庭の中でどのように消費されているかということがわかるようなデータを提供させていただきます。

 まず一番上にあります棒グラフですけれども、これは今までもいろいろ出てきておりますけれども、家計の中で外食とか中食と言われる調理食品がどういう世帯に多いかということですが、これまでもありましたように単身世帯が外食・調理済み食品が非常に多いというところです。夫婦のみの世帯や核家族世帯、拡大家族世帯は、こうした世帯のどういう人たちと住んでいるかによっては余り大きく影響しない、すなわち単身世帯がついつい外食とか中食に頼ってしまい、自分だけが食べるものをなかなかつくるのは面倒くさいというところで、そこにこれまでいろいろ話された健康上の問題があるのかなと思います。

 そうした単独世帯で年齢構成別にどうかというのが右のほうなのですが、実は年齢構成別では若い人たちの単独世帯が非常に外食とか調理済み食品に依存している。特に30歳未満では食材費として購入している金額が男性では11%にすぎない。非常にたくさんのものをほとんど外食で日常的に賄っている。だからきょういろいろローソンとか生協とかで提供されている状況をお話しくださいましたけれども、まさにそこがどういう食品あるいは調理済みの加工品を提供するかによって、この若い人たちの、特に単身の人たちの健康が左右されていると思います。しかし、高齢者につきましてはこの比率が非常に減る。それと、男性と女性で分けますと、やはり女性のほうが外食や調理済み食品に依存している率が低くなってきているところがあります。そうすると男性の問題であるとかいうことにもなっていくかと思います。

 そこでこの2つについては支出のレベルなのですが、真ん中に書いてありますのが、実は家事労働の時間のレベルです。買ってきたものをどれだけ自分で調理して食べているかというところに多少影響があるかなと思いまして、時間量をここで出してきました。青で棒グラフが描かれているのが家事時間で、もちろんこの中には調理だけではなくて洗濯とか掃除が入っておりますので、調理にどれだけかけるかということではありませんが、その半分以上が大体調理にかけているということですが、それでも非常に分数は少ないというところです。1日にほんの数分しか特に単身世帯の若い人たちはかけていないことがわかります。女性はそれでも一定程度の調理をする時間がかけられているところですので、そういう意味では外食に頼りながらも、女性の場合にはそれプラスアルファで一定程度自分で加工しながら、調理しながら食べていることになります。

 それから、右側のほうが2人以上の世帯です。この場合には誰がつくるかというあたりでは、夫と妻というところでごらんになっていただけるとわかりますように、ほとんどは妻が家事をする、夫はほとんどしないという形で世帯の食生活が成り立っています。

 その右側は小学生、中学生、高校生、大学生のそれぞれの時間量を出しておりますけれども、子供たちにあっては男であろうと女であろうとほとんど家事をしないということで、2人以上の世帯ではほとんど妻の家事時間に頼って自分たちの食生活が成り立っていることになります。

 そういう意味では一定程度2人以上の世帯ですと中心となる主婦が支えながら食生活が営まれているとは言えますけれども、それを一体どういう形で誰と食べているかというのが一番下の表です。これは全国の調査ではなくて、私がある東京都の郊外の市で調査したものですので、非常に人数が少ないので必ずしもこれが全体的傾向とは言えないかもしれませんけれども、ここで見てとれるのは、1つは核家族世帯、左側が男性、右側が女性です、核家族世帯あるいは拡大家族世帯であろうとも、家族と全員で食べているとは限らない。その中の何人か、何割かは1人で食べているという方が多くなっています。それは男性、女性に限らずということです。

 これがまさに今、言われている個食ということですけれども、そうすると主婦が準備したものを1人で食べている場合に、誰がというところがここではたくさんの表をお見せすることができないので見せておりませんけれども、1人はもちろん自分自身がつくったものを家族が食べた後ちょこちょこと自分が食べているという人もいますけれども、実は拡大家族の中に特に女性が1人で食べていることが見えてきました。というのは、家族とは別に自分で自分の食事を、もちろん家族のつくったものも食べますけれども、それだけではないところで自分で賄っているというところが見えてきます。そうすると、先ほど藤島構成員が高齢者のほうで中食等の消費量がふえてきているとおっしゃっておりましたが、金額としては1つはそんなにふえていないということは、それでほとんど賄うということにはなっていなくて、その一部を賄っているであろうということと、買うとしても非常に安価なものを買っているであろうということと、そういうものも含めて割と拡大家族で家族と暮らしている高齢者であっても、実際食べている栄養的なバランスがどういうふうになっているのかは世帯全体で捉えるだけではなくて、個々にどのようになっているのかを見ていく必要があるだろうし、特に高齢者にあっては家事時間もそれほど多くないという中でその辺のバランスがどうなのかということが気になりましたというところです。

 非常に簡単ですけれども、以上です。

○中村座長 ありがとうございました。

 これから総合的に議論していただきたいところなのですが、あと1分しか予定時間が残されておりませんので、次回に回したいと思います。不手際でございまして大変申しわけありません。本日の議論はこれで終わりにしたいと思うのですが、最後に事務局から今後の進め方とスケジュールについてお願いいたします。

○河野栄養指導室長 本日話題提供いただきました要点につきましては資料6の枠組み案にお示ししております。これまでの御意見を踏まえ、さらに論点を整理しまして次回以降の検討会で「健康な食事」の概念や基準についての具体的な議論に入っていきます。

 次回は1月20日月曜日10時〜12時の予定となっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上です。

○中村座長 ありがとうございました。

 では、本日はこれで閉会といたします。


(了)

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